くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「ふたつの名前」杉村比呂美

2009-03-25 05:19:31 | ミステリ・サスペンス・ホラー
わたくし、物語中盤でたいへん不安にかられまして。
もしかして、これは今わたしが想像した通りの真相? このまま話が続いていくの? いや、でもまだ半分残っている訳だし、どんでん返しがある可能性……と思ったけど、なかったです。
見方を変えました。
わー、これはずばり「ワイドドラマ」でしょう。探偵役の梶村さんを主人公にして、その捜査の過程を探るのはどうでしょうね。そうでなければ、保奈美が自力で真相にたどり着いてもいいんですけど、うーん、難しいかな。この間「逢わせ屋」で似たような境遇の人を取り上げていましたよ。
松村比呂美「ふたつの名前」(新風舎)です。ある書店に行くたびに何度も何度も目に入ってきて……。つい買ってしまいました。結構サラっと読めます。でも、わたしが漠然と考えていたストーリーとは違っていたし、話の展開がすっかり読めてしまうので、お勧めできるかどうか。
いや、ワイドドラマとしてなら充分楽しいですよー。伯母や顧客のサナエさんもいい味出してます。エンディングが急ぎ足なのも、そう考えれば納得がいきます。
でも、パッケージ買いするには過大広告だよね。帯の惹句「読み終えたとききっと家族の優しさを疑う 平穏な家庭に潜むふたつの優しい殺意」。そうかぁ? 殺意は潜んでないでしょう。衝動的な行動なのではないですか。
しかも、タイトルがこうなんだから、てっきり保奈美には隠されたもうひとつの名前があって……と考えるのが人情ではないですか。あの人の「ふたつの名前」だったとは。
わたしが題名から漠然と予想した物語は、幼いころの記憶を失った少女が周囲の違和感に過去を取り戻していくサスペンスだったのです。「ガラスの仮面」でいえば姫川亜弓がテレビドラマで演じていた「虹の追憶」みたいな。
登場人物が書き割り的であることも気になります。母親の美紀がPTAの仲間たち(広報を作ったメンバーだそうです)と、保奈美の中学卒業後十年近く月一で会ってランチを食べているというのも、なんのために設定されているのかわからなかったのですが。美紀の性格を伝えるため? ラストでの伯母の登場のため?
母と娘の交互視点にしていく必要性もそれほどは感じなかったし、波多野氏が結構けろりとしていますよね?
すみません。でも、楽しんで読みました。ドラマの鍵は茨城だそうです。ところで、今ワイドドラマって何曜日に放映しているの?

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1 コメント

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Unknown (ミリオン)
2024-07-09 19:16:17
こんばんは。
ワイドドラマは面白いですね。見るのが大好きです。頑張って下さい。今度の土曜日は、1週間分の「虎に翼」を見ます
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