くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「会いたかった…」

2019-03-16 19:14:17 | コミック
 脚本木村有紀、作画土居俊彦、編集三重県人権問題研究所、発行三重県。「会いたかった…」
 ハンセン病の啓発資料が送られてきます。語り部平沢さんの講演を収めたビデオもあるというので、学年全体で学活として取り上げました。
 養護教諭K先生が言うには、ビデオだけでは判りづらい部分があるから、いつもならまんがを読ませてある程度納得してから見てもらうとのこと。
 まんがを貸してもらって読みました。でも、これでやったら一時間では終わりそうにない!

 祖父を亡くしたばかりの女子高生あずみ。親戚のおばあちゃんから「ミノル」という名を聞いて疑問を感じます。
 どうやら、祖父の弟で、一緒に剣道をしていたらしい。
 師匠筋の男性から稔おじがハンセン病を発症して療養所に入ったことを聞いたあずみは、長島愛生園を訪ねます。
 様々な事実を知る中で、入所者の差別と哀しみに触れます。彼らが気にしているのは、「壮健」な人々の目なのです。

 わたしはこれまでも何度かこの題材で授業をしており、書籍もそれなりに読んできました。
 一時間(この日は四十五分授業)の中に入れ込むために、冒頭はアンケートで始める。
 名前ではなく通常か番号で呼ばれる。
 タクシーに乗車券拒否されて十キロ歩く。
 チケットを購入したらお釣りと一緒に火ばさみにはさんで返される。
 結婚するなら手術が必要。(断種)
 自分も具合が悪いのに、患者の世話をしなければならない。(患者作業)
 治ったにも関わらず退院できない。
 自分なら耐えられない差別を三つ選んでもらいます。
 この選択肢すべてが、ハンセン病の人権侵害と関係があります。
 ビデオの内容もリンクするので考えやすい。
 感想に五分しかかけられませんでしたが、生徒たちはよく考えていました。
 もう入所されている方も少なくなりましたね。
 いわれなき差別の事実を伝えていくことは、大切だと思っています。