似鳥さんのホラーショート「そこにいるのに」(河出書房新社)。
容赦のない設定が遺憾なく発揮されております。
「怪を編む」のアンソロジーに収録されていた「イルカのシール」が「六年前の日記」として巻頭に入ります。
イルカじゃなくて、キャラクターの「クママリ」のシールが貼られていることになっていますが、この「クママリ」が全編にちょこちょこ組み込まれていて、なんとなく不気味な感じを与えるのです。
ぬいぐるみ、特別な新幹線車両、キーホルダー……。
日常のふとした部分を逸脱する物語は、ほんの一歩違う道に踏み出してしまったことから最悪の末路をたどることになります。
何気なく始めたエゴサーチで、自分としか思えない人物が最低の行動をしているのを目撃する。書き込みも白熱し、自分ではないと証明はできない。実際にその時間、その場所に同じ服装で自分はいた。どうすればいいのか……。
さらに添付されたURLにアクセスすると、ひどい怪我を負う自分の姿が写し出されて……。
「痛い」は、平凡な名をもつ吉田美咲を襲う恐怖。
わたしが印象的だったのは、他に「写真」と「おまえを見ている」。
似鳥テイストとしては少し薄い気もしますが、ホラーものとしての需要は高そうです。表紙を見た同僚から読みたいと言われました。じわじわと似鳥ファンを増やしたいと思っております。
容赦のない設定が遺憾なく発揮されております。
「怪を編む」のアンソロジーに収録されていた「イルカのシール」が「六年前の日記」として巻頭に入ります。
イルカじゃなくて、キャラクターの「クママリ」のシールが貼られていることになっていますが、この「クママリ」が全編にちょこちょこ組み込まれていて、なんとなく不気味な感じを与えるのです。
ぬいぐるみ、特別な新幹線車両、キーホルダー……。
日常のふとした部分を逸脱する物語は、ほんの一歩違う道に踏み出してしまったことから最悪の末路をたどることになります。
何気なく始めたエゴサーチで、自分としか思えない人物が最低の行動をしているのを目撃する。書き込みも白熱し、自分ではないと証明はできない。実際にその時間、その場所に同じ服装で自分はいた。どうすればいいのか……。
さらに添付されたURLにアクセスすると、ひどい怪我を負う自分の姿が写し出されて……。
「痛い」は、平凡な名をもつ吉田美咲を襲う恐怖。
わたしが印象的だったのは、他に「写真」と「おまえを見ている」。
似鳥テイストとしては少し薄い気もしますが、ホラーものとしての需要は高そうです。表紙を見た同僚から読みたいと言われました。じわじわと似鳥ファンを増やしたいと思っております。