くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「保健室の恋バナ+ α」金子由美子

2017-11-15 05:31:27 | 哲学・人生相談
 ああっ、予算がたりないっ! この本も図書室に入れたいです。
 中学校の保健室の先生・金子由美子さんが、生徒と接する様子を語ってくれます。
 「保健室の恋バナ+α」(岩波ジュニア新書)。
 中学生は子どもだけどおとな。「ことな」という造語で、彼らのことを説明します。からだとこころの成長。
 「好きってなぁに?」「リアル恋愛模様」「自己肯定は、カラダからだって」「恋愛と性の危機」「愛のかたちはいろいろ」の五章からなります。
 恋愛にも学習は必要ではないか。おしゃれと健康との関係。
 中でも、デートDVのエピソードが印象的でした。
 お母さんの再婚の繰り返しで男性観が的確なユイは、幼なじみのはるかがSNSで知り合った高校生とデートすると聞いて、迫られたらどう断るかをシミュレートしてみます。
 はるかは断ろうとしますが、なんとなく心配な受け答え。
 「ディズニーでオールナイトのパレードなんてやってないのよ」と金子先生が言うと、
「えっ、オールナイトのチケットをとったってメールきたのに?」
 とはるか。ユイは、
「ねっ、ますます怪しい男でしょ。絶対やめときなよ」
 というのですが。
 案の定、はるかは車で見知らぬ場所に連れて行かれて迫られます。股間を蹴って逃げ出したけど、全く知らない場所なので途方にくれたとき、ユイから渡されたポシェットを思い出してあけてみると、近県のタクシー会社の電話番号と五千円札が入っていたのです。
 これも、ユイのお母さんの体験から学んだことだったそうです。
 「ことな」である彼らに、周囲を見渡す力の付け方を知ってほしいな。

「説得」大泉実成

2016-07-19 05:08:57 | 哲学・人生相談
 三十年前に書かれた作品の文庫化。当時講談社ノンフィクション賞を取ったそうです。
 大泉実成「説得」(草思社文庫)。今でも需要があるからこその出版なのでしょう。わたしもこのサブタイトルで買いました。「エホバの証人と輸血拒否事件」。
 輸血拒否事件といえば、事故にあった小学生の息子さんに教義から輸血をしないでほしいと結局死に至らせてしまった事故です。エホバの証人のイメージをマイナスにしたであろうとわたしは思っていたのですが、なんだか本人や周囲の人にはそうでもなさそうな……。

 大泉さんは、このとき少年が「生きたい」といったという報道を受けて、この言葉の意味を知りたいと感じます。その結果、遺族の属するエホバ会衆に接触し、行動をともにするようになります。
 というのも、大泉さんは幼少期におばあさんとエホバの集会に参加していたのですね。だから、結構教えや集団の考え方に慣れていた。そして、両親や兄弟とも親しくなっていく。
 その傍ら、輸血を説得し得なかった病院関係者にも取材を続けます。
 これまで渋る家族をなんとか納得させた経験がある医師たちも、みすみす死なせてはならないと努力するのですが、頑迷なほどのこだわりを見せられます。
 結局、輸血さえできれば助かるはずだった少年は亡くなってしまう。
 宗教について描いた本って、最終的には否定的なものが多いように思っていましたが、大泉さんは親密な感じがしました。なんとなく「潜入捜査」のようなイメージだったのですが、結構彼ら寄りというか。
 反対にいえば、会衆の目から見た大泉さんは間違いなく仲間に近い存在だと思うのです。
 なにしろ「未割り当て地域」の伝道にも同行したのですよ! 信仰心があると判じられていたことでしょう。
 「未割り当て」というのは、当時日本の「九十パーセント以上」を占めていたエホバの伝道割り当て地区に該当しなかった「山間部など数パーセントの区域」では、会衆が育たず伝道できなかったため、夏休みなどを利用して代わる代わる歩く行事なのだそうです。
 寝転がって読んでいたわたし、この地名に思わず起き上がってしまいました。どんなところかと思っていたら……二十年くらい前に勤務していた町ではないですか。
 すると、宿舎はあの旅館だろうかとか、このスーパー懐かしいとか、「あいさつ通り」あったあった! なんて記憶が蘇ってくるのです。
 しかし、実際にはそれ以前の出来事なのですね。
 
 この本を読み始めたあと、藤田美奈子の「ウチの母が宗教にハマりまして」(KKベストセラーズ)も買いました。こちらもおもしろい。
 宗教を選択するというきっかけとか心理を考えさせられました。

「解毒」坂根真実

2016-03-01 21:11:58 | 哲学・人生相談
 美容院で一時間待ちだったので本屋に行きました。(そうじゃなくとも行くと思いますけどね……)
 新刊棚にあった一冊。坂根真実「解毒 エホバの証人の洗脳から脱出したある女性の手記」(角川書店)。
 出かけるはずだった日曜日、息子が友達を家に呼ぶと言い出して行けなくなった。だから、朝からずっと読んでました。(「20世紀少年」とかも)
 一家でエホバのコミュニティに加わり、六年生で信者に。二度の結婚、DV、離婚、母との確執。
 洗脳から覚めてからの著作なので、当時とは心情的に違っている場合もあるのではないかと推察しますが。(例えば、恋愛感情がないまま流されて結婚してしまうあたりとか)
 なんというか、カルトって覚めてみると矛盾に満ちているのではないかと思うのですよ。ハルマゲドンのあとに信者だけの天国ができる。死者は復活する。そのために現世では耐えて、天国での安寧な日を夢見る。
 来世進行なら、なぜ信者を増やすのでしょう。毎週集まって発表して、そのほかの日は発表の準備。徹底した男尊女卑。(転生しても性別は変わらない?) 発表者は男性で、女性は寸劇などをするんだそうです。
 でも、信者は圧倒的に女性が多い。
 そして、男性はどちらかといえば内向的な人が多いようです。(ぐいぐい引っ張っていくタイプは、宗教に頼らなくとも生活できるから)

 真実さんは、宗教にはまる人はその要因を持っていると悟ります。アディクションということが言われますが、宗教でなくとも、何か他のものに依存する。トラブルの種は心の中にあるので、それを自覚しないと洗脳は解けない。
 真実さん自身は、母親との関係が根っこの部分にあり、母にほめられたいという欲求が強かった。カウンセリングでそれに気づいたあと、彼女の世界が非常にクリアになるのを感じました。
 
 戒律にしばられて、異性とつきあうこともなく生きていくため、高齢化が進んでいるというのは頷けます。
 二世も結婚しないまま四十代を迎える例が多く、今後は先細りのイメージがあります。
 幸せって?
 理想の天国ではやっぱりパートナーがいないままで生きていくのでしょうか。それとも、天国ならば誰かと巡り会えたりそれまでの戒律とは違う生活ができるの?
 謎です。
 わたしは、子どもには厳しいしつけが必要だからと、ゴムホースで叱責するような環境は嫌だなあ。集団にいるうちに考え方が偏ってくるのですね。
 あと、アメリカならば適応したことが、そのまま日本にあてはまるわけではないということも納得させられます。
 組織から排斥されても、集会に参加し続ける(無視されながら……)と許されるときがくるというエピソード。日本では諮問会議が開かれるのも難しいようです。風土の問題かな?
 
 一般的に学校生活を送る中で、宗教を感じることはほとんどないのですが、時折あれ? と思うことはあります。
 子どもにとって信仰とは何かということも、考えさせられました。

「楽に生きるための人生相談」美輪明宏

2016-02-26 19:39:24 | 哲学・人生相談
 人生相談本は、読まないわけにはいかないでしょう!
 ということで美輪明宏。「楽に生きるための人生相談」(朝日新聞出版)です。
 図書館に行くと新着本のチェックから入るのですが、先日はこの本がありました。確か一昨年、同僚が道徳の授業で取り上げたので、朝日新聞の人生相談について教えてもらったのです。
 つらさを訴える相談者に、自分がデビューしたときにはかなりひどいバッシングをうけたことを伝えます。
 でも、重度の障碍をもつ人のいる施設を訪ねたときに、背筋が伸びる思いをしたのだそうです。
 年下の三十代男性を好きになったという五十代女性には「五十歳を過ぎて、まだ子供の寝言のようなことを言って、恥ずかしくないんですか?」なんておっしゃる。
 美輪さんの声が聞こえてきそうな一冊でした。 

「止まった時計」松本麗華

2015-11-18 20:52:12 | 哲学・人生相談
 りかさん、と書いてみます。最初「れいか」かと思ったのですが。
 白を基調にした表紙カバー。ショートカットの女性が写っています。「止まった時計 麻原彰晃の三女・アーチャリーの手記」(講談社)。
 筆者の松本麗華は、オウム真理教の「正大師」だった少女です。
 麻原や教団幹部が捕らえられて、唯一の「正大師」となった彼女は、学校からは入学を拒否され、住民からは立ち退きを要求される。自分が「アーチャリー」であることを隠したい。でも……。
 教団から離れ、心理学の勉強を続けているという彼女ですが、なかなか自分の想いが成熟しきれないもどかしさを抱えているように感じました。
 アーチャリーと呼ばれた少女が、もう大学も卒業して二十代も後半の年頃というのに驚きました。なんとなく子役出身の俳優さんがイメージを払拭できないような感じ?
 ただ、りかさんは教団からの呪縛を感じていて、自分の名前を利用されたり事実からは遠い内容を報道されたりすることにひどく傷ついています。
 学校に通うことができなかった彼女は、年長の信者から勉強を教えてもらうのですが、学齢期にはなかなか学力が伴わなかったようです。当時の文章はひらがな主体でした。
 合格しても大学からは入学を拒否され、それでも学ぶために裁判を経て1ヶ月後の入学。部活やアルバイトでも、身元がわかると周囲の様子が変わる。
 それでも、偏見なく接してくれる人はいる。
 読んでいて思うのは、父親に対しての敬愛が強いということですね。
 彼女はオウムを信仰しているというより、父親への信頼感が強いのではないかと思います。継承しているという団体とは距離をおいていますし、何より母親との確執が強い。
 サリン事件なども、父親の指示とは信じていないので、側近の意図が絡んでいるのではないかと思わずにはいられない。
 苦しいと思います。これからどうやって生きていくのかも。まだまだ先は見えないのではないでしょうか。
 
 

「高峰秀子の人生相談」

2015-10-17 09:21:51 | 哲学・人生相談
 「二十四の瞳」を見て、高峰さんの凛とした姿に惹かれました。著作を読もうと買ったものの、やっぱり買っただけで満足してしまう。
 で、「高峰秀子の人生相談」(河出書房新社)です。
 すごくおもしろかった! 人生相談って、答える人のスタンスが重要だと思うんですね。高峰さんは自分の意見を率直に書かれていますが、そこに至るまでに言葉を選び、じっくり考えていることが伝わってきます。
 親子、兄弟、夫婦、友人など、様々な人間関係の悩みが紹介されていますが、この初出はもう二十年ほど前なのです。携帯電話はありません。でも、こういう悩みは今も共通していると思います。古びていない。
  高峰さんのような考え方、おもしろいと思いました。それに、励まされる。旦那さんや斎藤さんとはどう過ごしていたのでしょう。高峰さん個人にも興味がわきますね。

「生きる悪知恵」西原理恵子

2015-05-08 05:15:18 | 哲学・人生相談
 すごいなあ、スマートフォンの予約変更機能。「さいばら」と入力すると、「西原理恵子」が出てくる!
 それだけメジャーなんですね……。「晴れた日は学校をさぼって」とか読んでいた身としては隔世の感といいますか……。(大袈裟?)
 「生きる悪知恵 正しくないけど役に立つ60のヒント」(文春新書)。
 人生相談って、やっぱり回答者の人柄が出ますよね。
 西原さんに相談したい人は、やはり彼女な破天荒なコメントを期待しているのでしょう。わたしは読んだことないけど、伝説の北方謙三のような。(文中にもその話題がありました。ところで、こちらは予約変換されなかったよ……)
 女子から「キモイ!」と言われて悩んでいる高校生男子に「中2から高2くらいの男子は全員キモイ!」と返し、48歳の自営業の方がなかなか親と仲良くできないといえば、「親子仲よくなくてヨシ!」。
 ちなみに就活に悩む大学生には「正面から入れないなら、横入りすればよし」、愛猫の死から立ち直れない女性には「すぐに新しい猫を補給すべし」 ですよ。ははは。
 このころって、まだ高須さんとのことは公表してないんですね。何ヶ所か話題が出ますが、紹介文として、「西原さんと親交のある高須クリニック院長・高須克弥氏」と書いてありました。
 と学会の記念本によれは、お二人はそちらのイベントにも連れ立っていらっしゃるそうですよ。
 

「じぶんリセット」小山薫堂

2014-08-22 05:12:53 | 哲学・人生相談
 教え子がスポーツアナウンサーなので、普段はAMラジオを聴いています。でも、夫の車で出かけるときはFM。そこで「じゃぱもん」という番組をやっているのが気になって。パーソナリティのお一人が「こやまくんどうです」と名乗るのを、ずっと脳内変換できずにいました。
 小山薫堂「じぶんリセット」(河出書房新社)を読んで、「おくりびと」とか東日本大震災の折りにカレンダーの企画をされた放送作家さんだと知りました……。
 この本、「14歳の世渡り術」の一冊です。しかも副題は「つまらない大人にならないために」。
 でも、大人が読んでも納得です! それは、わたしが思春期真っ只中の人たちと過ごしているからなんでしょうか。中でも、これ。
「僕なりに、『働くということ』を突きつめていくと、『いちばん目前の宿題を一生懸命こなしていくことの連続でしかない』という答えにたどり着きます。」
 そうそうそうそう! そうですよね!
 それから、お金について。
「僕は『社会の血液』のようなものだと思っています。お金が社会の隅々まで行き渡ることによって、全体が元気になり、さらによりよく回っていく。気持ちよくクリーンにお金を使うことが、健全で豊かな社会の形成につながります」
「お金は拍手だと思って使うべき……僕はそう考えています」
 どういうことか。気持ちよく使えるように工夫しましょうということではないかな、と思いました。気持ちの持ち方というか。
 小山さんは、実際に大学の授業で、「もしも、一万円を無駄遣いできるとしたら……」という課題を出したそうです。アイデア術の授業。うーん、わたし? い、いつも無駄遣いしてますよ……。当然のごとく本ですよ。まあ、そういうことではないんですけどね。
 あ、もうひとつ、紹介しておきたいエピソードがあります。小山さんがNHKの合唱コンクールに関わった(嵐の「ふるさと」を作詞したそうですよ)ときに、「歌の上手い、きれいな声の人だけを集めても良い合唱にはならない」と聞いて、感銘を受けたんですって。「いろんな声が集まってひとつのハーモニーが生まれ、人の心を揺さぶる合唱になるというのです」
 全校での合唱練習が始まる時期に、生徒たちに知らせたいと思いました。
 わたしもそうですが、ついついくよくよと考えてしまってもいい結果にはなりませんよね。切り替えてやれることをする。「自分にはコントロールできないことがある」と理解し、最善の力を尽くした上で、結果を「なるようになる」と受け止める。そういう覚悟というか心構えで、臨むべし、ですね。リセットの方法を知ることも、その一助だと思います。

「他人を攻撃せずにはいられない人」片田珠美

2014-06-04 04:45:39 | 哲学・人生相談
 生協のチラシで気になったものの、注文しないまま時は経ち。
 書店で探して買いました。片田珠美「他人を攻撃せずにはいられない人」(PHP新書)。
 ネット人生相談を読んでいると、世の中にこんなに自分本位な人がいるのかと愕然とすることがあります。自分の仕出かしたことの始末がつけられない人。信じられないようなことをして相手を傷つけても、保身しか考えない人。
 善意に溢れた様子で近寄ってきて、自分の大切なものを奪っていく人について相談する方も多いこと。
 この本も、筆者のもとに相談に訪れた方々のエピソードが紹介されています。
 恋人との不仲を相談した友人が、いつの間にか彼の新しい相手になっていた。専業主婦になってほしいと言われ、モラルハラスメントを受けた。
 いろいろ考えさせられましたが、中でも「根性曲がりにつける薬はない」には笑ってしまいました。もともとは、ラ・ロシュフコーが言ったそうです!
 自己評価が低く、他人の幸福が許せない人が、攻撃に走るのだとか。それなら、我が身の幸せをかみしめて(笑)、まともに受け取らない方がいいのかもしれません。
 日々自分の力のなさを痛感しますが、へこたれないことですかね。いつも笑顔で。

「ドアの向こうのカルト」佐藤典雅

2014-02-23 20:48:28 | 哲学・人生相談
 通常、どこで買った本なのかということは覚えている方です。でも、なぜかこの本については覚えていない。迷った末に買ったことは覚えているんですけどね。
 佐藤典雅「ドアの向こうのカルト 九歳から三十五歳まで過ごしたエホバの証人の記録」(河出書房新社)。
 読んでいたら、なんだか学生時代エホバの人との遭遇がやたら多かったことを思い出しました。引っ越した翌日、「イワツキですー」とやってきて、前の住人の知り合いかと思ったら宗教だった。つばの広い帽子をかぶって、女の人二人連れで、時々公園などでミーティングして……あったあった。宗教勧誘が多い時期は、友人と架空の宗教に入っていることにしたほどです。あー、オウムのチラシがポストにあったこともあります。一緒にアルバイトしていた子が駅前で勧誘していたという話に愕然としたことも。
 で、その間に母が証人から「ものみの塔」を受け取っていることが分かり、反対したのですが、本人は「聖書の勉強なの」と言っていたのも。なんだかやけに立派な装丁の本まで受け取っていました。わたしは当時プロテスタント系の女子大に通っていたのですが、宗教学の時間にイエスについてどう思うか訊かれて、「世直し集団として水戸黄門に似ている」と口走るようなタイプです。(使徒がいることくらいしか似てないかもしれないですね、今思えば)
 まあ、いつの間にか母のもとにチラシがくることもなくなっていました。近所に王国会館があったらしいですが、今は民家です。ああ、でも国道沿いにはあるから、活動として廃れたわけではないのでしょうね。
 筆者の佐藤さんは、お母さんが熱心に誘われて受信。「二世」として活動し、本部で製本の仕事をしたり講話をしたりとかなりのステイタスについていたのですが、ふと疑問に思うようなことが拭い去れないまま苦悩します。
 聖書にみんな書いてあるとはいうけれど、解釈の問題であることも多い。根拠としてあげられていることが間違っている。楽園がくることを期待して、この世の中を「エホバの福音」と「サタンの妨害」としてしか見ない。いろいろなことが矛盾しているのに、それについては触れないような部分に、怒りを感じているように思いました。
 例えば彼は大学への進学を希望していました。クリエイティブなことが好きなので美大はどうか、と。しかし、証人たちは楽園がやってくるなかでは無駄なことだと言い、世俗にまみえることを嫌います。諦めて働くことにするのですが、その数年後、高等教育は否定しないとの見解が出され、それまでとは価値観が一転。転職も大学を出ていないという理由で不採用にされます。
 ある日、マインドコントロールから解放されたような体験をします。それまで悩みに悩んできたものが集約化したのかもしれませんね。その結果、妻、子、両親、妻の両親、弟家族、と次々に改心していくことになります。
 わたしと佐藤さんは、ほぼ同年代。同じような時代の波を感じていると思います。(彼はほぼアメリカで過ごしているので、そうそう同じではないかもしれませんが)
 それにしても、矢野顕子さんがこちらの熱心な会員と知って驚きました。佐藤さんの送別会を子どもたち主催で(とすると、坂本美雨?)してくれたそうです。
 読んでいて、ああ、自分も同じように考えていたなと思うようなことがありました。楽園を希求するのは現世利益ではないかと感じているところなんですけど。
 様々な宗教が、楽園(天国とか)を前に審判が下されると言っていますが、宗教が求めてくるのは、なにもかもを捨て去ること(欲や煩悩からの脱却)ですよね。楽園を求めるのはいいの? それも欲じゃない?
 話変わりますが、今日、息子が早退してきました。(授業参観日だった)インフルエンザだそうです。あー、もうそんな季節なんですね。早くよくなれー。