世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

ブダペストのコンサートホールで聞いたハンガリー舞曲や狂詩曲は響きが違って聞こえました(ハンガリー)

2018-02-11 08:00:00 | 世界遺産
 ポーランド出身でフランスなどで活躍したショパン、チェコ出身でアメリカでも活躍したドボルザークと外国で活躍した音楽家の話が続きました。かつての東欧圏のハンガリーは、優れた指揮者を輩出したことで有名で、ヨーロッパやアメリカで活躍しました。特に一時期のアメリカの一流オーケストラは、ハンガリーの指揮者ばかりだったことがあります。オーマンディー/フィラデルフィア、ライナー/シカゴ、セル/クリーブラント、ショルティー/シカゴ、ドラティー/ミネアポリスなどなど。ヨーロッパではリヒターやフリッチャイそれにケルテスなどが居ます。ハンガリーの音楽教育システムが優れていて、その成果の表れと言われています。筆者は、ブダペスト滞在中に、これらの著名な指揮者ではありませんが、地元のドナウ管弦楽団という室内オーケストラ級のコンサートを聴きに行きました。オーケストラの響きだけでなく、ドゥナ・パロタというコンサートホールの建物も、なかなかゴージャスでした。
 今回と次回はそのハンガリーの首都のブダペストを2回に分けて紹介します。今回は、ドナウ川の東岸のペスト地区を取り上げます。

 
 
 ブダペストは、ドナウ川を挟んで、右岸のブダと左岸のペストが19世紀に合併して生まれた都市で両岸は有名な鎖橋などでつながれています。今回紹介の左岸のペストは、国会議事堂や色々な博物館、劇場それに3つある鉄道駅のうちの2つなど都市機能が集中しています。見どころは、ドナウ川の東側の3~4km四方ほどで、東端に近いところに鉄道の東駅と西駅とがあります。西駅に近いところにあるのが英雄広場に続く広大な公園で、南北1km、東西500mほどもあります。英雄広場には中央に頂上にガブリエルの乗る柱があり、柱の両翼には列柱の間にハンガリーの英雄が立っています。英雄広場の左側には、西洋美術館があり、フランドル絵画など、おびただしいコレクションがあって、ゆっくり見ていると丸一日以上はかかりそうです。その奥にはヨーロッパ最大と言われるセーチェーニ温泉があり、温水プールのような巨大な露天風呂があります。逆に右手には、湖水の向こうにヴァイタフニャディ城があります。いかにも、歴史のある古城のように見えますが、1896年に建国千年祭の時に建てられたパビリオンの名残だそうです。この千年祭の時には、英雄広場に通じるアンドラーシ通の地下にはヨーロッパで2番目に開通の地下鉄が走っています。最近に開通の大深度地下鉄とは逆に、地面すれすれの浅いところを走っています。

 
 
 この地下鉄の一方の起点がヴェレシュマルティ広場で、北西のドナウ川の方に行くと鎖橋があり、北東の方に行くとデアーク広場に聖イシュトヴァーン大聖堂が建っています。さらに、北東に行くと19世紀にネオルネサンス様式で建てられた国立歌劇場があります。歴代の音楽監督は、グスタフ・マーラー、フェレンツ・フリッチャイ、オットー・クレンペラーなどそうそう樽顔ぶれで、フルトベングラーやカラヤンも指揮棒をふるったそうです。

 
 
 
 
 そして、ペスト地区の中心的存在が立法府の国会議事堂です。鎖橋からドナウ川沿いに北へ10分ほどの川沿いに建っています。建国千年祭後の20世紀初頭にゴシック・リヴァイバル様式で建てられ中央にドームを持つ左右対称の美しい建物です。内部は、各国語によるガイドツアーがあり、フラッシュこそ禁止ですが、聖イシュトヴァーンの王冠を含めて撮影も可能でした。議事堂というよりは、宮殿のような内部は、どこかの議場とは品が違うという感じです。


 同じ曲で同じオーケストラの演奏でも指揮者が変わると違って聞こえることはよくあり、これが名指揮者の存在価値です。名指揮者の練習風景がレコードで発売されたり、放映されたりしますが、その練習ぶりは様々です。事細かく指示を与える人、「歌って!歌って!」など感覚的な指示で雰囲気づくりをする人などなど。名指揮者の中には、練習嫌いで、本番勝負というクナッパーツブッシュや、練習は副指揮者任せのカラヤンなど逸話は沢山です。そのうちに指揮者の指示事項は、AIによって解析して、コンピュータ指揮者が出現するのかもしれません。ただ、演奏するのは生身の人間なので、生身の指揮者が居ないと、気分が載らないかもしれません。いやいや、近い将来には、奏者の方もロボットが務めるようになるかもしれません。