言葉についてのコラムが大好きです。神永先生の講演、心にずっしりと響きました。
神永曉(さとる)氏は、小学館の辞書編集者。出版局のチーフプロデューサーを務めてらっしゃり、三十六年間辞書一筋だそうです!
「舟を編む」の取材で訪れた三浦しをんさんのことなども織り交ぜながら、楽しいお花をしてくださいました。
十九世紀イタリアでは、罪人に辞書の編集作業をさせていた。「谷」を「や」と読むのは方言からきている。「横入り」も方言だが、「黒田官兵衛」で使われていてびっくり。なんていうエピソードもおもしろかった。
辞書には「小型」(編集に費やすのは3~5年。およそ7~9万語収録)と「大型」(こちらは十年以上を費やし、五十万項目ほどを収録)があり、前者は小学生から使うようなものなど多数、後者は「日本国語大辞典」が代表的だそう。「広辞苑」は中型で23から27万項目あるんですって。(「大渡海」は「広辞苑」や「日本国語大辞典」をイメージしているとか)
また、辞書の骨格は「用例」。しをんさんのお父さんもこの作業に関わったことがあるそうですから、それが作品の起点になっているのかもしれませんね。
最古のものは聖徳太子の時代。様々な資料から探していきます。
言葉とは揺れがあるものなので、誤用が一般化することもよくありますよね。
例えば「他人事」を「たにんごと」と読む人が増えてきたとのことで、「空見出し」で対応するそうです。
また、昨今の国語教育について、文章を読ませることが中心になっているため、語彙の指導も大事にしてほしいとおっしゃいました。
小学生が辞書の勉強をするとき、見出し順位を問うものがあるけれど、それをテストするのもどうかと思われているようです。
辞書に載せなければならないから順序をつけているだけ、とのことですが、外国語の掲載順なども難しい。「レインコート」を「レーンコート」と書くと、入る位置が変わります。
日本語でも「十手」なら「じって」「じゅって」と読む人がいる。
そして、辞書は発行と同時に改訂作業が始まるのだそうです。削除項目として「グルップ」とか「時文」とか出てましたが、し、知らない……。
辞書の項目を読み比べるのもおすすめとのことですよ。「右」「左」をどう紹介するかも考えて書かれているのです。
辞書の海は広くて深いと感じました。新しい辞書を買おうかと思います。
神永曉(さとる)氏は、小学館の辞書編集者。出版局のチーフプロデューサーを務めてらっしゃり、三十六年間辞書一筋だそうです!
「舟を編む」の取材で訪れた三浦しをんさんのことなども織り交ぜながら、楽しいお花をしてくださいました。
十九世紀イタリアでは、罪人に辞書の編集作業をさせていた。「谷」を「や」と読むのは方言からきている。「横入り」も方言だが、「黒田官兵衛」で使われていてびっくり。なんていうエピソードもおもしろかった。
辞書には「小型」(編集に費やすのは3~5年。およそ7~9万語収録)と「大型」(こちらは十年以上を費やし、五十万項目ほどを収録)があり、前者は小学生から使うようなものなど多数、後者は「日本国語大辞典」が代表的だそう。「広辞苑」は中型で23から27万項目あるんですって。(「大渡海」は「広辞苑」や「日本国語大辞典」をイメージしているとか)
また、辞書の骨格は「用例」。しをんさんのお父さんもこの作業に関わったことがあるそうですから、それが作品の起点になっているのかもしれませんね。
最古のものは聖徳太子の時代。様々な資料から探していきます。
言葉とは揺れがあるものなので、誤用が一般化することもよくありますよね。
例えば「他人事」を「たにんごと」と読む人が増えてきたとのことで、「空見出し」で対応するそうです。
また、昨今の国語教育について、文章を読ませることが中心になっているため、語彙の指導も大事にしてほしいとおっしゃいました。
小学生が辞書の勉強をするとき、見出し順位を問うものがあるけれど、それをテストするのもどうかと思われているようです。
辞書に載せなければならないから順序をつけているだけ、とのことですが、外国語の掲載順なども難しい。「レインコート」を「レーンコート」と書くと、入る位置が変わります。
日本語でも「十手」なら「じって」「じゅって」と読む人がいる。
そして、辞書は発行と同時に改訂作業が始まるのだそうです。削除項目として「グルップ」とか「時文」とか出てましたが、し、知らない……。
辞書の項目を読み比べるのもおすすめとのことですよ。「右」「左」をどう紹介するかも考えて書かれているのです。
辞書の海は広くて深いと感じました。新しい辞書を買おうかと思います。