世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

韓国唯一の自然遺産の済州島は火山が作った山や洞窟や滝などです(韓国)

2015-09-06 08:00:00 | 世界遺産
 今年度の新規登録の世界遺産の紹介が続きましたが、今回は6月に紹介のハロン湾を受けての紹介です。世界七不思議はエジプトのピラミッド以外は存続をしていませんが、これに対して新世界七不思議が世界中の投票によって2007年から2011年にかけて設定されました。建造物版と自然版とがあり、この自然版にはハロン湾も入っています。アジア地区では、ハロン湾以外にフィリピンのプエルト・プリンセサ国立公園、インドネシアのコモド島、それに韓国の済州島が指定され、すべて世界遺産に登録されています。今回はこの中の済州島を紹介します。

 済州島は朝鮮半島の南130kmほどの東シナ海に浮かぶ東西70km、南北25kmほどの火山島です。暖流の影響で、島の南部は暖かく、韓国の代表的なリゾート地で、日本からも直行便が飛んでいます。ただ、島の北部は、冬に吹く北西の季節風のために、半島部と同様に寒く、南北の気温差が大きいようです。南部が暖かいのは、島の中央にそびえ世界遺産の対象にもなっている韓国最高峰(1950m)の漢拏山(かんなさん)が衝立の役割を担っているからです。韓国で唯一の自然遺産で、漢拏山のほか拒文岳(こむんおるむ)溶岩洞窟それに城山日出峰(ソンサンイルチュルボン)が対象地域で、どれも火山にまつわるものです。

 
  拒文岳溶岩洞窟は、島の東北部にある溶岩洞窟群で、万丈窟はその代表です。富士の裾野にある風穴や氷穴と同じような性格のものですが、こちらの洞窟には氷は存在しません。内部はかなり広かったのですが、鍾乳洞のような華やかさには欠け、暗くてごつごつして地味な穴です。

 
 
 溶岩の造形としては、むしろ、島の南部の、玄武岩の六角柱が柱状節理として海岸に立つ様子や、柱状節理の崖を流れ落ちる滝のほうが見ごたえがあります。

 
 

 城山日出峰は漢拏山と同じように火山ですが、こちらは直径600m、高さ100mぐらいの断崖で囲まれた火口原を持つ爆裂火口の跡です。標高180mほどの火口壁には、ごつごつした岩場に作られた遊歩道で1時間程度で往復できます。頂上からは、絶壁に囲まれた火口原のほか、済州島、それに大海原の眺めなど絶景が楽しめます。島の南東端に位置するため、日出のメッカとして、日出登山をする観光客も多いようです。日本でも、このところ山ガールや中年登山者の増加など登山ブームですが、韓国に行って感じるのは、韓国の方は山があると登りたくなるようです。慶州を訪問したときも、登山道を埋め尽くすような登山者に会いましたし、もちろん日出峰でも遊歩道での行き違いに苦労するくらいです。

 済州島には三姓神話というものがあります。漢拏山の北の山ろくにある三姓穴から出現した3人の神人が済州島の祖先であるというものです。ある日、島の東のほうから木箱が流れ着き、箱の中から現れた姫と結婚をしたと言われ、姫の出身は日本との説もあります。そもそも、日本人の祖先は、朝鮮半島から渡ってきたとの説もあるので、これは混血ではない可能性もありそうです。人間の祖先がどのように移動をして、混血などをしてきたかは、DNAを解析することで推論ができるの課も知れません。DNAの中に含まれるゲノムと呼ばれる遺伝情報は、人間の場合で両親から30億個ずつ合計60億個を持つのだそうです。これだけの情報を解析するには、なまじのコンピュータではいくら時間があっても足らず、スーパーコンピュータの出番といわれています。ゲノム解析は、難病の克服などの応用が期待されていますが、アンドロイドの作成には使われてほしくないですね。