くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「こちら北国、山の中」三上亜希子

2010-01-28 05:41:40 | エッセイ・ルポルタージュ
兼業農家の長女に生まれたので、小学生の時分から手伝わされてきました。出荷していたのは米とレタス。レタスをセロファンのシートで包むなんか得意中の得意です。
今後レタスをご購入の際には、どのような包み方をしているかご覧ください。お弁当を包むときのように、まず上下を折り込んでから、左右をとめますね。そのとめ方に注目です。
中にはテープでとめたりだんご結びにしている人もいるでしょう。しかし、わたしは言いたい。左右の部分をまとめてくるくるとねじり、あいた隙間に差し込むのが美しいと!

そんな訳で、岩手の農家に嫁いだもと都会っ子のアキさん(三上亜希子さん)の日記「農家の嫁の事件簿 こちら北国、山の中」(小学館)を楽しく読みました。
実は今現在も農家の嫁ではあるのですが……。
わたしはあまり手伝いをしていないな、と肩身の狭いような気がしてなりません。
アキさんは、そりゃまめに仕事をして、さらにその記録をかわいいイラストとともにブログに書きこんでいるのです。カメラ画像さえも送れないわたしとは雲泥の差!
さらに季節の山菜を中心にしたメニューまで写真入りで解説されています。
さらりと読めますが、その背後には手間と時間が充分にかかっていることを知っているので、感心させられました。
ほだ木の種埋めもしたなあー。でも、遠い昔のことなので、臭かったかどうかは覚えていません。田植えも足をとられて大変だよね。腰は痛いし。苗床を洗うのばっかりやってましたよ。
そうそう、じゃがいもは長靴で種芋を植える場所をはかるんだよね。さもない板を畝たての物差しにている、というのもよくわかります。
釜津田という場所は岩手の北の方だそうですが、宮城と似ている部分もあれば、はー、そうなんだーと思わされる部分もあり、おもしろく読めました。