わたしって、もうこういう小説では親の世代なんですね……。
主人公光介は四国に住む高校一年生。母親夢の姉、芹が娘の双葉を連れて帰ってくることになり、少し困惑します。
芹は、自分の両親が亡くなったときのことを知りたいと光介に話します。二人は夢が高校生のころ、海で心中したのだと聞いていました。しかし、芹はどちらかが睡眠薬を飲ませて、海に背負って行ったらしいと語るのです。
両親を失い、噂と中傷の中で、夢は高校を卒業。夫とは高校の同級生です。夢は四十一歳。卒業後東京で働き、夢を援助した芹は、多分わたしと同じくらいでしょう。(近藤さんも同じ年ですからね)
祖父の写真に写る祖母は絶世の美女。しかし、ヌードがメインのために写真集などは家に残ってはいません。
写真に興味を持ち始めた光介は、芹に紹介された中古カメラ店を訪ねます。
海の美しさと容赦のなさを運命と重ねる構成の巧さ。さすがは近藤さんです。
普通の高校生である光介が、祖父のことを知るために単身東京に向かうところや、友人の絵理香が店のシャッターに絵を描くあたりもとても好きです。双葉が犬を飼うところもね。
読み終わって真実を知ったとき、これは夢の話だと思いました。特に「ちゃんとしてない家って、もっと恐ろしいものなのよ」というせりふが。
主人公光介は四国に住む高校一年生。母親夢の姉、芹が娘の双葉を連れて帰ってくることになり、少し困惑します。
芹は、自分の両親が亡くなったときのことを知りたいと光介に話します。二人は夢が高校生のころ、海で心中したのだと聞いていました。しかし、芹はどちらかが睡眠薬を飲ませて、海に背負って行ったらしいと語るのです。
両親を失い、噂と中傷の中で、夢は高校を卒業。夫とは高校の同級生です。夢は四十一歳。卒業後東京で働き、夢を援助した芹は、多分わたしと同じくらいでしょう。(近藤さんも同じ年ですからね)
祖父の写真に写る祖母は絶世の美女。しかし、ヌードがメインのために写真集などは家に残ってはいません。
写真に興味を持ち始めた光介は、芹に紹介された中古カメラ店を訪ねます。
海の美しさと容赦のなさを運命と重ねる構成の巧さ。さすがは近藤さんです。
普通の高校生である光介が、祖父のことを知るために単身東京に向かうところや、友人の絵理香が店のシャッターに絵を描くあたりもとても好きです。双葉が犬を飼うところもね。
読み終わって真実を知ったとき、これは夢の話だと思いました。特に「ちゃんとしてない家って、もっと恐ろしいものなのよ」というせりふが。