くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「復習に役立つ ノート術」菊池省三

2013-07-31 04:52:58 | 社会科学・教育
 小学校の面談で、もう少し字と絵心を育てたいと言われてしまいました……。
 えぇ、えぇ、うちの息子、ノートがそれはもうがっかりな仕上がりでして……。毎回見るたびに直させてはいるんですが、いっこうにものにならない。定規で線を引け、落書きはするな、受けねらいはやめろ、とたったそれだけなのに、なぜ守れないのか。
 見本になるようなものをみせなくては! と思いまして、図書館から借りました。「復習に役立つ ノート術」(フレーベル館)。著者の菊池省三先生は、話し合い指導の本もすごくおもしろかったのです。
 わたしが読んでも、具体例をふんだんに入れてあって非常におもしろい。演習問題はわたしもやってみようと思います。まず、小説文を十分で写す。制限時間があるけど読めないものはだめ。次は図鑑の説明を写します。ザリガニの図でした。
 それから、聞くことがとても大切。全身パラボラアンテナになったつもりで聞くというのはナイスですよね。文章を聞き取ってキーワードをビンゴ形式で押さえるゲームや、伝言ゲームの視写版もおもしろそうです。(制限時間一分!)
 研修のときに講師の方が「言語化」では「聞くこと」も重要なウェイトを占めているとおっしゃっていて、たしかに自分が授業を受けている場合は板書だけではなく派生するお話もできるだけメモしちゃいますね。そう考えると、なかなかそこまでする生徒はいないような。これはわたしが大人だからでしょうか。知識の体系化ができるようにならないと難しいかな。
 息子に読ませましたがとおりいっぺんの感じ。
 わたしは今日も研修です。頑張らねば。

「ハイキュー!!」古舘春一・星希代子

2013-07-30 04:24:28 | 文芸・エンターテイメント
 ショーセツバン! について書く前に、五巻を貸してもらったのでちょっとくだらないことを。
 宮城県の高校は「宮城県立○○高等学校」ではなく「宮城県○○高等学校」です。この違いがわかるでしょうか? 古舘さんは宮城県出身というわけではないのかな? その割に伊達工業の選手たちが温泉地からのネーミングで、おかしかった。青根、鎌先、小原、茂庭、あ、青葉城西の金田一とか、国見とかもいますよね。(宮城じゃないのもあるけど)
 あと、鵜養コーチが宮城には地区予選がないと言っていますが、ちゃんとありますから……。確かにほとんどが県大会にいけるようですけどね。
 「ナイスキー!」というコールに、結構バレーを見てこられた方なんだろうと思いました。今もこういうチームあるんですか? わたしが中学生のときは多かったんです。スパイクのことを「キルアタック」(「キルスパイク」かも)といったんですよね。スコアにも「K」と記入していました。
 それから、「蔭山」「朝日」「田中」という全日本選手がいたんですけど……。偶然の一致ですかね?
 
 ところで、わたし、疲れ切っております。やっと地区のお祭りが終わりまして。1ヶ月ずっとお囃子練習に付き合って、山車の小道具を作って。この一週間ずっと雨降り。昨日も雷が鳴るなか、テントで待機。巡行は幸い晴れましたが、足下ぐしゃぐしゃです。
 ただ、お祭りの最中は卒業生にたくさん会えるのが嬉しい。転校していった子が帰ってきていたり、ぐっと成長した姿が見られたり。
 彼らはみんな現役高校生。なかにはバレー部男子もいました。中学生のときは同じ体育館でずっと練習風景を見ていたので、なんだか感慨深いですね。
 
 え? ショーセツバン!の話になかなかならない?
 えぇ、それは、わたしの好みではなかったから……。この数日間、常に冒頭からすすまなくて、非常に疑問だったのです。だって、眼科の待ち時間に少年ジャンプを手に取ったくらい「ハイキュー!!」はおもしろいのに。
 あの、ですね。わたしはキャラ読みではないんですね、これ。バレーボールに対する情熱が、好きなんだと思います。練習メニューくらいしか用語が出てこないのは、バレーボール小説ではない。
 スポーツを文章で表していくのはたしかに大変です。ジャンプ読者も、いつも試合や技術向上のことばかり考えているキャラが、日常生活ではどうなのか知りたいと思うのでしょう。まんがとは違うエピソードを読みたいのでしょう。
 でも、わたしはそうじゃないんだなー。
 ということに改めて気づかされましたね。わたしは合宿で田中と西谷がスポーツドリンクの粉末と塩を間違えても別におもしろくないんですね。まんがに溢れているバレーボールへの思いが薄れているというか。
 ちなみにわたしの好きなキャラは澤村大地なんですが、やっぱりバレーをしていてほしい。星さんは、バレーボールに興味ない作家さんなのかしら。

「幸福トラベラー」山本幸久

2013-07-29 20:51:10 | YA・児童書
 延滞しております。だって、読む暇がなかったんだもの。
 本日、コンタクトレンズの定期検診の待ち時間に読みました。おもしろかった。わたしは「幸福ロケット」が大好きなんですけど、あの香な子も登場し(アヒルバスのデコも出てきます)、姉妹編なのかな? と思いました。
 山本幸久「幸福トラベラー」(ポプラ社)。こういう初恋もの、山本さんはうまいですよね。ただ、主人公をあおるためだけのキャラが何人かいるのは冗長かな、と思わないでもないですが。まあ、背後にはムラヂと桑畑さんのラブストーリーもあるのかもしれません。シロウの影はうすいなあー。
 新聞部の部長になった中二の小美濃春生。憧れの高梨先輩が受験生なので、今度の特集はパワースポットにしようと、上野に取材に行きます。そこで、修学旅行生だという行方(なめかた)さんという女の子と知り合うのですが、ちょっと風変わりな頼みごとをされます。デジタルカメラで、名所の写真を撮ってそのデータがほしい。その写真のアングルは、必ず端っこに自分を入れてほしい。大仏とか野口英世像の前とかで彼女は写真を撮りたがり、春生は不思議に思いながらも頼みを聞くのですが。
 この作品の楽しいところは、上野界隈の風物ですよね。春生の両親は幼なじみで、昔から上野でデートをしてきた。不忍池でボートに乗り、そこで父がプロポーズをした。だから、何かしら家族の祝事があるときは必ず上野にやってくる。父は西郷隆盛の像のうんちくを語り、春生はかなりその話にげんなりしているのですが黙って聞いています。(わたしも犬の名前は知っていましたが、彫刻家が異なるという話は驚きました)
 というのも、父は星一徹なのに、息子の自分はのび太だから(笑)。
 すみません、このネタ、読まないとわからないですね。お父さんはかなりの二枚目で、芸能界から誘いがあったこともあり、女の人からきゃあきゃあ言われ、さらにスポーツ万能なんですけど、春生は小学生に間違われるような外見で、しかも運動はどれもものにならなかった。唯一ボートは漕げます。でも、父からはそれは当然のことであり、行方さんからはその細腕では無理なのではないかという目で見られる。
 あ、それでですね、二人は上野の名所をあちこち回るんですが、修学旅行生と地元の人という取り合わせなので、結構おもしろいところに読者を連れていってくれるんです。こども遊園地もその隣の売店も行ったことある! だけどその隣に東照宮があって工事中だというのは知りませんでした。
 視点は春生ですが、同時に行方さんの立場が非常に浮き上がってきます。学校生活の息苦しさから、その後の彼女は抜け出せたのでしょうか。
 上野公園の絵描きさんが、いい味出していますよね。

「わからん薬学事始」3 まはら三桃

2013-07-26 22:07:12 | YA・児童書
 これが完結編です。まはら三桃「わからん薬学事始 3」(講談社)。
 草太の出生の秘密がわかるのか、とどきどきしたんですが、思ったよりあっさり。それ以上にページを割かれていたのは、伸太郎のトラウマ克服です。
 忍者の子孫であることから、一人山奥に隠棲して薬をつくる大叔父。近くに住む「やまんば」の家の「オオカミ犬」に咬まれたことから動物嫌いになったという伸太郎でしたが、その真実は。
 シロタ、なんだかかわいい。なでてみたい。
 ここでの体験から、気休め丸をつくるためのヒントを得たいと思った草太でしたが、裏目に出て、薬草の声を聞くことができなくなります。
 落ち込む草太に、矢野先生はこれをチャンスにすべきだと話します。耳に頼るだけでなく、手、目、鼻などの五感をフルに使ってほしい、生薬図鑑を活用してほしい、と。
 そうですよね。テストの問題を見ただけで答えが浮かんでくるのなら、それは他の子から見れば「ずる」だし、学習の本質から離れてしまうことだと思います。
 草太は一念発起。受験勉強と生薬の学習とを両立させようと頑張ります。
 わたしはまはらさんのほのぼのとした感じが好きなのですが、今回は真赤とのことは必要なのかな?  
 
 

「ハイキュー!!」古舘春一

2013-07-24 21:56:54 | コミック
 やっぱり、バレーはコンビだよね。
 このまんがを読んでいて、つい胸が熱くなるのは、セッターとアタッカーとの呼吸とか、拾ってつなぐプレーとか、本当に練習して培っていく技術以上の絆のようなものを感じるときなんです。
 あぁ、わたし、センター中心のコンビバレーが好きなんですね。今回、ライバル高猫駒のキャプテンが「一人時間差」を披露してくれて、ついつい森田淳吾さんを思ってしまいました。
 最近のバレーは、エース中心のオープン打ちが多いように感じていたので、このセッター影山の天才的な技量と、機動力のある日向のコンビは面白い。
 セッターとアタッカーとのつながりって、大きい。三巻で鵜養監督が、「トスとスパイクの一瞬の呼吸… そりゃあ沢山の練習と積み重ねた時間があるからできること」「あの信頼関係は一朝一夕で築けるものじゃない」と語るんです。セッターの菅原が、エースの旭に平行を打たせるんですよね。
 古舘春一「ハイキュー!!」(ジャンプコミックス)です。いやー、わたし、少年まんがはもう感覚的に合わないかと思っていたんですが、撤回です。帰り道にスーパーに寄ったついでにちょっと、と読み始めたら止まりませんでした……。
 本屋さんで「仙台市体育館が出てくる」と紹介してあったんです。バレー部顧問のA先生から貸していただきました。「部員たちに読ませたいよ!」と言ってましたね。
 もともとわたしは、学生時代に東京まで観戦にいっていたバレーファン。藤沢商業、東海大四といったあたりが好きでした。それから、地元の東北。
 あれから二十年。ルールも変わって、ミドルブロッカー(MB)とかウィングスパイカー(WS)とか言われてもさっぱりわからないんですけど。
 この高校生たちが自分のポジションに誇りを持っていることと、チームのみんなを信頼していることはすごく伝わってきます。
 最初の出会いが不愉快だった日向と影山ですが、その後どんどんチームメイトとしてなじんでいくのがいいんですよね。
 今、四巻を読んだところで止まってしまったのは、なぜか五巻が入ってなかったのです。初の公式戦が気になるのですが。
 

「ルームメイト」のつづき

2013-07-23 21:46:45 | ミステリ・サスペンス・ホラー
 昨日は途中で睡魔に襲われました……。なにしろ二日間大会引率で四時半起き、夜はお祭りの準備、今日からは駅伝練習でいつもより三十分早く出る(これが毎日続く)と思うと、もう……。しかも、今年は講習を六日も入れてしまった。夏休みなのに、休みってどこに? 
 まあ、愚痴はおいておいて、「ルームメイト」です。
 春海の多重人格である健介と、ラストで登場するあの人なんですが、どうも現実のモデルになった人物よりも過激ですよね。野球少年で妹思いの少年が、いくら成長しないからといっても純粋さゆえに人を殺めるとは思えないのです。
 健介が武原を手に掛けたとき、頭の中に響く声が彼を止めようとします。しかし、その声はそれまでの殺人では止めることはなかったのです。それは、春海の心の中であの人の存在が次第に大きくなっていたからでしょう。でも、終盤の一人称は、それまでの「彼」の内面とはイメージが違いますよね。
 春海本人は非常に無垢で人を疑うこともなく暮らしているようですが、別人格がこれほどに過激なのはその反動なのでしょうか。
 しかし、わたしとしては大平先生の「顔のない女」を読んでいるものですから、なんとなく納得できない。
 多重人格って、本当にあるの?
 「ビリー・ミリガン」でも確か「シビル」に触れていたけど、のちに虚偽であることがわかったのでは?
 あぁ、でもずいぶん前に描かれた物語ですからね。当時の背景が結構見えます。携帯も出てきます。でも、キーになる小道具はカセットテープ。最近の中学生には「ラジカセ」って通じないんですよ(驚)
 でもでも、この物語の最大の謎は青柳麻美が四十二歳なのに、麗子の人格のときには十八歳に見えてしまうということ。いくらサブの人格が年をとらないからと言われても、それはないんでは……。
 ふと思ったのですが、麗子は春海に「妹」として暮らしているように偽装することを提案しますが、それは麗子本人も自分の多重生活を自覚していることになりますよね。
 あ、ま、また、睡魔がっ。
 明日も、早いのです。くじけないように頑張らねば。
 
 

「ルームメイト」今邑 彩

2013-07-22 22:05:57 | ミステリ・サスペンス・ホラー
 「七月十九日。朝、起きると、西村麗子はすでに起きていて、ダイニングルームで、テレビのモーニングショーか何かを観ながら、トーストをかじっていた」
 というのが、この作品本編の書き出しです。かじるという字がスマートフォンでは出せませんでした。この前にオープニングがあっての始まりなんですが、もうしばらく読むと、今度はこんなふうに書かれています。
「七月十九日。金曜日の夜だった」
 まさしくこの日、七月十九日の金曜日だったのです。いや、それだけのことなんですけど……。
 今邑彩「ルームメイト」(中公文庫)。わたしはこの作品を新書版でもう二十年も前に一度読んでいます。仙台駅の東口にある図書館で借りたんですよね。井上夢人さんの作品と混同していた部分もありますが、ネタとしては忘れられなかったため、今回は伏線やミスリードを誘う場面がよくわかりました。
 この文庫を買ったのは、もう四年ほど前。授業でブックトークをしたときにある生徒が最近読んだと紹介していて、なんだか懐かしくなって。でも、読み返すとずいぶんスプラッタな感じがありました……。
 二十年前、わたしは猛烈に今邑さんの作品にはまったことがあり、「つきまとわれて」だの「蛇神」だの「鋏の記憶」だのを読んだものです。このところ、しばらく流通していなかった文庫がまた出るようになって嬉しかったんですが、今邑さん、先日亡くなられましたね……。
 「ルームメイト」は、「二十四人のビリー・ミリガン」をモチーフに描かれています。と書くと、かなりネタばれになってしまうのですが。
 わたしも読みました。今思えば、この時期は多重人格のものが流行っていたような気がします。だからこの作品でも、多重人格は幼少期の虐待をやり過ごそうとすることが要因だろうと工藤は思うんです。
 あぁ、ネタばらしだけであらすじが後回しになってしまいましたね。
 西村麗子とふとしたきっかけで知り合った春海。二人で広い部屋を借りることにしますか、ある日、麗子が姿を見せなくなって……。困惑する春海は、先輩の工藤に相談します。
 工藤はいとこのフリー記者武原とともにその足取りを追うことになります。
 なんかまとまりませんね。つづきはまた。
 

「教室」真田コジマ

2013-07-17 01:39:12 | YA・児童書
 職業柄このタイトルが目に入ってくるんですよ。真田コジマ「教室 消えない虹」(金の星社)。引き出して見たらこれもスカイエマさんが挿し絵を描いていらしたので借りてきました。
 小学五年生のある学級の日々を、子どもたちにスポットを当てて描きます。「上原卓也 3番」「西川明日香 21番」というように出席番号も入っています。男女混合名簿みたいですね。
 さっきの話に出てきた子が登場することもあり、教室のみんなが生活の中にいる感じがしますね。うちの息子も同じ「五年二組」なので親近感。担任の先生は男性ですけどね。
 で、ここの担任水島朋美先生は、近々ご結婚の噂もある若い女性。子どもたちからも人気があります。
 両親の離婚で転校を余儀なくされた卓也は、この頃母親と親しいらしい男性の娘が同じ学校にいることを知ります。母は、自分のことが最も大切と言っていたのに、このところ行動を見ていると不安になってくる。
 隣のクラスにいるいとこに急接近する同級生が気に食わない有紀は、無理矢理家に泊まりに行きますが、おじさんから幻滅するような事実を教えられて一気に熱が冷めます。
 船の模型を作るのが大好きなのに、下の子が生まれることを知って嫌な気持ちになる男子とか、憧れの女の子がニュースになるような事件に巻き込まれたことで落ち込んでいるのを、なんとか励ましたいと思う女の子の話もあります。
 思春期の入り口だからか、誰が好きなんていう話題も出てきますね。その反面、アキラ(先述した有紀のいとこ)がお母さんにべったりと聞いてがっかり、みたいなところもあるわけです。
 水島先生は、最後にかなりショックなことがあります。なんとか立ち直ろうとする彼女と、マグカップを買ったときにはどうしても言えなかったのだろう彼のことを考えると、いたたまれない気がしますね。
 ところで、うちの五年生、宗田理が大好きなんですけど、ばあちゃんから「まんがみたいな本しか読まなくなるから買わないように」と言われ、困惑するわたし。「ぼくら」シリーズ、だめですかね? ある程度濫読しないとそれこそ読書環境は偏ると思うんです。読書の「筋肉」もトレーニングしないとつきませんって。
 それとも「もものかんづめ」のことでしょうか。学年一位だったKくんも、これは好きで何回も読んでいたんだけどなあ。
 どの本なら納得してもらえるんでしょう。わたしが五年生のときは「小公女」とか「ハイジ」とか読んでましたが。芥川でも買ってみる?

「ぼくたちのアリウープ」五十嵐貴久

2013-07-16 05:29:07 | 文芸・エンターテイメント
 スポーツ小説です。種目はバスケット。アリウープというのはかなり高度なシュート技らしい。よく説明できませんが。
 五十嵐貴久「ぼくたちのアリウープ」(PHP)。スカイエマさんの表紙の本を借りようと勇んで図書館に行ったものの、メモ書きを忘れて愕然。でも確か、五十嵐さんの本で一冊あったはず(「You!」は既読)、と探したらこれでした。実は返却日が過ぎているんです。例によってトランクに積んだままだったから……。
 で、一気にラストまで読み終わりましたよ。この人、まんがやドラマで育ってきた人なんだろうな、と読むたびに思うんです。展開がね、スピーディー。キャラクターの出し方もそうです。
 「ぼく」こと斎藤順平は、中学では中位グループだったのに、試験のヤマが大当たりして名門高に入学します。インターハイ常連のこの学校でバスケットを続けようと思っていたのに、三年生の不祥事で一年間は対外試合禁止。とばっちりをうけた二年生からはまた裏切られるのはこりごりだから、新入生は受け入れないと言われてしまいます。 
 二年生と試合をして勝てば入部を許してもいい。だめなら退部。そんな約束を交わした順平は、ただ一人残ってくれた鶴田(ツル)と一緒に戦ってくれるメンバーを集めますが……。
 メンバー集めに奮闘するあたりでもう半分終わっちゃうんですが、ドリブルのうまい坂田(モンキー)とか、茶道部と兼部している国木田(ドッポ)とか、個性的なメンバーが結集します。国木田くんのお姉さんは女バスの部長で、見かねて練習相手を買って出てくれ、それに付随して「メガネ」が、さらには糖尿病一歩手間のウトウが入ってきます。
 わたしは国木田くんが好きですね。「健太やります!」あたりにもこういうタイプのキャラがいたような。
 二年生ではキャプテンの小野くんが出てきますが、レギュラーチームじゃないのに神田さんにやたらとスポットが当たっていますよね?
 中根先生、審判できるならバスケ顧問してあげればいいのに。バスケ審判はとにかくコート中を走り回るハードな仕事ですよ。
 わたしも約十年前、4カ月だけ顧問をしました。当時妊娠中で、体育館は寒いしお昼に差し入れされるコンビニ弁当は胸焼けするし、練習試合の日は帰ったら寝込む毎日でした……。
 でも、バスケする生徒たちはかっこいいんですよね。お母さんたちと一緒に応援する毎日でした。

「みすけん!」さかたき新

2013-07-15 05:48:06 | コミック
 書店で冒険買い。カバーのあらすじ(帯のミステリ作家の羅列)を読んで買ってしまいました。「俺は横溝正史の゛悪魔が来たりて笛を吹く゛やな」「乱歩の全集は読みごたえあるわよ」
 少女まんがで「悪魔が来たりて」ですかっ。いや、花ゆめコミックだからなまじっかの作品とは違うのかも。そう思いつつ読んだんですが。
 主人公千里の憧れの人影森くんが、「十番館の殺人」についていうんですよ。
「読んだことない奴いるのか ミステリ好きで」
 ……わたし、読んでいませんね。冷静に考えて、綾辻作品を読んだことが一度もないことに気づきました。「Another」を借りて読まずに返したし。あっ、「月館の殺人」は読んだか。(もちろん佐々木倫子のまんがで)
 そうやってみると、前半わたしの知っている本が全く出てこなくて、「葉桜」の話題でやっとほっとした次第です。
 ただ、さかたきさんとわたしは微妙に好みがずれているような。わたしは京極夏彦どうしてもダメだったので、それこそ「推理小説でそんなんありか」と思うと、他の本も読む気にならないんですよねー。
 あと、北森鴻が「裏京都」シリーズで登場するのも納得いかない(笑)
 しかし、ここに紹介されるのは、一般的なミステリファンは好きだろうとは思います。島田荘司、有栖川有栖、綾辻行人、湊かなえ、恩田陸、京極夏彦、クイーン、ヴァン・ダイン、キング、ハリス、アイリッシュ。
 もう二十年以上前、わたしはアイリッシュが大好きだったんですよ。当時文通していた京都在住の人が、学園祭で綾辻さんに会えたと興奮していたことを思い出しました。ホームズやクリスティも読みました。でも、わたしはいわゆる「新本格」が好みのわけではないのでしょうね。
 ミステリ研究会の面々が個性的でおもしろかったんですが、それ以上に本の話題ができる友達関係というのが楽しい。うーん、わたしはやっぱり誰かと本について語り合うのが好きなんでしょうね。
 だから、千里が影森くんといい雰囲気になるのは、わたしには添え物みたいな感覚でした。ごめん。