くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「二ノ丸くんが調査中 黒目」

2018-07-31 19:23:44 | YA・児童書
 すみません、本当は「二ノ丸くんが調査中 黒目だけの子ども」(偕成社)です。(例によって返却したので、これでも間違いがあるかもしれません)
 
 二ノ丸くんは、外国で話題になっている「黒目だけの子ども」が地元でも目撃されたことを耳にします。黒いリュックサックを背負っているらしい。
 その子には、ある目的があって……。

 今回結構怖い感じの話が多いと思いました。
使っていない下駄箱に名札を入れると、次の日から透明人間になってしまう。
 ある本を指定どおりに読むと、好きな人から連絡がくるという恋のおまじない。
 プラネタリウムには秘密の上映会が……。
 二ノ丸くんは、都市伝説を収集していますが、その呪縛を解決できるわけではないのです。
 特にわたしが怖いのは、「こたけさんのねがい」かな……。
 いつの間にかポケットに入っている手紙(字が震えている)、ちょっと勘弁してほしいです。

二巻のはなし

2018-07-25 19:43:32 | コミック
 最近まんがの二巻を立て続けに買いました。
 篠原ウミハル「鬼踊れ」。
 伝統芸能部に新しい部員が増えて、部としての活動が始まります。初心者ながら筋のいい柳田は、もともとは空手の型をやっていたそう。退部理由を聞いた県に、「クビになっただけだ」と答えた柳田と、常に彼につっかかる に確執があることが伺えます。
 エピソードの一つ一つがいいんですけど、なんといっても「鬼剣舞」がかっこいい! 運動が苦手のわたしでもチャレンジしてみたくなっちゃいます!
 北上では幼稚園から小中学生まで必修といってたけど本当なのか。(知り合いいるので聞いてみます)
 三巻も心待ちしております。

 「天地創造デザイン部」も、二巻です。
 いつの間にか、本屋でかなりプッシュされていますね。一巻のコアラのエピソードが強烈でしたが、今回はパンダ!
 ノコギリとハンマーのサメもおもしろい。
 無理な注文して丸投げの神様ですが……。うーん、コウモリも印象的でした。

 それから、「マエストロの暇つぶし」が終わってしまい、残念。音楽推理がおもしろいのにー。作曲家の話題なんかも豊富で、ぜひもっと読みたかった。作家の友人や、第九の話がよかった。
 終わってしまったといえば、「兄ート先生の発酵メシ」も、もっと読みたかった。
 今回は生ハムとピクルスの冷製パスタ風そうめんと、牛肉のビール煮がおいしそう。
 生徒指導も料理で解決というのもたまらないですね。

 

「天才探偵Sen 7」

2018-07-17 05:04:09 | YA・児童書
 発売は2012年。
 六年ほど「つん読」状態だった「天才探偵Sen テレビ局ハプニングツアー」(ポプラポケット文庫)をやっと読みました。わたしより先に息子が読んでそのまま、いつか読もうと本棚に……。
 今は多分、一般販売してないんですよね。(図書館用のハードカバー版ならあるのか?)
 大崎さんのジュニア向けミステリ、これがラスト巻なんですが、まだ続くような雰囲気だったんですよ……。
 
 信太郎の飼い犬センベエが、ペット紹介コーナーに出ることになり、テレビ局についていく千と香奈。(ここまででもいろいろあったのですが)
 番組には子役スターのセイラちゃんも出演するのですが、ほんのわずかな隙に連れてきていた愛犬ロビンが盗まれた?
 探しているうちに、香奈も千もテレビに出るはめになったり、オカルト番組のために封鎖されたスタジオの話題が出たり……。
 大崎さんはかなり楽しんで描いたんだろうなぁと、思いました。
 当時全プレでもらった「天才探偵」新聞も発見。これは2010年発行です。よくとってあるよなー。

「きまぐれな夜食カフェ」古内一絵

2018-07-16 08:07:55 | 文芸・エンターテイメント
 いつも読み終わるたびに思うんですよね。マカン・マランに行ってみたい、と。
 古内一絵「きまぐれな夜食カフェ マカン・マランみたび」(中央公論新社)。今回も、おいしそう、です。
 「妬みの苺シロップ」では、「ワタキラ」と呼ばれるブロガーが、様々なものを貶めていくその心理を描きます。
 批評には「思想が伴う」というシャールさんの言葉、考えさせられます。
 「藪入りのジュンサイ冷や麦」も、自信を失った料理人の迷いが、すごく分かります。
 運命を変えていくのは、このカフェではなく自分自身だと語るシャールさんの思いが、この作品でさらに深く感じられました。
 「風と火のスープカレー」も、「離婚式」をすることになった耀子が、シャールさんにドレスを作ってほしいという気持ちにじんわりきました。
 彼女が関心を寄せる「アーユルヴェーダ」と、トルコのレーザー編み「オヤ」はどちらも初耳でした。「オヤ」は検索してみましたよ。可憐で素敵ですね。
 ラストは「クリスマスのタルト・タタン」。比佐子さんが終活を考えるエピソードでした。 
 前の巻は冬至で終わったので、だいたい同じ時期ですね。
 で、読むたびに考えるのです。リアルシャールさんはどんな感じなのか。俳優さんなら、誰が演じればはまるのか。
 五十歳。百八十センチ長身。女装シーンが多いけど、たまに男性としての見せ場もあり。

「すずしろ日記」山口晃

2018-07-15 20:19:36 | エッセイ・ルポルタージュ
 三冊取り寄せて一気に読みました! 百五十回、12年にわたる連載「すずしろ日記」(羽鳥書店)。
 なんかもう……。山口さんと奥さん(作中「カミさん」)の生活がおもしろくてたまらない! クセになる本です。一冊二千円超えるけど、買って悔い無し! むしろ、三冊買ってよかった。(続きが出ているのに読めないのはつらいでしょう)
 学生時代に芭蕉の歩いた道をたどりたいと仙台にやってきたエピソードに、壺の碑を見に行ったことが書いてあって、わたしも学生のときに行ったなぁと懐かしく思いました。「おくのほそ道」関連の場所にはよく行きますが、そういえば多賀城はこのときしか行ってない。
 藝大の食堂は、音校と美校でずいぶん違って、冬になると食べたくなる「焼きりんご」は音校の方にあるとか。
 山口さんの忙しさがタッチに反映していて、このときは余裕があったんだろうというのを感じます。
 同じ年なので、風物とか事件とか「あったあった!」と共感します。
 ラジオがお好きだったそうで、「小沢昭一的こころ」のお囃子を書いているところがありますが、こういうときに限って思い出せない! 三日間考えてたら、思い出しました。確かに、擬音だとこういう表現になりますね!

 あと、安藤緑山の筍のレプリカを見た話もありました。
 あー、また昨年の旅行で買った図録をなくしたことを思い出します……。
 奥さんの実家の飼い犬「ポチ」がかわいい。わたしが小学生のころに飼っていた犬も「ポチ」でした。
 しかし、山口さん、「谷崎万華鏡」にまんが描いてたの?
 ちょうどこの週に図書館で見かけて、久世番子作品だけ立ち読みしたのに! 蔵書検索ではヒットしなかったよ?(東博の本を借りた)
 また行ってみます……。

「菜の花食堂のささやかな事件簿」とか

2018-07-11 21:18:10 | 文芸・エンターテイメント
 いろいろ読みました。徒然なるままに。
 「額を縫う人」谷瑞穂。婚約者をバス事故で亡くした女性が、彼の仕事だった額装師となり、同じバスに乗っていた男性の営むカレー屋に通う……と書くと、なんか違うような気もするんですが。
 彼女の作る額縁は、なんだか独特で、宿り木とかカレーの器なども飾れるようにしてくれます。
 樹脂標本の現物がたまらなく見たい!
 彼女自身はエキセントリックなところがあるし、確執のある相手(相談女……)は質が悪いと思うのですが。
 
碧野圭「菜の花食堂のささやかな事件簿 金柑は密かに香る」(だいわ文庫)。
 今回は農家の保田さんが活躍していました。先生の息子さんのエピソードもあり。
 最初の話に小松菜のお好み焼きが紹介されていたので実際作ってみましたが、めんつゆとソースと両方で食べ比べるというのはいいな、と思います。わたしをめんつゆのみにしたので、少し残ってしまいました。
 アパートの隣室の異臭問題や、職場のこと、お弁当のこと、と今回も名推理です。 
 わたしも、手作りのピクルス食べたい……。

 「ゆきうさぎのお品書き」(集英社オレンジ文庫)
 今回はお店がピンチです! おじさんとの相続問題で、大樹が悩みます。
 葵は教育実習に行くことになり、エールをこめてお父さんがお弁当を作ってくれることに。(給食ある学校なのに、なぜか実習生はお弁当持参だそうです)
 おじさんのバックグラウンドとか、タマさんのこととか、いろいろおもしろく読みました。ずっと読んでいると、キャラクターの成長が楽しいですよね。
 そして、今回は、なんといっても(笑)。
 次巻、待ち遠しいです!

 青木祐子「これは経費で落ちません4」(集英社オレンジ文庫)も一緒に買いました。
 ライバル関係となるかと思ったあの人が、意外と仲良くなって。
 でもって、勇さんは予想外の行動に走るし、マリナは相変わらずだし、森若さんと太陽の新局面(なんと「太陽」と呼ぶシーンが!)もあり、驚きました。
 このシリーズ、読み始めたのは昨年8月。来年はどういう展開になっているのか、目が離せません。

「日本建築集中講義」藤森照信×山口晃

2018-07-08 21:55:47 | 工業・家庭
 山口晃さん、ずっと気になっていました。
 「強い風が吹いている」の単行本カバーが大好きで。ちゃんと文章を読み込んで描かれているのがわかりますよね。
 その後の「一路」のカバーも素敵でした。
 とあるブックガイドで「ヘンな日本美術史」が取り上げられていたので、どんな絵を描かれるのかと、検索したら、山口さんだったわけです。
 
 「ヘンな日本美術史」は、ちょっと読めないままですが、これはすごくおもしろい。自分で一冊欲しいくらいです。
 藤森照信×山口晃「日本建築集中講義」(淡交社)。
 こちらもずっと読んでみたかった建築家の藤森先生のご案内で、国内の有名建築を訪れて二人であれやこれや語り合うコンセプト。
 山口さんは「画伯」と呼ばれており、道中のエピソードを四コマまんがやスケッチで紹介してくださいます。
 二人のやりとりやら終わりのアンケートやら、なんかいいんです。
 修学院や閑谷学校、角屋、松本城など、様々な場所に行きますが、わたしが行ったことがあるのは法隆寺だけ。(しかも三十年も前の修学旅行……)
 この本を片手に散策したいものですね。
 まんががおもしろいので、「すずしろ日記」を三冊まとめて発注しました。楽しみです。

「生物部な日々」枡太一

2018-07-03 20:25:33 | 自然科学
 高校生になった息子が、科学部に入りました。
 同級生は三人。何をやっといるのか詳しく聞いていませんが、先日はジオパークの職員の方にお話を聞いたり、地区の総合文化祭に出席したりしていました。地学、化学、生物、物理に別れて活動するらしいです。
 わたしなら断然生物! なのですが。
 ということで、昨年買ったまま職場に置き去りにしていたこの本、息子の部活の参考にならないかなーと読みはじめたら、おもしろくて、つい最後まで一気読みです。
 「理系アナ枡太一の生物部な日々」(岩波ジュニア新書)。
 枡アナ、東京湾でアサリの研究していたの、知ってます!(「鉄腕ダッシュ」で知りました。この番組についても文中で触れられています)
 中高生だったときは、西表島に行ったり、学校近くの公園の標本調査をしたり、文化祭でジオラマ作ったりしていたそうです。
 好きなのは、蝶!
 ヘッセの「少年の日の思い出」の描写が心に残っているとか。
 文学好きで数学が苦手。でも、東大の理系にすすみます。
 樹脂標本を作るエピソードがなんか好きです。
 枡さんは、自分が研究者として活動するよりも、それを伝える仕事をしたいと考えてメディアの世界に入ったそうです。
 その楽しさ、ばっちり伝わってきましたよ。
 ということで、息子にこの本渡してきました。何か手がかりがみつかるといいなあ。

「居酒屋ぜんや」

2018-07-01 09:34:05 | 時代小説
「ほかほか蕗ご飯」「ふんわり穴子天」「ころころ手鞠ずし」「さくさくかるめいら」の四冊を読みました。
 坂井希久子「居酒屋ぜんや」シリーズ(角川春樹事務所)。
 ずっと読みたくて、図書館で全部揃うのを待っていました。
 余り裕福とは言えない侍の家の次男林只次郎は、鶯のルリオを拾って育てたところから、その鳴き声を認められてかなりの収入が得られるようになりました。
 美声を聞かせることで他の鶯もその声を真似るのですね。
 知り合いから連れて来られた「ぜんや」で、女将のお妙に一目惚れし、鶯仲間の大店のご隠居を紹介しているうちにすっかり常連になります。
 しかし、お妙を探る何者かの存在に不穏な空気が……。

 お妙の夫の亡くなった事件、何やらきな臭いものがあるのでしょう。
 わたしは、お妙の義姉お勝さんと、只次郎の嫂の父柳井殿が好きです。
 ぜんやのお料理もいつもおいしそうで、わたしも空気のように店の末席でご飯を食べながら只次郎や皆さんのやり取りを見つめていたいわ、と思いました。
 とりあえず、冷奴にするときは豆腐を拭いてみます。
 
 実は昨年、途中からでも読んでみるかと「穴子天」を借りてきて、最初の「花の宴」だけ読んだのです。
 お妙が弁当を作って、ご隠居さんたちと花見にいく話。鯛茶漬けおいしそうだし、柳井殿の羽織のエピソードも印象的だったのですが、なんだか背景がうまくつかめなくてやめてしまったのですよね。
 今回、通しで読めてよかった。