世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

スカイツリーのそばの向島には、昔かたぎの職人さんや芸子さん、そして七福神が待っています

2015-08-02 08:00:00 | 日本の町並み
 京都から30分ほどの場所に、城下町の風情を残したしっとりとした町並みがあるのが丹南市の八木でした。八木と聞くと、電気関係の人間は八木博士を思い出します。テレビなどの受信で活躍する八木アンテナの発明者です。テレビがアナログから地デジに変わっても、形こそ小さくはなりましたが、テレビを受信するのは八木アンテナに変わりありません。東京では、地デジ移行と相前後して、電波の送信元が東京タワーからスカイツリーに変わり、アンテナの向きも変得る必要がありました。今回は、東京のテレビ電波の発信源であるスカイツリーのお膝元の向島を紹介します。

 
 
 向島は、スカイツリーの北側、浅草から隅田川を渡った対岸に、川に沿って伸びる町並みです。江戸時代から景色の良い場所として栄えた場所でしたが、明治期に料理屋を核とした花街が形成されました。最盛期には100軒以上の料理屋があったそうですが、現在は料亭が18軒、検番は向島墨堤組合があるのみです。料亭で芸子さんのもてなしが受けるツアーや、桜の頃には隅田川の桜並木のそばの休みどころで、芸子さんの姿を見ることができるようです。隅田川は、古くは墨田川とも表記され、向島周辺は墨田川の東にある地区、つまり墨東地区とも呼ばれます。永井荷風の墨東綺譚は、この向島の花町を舞台にした小説です。

 
 料亭街に混じって、向島には伝統工芸のお店も多いようで、足袋や提灯、それに羽子板など、お店で職人さん自らが説明を交えて販売をされています。これらの町並みを散歩をするツアーが墨田区などで企画され、店主から面白い話が聞けるようですし、さらに体験プログラムも準備されているようです。在住の外国人向けにも、プログラムがあり、和服に着替えたりして、色々な体験ができるようです。

 
 
 
 散歩といえば、このエリアには神社仏閣も多く、その中でも向島(隅田川)七福神巡りは有名です。お正月などは、訪れる先々で多くの参詣客と一緒になります。七福神とは三囲神社(恵比寿、大黒)、弘福寺(布袋)、長命寺(弁天)、向島百花園(福禄寿)、白鬚神社(寿老人)多門寺(毘沙門)で、業平橋近くの三囲神社をスタートして隅田川に沿って遡上して鐘ヶ淵近くの多門寺がゴールとなります。

 
 スタート地点近くの言問橋のそばには水戸藩下屋敷跡が墨田公園となり、明治天皇が立ち寄られて詠まれた歌の石碑も建てられています。布袋が祀られている弘福寺の境内には翁媼尊の石像もあります。これは、かつて真鶴で修行をしていた禅師が、父母に孝養を尽くせなかったことをいたみ、自ら刻んだ像といわれています。なかなか温かみのある像ですが、咳や口内の病にご利益のある像なのだそうです。また、福禄寿の祀られる向島百花園は、江戸時代後期に作られ、文人墨客に愛されてきた庭園で、創始者の佐原氏の子孫が庭園内の庵を守られています。

 七福神は七という数字が縁起が良い、といったことから選ばれた神々で、インド、中国そして日本と多国籍です。この7という数字は、虹の七色に始まり、世界の七不思議、七洋、G7や七人の小人、ウルトラセブン、007もありました。野球ではラッキーセブンもありますが、Windows 7はいつの間にか最新ではなくなり、8はおろか、9をとばして10まで作られようとしてます。OSが変われば、動かないアプリも多くあるはず、また新しいOSはハードも新しいものでないと走らない。ほとんど使わない機能を追加したというOSを高い価格で売りつける、ひどいものです、独占の弊害ですね。