世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

周庄は中国第一水郷とありましたが、蘇州郊外の同里はその上のように感じます(中国)

2017-10-22 08:00:00 | 世界の町並み
 周荘は上海の市街地の西50kmほどの白蜆湖の東のほとりにあり、中国第一水郷の看板がありました。江南地方の上海、杭州それに蘇州を三角形で結ぶエリアには、数多くの水郷鎮があって、それぞれが「ここが一番」と称しているようです。今回は、その中から蘇州の世界遺産の一部となっている同里を紹介します。筆者の感想では、同里を置いて、周庄が中国第一水郷というのは道理に反するようにも思えます。同里は、水郷としてのいろんな観光的な要素が多く、水路の密度も高く長いように思えるからです。

 
 
 同里古鎮は、前回紹介の周庄の西北西15kmほど、蘇州の中心街から南南東25kmほど、同里湖の西にある水郷です。蘇州の駅前からバスで1時間ほど乗ると同里のバスターミナルで、そこから2kmほどをカートで移動になります。ただ、個人旅行の観光客は少なく、カートの発車は乗客が一杯になるまで待たされます。遊園地にあるようなカートで、鎮までは10分くらいで、もちろん有料です。鎮の入り口で下車をし、鎮の散歩は、およそ1km四方ほどで、その中にいろんな要素が詰まっている感じです。ガイドブックには一園、二堂、三橋といって観光スポットを紹介しています。名所以外に名物もあって、それは青団子といって、日本の草団子より粘りっこくって串にさして売られていましたし、パイか厚焼きせんべいのようなお菓子もありました。

 

 一園は退思園で、蘇州の世界遺産の一部に指定されている庭園で、19世紀に作られた私邸の庭園です。80m四方ほどと、さほど広くない邸内ですが、実際の広さより広く感じます。池を中心にして、色んな建物があり、そこに下がった真っ赤なランタンがアクセントになっています。

 
 
 
 
 
 二堂は、嘉蔭堂と崇本堂で、共に20世紀初頭に私邸として建てられたもので嘉蔭堂は詩人の邸宅として建てられたそうです。この二堂の他にも耕楽堂や珍珠塔などが公開されており、京町家風の入り口が狭く奥に長い古い住居が多く、どんどん奥に入って行って、内部を見ることになります。この二堂以外にも、公開されてる邸宅はたくさんあって、写真がどの邸宅であったかわからなくなっているのが実情です。

 
 三橋は太平橋、吉里橋、長慶橋です。運河がT字になっているところに3つの橋があり、この3つの橋を順に渡ると幸せになるとの言い伝えがあります。このために、結婚式の時には、新郎新婦が手をつないで渡る風習があるそうです。

 
 
 周庄はパッケージ旅行だったの時間が無く船には乗れませんでしたが、同里では20分ほどの手漕ぎの観光船に乗りました。6人まで乗れるのですが、2人で乗っても料金は同じです。陸からの景色とは違った視点で楽しむことができ、運河の匂いも気にならなかったように思いますが、季節が晩秋で気温が低かったからかもしれません。

 江南地方は、もともと川や湖の多い地域でしたが、モノの運搬のために運河が作られ、現在のような水郷の風景となったようです。陸路の輸送が、牛や馬や大八車程度であった時代には、船の輸送能力は絶大であったのでしょう。ヴェネチアほどではないのでしょうが、江南地方の街歩きは、やたらと運河に行き当たります。グーグルの地図を検索していて、奇妙なことに気が付きました。航空写真のモードにすると、運河や湖水の上に道や邸宅の位置が表示されているところが多いのです。それだけ水面が多いのか、地上での調査ができないのか、そういえばストリートビューも使えません、我が国では撮影用の車が我が物顔で走っているのですが。