くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「国語教育を救え」宇佐美寛

2018-09-29 05:13:22 | 社会科学・教育
 「学習指導要領は間違っている」!(121ページ)
 すごいよ宇佐美先生! このパワー、いっぺん読んでいただきたい。
 「私の作文教育」は途中で挫折してしまいましたが……。
 こちらは一気に読みました。宇佐美寛「国語教育を救え」(さくら社)。
 宇佐美先生の主張は、文章を批判的に視写させることが国語教育には必要である、ということです。
 指導要領が求める「言語活動」や、授業の肝とも言われる「発問」は、独自の視点をもつ読み手を育てることができない。

 わたし、先日研修で「小学校の国語の授業の思い出を聞くと、年配の教員は教材を答え、若い教員は学習活動を答えることが多い」と言われました。例として新聞づくりがあげられていて。
 この本には、「海の命」の父の死を、「新聞記事に書く言語活動」の意味のなさが指摘されています。
 教科書の文章と新聞の文章は異なる。この活動は、教材から遊離していくことに他ならない。ひいては、原文を精読することができなくなる。

 わたし自身、生徒にあまり本文を読ませていないと反省しきりです。
 視写や読み上げ筆記をさせないといけないと思いました。
 すぐ影響受けてしまいますね。
 アクティブラーニングについての本も、読みたいのですが……。
 それより前に「作文教室」を完読せねば。

絶滅動物関連

2018-09-28 05:58:30 | 自然科学
 この夏、絶滅動物に関する本を三冊買いました。
 「わけあって絶滅しました。」(ダイヤモンド社)。「ざんねんないきもの事典」の系列です。(よく見たら出版社は違います)
 滅んでしまった動物の一人語りで、絶滅の理由が紹介されています。
 リョコウバトだと、こんな感じ。

 ヤッホー☆平和のシンボル、ハトだよ!(中略)
 数が多すぎたせいで、てきとうに撃っても何羽かかならず当たってしまったの。それで肉や羽毛目当てに、一日に20万羽も狩られるようになっちゃった!
 うちらも増えすぎたと思うけど、人間もやりすぎだよねー。

 小中学生には親しみやすいかもしれません。(レポートの参考にするには幼いかな)

 「絶滅生物図鑑」(雷鳥社)。美麗なイラストと分かりやすい説明に心引かれます。
 取り上げられる動物はかなり重複しているのですが、絵のタッチや説明がグッと一般的になってくるので、この二冊を抽出して読んだら違和感があるかもしれません。
 再び、リョコウバトは、こんな感じ。

 リョコウバトは鳥類史上、もっとも多くの個体数ーなんと推定50億羽ーを誇っていた鳥です。北米大陸の北東部から南部へと、大群となって移動を繰り返していました。(中略)
 大量虐殺は50年以上続きます。1850年を境に個体数は激減し、1904年野生種が絶滅。(後略)

 さらに、ブックオフにて「地球 絶滅動物記」(竹書房)を発見。
 今泉吉典監修! 今泉忠明著! 四千円するけど、これは買いでしょう!
 発行が二十年も前で相当古いですが。じっくり読んでいきたいと思っております。

「玄人ですもの」室井滋

2018-09-27 23:05:12 | 社会科学・教育
 対談ものが好きです。
 これも、すごくよかった。最初は気になる人だけピックアップして読もうと思ったのに(笑)。
 「室井滋のオシゴト探検 玄人ですもの」(中央公論新社)。
 室井さんが、「大人のための社会科見学」(帯の惹句より)として、最前線の27人を訪ね、体験インタビューをする一冊です。
 目次をめくってみると、なんと三人めに山口画伯が!
 全く気づかずに買ったので、嬉しい。絵とかアトリエの話、基礎知識があるのでイメージ浮かんでくる。
 続いて金澤翔子さん。さらに穂村さん。気がつくと、一気に全部読んでしまいました。(もちろん、初めのお二人も途中で戻って読みましたよ)
 以前から存じ上げていたのは、立川志の輔、日比野克彦、本川達雄、森岡浩(敬称略)。
 もっと知りたいのは、解剖学の遠藤秀紀、鍵師杉山泰史、昔話研究小澤俊夫(小澤征爾の兄!)。
 似顔絵捜査官や麻薬Gメンの方、ライトアップ職人やプラネタリウムづくりの方も興味深い。
 室井さんの引き出し方も楽しいですよ。できれば、単行本未収録の回も読みたいものです。

ライトノベル三冊

2018-09-26 05:18:18 | YA・児童書
 シリーズもの続編読みました。
 「Bの戦場 5」(集英社オレンジ文庫)。
 課長と付き合うことになってしまった香澄。何しろ「恋人」なんて考えたこともなかったので、どうしたらいいのかわからない。
 そんななか、レストランウェディングの企画が持ち上がり、打ち合わせにいったところ、同期の神山をはじめスタッフからは冷たくされて……。
 その後、ウェディングの持ち込み企画のアイデアに夢中になる香澄もかわいい。
 
 「幸せを呼ぶ物語、つづります」(ポプラ深いピュアフル)。「水沢文具店」の続編です。
 こちらも、龍臣とお付き合いすることになった栞。
 教員採用試験合格を目指して面接練習を繰り返すのですが、どんどん自信がなくなり体調もすぐれません。
 龍臣にはオーダーメイドストーリーの依頼も増え、幼児から引きこもりがちの学生、商店街の秋祭りの出発まで頼まれます。
 わたしは「ヒーローの消しゴム」が好き。
 いじめやトラブルを、人に知られずに解決していくストーリーを書いてもらった小学生が、自分も同じように周囲を助けようと尽力する物語です。

 もう一冊。「ケーキ王子の名推理(スペシャリテ)」(新潮社NEX)。
 ケーキが大好きな未羽。デートがうまくいかず、うさを晴らそうと入ったケーキ屋で修行をしていたのは、学校一のイケメン王子颯人。クールだけど師匠のケーキにはリスペクトしまくりの颯人に、いろいろと協力することになります。
 ケーキすごいおいしそうだし、ストーリーもかわいい。続編読みたいけど、誰か貸してくれないか。

「錆びた滑車」若竹七海

2018-09-25 05:33:32 | ミステリ・サスペンス・ホラー
 帯に「葉村晶 最低最悪の事件」と書いてあって、冒頭には晶が関わる前から運命は決まっていたような表記が。
 まあ、確かに彼女抜きでも成立する話ではあります。

 尾行していた女性のトラブルに巻き込まれて、彼女所有のアパートに移り住むことになった晶。
 アパートには孫のヒロトもおり、二人の面倒をみるうちに擬似家族のような居心地を感じるようになります。
 ヒロトは、ある事故で父を失い、自分も重症を負ってリハビリ中。しかし、その事故の記憶が戻らないのです。
 何故、自分と父は遊園地行きのバス停に立っていたのか。
 晶にその理由を調べてほしいというのですが……。

 今回も、いろいろ引きずり回されて怪我をして、アパートは焼ける、お気に入りの本棚は壊れる、と不幸の見本市みたいな展開です。
 個性的な人物も多く、中でも警察組織の運転手郡司と、晶のシェアハウスの仲間瑠宇さんのあれこれが、興味深かった。
 晶はあれこれ心配するんですが、読者側からは予想がつくのですよね。

 初版はシリーズガイドつき! 懐かしいですね。
 ところで、わたしにとって「葉村晶最低最悪の事件」は、「悪いうさぎ」なんです。
 読後も、それは変わりませんでした。

「キッチンミクリヤの魔法の料理」

2018-09-24 05:58:41 | YA・児童書
 仙台が舞台の料理小説と聞いたので、探していたのです。
 なかなか見つからなかった中、お膝元仙台で見つけました。しかも、続編も。
 吉田安寿「キッチンミクリヤの魔法の料理」(光文社文庫)。
 派遣期間が終わり、同時に同僚だった彼とも終わったまどか。
 ショックで公園で座り込んでいたところ、幼なじみの兄御厨陽一に声をかけられ、キッチンミクリヤのホールで働くことに。 
 陽一をリスペクトする、厨房担当の百瀬や、近所の洋菓子店の次男孝輔、同級生バリスタ星路、とイケメンがぞろぞろ出てくる割には、まどかは恋愛モードにならず、かえっていろいろ巻き込まれておもしろかった。
 わたしは陽一の一人娘真珠ちゃんの話が好きですねぇ。
 進路で悩んだり、お友達のことを心配したり、中学生らしくてかわいい。

 仙台が舞台なので、馴染みの地名も結構出てきます。五橋や一高も近いというから、場所のモデルはどのあたりかなーなんて考えながら読みました。仙台七夕とかも飾られているので、アーケード近辺ですかね。
 ただ、油麩の話題が出たとき、「登米」のふりがなが「とめし」だったんですが……。
 「登米市」ならいいんですけど、「市」が入っていませんね。
 ついでにいうと、油麩の生産をしているのは、「登米市登米町」(とめ市とよま町)なのです。

 まあ、そういう細かいことはともかく、全体的に楽しく読みました。三巻は出ないのかな? 陽一の妹月菜の彼氏とか気になるんですが。

古本屋で買った本

2018-09-23 06:01:47 | 〈企画〉
 時間があると古本屋に行きます。近所には新古書店しかなくなってしまいましたが、企画棚や不足分の補充には強い味方ですね。
 先日買った本。
「船に乗れ!」(ジャイブ)1~3
 吹奏楽特集のため。この本はオーケストラ部ですが。
「おら『あまちゃん』が大好きだ」(扶桑社)、「吾輩は主婦である」(角川書店)前後編。
 大河ドラマが始まったら、宮藤官九郎特集をしようと地味に収集中。「木更津キャッツアイ」のファンブックもあったけど、そこまではマニアックすぎるのでやめました。
 自分のために買ったのは、「思い出のとき修理します 3」(集英社文庫)と、「修復家だけが知る名画の真実」(青春出版社新書)。
 8冊買って、単行本半額セールのため八百円くらい。

 その前に買った本。
 「桜子さんの足下には死体が埋まっている 3」(角川文庫)、「人生はワンチャンス」、「響けユーフォニアム」(宝島社文庫)1と2、「アイスクリン強し」(講談社文庫)。
 五冊で百円でした。
 
 他の日。
「15歳までに読みたい 短歌・俳句」佐藤綾香編。以前読んでおもしろかったので、所有したいと思って。これだけで八百円しました。
 三宮麻由子さんの本、描写が素晴らしいのですよ。
 宮部みゆき「ばんば憑き」。室井滋「玄人ですもの」。
 宮藤官九郎「妄想中学ただいま放課後」(太田出版)、もちろん特集のため。この本自分で持っていますが、せっかくなので図書室に寄贈します。わたしは宮藤本ではこれがいちばん好き。卒業アルバムの写真が使われているところも、同年代の皆さんとの対談も。(わたしも同年代)

 その後買った本。
 黒坂愛衣「ハンセン病家族たちの12の物語」(世織出版)、買わずにはいられなくて。二千円したけど構いません。
 どちらもオザワ部長著。「あるある吹奏楽部ゴールド」自宅用に。「吹ぺディア」(学研)、特集本棚用に。
 「日本の伝統色を楽しむ」(東邦出版)、自然と生態系と文化の関わりの、調べ学習に使います。
 佐藤真海「夢を飛ぶ」(岩波新書)。「ヤミーさんの一畳半のキッチンから生まれた革命的なレシピです」(青春出版社)。石原千秋「生き延びるための作文教室」(河出書房新社)。どれも好きな本なので。
このへんは皆二百円くらい。
 それよりも文具(主にシールとマスキングテープ)で一万五千円くらい買ってしまった……。
 ちなみに本屋には三軒行きました。丸善で五千円買ったら本のクッションもらいました。

 こんなに大量に買って、どのくらい読むのか。まだ手をつけていない本が、自宅にもどっさりあります。半分は図書室に置くとしても、無計画ですよね……

「まわしよみ新聞をつくろう!」陸奥賢

2018-09-20 17:43:53 | 総記・図書館学
 この本を読んでいると、実際にまわしよみ新聞を作りたくなってきます。
 陸奥賢「まわしよみ新聞をつくろう!」(創元社)。
 四人くらいで新聞を持ち寄り、気になる記事を各自が選んで切り抜きます。なぜ、この記事を切り取ったのかを一人ひとりプレゼンして、トップ記事や構成を考えながら模造紙に貼っていく。タイトル、日付、場所、記事へのコメントを書き込んで完成です。
 いろいろな立場の人と、わいわいしゃべりながら掲示物を作っていくの、楽しそうですよね。
 活動を通してメディアリテラシーを養うこともできるけど、それ以上に楽しいからやってほしいと陸奥さんはおっしゃいます。
 この活動で、読売教育賞を受賞されたそうですが、教育だとはあまり考えていなかたったとのことでした。
 わたしも商売柄、新聞を使った活動はそれなりにはやっているのですが、新しい切り口でおもしろいと思いました。
 ワールドカフェは話し合い活動の形式として流行していますが、確かにファシリテーター次第なところがあります。
 何か結論づけるわけでもなく、集団としての力をつけるには画期的だと思いました。
 わたしがまず自分で一枚作ってみます。広告や天気予報の記事でもいいんだって!

「トリノトリビア」川上和人

2018-09-19 06:52:15 | 自然科学
 仙台出張のバス待ち時間で購入。川上先生の新刊「トリノトリビア」(西東社)です!
 マツダユカさんの四コマと解説の見開きセット。最近売れてる「ざんねんな」シリーズの土壌を狙っているのでしょうか。
 ところが、川上先生らしい文体じゃないページも結構あって、少し児童向けに書いているのかなーと思ったら。
 いやー、川上先生の執筆は三分の一で、あとお二人担当されている方がいました。まぁ、全文書いてたら時間足りないでしょうからね。
 ちょうど授業でスズメの減少について扱う題材を扱っているため、野鳥のトリビアはおもしろいです。スズメのほっぺのあの黒字丸は、大きいほどモテるらしいよ! 水浴びのあとに砂を浴びるっていうのは、なんか見覚えがあります。砂を消化に使うのも、聞いたことが。
 カラスも時には絶滅するとか、ハヤブサはタカよりもインコに近縁とか、いろいろな雑学が入っていました。
 駅ナカ書店では初版ミニファイルつき! と宣伝があって、こちらで買うべきだったか! と衝撃を受けましたが、わたしの買った本にもついていました。よかった。
 

「あるある吹奏楽部」

2018-09-18 22:29:23 | 芸術・芸能・スポーツ
 本校吹奏楽部のコンクールでの活躍を祈って、音楽に関する特集本棚を作ったところ、「あるある吹奏楽部ゴールド」があっという間に借りていかれました。
 出張帰りに図書館に行ったら、まだ読んでない「あるある吹奏楽部」(新紀元社)があったので、借りてきました。
 オザワ部長さんがツイッターで交流した全国の部員さんの呟きが元になっているそうです。

「クラリネット担当の部員を『塩素系』と呼ぶ」
 なるほど! clってことなんですね!
「お客さんに楽しんでもらうためには、まず演奏者である君たちが一番楽しそうにしなきゃ伝わらないよ!」
 という顧問の先生のお言葉も頷けます。
 今までは「あるある」ネタしか関心がなかったのですが、ブラバン甲子園を知ったためか有名校紹介も楽しく読みました! 習志野だったからかな?

 ところで、本棚に並べた「あるある吹奏楽部の逆襲」は娘の私物なので早く返却していただきたい……。無断で持っていかないでー。