世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

3つあるナイアガラの滝は馬蹄形のカナダ滝が見ごたえがあります(カナダ)

2011-07-17 08:00:00 | 世界の町並み
 滝の連続が美しく世界で最初に水力発電の電力を商用に供給した発電所があるのがクロアチアのクルカでしたが、商用の水力発電所が世界で最初に稼動したのはナイアガラの水力発電所でクルカより3日早かったそうです。今回は、アメリカとカナダに跨るナイアガラの滝の周辺をカナダ側から紹介します。


 ナイアガラの滝は五大湖のうちのエリー湖からオンタリオ湖に流れるナイアガラ川の途中にあって、世界3大瀑布の一つに挙げられていますが、唯一世界遺産には登録されていません。カナダ側に一つ、アメリカ側に二つの滝がありますが、水量の90%までがカナダ滝に流れ落ち、観光客の大部分もカナダ側から滝見物をするようです。これは水量のためだけではなく、アメリカ側からでは、滝の後方や横からしか眺められず、3つの滝が正面から眺められるカナダ側の景色の良さとは比べ物になりません。

 
 カナダ側の町は、その名もナイヤガラフォールズといい、河岸段丘状の丘の上にホテル群が建っていて、ホテルによっては滝が見えるか見えないかで部屋の値段が違うのは、ハワイのシーフロントと似ています。部屋から滝が眺められる利点は、日没後の滝のライトアップです。着替えて外出することもなく、日没後に寒くなるような季節であっても、部屋に座りながらゆっくりと眺めることが出来ます。ホテルよりもさらに高いところから眺めたいお方は2本のタワーがあって、この展望台からは3つの滝が眼下に見えるようです。

 
 遠くではなく、滝を近くで見たいといわれる方は2つの方法があります。一つは「霧の乙女号」と呼ばれる観光船で滝つぼの近くまで往復する方法です。、かなりずぶぬれになるようで、もちろんビニールのレインコートをくれるようです。二つ目は、滝口の横の入り口からエレベータで滝の横の展望台に降りる方法です。こちらも、かなりの水しぶきで、こちらもレインコートは必需です。華厳の滝にも似たような展望台がありますが、ナイアガラのものは滝までの距離が近く、滝自体の水量が圧倒的に多くて、比べ物にならない迫力です。

 
 ナイアガラの滝の水力発電所ですが、ナイアガラ川にはいくつかの発電所があり、ダムを伴うものもあるようです。この中で世界最初の水力発電所は、滝のすぐ上流にあって、滝の落差を利用するためにダムはありません。滝から上流に向かって遊歩道を少し歩くと、石造りの宮殿のような建物が現れますが、これが発電所のようです。周りには緑の芝生もあって、見慣れているコンクリートと鉄の無機的な発電所とはずいぶんと違った印象です。発電所とは逆に下流に行くと、町の繁華街があり、こちらには大規模なカジノもあって上流の印象とは一変します。一説には、この世俗感から世界遺産への登録申請の優先順位が低いとのことです。

 大震災の後遺症による電力不足のため節電の呼びかけが、強制力を持つまでに進んでいます。節電、自粛で観光地などのライトアップはどうなったのでしょうか。イルミネーションの光源としては、青色発光ダイオードの開発に始まる発光ダイオードの改良で、電球に比べて消費電力を少なく出来ましたが、ライトアップのための光源としては現時点では輝度不足のようです。また、発光ダイオードは高効率をうたい文句にしていますが、現在の技術では蛍光灯とさほどの差は無いとの記述も見られます。節電は、日常の電力消費を見直す良いきっかけになったことは事実ですが、消費電力量の少ない夜間に必要以上に節電、自粛して生活をシュリンクしてしまってもいいのでしょうか。