くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「異人館画廊」

2018-02-27 03:33:02 | YA・児童書
 発売してすぐ読みました。
 「異人館画廊」(集英社オレンジ文庫)。今回はなんと、高校に潜入捜査! なのです!
 考えてみれば千景は十八歳。日本なら高校三年生です。
 有名美術部での事件で自殺騒ぎがあったことから相談を受けた彼女は、コンクールに出品された絵に呪術的手法がとられているかどうかを確かめるために転入生としてクラスに入ります。
 高三の転入生、しかも名門校とあって注目される千早。
 なんだか大人社会になじんでしまい、キューブのメンバーとの付き合いがメインだった彼女に普通の友人ができたのが良かったと思います。

 発売早々に読んだといいつつ、今頃のレビュー。
 最近忙しくて頭が回らないのです……。読んだけど、感想書いてない本もかなりあります。
 「ちどり亭」の三巻では、お店の今後を考えてのあれこれで、順調に結婚に向けて動いている様子がかわいい。(お母さん強烈ですが)
 オーナー探しも一段落ついてホッとしました。でも、その大金はどこから出たのか?
 あとは「いい加減な夜食」の四巻ですかね。
 大沢と「天敵」のやりとりがおもしろくて。(でも名前も覚えてない。ごめん)
 佳乃にも俊樹にも近寄ってくる異性がいて、お互いはらはら。
 娘の保育所問題が解決したときはホッとしました。お子さまランチや、情報を握るある人物のエピソードもいいですね。
 この機にまとめて書いてしまおうと三冊あげてみました。もっとあるのですが、また少し落ち着いてから……。

「嘘つき女さくらちゃんの告白」青木祐子

2018-02-26 05:56:41 | ミステリ・サスペンス・ホラー
 「嘘つき女さくらちゃんの告白」(集英社文庫)。
 美人イラストレーターとしてメディアに取り上げられてきたsacraが失踪。彼女の成功の影にあったのは、虚飾にまみれた現実。
 権田八重子の名を隠し、周囲には「さくら」と呼ぶように話し、大御所漫画家の孫・名門女学校・美大卒と経歴を偽り、様々な人に嘘をついてきた少女。
 幼なじみの未羽は、彼女の足跡を訪ね歩き、ノンフィクションをものしようとします。
 転校した長野の中学校で同級生だった筧沙久羅(本当の孫)や、その叔母の由香、専門学校の同級生だった長谷川優美、クリエーターのガラナなど、「さくら」に振り回され利用された人々が、彼女をどう語るのか。
 インタビュー小説って、おもしろいですよね。
 ラストのどんでん返しも効いています。
 結局、さくらを許してしまう世間なのかなーと感じました。

「探偵少女アリサの事件簿」東川篤哉

2018-02-25 06:05:05 | ミステリ・サスペンス・ホラー
 前巻のときアリサと同年代だったうちの娘は中学生。でも、彼女は永遠の十歳。(多分)
 東川篤哉「探偵少女アリサの事件簿 今回は泣かずにやってます」(幻冬舎)。相変わらずスカイエマさんの挿絵がいいわあ。
 今回はアリサに仲良しのお友達ができたり、溝の口のお笑いコンビが何組か出てきたりしました。
 お父さんは「白蜥蜴」(良太はアルビノのトカゲと推察)や「殺人のたびに謎めいたフルートの音が響き渡るという実に不気味な事件」や、今はもうなくなったはずの寝台特急「はやぶさ」に関わる事件に呼ばれていってしまう。
 お母さんは「バスカビルの犬」や「オリエント急行」らしき事件に関わっているということで、良太は一度も会ったことがありません。(奥さんに逃げられたのではないかと推察していました)
 夏休みのキャンプ場で男が殺された事件。焼鳥屋の秘伝のタレが怪盗に狙われた事件。運動会のビデオ撮影を依頼した男性が、人気のない公園で殴られた事件。漫才師が殺されたけれど、容疑者にアリバイがあって長嶺が悩んでいる事件。
 長嶺は有能な刑事ですが、アリサを純真な少女だと思っているので、良太が事件現場に彼女を連れていくことを諫めます。
 そういうやりとりも楽しいですね。
 焼鳥屋にいってみたいなー。勿論秘伝のタレは、ちょっと前の味のいいやつで。

「ずっとあなたが好きでした」歌野晶午

2018-02-24 18:46:52 | ミステリ・サスペンス・ホラー
 歌野晶午何年ぶりだろうー。多分「葉桜」以来かな。(「鬼密室」も買ったはずですが……)
 文庫が結構平積みになっていますよね。どうやら仕掛けがあるらしいと聞いたので、読みました。
 表題作は途中で展開が想像ついたのですが、ネット心中とか学生演劇とかバラエティ溢れる短編揃いで、途中で「ドレスと留袖」の永嶌が五十嵐(偽名)だと気づいてからは俄然おもしろくなって、すいすいと読みました。
 東京からの転入生に心惹かれる少年・弓木。恋人との気軽な関係を楽しむ大輔。ハガキ職人DJマイケル。それぞれの恋と謎が鮮やかに描かれます。
 中でも、「幻の女」と「舞姫」は下敷きになった物語を組み込んであって興味深いのです。
 前者の主人公馬渡は相当胡散臭いのですが、全て読み終わるとこういうことで怒ってしまうのもなんだか分かるように思います。
 「舞姫」は見事に騙されました! フランソワーズ、「青年は荒野をめざす」(読んでないですが)、なにしろそのタイトル! 最後の一言で一瞬困惑しました。
 「気にしない、気にしない。差別は病気なの。むしろそういう人をかわいそうだと憐れんであげなさい」
 という台詞が、ぐっときました。
 あとは「匿名で恋をして」が好き。舞台は仙台。(この本、とにかく日本各地があちこち出てきます。あ、パリも)
 だけど、彼の年齢といつの時間軸が現在なのかがちょっとわからない。ラストでは六十一らしいのですが。
 この話のモチーフはネット通信なんです。三十ちょっとらしい。
 その歳にはまだ間があるわたしですが……チャットが日常生活に出てきたのはいつごろだったかな? ビートルズが若いころ流行ったとも言ってたよね? フォーラス前、懐かしいけどわたしは「ラス前」とは言いませんが。
 全ての話がつながるもんだと思っていたので、「π」さんの妹さんがどこか他の話に出てくるのかな? 心中詐欺の真相や、三千穂が家事をしなきゃならない理由も明かされるのかな? と思ったのですが、全然違いました。
 でも、まあ「世之介」なら仕方ないですかね。

「陸王」池井戸潤

2018-02-19 20:27:51 | 文芸・エンターテイメント
 わたしの教え子Sくんは、TBS系のスポーツアナウンサーなんですが。(相撲の好きな人、といえばわかる人はわかりますよね)
 朝の情報番組のラジオパーソナリティをしているので、担当日は聞きながら通勤しています。
 Sくんは読書好きで、読んだ本のこともよく話題に上がります。読書コーナーもあるのですが、わたしは時間の関係で聞けません。
 でも、「陸王」については芸能情報コーナーなどでもよく話していたのですよ。まあ、系列のドラマをやっていたからという理由は大きいでしょうが。
 わたしはドラマを見ていないのですが、このおかげで、ランナー役の俳優さんたちが青学陸上部の練習に参加したとか主演は役所広司だとか竹内涼真が出ていたとか最終回にはダイジェスト版のあらすじがついたとか、余計なことなら知っておりました。

 読んでいる間にドラマのことも気になって、ホームページを検索したくらい。
 飯山さんは寺尾聰なのか! 第二話にもう登場してるのか! えっ、ラストには修造も出たの?
 と、またもや周辺知識を増やして本に戻って読む感じ。

 池井戸潤「陸王」(集英社)。
 百年続いた足袋の老舗メーカー「こはぜや」が、陸上シューズに参入を企画します。  ノウハウも材料の仕入れも手探り。中でもソールをどうしていくかで、迷います。
 繭を使った新素材シルクレイの特許を持つ飯山、選手に絶大な信頼をもちながら、勤務先のアトランティスでは不遇な扱いを受けるシューフィッターの村野といったスタッフを迎え、着々と新しいシューズ「陸王」を製品化していきますが、アトランティスからの妨害で布地が入荷できないことに……。
 わたしは村野さんが好きですねー。
 選手一人ひとりに寄り添ってアドバイスをするのは、地道な積み重ねと分析力が必要だと思うのです。
 故障を抱えた茂木に、上司の小原が契約打ち切りを告げたときの憤り。
 商売だけを考えていたら、いい仕事はできないと思いました。
 また、茂木が世間的にライバルといわれてきた毛塚から冷たい態度をとられるのも、悔しさを感じますよね。雑誌のインタビューの件もそうだし。
 
 駅伝小説が好きなので試合の駆け引きは勿論ですが、製品開発の苦労や人間関係の機敏も、おもしろく読みました。
 ただ、わたしにとって宮沢は役所広司じゃないなぁ。 

「スケートボーイズ」碧野圭

2018-02-18 16:10:15 | 文芸・エンターテイメント
 羽生くんオリンピック二連覇おめでとう!
 ということで、碧野圭「スケートボーイズ」(実業之日本社文庫)を。
 発売早々から目をつけてはいたのですが、やっと読みました。
 故障からスケートを離れていた伏見和馬は、旧友の川瀬光流が全日本選手権で優勝したことをきっかけにリンクに戻ります。
 光流はお世話になった柏木コーチの元を離れ、アメリカに渡ってからめきめきと頭角を現し、そのルックスと合わせて人気者になっていました。
 どう考えても羽生くんがモデルとしか思えない光流ですが、舞台は西東京。柏木コーチに教わりたいとと千葉から転校してきて和馬と知り合ったのだそうです。和馬は、光流の影響でスケートをはじめ、故障するまではジュニアのトップクラスの選手でした。
 思うように感覚を取り戻せない和馬。柏木コーチはまずコンパルソリの練習をするように話します。
 お世話になったコーチも、学生時代にけがで引退した過去がありました。そのとき滑る予定だった「未完成交響曲」を練習し始めた和馬は、新聞部の友人から、光流もこの曲をフリーで使うらしいと聞きつけます。

 「光流」はひかると読むのですが、わたしはついみつると読んでしまうのです……。(若いころ「グリーンウッド」が好きだったからかな)
 絶対王者神代をしのぐ勢いの若手選手で、王子様のようだと人気があります。
 もともと幼なじみで親しくしていた和馬ですが、彼が突然アメリカに渡ってからは連絡をとっていませんでした。
 お母さんが管理しているから携帯は持っていない、と信じる同級生の麻耶の前でメールを送ってちょっといい格好をしてみたら、翌日光流から連絡があり、勢いで来年の全日本に出ると言ってしまうのでした。

 格好つけでちょっと女の子に弱い和馬。
 テレビに映るような一握りの選手だけではなく、全日本への出場を目指して努力する一般スケーターにも目を向けたいと感じさせる展開です。
 また、学生新聞部の記者として大会にかかわる将人の視点も多く、報道のありかたにも触れてあります。
 今日は、地元紙に羽生くんの記事がたくさん載っていて、テレビでも繰り返し映像を流していましたね。読みながら雰囲気が伝わってきて、入り込みやすかったですよ。

「まっぷたつの先生」木村紅美

2018-02-14 22:26:58 | 文芸・エンターテイメント
 地元紙の読書欄で紹介されていました。木村紅美「まっぷたつの先生」(中央公論新社)。
 ある人にとっては憧れの先生でも、違う人にとっては人生を狂わされた大嫌いな先生。
 自分も教員なので、こういう展開の本をつい読んでしまいます。
 そしたら、舞台は仙台!
 といっても、東京と仙台が四割ずつで、残りは山梨なんですが。
 ハウスメーカーで働く律子は、担任だった堀部から「沙世先生」の話題を聞きます。学校を辞めたあと仙台で生活した沙世は、震災支援で女川の蒲鉾(高政です)を大量に買って送ってくれたのだそうです。
 今は山梨に住む沙世と、フェイスブックでつながった律子は、時間を作って会うことにします。
 沙世が仙台にいたのは、以前付き合った塚本という男が忘れられなかったから。息子の青と再会して、塚本が入院中だと知り、昔のことをじんわりと思い出していきます。そのとき受け持った猪股という女生徒がいじめられていても助けることができなかった後悔も。(ちなみに、猪股さんは律子と同じ会社で働いています)
 当時沙世が住んでいたのが緑が丘! わたし、職場がそのあたりでしたよ! でも、沙世の勤め先の小学校とか隣設する青の高校が、どこなのかイメージわかないなあ。共学なんですよね? 
 木村さんは仙台で思春期を過ごされたということなので、地元感がありました。東日本大震災の影響も色濃く、猪股さんたちがボランティアに行ったり、沙世が三陸の品を買うことでバックアップしようとする様子もあります。高政の蒲鉾がちょこちょこ出てくるのは、やっぱりこういうところで支援しようという思いの表れでしょうか。
 教師としての自分にいたたまれない沙世は、猪股さんのことをずっと引きずっていますが、律子について結構辛辣です。
 律子自身も、自分が取っつきにくい性格であることに薄々気づきながらも、次第に居場所を失っていくことを直視できません。
 登場人物たちの、弱さというか未熟さが、読み手であるわたしの中にもあって、非常に近い世界だと感じました。
  

「こちら郵政省特別配達課」小川一水

2018-02-12 13:24:25 | ミステリ・サスペンス・ホラー
 買ったかどうかわからないのを探すよりも、借りた方が早かったので、読みました。小川一水「こちら、郵政省特別配達課」(新潮文庫NEX)。二冊一気読みです。
 郵政省特別配達課に配属された八橋鳳一。地元郵便局から東京に栄転のつもりで来たのに、日本全国を飛び回る体力仕事。
 トレーラーで一軒家を運び、出走馬をダービーに間に合わせるべく馬運車に乗る。班長の桜田美鳥はカウンタックを恐ろしい勢いで転がし、民間配送業のライバル出水とは時に競争する。
 なんといってもこの出走馬「リュウトウダービー」に受けてしまいました。
 最初は読み飛ばしていたんですよ。そしたら、美鳥が「名前が悪いんじゃないかしら」といったので。
 馬と美鳥のやりとりもおもしろい!
 一巻が様々な配送を受ける特別配達課の活躍を描いていたものが、二巻では存亡の危機をめぐっての対立が描かれます。
 中でも、彼らを潰そうとする灘と、京都の町で葉書を配送する競争がすごく楽しい!
 カーチェイスやら登山やら、専門的な内容も多く、わたしにはどちらかといえば興味のない分野なのですが、これは映像で見てみたいと思いました。鳳一役は斎藤工でどうでしょう!
 好きなキャラは番場さんです。登場時から一癖あっていいなーと思っていたんですが、冬山の救出劇の場面でしびれました。
 
 自分自身は、もしもG-LINE(高速道路を利用して敷設された郵便リニア配送システム) が実用化されたら賛成か反対かと考えましたが、自宅までの配送は配達員さんが行うのだから、余り生活としては変わらない気がします。
 結構友達と手紙のやりとりをしていたので、ポストを覗くのが楽しみでした。
 美鳥と鳳一が将来を確かめ合うラストもいいんですが、特別書き下ろし短編「暁のリエゾン」に、涙しました。
 東日本大震災直後の三陸は、わたしの生活のごく近くにあると感じたことが大きいと思います。
 

「分かったで済むなら、名探偵はいらない」林泰広

2018-02-10 19:19:36 | ミステリ・サスペンス・ホラー
 語りたくなる本です。
 居酒屋「ロミオとジュリエット」に通う「オレ」は、現職の刑事。過去に恋人の父親の冤罪を晴らすつもりで真相を暴き、恋が破綻したことを悔いています。
 そんな彼が飲んでいると、聞こえてくる様々な事件。さらに、彼らは「ロミオとジュリエット」(シェークスピアの戯曲の方)に自分なりの解釈があり、それを聞く内に事件の真実が見えてきます。
 林泰広「分かったで済むなら、名探偵はいらない」(光文社)。
 著者にとって15年ぶりの連作短編集とのこと。
 社内トラブルの果ての暴力事件や、遺言書を開くパスワードの解読、恋愛にかかわる誤解など、事件もバラエティにとんでいますが、なんといっても多彩な文学解釈がエキサイティングでした!
 中でも、ロミオの意中の相手だったロザモンドの存在がほとんど認知されないという話題と、神父が両家の和解を画策して結婚させたという解釈がおもしろかった。
 それから、「秘密結婚」! ジュリエットが、親からの結婚よりも恋愛をしてみたいという夢をみてロミオと結婚してしまったことや、それが当時問題になっていた「秘密結婚」(重婚が許されない社会だったため、家族が結婚相手を選ぶ風潮があり、それを嫌って秘密で結婚してしまうことが多かった)となってしまったための悲劇であるというのが、なんだかすごく説得力がありました。
 親の立場と若者たちの立場では、演劇の見方も違うというのも、わかりますねぇ。
 ただ、「オレ」がずっと引きずっている彼女と父親のエピソードも出てくるものだと思っていたので、最後までなくて残念でした。
 かつての作品にあるのかしら?

 この前、光文社さんのキャンペーンについてぐちぐち言っていたところ、帯の応募券からのプレゼントの図書券が当たりました! ありがとうございます!
 

「芭蕉庵のおもてなし」五十嵐雄策

2018-02-05 05:40:03 | YA・児童書
 タイトル買いです。
 芭蕉と言われたら買わずにはいられますまい。
 一時、芭蕉関連の本だけでダンボール一箱分ありましたが、そのとき勤めていた学校に寄贈するなどして、今はだいぶ減りました。

 五十嵐雄策「芭蕉庵のおもてなし」(メディアワークス文庫)。
 深川に引っ越してきた三崎佳奈は、路地の奥にある弁当屋・芭蕉庵に立ち寄ります。そこには、「芭蕉さん」と呼ばれる男性と、彼とともに松尾芭蕉の足跡をたどるメンバーがいました。
 この日も、芭蕉(書き分けしにくいのですが、敬称略が松尾芭蕉のことです)ゆかりの地を訪ねて、芭蕉さんの作った弁当を食べて一句詠むことになっており、なりゆきで佳奈も参加することに。

 佳奈のたどる旧蹟は、わたしの関心にマッチする場所で、昨年訪れた芭蕉記念館のあたりをイメージしながら読みました。
 近くにもっといろいろあったのねぇ。森下駅は通りましたが、史跡展望公園や臨川寺に行ってみたい。採荼庵跡も。
 千住問題は知らなかったので、隅田川のあたりで像を見ましたが、対岸で論争をしていると聞いて驚きました。
 日光は行きましたし、東照宮や華厳の滝も見ました。
 ただ、一話では東北の方まで旅行をしたと書いているのに、ここでは初の一泊旅行と言われています。うーん……?
 無気力で不登校の高校生・一樹くん、親しさから喧嘩してしまう清さんと隆史さん、おしゃべりな池上さん。謎多き芭蕉さんと、どうやら彼を知っているらしい観光ガイドの男性。(この人には人違いと言っているけど、旅館はコネを使ったらしいです)
 恋人の裏切りに傷ついた佳奈も、新しい居場所を見つけます。
 わたしは「おくのほそ道」が大好きなので芭蕉さんのうんちくをもっと聞きたいですね。愛猫がソラという名前なのには笑ってしまいました。