くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「オオカミ」ブライデンバーグ

2013-08-31 21:36:05 | 自然科学
 やっと運動会が終わりました。台風直撃するかも、と事前にはたいへん怯えたのですが、幸いにも終日降ることはなく、無事に終了いたしました。でも、代休あけには指導案の提出が待っているのです……。忙しいですね……。今週は駅伝大会もあり、ずっとばたばたしていました。
 だから、どちらかといえば写真絵本みたいな本なんですけど、じっくり時間をかけて読みましたよ。「動物大せっきん オオカミ」(ほるぷ出版)。筆者はジム・ブライデンバーグとジュディ・ブライデンバーグ。小宮輝之さんの監修です。
 「オオカミを見る目」を学習するときに読むといいだろうなー。童話が与える印象とか絶滅に至る経緯とか共通していますので。写真もたくさんあるし、群れの生活とか今後の課題とか参考になります。図書費で買おうかな。
 ここで紹介されているのは、主にブライデンバーグ夫妻の家近くで活動する群れのことです。三十年に渡って関わってきたために、相手も撮影に慣れてきたようなんですって。オオカミは敏感な動物だから、人間の気配に気づくと姿を隠してしまうそう。
 アメリカでは入植前、かなり広い範囲でオオカミの生息が知られていたのに、1973年ごろにはミネソタ州とロイヤル島の一部にしかいなくなってしまった。
 わたしはこの教材のラストで、動物たちがメインの世界遺産を取り上げたDVDを見せるのですが、そこでイエローストーン国立公園でオオカミを繁殖させる話を紹介しています。この本でも同じサイドから取り上げられていて、オオカミという種を考えるには適切な一冊といえるのではないでしょうか。
 その後、どんなアプローチでオオカミのことを考えるといいか、なんてことも加えられていますよ。わたしとしては、「ネバー・クライ・ウルフ」という映画が気になる。
 アメリカではオオカミは増えつつあり、絶滅危惧種から外れたものの、今でも保護に反対する人がいるそうです。
 自然のバランスを考えながら、保護していくのが良いのでしょう。
 実は千葉徳爾「オオカミはなぜ消えたか」(新人物往来社)も借りたのですが、忙しくて
読んでいません。うーん、夏休み前に授業が終わったからでしょうか。目先のことを優先してしまいがちなわたしです。
 とりあえずスピーチを題材に、指導案を書くつもりですが……。書けるのかな……。
 

「陽だまりの彼女」越谷オサム

2013-08-26 23:12:33 | 文芸・エンターテイメント
 ……オチが気に入らない……。
 わたしは心が狭いのでしょうね。映画化もされるというこの話、エンディング直前までは本当によくて、両親がオペラを見に行くというくだりは泣きそうになりながら読んだのに。
 いやいや、わかってます。このラストこそがいいんだと感じる人が大多数を占めるであろうことは。でも、要するに、それって「化○」ってこと、ですよね。浩介はこのまま一生、陽だまりの部屋で縞に茶目の猫と暮らすんですよね。
 両親のもとにいる猫は、縁もゆかりもない子なんですか? それに、マンション三階から落ちればいくらなんでも平静ではいられませんよ。バランスを取って着地できるのはそこそこの高さだけですって。あー、このとき浩介が壊した隣家との間の間仕切り板はそのままですよね。そんな命の恩人なのは変わらないはずなのに、平岩さん一家は228ページで冷たくありませんか?
 わたしが読んだのは単行本版です。越谷オサム「陽だまりの彼女」(新潮社)。
 「僕」こと奥田浩介は、打ち合わせの席で中学時代の同級生渡来真緒に再会します。真緒は当時ものすごく勉強ができなくていじめられていました。余りの仕打ちに腹を立てた浩介でしたが、今度は突然キレる奴だと思われて遠巻きにされます。
 やがて恋人同士になった二人ですが、真緒の家に挨拶にいくとお父さんからもう少し考えてからでもいいのではないかと言われるんです。
 反対されたと感じる浩介に、なんと真緒が駆け落ち
 を提案?!
 まあ、半分くらいは高いテンションの「バカップル」を見せつけられるような気持ちだったんすが、途中でふっと思ったんですよね。あぁ、これは真緒、どこかに行ってしまうんだな。
 そうすると、これは、もしかして「竹取物語」が下敷き? と勝手に思ったんです。求婚譚もあるし。
 でも、そうではなかった。
 いや、わたしの気にしすぎなんでしょう。

「羅生門・鼻」芥川龍之介

2013-08-24 21:01:07 | 近代文学
 夏の講習では、結構芥川に関する話題が多かったように思いました。このテキストでは、「鼻」と「芋粥」とを読んでくるように指定されていたので、一応読みはしたのですが、自分の読み取り能力の低さにがっかりしてしまいます。
 もともといわゆる「王朝もの」が好きでよく読んだはずなんですが……。自分が把握しているのはあらすじであり、文面を丁寧にすくいとるのは苦手なようです。
 まず、「芋粥」の狐について全くわからない。五位に権力を見せつけようとした利仁の策略(仕込み)かと思ったんですが、ラストでは芋粥のご相伴に預かっているし。だいたいこの「芋粥」がおいしそうじゃないんですけど。「山の芋を中に切り込んで、それを甘葛の汁で煮た、粥」とのこと。お粥なのに、甘いってこと?
 でも、そのお粥を腹一杯食べたいというささやかな望みをもった男(五位)が、金持ちの婿(利仁)に誘われてはるばる敦賀まで連れて行かれ、目の前でものすごい大釜で粥を炊かれ、夢を失う物語です。利仁はすごく意地悪なんですが、途中で狐を捕まえて、自分たちの到着時間を敦賀に知らせろという。狐は奥方の夢に現れただけでなく、芋粥を煮ている場所にやってきておこぼれに預かります。
 狐なんて見てもわかんないんだから、最初から打ち合わせていたのだろうと思ったわたしはここで頭を抱えるわけです。
 ついでに、利仁一行が着くのは翌日のことなのですよね。この夜はどこに泊まったの? 野宿?
 まぁ、それは置いといて、先生によればこれはいじめの話であり、「鼻」の嘲笑と通じるのだとか。芥川の話はグレーゾーンというか、白黒つけるのではなく、非常に曖昧が残る。そういわれれば、「藪の中」なんて典型的ですね。
 「鼻」では内供が元に戻った鼻にほっとしています。これは本当に今後笑われなくなるのかという疑問が残るのです。そういえば、「地獄変」も、殿の思いを否定するほど邪な恋慕が際立っていました。
 別の先生から「手巾」についての話もありました。読めば読むほど混乱するとは言われましたが、わたしとしては「型」のいやらしさとか、同じ出来事でも捉えるときの立場で見方は変わることを表しているのだと思ったのですが、なんと、この主人公、新渡戸稲蔵をモデルにして、彼を揶揄しているんだてさ。
 そ、それが「主題」なんですか? 
 ちなみにこの新潮文庫版では、「武士道や婦道の批判を意図した」と書いてありました。反面、型による女性の美しさを彷彿とされることもある。
 うーん、わたしはこの奥さん苦手なタイプ。 
 ただ、こうやって読んでみると、芥川は主人公に寄り添わないタイプの物書きのような気がします。小説って、どうしても、主人公を受け入れながら読んでしまいませんか? 彼は突き放していますよね。冷徹な感じがします。
 

「ときぐすり」畠中恵

2013-08-23 21:23:00 | 時代小説
 先週、尊敬する先輩が亡くなりました。
 そのことをお葬式の当日に知って、非常にショックでした。最後に会ったとき、タイミングが悪くて話かけられなかった。たいへんお世話になったのに。食欲はなく、落ち着かず、ふと涙ぐみたくなるのです。
 先輩から貸していただいた本のことを思い出して、特にお好きだった「しゃばけ」シリーズ新刊を読もうかと思いました。高校生の息子さんともどもファンだと話されていましたね。
 でも、いろいろと考えたすえに、わたしが手に取ったのは、同じ畠中さんの「まんまこと」シリーズ新刊「ときぐすり」(文藝春秋)でした。
 おそらく図書館で順番待ちしているから、そろそろ貸し出ししてもらえる時期だと思います。けど、途中巻でしたが買うことにしました。
 主人公の麻之助も、前巻で愛妻お寿ずを失っています。一年経って、どうなっているのかをずっと知りたいと思っていました。そして、発行が先輩入院の前後ということもあり、この本なら確実に読んだのではないかと思ったのです。
 誰かと同じ本を読むのは、その人と同じ世界を共有することでもあります。
 麻之助は、辛いときに、親友の清十郎と吉五郎がいてくれた。どのくらい救いになったかわからない、と麻之助自身が感じています。
 今回は六編収録されていますが、やはり最も心に残ったのは「ときぐすり」でした。
 麻之助は町名主の跡取りなのですが、父子ともども大忙しです。江戸の町に病気が流行し、落ち着いたと思えば次は火事。そういうときは困りごとの相談も集中するのです。父から回される仕事の多さにげんなりする麻之助です。
 ふと知り合った滝助という少年を、近くの長屋に住むむめ婆さんや袋物を作る親方に紹介したのですが、郷里にいたころに盗賊の飯炊きをしていたこともあり、その若頭が近くに潜んでいるらしい。
 この滝助が「時薬」について語ります。あるときに「ときぐすり」と読んでしまい、嫌なことがあっても時が癒やしてくれるというようにかんじたと。
 同じ時期、「ティファニーで朝食を」を読んでいたら、死を迎えた人の家族は食べて生き抜く強さが必要だというこつが描かれていました。
 少しずつ少しずつ、わたしたちも砂にうずもれているのですね。

「洛中洛外画狂伝」谷津矢車

2013-08-19 05:04:16 | 時代小説
 高校生の頃、わたしは狩野派に興味があって、社会科資料集などを熱心に見たものです。狩野探幽がきっかけなんですけど、瑞巌寺や南禅寺の襖絵も気になって、図録なんか持っていました。
 「洛中洛外画狂伝 狩野永徳」(学研)。書店でスカイエマさんの表紙を見て痛烈に読みたくなったのですが、図書館に入るのをじっと待っておりました。行きつけの図書館に帯が貼ってあったので。でも、なかなか返却されなくてじりじりしていました。
 筆者の谷津矢車氏は、本作でデビューだそうです。
 祖父が名を売り、父がその作業を分担させて力を広げつつある狩野家。扇絵を売り出しているために、工房では祖父の絵をもとに「粉本」という形式的な手本を作り、絵師はそれを模写していくのです。
 しかし、工房の跡継ぎである源四郎は、粉本を真似することは絵を描くことではないと思っています。
 源四郎が幼い頃、無性に描きたくなり、自分の鼻血を使って闘鶏の絵を描いたことがありました。そのときそばにいたのが後の将軍足利義輝。やがて、源四郎は義輝のために自分のもつ絵の力を振るうようになります。
 源四郎もそうですが、周囲の人物が魅力的です。土佐家から行儀見習いと称してやってきた廉。膠作りの老人と、その孫平次。祖父の元信。
 時代小説を読むとき、読者はある程度その顛末を予測できるわけです。義輝がどうなるか。ふと、三浦浩子の「蒼い旋風」を思い出しました。
  自分が描きたいのはどんな絵なのか。それは、父との間に溝を広げてでも描くべきものなのか。祖父の絵を受け継いでいくのが、物足りないのはなぜなのか。源四郎は葛藤し続けます。
 織田信長、長尾景虎、松永弾正といった有名どころも登場。彼らと源四郎とはもちろん絵で関わっていくのですが。
 源四郎に目をかけてくれる破天荒な僧の日乗が非常にいい味出しています。
 わたしは「太閤記」がたいへん好きだったので、この時代観にも親しみがありました。
 彼の描いた「洛中洛外図屏風」、じっくり見てみたいですね。そして、この本の見返しにはその図面が載っているのですが、現在は上杉博物館にあるのだそうです。義輝が期待した長尾景虎のところに行ったのだなぁ、と不思議な感じがしました。

「夫の彼女」垣谷美雨

2013-08-18 05:53:56 | 文芸・エンターテイメント
 暑いですねー。片付けをしていると、汗がだらだらです。でも、東北はだいぶまし。四十度を超える地域の皆さま、たいへんですよね。
 その暑い昼下がり、一気に読んだのが「夫の彼女」(双葉社)です。垣谷さんはいつも突拍子もない設定で楽しませてくれるんですが、今回は「おれがあいつであいつがおれで」パターン。
 主婦の菱子は、夫が残業と偽って部下のアパートに週二回寄り道をしていることを知ります。たまらずにあとをつけてみると、二人は妙に親密そう。さらにもう一人の男子も加わって、部屋に入っていきます。
 愛人と対決する覚悟で、その女性星見に連絡をとりますが、非常にがさつで口の悪い彼女に辟易。口喧嘩を始めた二人の前に、突然現れた老婆が……。
 「パパとムスメの7日間」もそうですが、門外漢の人の考えが入ると、停滞した空気に風穴があくのですよね。かわりもので通っていた星見のかわりに、菱子は主婦の感覚でパスタソースの改革を提案し、星見は娘のピンチを救います。
 まあ、こんなにうまくいくわけはないんですけど、テンポのよさでさらっと読めてしまいますよ。

「女性アスリートは何を乗り越えてきたのか」読売新聞運動部

2013-08-17 06:13:09 | 芸術・芸能・スポーツ
 研修のとき、大学生協で買いました。完全にタイトル買いですが、すごくおもしろかった。旅行中ずっと読んでいました。
 「女性アスリートは何を乗り越えてきたのか」(中公新書ラクレ)。読売新聞に年間特集された記事を再構成して、インタビューや柔道のパワハラ問題を加筆したものです。
 わたしは体を動かすのが大の苦手で、中学時代の体育の成績は非常に悪かった。でも、ロス五輪をテレビで見て以来、スポーツ観戦は大好きになりました。器械体操、バレーボール、駅伝、バドミントン……。自校の選手を応援に行くのも好きですね。
 ここに取り上げられている選手の皆さんは、第一線で活躍するメジャーな方々。メディアにも紹介されていることが多く、顔と名前が一致する選手がほとんどでした。
 母親になっても競技を続けるのか、不況で企業スポーツチームも減っている現状、婦人科の病気になったら、実力よりも人気が先行していると見られる憂鬱。
 女性特有の悩みや問題が、クローズアップされています。中でも気になったのは、サッカー部がないために、十三歳でやめてしまう選手が多いということです。
 野球部にいる女子選手、増えていると思います。でも、確かにサッカー部にいる女子選手は少ない。わたしも今まで一人しか見たことありません。男子と同じ練習をしていましたが、高校ではマネージャーになったそうです。スポ少では結構女子選手多いのですが、続ける子は少ないですね。
 登場する選手で、個人的に気になるのはフェンシングの菅原智恵子さんです。身内が同僚だったのでずっと注目していたんですが。もう復職されないんでしょうか。
 あとは小原日登美さん。清々しいですよね。後半に増田さん、萩原さんと対談されていますが、三人ともパートナーに恵まれたと話してらっしゃいました。
 出産とか子育てとか、そういうことを考えると、女子選手の活躍時期は男子に比べて限られていると言わざるをえません。社会人スポーツで活動するために進学しない道を選んだ人もいるわけですし。
 森口祐子さんが出産後十五年も現役を続けたことや、妊娠を隠してオリンピック出場した長久保初枝さんのエピソードも、そして五十歳で競輪デビューした高松美代子さんも、見る人に感動を与えてくれると思います。

「ふたつめの庭」大崎梢

2013-08-16 11:00:27 | 文芸・エンターテイメント
 保育士の美南は、イラストが得意な二十五歳。年中児を担任しています。クラスの旬太という子どもは少し前に両親が離婚して、現在はお父さんと二人暮らし。このお父さん隆平が、理知的で日常のふしぎな謎を解いてくれる話なんです。
 ある日、絵本の奪い合いから喧嘩したらしい旬太。相手の千夏は、その絵本を読んではいけないのだと主張します。
 どうやらキツネが出てくるらしい。茶色で、お弁当を食べるらしい。
 その時点で「コンとあき」だというのは、わかりましたよ。
 その後、隆平は本屋さんでこの本を探してくれ、行方をしらせずにいなくなった千夏母子の居場所を推理します。(この本屋、「配達赤ずきん」シリーズですよね)
 段々と隆平のことが気になってくる美南。保育士として特定の保護者と親しくなってはいけないと思いながら……。
 大崎梢「ふたつめの庭」(新潮社)。素敵なラブストーリーでした。大崎さんて、結構恋愛絡みますよね。切なさを描いていて、ほんのりと甘い。そうですね、今回は「海辺のひよこ」がよかった。
 保育園が舞台だからか、学校関係者としてはよくわかる部分もずいぶんありました。例えば、少し前の卒園児の情報が、現職にはわからない。まぁ、中学あたりならデータとしても残っているんですが、急にやってきて卒業生だと名乗られても困惑してしまうでしょう。何が入っているかよくわからない倉庫とかも。
 それから、園長先生が「あの人も寂しいのよ」と語る部分も、非常に納得。
 「青い星の夜」の、ひかりちゃんのお母さんの話が、本当に切なかった。高校生のときに付き合っていた人が、手のひらを返したように冷たくなる。何もいわずに留学してしまう。残された彼女は親にも頼れない。それまでの楽しかった思い出とか、友達からの言葉とかいろんなことを考えてしまいます。公認カップルが、そんなふうになってしまうなんて、友達としてもショックでしょう。
 連作短編集としても、たいへん好みでした。当て馬役のカツミくんが気の毒でしたが。

「妄想中学ただいま放課後」宮藤官九郎

2013-08-15 08:45:02 | 総記・図書館学
 先日、高校時代の友人に会ったら、
「宮藤官九郎の実家の近くが出身地だと話すと、それなら『じぇじぇじぇ!』っていってたの? といわれる」
 といってまました。人気なんだねぇ、「あまちゃん」。宮藤の実家とあのドラマの舞台はものすごく離れているので、宮城では使いませんよ。
 無性に宮藤の対談集を読み返したくなり、本棚を探したら目立つところに置いてありました。「妄想中学ただいま放課後」(太田出版)。
 これを買ったとき、すごくおもしろくて、つい愛読者カードを書いてしまったものです。でもって、その半年後、なんと宮藤の母校に転勤になりました(笑)。在校生には宮藤の甥っ子もいましたよ。保護者や同僚には同級生がいて。総合的な学習の時間のネタづくりとして、「三十年後には宮藤官九郎記念館ができてるはずだから、お母さんにインタビューだ!」と紙屋に生徒を行かせたり、図書室に「木更津キャッツアイ」配架したりもしました。
 で、この本は、宮藤が自分と同じ年の人たちと理想のクラスを作るというコンセプト。わたしも学年は違いますが、同じ年。世相とか風俗とかが背後に浮かんできて、それがおもしろいんでしょうね。
 対談の相手は、永作博美、的場浩司、阿部サダヲ、相田翔子、羽生善治、及川光博、安野モヨコ。あ、担任は遠藤ミチロウ。
 宮藤は自分が生徒会長だったことや、常に地味な子を笑わせようと思っていたことなどについて、相手の中学時代を質問しながら語ります。
 わたしはミッチーの回と羽生さんの回がおもしろかった。ミッチーは毎年バレンタインにチョコレートを五十個くらい貰うので、あげる方の女の子たちも最初に紙袋を用意しているんだって。学園祭が大好きで、バンドでは自分のダンスアレンジを入れたり、女の子にバックで踊ってもらうために教えたりしたんだそうです。
 羽生さんの、東京出身なのに、若柳よりも店(本屋とかレコード屋とかゲームセンター)がない発言もおかしかった。
 ところで、わたしはどうしても地元にあてはめて読んでしまうので、高校生のときに紹介された女の子と会っていた「近所の山のてっぺんにあるものすごく暗い場所」がどこなのか気になって仕方ないのです。
 あ、ちなみにディズニーランドで置き去りにされたといっていますが、当時は学校でそういうところには行かないのでは。「学級委員の研修かな?」なんて言ってるけど、ないない(笑)。同級生だった人は、「修学旅行はつくば博にいったから、そこのことじゃないかな」といってました。
 卒業アルバムも見ましたが、部活集合写真で一緒に写っているのは、順天堂大学でバレーボール選手だった庄司賢治くんです。中学時代はバスケ部だったんだよね。わたしは学生のとき結構応援していたので、なんだかふしぎです。

ちびまる子ちゃんランド

2013-08-11 04:52:46 | 〈企画〉
 清水市エスパルスドリームランドに行きました。息子が「まぐろ三昧」を食べたい! と熱烈に思っていたので、お昼だけで相当な出費……。この息子、温泉が非常に好きで、さらに静岡茶や饅頭も大好き。五年生としては渋すぎますよね。娘は海水浴をしたがってずっとじりじりしていましたが、せっかく清水にきたのだから、とちびまる子ちゃんランドに行ってきました。
 スタンプラリーやクイズをやっていて、子どもたちは喜んでいました。○×クイズがあったのですが、一緒に中国語版もあって、「戸川先生はいつも眼鏡をかけていますか?」(意訳)のように日本語版とは違う内容でした。
 まんが記念館のようなところでは出版書籍コーナーもあるものですが、「まる子」の中国語版や韓国語版のコミックも置いてありました。
 今回は原画展も開催されていて、大人はセットで九百円、子どもは入館料三百円なんですが、これでどちらも入れるんだそうです。
 「25年目の小学三年生」というキャッチコピーでした。わたしは雑誌連載から読んでいました。妹がりぼんを買っていたのです。「もものかんづめ」からの三部作は本当におもしろくて、さくらももこは天才だと思っていました。今回講談社まんが賞をとったときに石ノ森章太郎や藤子不二雄から口々にほめられことが紹介されていましたが、受賞したときに確かプロフィールが載っていて、「さくらももこ」に本名があることに驚いたことを覚えています。
 「幕の内弁当」も持っていますよ。なにを読んでもおもしろかった。
 でも、雑誌「富士山」の編集あたりからちょっと違和感を感じるようになったのですよね。わたしはさくらさんの魅力は作品に含まれた「毒」だと思うんです。それを共感を込めて描くのがうまかった。
 イラストをみると、懐かしいですね。あるときから随分繊細なタッチが増えるんです。うまいアシスタントさんがいるそうなので、その方が加入したときでしょうか。
 そういえば、まる子のクラスの児童を全員紹介するボードがあって、レギュラーメンバーだけでなくそのほかの人もちゃんと書いてありました。けんたとか。謎だったのは「つしはしとしこ」さんでしょう。その名字漢字でどう書くのか? わたしはイラストレーターの土橋さんをイメージしているのかとも思ったんですが。
 それから、モデルがいるはずなのに、キャラクターとして登場している人もいるというコメントがありました。おじいちゃんとか戸川先生は確かに実在するんですが、こういう人ではなかった。
 ふと思ったのは、最近のさくらさんから毒が薄れているのは、アニメとしての世界が意識されすぎているからなのかも、ということ。平和なマンネリは、彼女の持ち味を崩したのではないかと。
 午前中は日本平動物園に行きました。北極熊の遊泳が豪快で、見とれてしまいましたよ。