くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「多肉植物の寄せ植え」

2018-03-21 16:13:45 | 産業
 最強、多肉植物に心引かれています。
 もともと、息子がテラリウムを作りたいと言い出したのがきっかけなんですが、その前から百均の植物を育てるのが趣味だったので、ちょこちょこ買ってきてしまいます。
 かわいい寄せ植えが作りたいなー、と借りてきたのが、松山美紗「多肉植物の寄せ植え」(日東書院)です。
 白い器、製氷皿、ビーカー、マグカップ、アルミ、ケーキ型、スコップ、枡など、さまざまな器に植えられる多肉植物たち。明日はホームセンターで水ゴケとパミスを買わねば! と思ってしまいます。
 いままで、ただただ土に植えてきたのですが、モスだの水ゴケだのを使う方法もあるのですねぇ。
 この本には、紙の箱にモスを入れてカット苗をプレゼントしたり、ガラスのババロアカップに水ゴケを入れてエケベリアやセダムをよせ植えするアイデアもありました。
 植え木鉢じゃなくとも、いいんですね! 
 ガラスのプリン型なら何個かあるので、作ってみます。

「カレーライスを一から作る」前田亜紀

2018-02-04 06:31:00 | 産業
 舞台は武蔵美!
 関野吉晴さん、武蔵美で文化人類学を教えてらっしゃるのですね。「グレードジャーニー」で、世界中飛び回ってらっしゃるイメージがありました。(読んだことないけど、どこの学校図書館にもある本です!)
 確か、武蔵美には教え子のKくんが在籍しているはず。と思って本を開きましたが、彼が入学する前年の取材のようです。

 関野さんが呼びかけた、カレーライスをすべて一から作るというプロジェクト。野菜、米、調味料、噐、肉など、すべてを自分たちの手で作ってみようという提案に、関心をもった生徒は百五十人。
 しかし、ダチョウのひなは死んでしまい、野菜は化学肥料ではないためか育ちが悪い。畑の作業をしたことのない学生たちは、草取りのような単調な作業には来てくれず、だんだんと人が減っていきます。
 
 わたし自身、農家に生まれ育ち、結構手伝いに駆り出されていましたが、おそらく一から作るとなると何をどうすればいいのか途方にくれてしまいます。
 ただ、祖父がニワトリをしめたときの記憶はあるし、じゃがいもの植え付けに灰を使うことも知っているので、それなりには活動できるかもしれません。(実際、特別支援教室では農業的な活動もします)
 都会育ちで、田んぼやら畑やらが日常から遠い学生さんたちが試行錯誤する様子には、清々しいものを感じました。
 この本は、前田亜紀さんが映画として撮影した「カレーライスを一から作る」を児童書として再構成したもの。(発行はポプラ社)
 映像でも見てみたいですね。

 わたしは農業の手伝いが好きではなかったのですが、「ダッシュ村」やら堀米薫さんの農業ものやらが好きなので、根底はやっぱり農の水脈が流れているように思います。
 今の中学生、田舎育ちでも「芋虫や毛虫は蝶・蛾の幼虫」ということを知らない子が結構います。
 土に縁のない学生さんたちが奮闘する様子、おもしろい。
 烏骨鶏やホロホロ鳥に情が移って悩む姿も大きいテーマですが、個人的には畑での生長が見られなかった生姜を自宅の花壇で作ろうと考えたというエピソードが好きです。

「野菜の教科書」

2017-05-30 22:40:52 | 産業
 調べ学習のために食物の本を用意しようと思ったら、本校図書室十五冊くらいしかないのです。
 まだ先のことなので、徐々に集めるつもりですが、テーマはそのとき生徒たちが決めるので予測がつきません。
 とりあえず、「毎日使える! 野菜の教科書」(宝島社)を買ってみました。監修は管理栄養士の川端理香さんとのこと。
 野菜の豆知識や保存法、名前の由来とか選び方などが書かれています。
 今、テレビで「さやえんどう」と「絹さや」の違いがあるのかというCMをしていたのでさっそくページを開いてみました。
 「絹さやの由来は絹が出す音と似ているから」ですって。(さや同士がこすれあう音が絹の音に似ているらしい)
 さらには「板ざや」という品種もあるそう。
 なすは、ヘタを焼いてはると口内炎にきくそうですよ。
 また、ハムスターにアボカドは食べさせてはいけないとか、しいたけの学名は「エドダス」だとか、トリビアルな内容になっております。
 わたしなら、伝統食についてどういうテーマを設定して調べるかなー、と考えるのもおもしろいです。

「飼い喰い」内澤旬子

2017-01-01 05:24:47 | 産業
 あけましておめでとうございます
 今年もよろしくお願いします。

 先日、夫と話していたら、
「大学のとき、大型動物についても学べばよかった」
 と言い出したので、わたしは象とかカバとかそういうものを想像したのです。
 いやいや、夫は農学部出身。大型動物とは、豚とか牛を指すのだそう。(ちなみに、彼の研究対象は鶏)

 内澤旬子「飼い喰い 三匹の豚とわたし」(岩波書店)。
 「漂うままに島に着き」を読んだあと、すごく気になって探していたのです。予想通り、おもしろい。
 千葉県旭市で、三匹の豚を飼育し、それをつぶして食べるのです。
 簡単に書けばこれだけですむのですが……。
 企画したものの、小屋を建てるのがものすごく大変で、引き受けてくれたはずの工務店さんには忘れられ、扉は外向きにつけられ、雨漏りする、運動場にモルタルを敷けば作業がうますぎて豚が転ぶ。(蹄が引っかかるようにしなくてはならないそうです)
 半年で出荷と決めているため、借家も最低限の設備のようで、お風呂はつけなきゃならないし、不用品は残っているし、とても冬は住めないくらい寒い。 
 中ヨークシャーの伸、LWDの夢、デュロックの秀の三匹も個性的。
 内澤さんは、豚飼いの苦労をユーモラスに描きますが、浮かび上がるのは大規模経営でないとやっていけないことや、それでも労力に見合う収入ては言い難い現実です。
 豚を飼育して食べる作品としては、「豚のPちゃんと32人の小学生」も読みました。「食堂かたつむり」も。
 近所で養豚をしていたこともあり、鳴き声やにおいなども思い出しながら読みました。
 内澤さんの豚への視点は、とても温かい。食べることへの考えがぶれないのも、清々しくてよかった。
 小豆島にも三匹の骨は持っていったのでしょうか。
 今度は「身体のいいなり」探してみます。NDCは何番なのだろう……。

「ラジオのお仕事」室井昌也

2016-02-23 05:24:57 | 産業
 通勤の車中ではラジオを聞きます。
 以前はFMを聞いていましたが、車検で代車を借りたときに偶然聞いたAMの番組で聞き覚えのある名前と声が。
 教え子が、アナウンサーになっていました。確かに、中学のときからラジオのアナウンサーになりたいって言ってましたよ!
 以来、ずっとAMを聞いております。
 やっぱり人の話を聞くのはおもしろいですよね。
 今回は「ラジオのお仕事」(勉誠出版)を借りてみました。
 荒川強啓さん、こういう表記なんですねぇ。「ネットワークトゥデイ」しか聞いたことがないんですけど、ずっとどう書くのか気になっていたのです。(最初キョウヘイだと思っていたのですが、彼の滑舌のよさでキョウケイだとわかりました)
 外部レポートとかお天気キャスターとか(森田さんでした)営業スタッフや報道、ラジオショッピングのMCの方まで多岐に渡ります。
 専門学校のレポートもありました。
 交通情報キャスターは、東京本部で一括採用なんですねぇ。全国に五十三カ所のセンターがあるそうです。学生時代の友人がときどき登場していたので結構注目していたのですが、最近聞かないなと思っていたら、結婚退職されたようでした。
 番組を作るためにたくさんのスタッフが関わり、充実感をもって働いているのが素敵だなと感じます。
 ラジオって、日常的ですよね。特番を組むにしてもテレビとは違う。年末年始もレギュラー番組休まないし。
 ただ、家では聞かないので……。わたしの青春のアイドル斉藤由貴が週一回ラジオをやっているらしいので聞いてみたいのですが……。
 

「珍獣病院」田向健一

2014-06-14 13:30:19 | 産業
 「珍獣病院 ちっぽけだけど同じ命」(講談社)。
 珍獣というのは、つまりエキゾチックアニマルのことを指します。
 動物病院の患畜は主に犬と猫。トカゲとかウサギとか、受け付けてもらえないこともあるんだそうですね。
 田向健一さんは、田園調布動物病院の院長。子どものころからたくさん動物を飼っており、イグアナを育てるために部屋を改装してジャングルみたいにしてしまったほどだそうです。(お父さんが大工さんだから、そういうのをぱぱっと作ってくれたらしい)
 やはりもともとの住環境と合わなければ、動物も住みよくないですもんね。
 カメも、リクガメならともかく、ミドリガメを部屋で放し飼いする飼い主さんがいて、甲羅が乾燥して変形することがあるのだとか。
 日本には獣医師を育成する大学が十六校しかないというのも驚きました。実感の向かいに畜産専門の獣医さんがいて、子どもの頃は飼い犬のケアをしてもらったものです。「動物のお医者さん」とか「獣医ドリトル」とかで馴染みもありましたし。
 クラスの子が獣医さん希望だそうです。この本、おもしろいんじゃないかな?
 カエルも結石になるとか、カメの甲羅をパテを使って直すとか、プレーリードッグははげるとか、いろんなエピソードが楽しかった。

 

「あんな『お客』も神様なんすか?」菊原智明

2014-02-15 09:42:58 | 産業
 菊原智明「あんな『お客』も神様なんすか? 『クレーマーに潰される!』と思った時に読む本」(光文社新書)。『お客』には「クソヤロー」とルビ振ってあります……。図書館で背を見ただけでは分からなかった。(クレーマーと書いてあるのだと思ったんですね)
 タイトルしっかり見ていたら読まなかったかもしれません。
 でも、たいへんおもしろい一冊でしたよ。おすすめです。
 本文自体落ち着いているので、どうしてこんな題名にしたのか悩むところですが、菊原さんが後輩の営業さんから言われた言葉をそのまま使っているようです。全体で、その疑問に答えるような形式になっています。
 菊原さんはもともとトヨタホームの営業をされていた方(現在は経営コンサルタントで、関東学園大学の講師)で、本人によれば、入社以来営業成績は最下位。ところが、クレームを逆手に取る新しいスタイルを考案したことでトップに! この方法、なんとお客さん訪問すらしなくてもいいという、それまでの営業方法すら覆す画期的なものなのです。
 予告ハガキを出す。「お役立ち情報」というレターペーパーを送る。これをシリーズ化する。という流れ。お客様のお名前と、一言コメントは自筆で、とか、クレームであがった内容を中心に一枚め、二枚めには解決法と分けて作成とか、いろいろテクニックはあるんだそうですが。
 でも、読み物としておもしろいのは、断然その前のクレームのやりとりでしょう。四六時中作業を凝視する施主の父親とか、ついでに買い物をしてきてという奥さん。商談では何もいわず、メールで「納得できない」といってくる夫婦。自分に都合のいいように解釈してしまう人もいるそうです。
 「床鳴り」に関しての相談に、よくあることだからと返事をしたら、説明をする間もなく、「前の家の床鳴りがひどかったからわざわざ建て替えたんですよ?!」と怒り出した方の話を読んで、わたしも何気なく答えたことで誤解を与えたことがあるなあ、と思いました。
 人と人との関わりですから、誤解されることや不快に思われることもあるのが現実です。お互いを解ろうと努力することや誠意を持って接することが大切だと思いました。

「気になる木がわかる」林将之

2013-09-26 04:56:59 | 産業
 この木なんの木気になる木ー、と思い続けていたグラウンド脇の大木。今を去ること三年前、枝にぶら下がって遊ぼうとした一年生(注・中学生)がずり落ちてケガをしたあの木は、何の木なのでしょう。
 そう思っていても調べるのは意外と難しいのです。図鑑をはじめからじっくりめくり続けるか、何科なのかをあてずっぽうに見ていくか。大体、花や実のならない時期の木をどうやって特定すればいいのか。
 宿題で俳句を詠むことになった生徒が、「夏の日の大きな帽子プラタナス」という句を作ったのですが、どう見てもプラタナスではないよ。幹も全然違う。多分校木がプラタナスだからそう思ったんでしょうけど。
 で、図書館でこんな本を見つけました。「葉っぱで気になる木がわかる Q&Aで見分ける350種 樹木鑑定」(廣済堂出版)。著者の林将之さんは、人気の樹木鑑定Webサイト「このきなんのき」所長、だそうです。(「人気の……」からが表紙に書いてある肩書き)
 いやいや、これは便利。葉っぱに着目すればある程度の絞り込みが可能です。単葉か複葉か。ギザギザがあるかどうか。枝に交互につくか対につくか。落葉樹か常緑樹か。
 今まで、冬に葉を落とすかどうかというイメージしかなかったのです。落葉樹は葉の色が明るく、つやが弱く、質が薄い。常緑樹は色は暗く、つやが強く、質が濃い。ああっ、そうだったんですか。さらにグループに分類していくと、AからWまで多岐に渡ります。
 問題の木の葉を見てみました。まあ、毎日見ているので印象はわかります。ギザギザの葉とつるりとした葉が混在しています。ギザギザは木の内側の方が強い。
 ギザギザの葉。めくっていくと、こんな質問がありました。
「家の裏山にトゲトゲの葉っぱの木が生えています。ヒイラギでしょうか」
 その写真を見ても、何やら小さいので判断がつきません。実は学校に「柊」という部屋があるので、それにちなんだネーミングなのかな、と思ったり。説明を読むと、成木は先端以外のとげがなくなるのだそうです。
 葉を持ち帰って照らし合わせようかと一枚摘み、ふとすれ違った理科の先生に聞いてみました。
「あぁ、ヒイラギだよ」
 やっぱりそうなんですね……。詳しい人に聞くのがいちばんなのかもしれません。
 

「男よりテレビ、 女よりテレビ」小倉千加子

2012-06-20 05:40:22 | 産業
 テレビ批評です。 
 小倉千加子「男よりテレビ、女よりテレビ」(朝日新聞出版)。おもしろく読みました。
 わたし自体はほとんどテレビを見ないのですが、レビューは好きなんですよね。ナンシー関「テレビ消灯時間」とかカトリーヌあやこ「すちゃらかTV!」とか。
 何故でしょうね。朝のニュースと子供の見る番組を横から眺めるくらいにもかかわらず、小倉さんの語りに引き込まれて、あたかも視聴したことがあるかのように感じる場面もありました。
 小倉さんの俎上に挙げられる番組はいろいろあるんですが、結構政治の話題が多い。小泉さんが高級な麻のシャツを着ていたとか、橋下徹が知事戦で勝ったとか。「クローズアップ現代」や阿部寛の話題も多いけど。
 あぁ、大河ドラマの話もありましたよ。「風林火山」では躑躅ヶ崎城の表記が「髑髏」に見えてしまう。山本勘助が信玄を天下人にすると宣言するけど、史実を知っているのでかなわないことは明白だから。このドラマで由布姫に思いを寄せている姿が話題になったせいか、次の「篤姫」での設定はちょっとやりすぎの面が多いのではないかと苦言を呈します。
 まず、侍女も連れずに廊下を歩き回る。西郷隆盛と友達だったという脚色。幼なじみとの恋。
 あと三谷幸喜は嫌いみたいです。大阪と東京の番組を比較する話や梅宮一家を考察する話もありましたよ。
 わたしが気になったのは、イチローが茂木健一郎に失礼なことをいわれるけど逆襲する話題。足裏マッサージ器と枕を見せたら、「おじいさんみたいですね」といったんだって。
 「本気で笑ってない」と次の放送のときにイチローは言ったそうです。
 それから、かとうかずこがそのまんま東について語ったという「いつも君が洗濯機の蓋を開けっぱなしにしている理由が分かったよ」という台詞も、なんだか忘れられません。
 小倉千加子といえば、ジェンダーフリー。そういう思想も文章の背後に見えてくるのがたのしかった。
 続編はないんですかね。こういうのもっと読みたい。観察眼の鋭さ、さすがです。

「僕のお父さんは東電の社員です」その2

2012-03-26 19:34:03 | 産業
 決して少なくない数の子供たちが、悪いのは原発の設置を許した福島県であると書いています。いや、でも、分かっているんですよね? 原発があるのは福島だけではなく、日本中にそれこそ五十基以上あるんですが。同じように計画段階で受け入れた県に対しては? 同じように悪いのか、それとも地震で壊れたのはこの原発だからこその限定なのか。さらに、「東北の人が悪い」と書いている子もいて、相当遠くに住んでいるのか、電力会社の管轄地域で一緒にしてみたのか。
 ただ、東電に非難が集まるのは、原発が壊れたこともありますがそれ以上に、震災での対応がよくなかったからだと思うんですが。そりゃ、もともと原発がなければ事故もないわけだから、そう考えるのも仕方ないかもしれないけど、原因と結果を取り違えてはいけませんよね。
 わたし自身は、原発には長いこと不信感をもってはいました。原発施設で働いていた方が亡くなったお葬式で、息子さんが泣きながらお別れの言葉を読んでいた、あの場面は忘れられません。そのこともあって、社会の先生が後年原発問題の授業をするというので「パエトーン」(山岸凉子・角川書店)を紹介しました。授業後、ある生徒が
やってきて、「わたしのお父さん、女川原発で働いているんです」と言われたと複雑な気持ちを話してくれました。
 東野圭吾も、「天空の蜂」で原発問題は考えるべきことだて書いていたと思いますが、まず考えなくてはならないのです。でも、時がたつうちに、なんだか原発は「クリーン」なイメージをどんどん増していったのですよ。地球温暖化だから二酸化炭素の排出が少ないとか宣伝もしていましたよね。(実際には他の発電と比べてそれほどの違いはないと、森さんは言います) これがプロパガンダなんでしょう。
 わたしたちは、何を選択すればいいのか、それを判断するための情報が原発問題では不足していると思うのです。別に意図的に隠しているわけではなく、まだ分からないことの方が多いから、利益を期待してハイリスクであることから目をそらしてしまう。
 わたしたちが後世に残せるものは、もっと安心できる世界でなければならないはず。三十年前に比べて、便利な世の中にはなりましたが、なんだかいろいろ欠けているような気がするのです。