くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

バレーボール本「ミュンヘンオリンピック」②

2022-10-16 22:35:26 | 芸術・芸能・スポーツ
「嵐と太陽 バレーボール『松平一家』の愛と執念の記録」

アニメドキュメント「ミュンヘンへの道」の原作。
選手の苦悩やバレーへの思いが描かれているけど、恋愛問題まで率直なので驚く。
「愛……その結末」という話にはある選手の学生時代の彼女ジュンからの手紙が。
プライバシーって??

黒川克行「指導者の条件」

ミュンヘン五輪監督松平康隆氏が取り上げられている。
「お前としたことが……」叱責

母から教えられた「負けてたまるか」をモットーに、金メダル目指して奮闘する姿。

「松平サーカス」とも呼ばれたアクロバティックな練習は、空中での身体の使い方を身につけるため。

チームの要となる南将之を徹底的にしごきながら、「世界でただ一人松平さんの言うことだけは聞く」と言わしめ、「ミュンヘンへの道」は金メダル獲得を前提に放映。「半ば電波を私物化」!
能力を引き出すには褒めること、とも。
正直、昔は苦手な方でしたが、バレーに対する思いを感じます。


「人生負け勝ち」柳本晶一

「勝ち負け」ではなく、「負け勝ち」。人生では負けることの方が圧倒的に多い。
ミュンヘンで金メダルをとったメンバーは、次のオリンピックで負けたときにモチベーションを保てなかった。
勝利の中にも負けの芽は潜む。勝つためには何が必要なのかを考える一冊。

バレーボール本 「ミュンヘンオリンピック」①

2022-10-15 21:16:50 | 芸術・芸能・スポーツ
「勝利の神髄 1928ー2016」

オリンピックメダリストの項目、ミュンヘンで取り上げられているのは「マツダイラ・サーカス」

フライングレシーブを取り入れたのは、バレーボールを拾う技術はフットワークだという定説に疑問を持ったから。
スパイクのスピードを計測すると、秒速28mあった。
コート通過時間は、約0.3秒。人間の全身反応時間も同じ0.3秒のため、男子はコート内でほとんど動けない。
徹底的に合理性を追及した結果、打球の落下予測地点の上、地上20センチで片腕を突きだしてボールを受け、その後タ、ターンのリズムで腕立て伏せをする練習を始めたそうです。(顎割れ続出💧)

「101個の金メダル」
2000年発行。アムステルダムから長野五輪までの金メダリストを、当時の新聞記事も交えて紹介。
バレーからは、東京「東洋の魔女」、ミュンヘン「松平サーカス」、モントリオール「新魔女」が。松平さんのインタビューもあり。時間差攻撃は「犠牲的精神」なんだそうです……

「信頼と情熱」

オリンピックエピソードを描く5冊シリーズ。
取り上げられているのはミュンヘン金メダルチーム。
この前読んだ本とほぼ同じエピソードだった……(参考文献が同じなのでしょう)
松平さんの「バレーボールを一部の人の楽しみにしたくない」という思いにじわっときました。

「オリンピック裏話」

2013年発行
「今も元気な“東洋の魔女”たちの皆さん」
2004年の写真展に登場した選手たちが語る大松監督のエピソード
○「厳しいのは練習のときだけ」
宮本は「先生を父のようにも、恋人のようにも親っていた」(「慕う」の誤)
○息抜きがしたくなると、合宿所の新聞の映画↓欄に赤鉛筆でマーク。監督が西部劇(時代を感じますね!)に連れて行ってくれ、夕食もご馳走してくれる
○ソビエト戦の日は、テレビを見ないように指示されていたが、皆で柔道の試合を見た。神永×へーシンク!
「神永さんが負けたのでショックを受けた」

「松平康隆氏の死は日本スポーツ界の損失」↓
○日本チームの先頭を歩くのは、常に小柄な松平さんで、その後ろを長身の選手たちがついて歩いていた
○モスクワをボイコットする案件に、最後まで反対した
○政界入りをすすめられたが、「私はバレーボール、スポーツ界の松平だ」と言って断ったと言われている

筆者は、オリンピック評論家とのこと。

バレーボール本 一般まんが①

2022-10-13 23:13:49 | コミック
「ビーチジャーニー」中馬孝博

「VSアゲイン」もそうだったけど、展開がスピーディでキャラクターが魅力的なんですよね。
ビーチ選手は、かなりトップでも赤字覚悟で活動しているとTVで見たことがありますが、そういう問題点なども描かれています。
ピザショップのパティオさんや、ビーチクイーンの朝花さん、リベロ出身のリリアなど、印象に残る選手たち。

帯の惹句が「アテナ&渚の世界の歩き方」「異国グルメ」とあるけど、バレーしか目に入らない私は出版ニーズに合っていないでしょうか……

戦術を知るコーチとめぐりあい、いよいよトップ選手へ! とわくわくするラストだけに、もっと読みたいーー!
パートナーの存在って、大きいですよね。そして、応援してくれる人たちも。
二人の旅はまだまだ続いていると、信じてます!

📚️「WHO I AM」冨澤浩気

パラアスリートの活躍を描く上下巻。
上巻にはボスニアのシッティングバレーボール選手サフェト・アリバシッチが描かれています。
12歳で地雷を踏み踵を失った彼は、ロンドンパラの金メダリスト。リオで連覇を目指す。
しかし、イランには246㎝のメヘルザードが……。

下巻は違うスポーツだったので買っていませんが、原作ドキュメンタリーもあるのでいつか読むつもり。

バレーボール本 「少女まんが」①

2022-10-09 19:38:48 | コミック
「放課後、恋した。」

兄から無理矢理バレー部のマネージャーにさせられた夏生。しかも、同じ一年生の久世渚を入部するようにと命じられる。
しかし、久世は中学時代の後悔から、バレーをやめようとしていた。
夏生の懸命さに心を開いた久世、アタッカーの桐生との恋模様を描く。全8巻。


「メンズライフ」渡辺あゆ

双子の弟結太と入れ替わって、高校の寮に入った美緒。
引っ込み思案の彼女は、同室の先輩とどう接したらいいのかわからなくて……。
先輩のバレーシーンがかっこいいよ☺️
媒体でそろえた。
六人ぎりぎりのバレー部、実はリベロの裕太は双子の姉美緒と入れ替わっている。
そのせいか一度も試合がない(笑)!
バレーシーンは、文化祭でコスプレしてストラックアウト。
でも、「彼氏がバレー部」「バレーかっこいい」って漫画増えてほしいので許す🏐


「JUMP! シッティングバレーボール物語」

事故で右足を失ったひなた。走り高跳びの選手だった彼女は夢を失い、失望の中で過ごしていました。
そんなときに出会ったシッティングバレーボール。
運動神経には自信があったのですが、身体の使い方に慣れず……

「ビバ!バレーボール」井出ちかえ

泣き虫だった千恵は、バレーの喜びを知り大きく成長していく。
広島のスーパーアタッカーや魔球を操る倉敷の友人、ソ連の主砲、更に少年院のチームとの対戦まで!
りぼんに連載されていたそうですが、驚くことに千恵は中学生なのですよ。

バレーボール本 メンタル向上①

2022-10-08 16:03:41 | 芸術・芸能・スポーツ
「夢をかなえるスポーツノート活用術」

部活ノートをつけている生徒、多いですよね。
「ノートに書いたことを頭にインプットして活かす」として、ジェイテクトの酒井大祐コーチのノートが紹介されています。
JTで仲のよかった先輩(MB)が、相手チームの分析ノートをつけていたことがきっかけとか。
ノートはあとで見返して、自分の成長をかみしめたり、その気づきが新たな成長に繋がるのが魅力だとのこと。保管もしやすい。
ちなみに選手時代のノートは移籍するときに捨てたけど、コーチになってからのノートはバレー教室に活かすなど、未来への大事な財産になっているそうです。

「部活お悩み相談室」

人間関係、チームの方針、トレーニング、試合といった部門別に、考え方を変えてみるアドバイスとまんががついています。
出版が2006年なので少し古い回答もありますが……(「坊主が嫌」→個性はプレーで示すもの、とか)
昔から悩みのスタイルって変わらないのかも……

中高生のアンケートより
○所属
サッカー、ソフトテニス、野球(バレーは6位)
○入部動機
面白そう、前からやっていた、楽しい
○不満
休日練習(休みがない)、朝練がいや、坊主刈り
○うれしいこと
試合に勝つ、ほめられる、できるようになる
○楽しいこと
仲間との活動、上達を実感、練習すべて
○部活自慢
強い、楽しい、気持ちは負けないなどに混じって「元日本代表の監督に教わっている」
バレーだと、雄物川、誠桜、福井、名電、東山、大村工、宮崎東、鎮西(女子)といったところでしょうか。(もっといる気もする……)

「ハイキュー!! クロニクル」

2022-10-07 05:55:11 | コミック
「ハイキュー!!クロニクル」
イラストたっぷり、座談会約90ページ。コラボマッチとのタイアップ(まんが&セリフ)、ジャンプの目次についてたコメントとか、盛りだくさんです。
ラストは、新山学園高等学校女子バレー部だ😂

・座談会には、白鳥沢のモデルである東北高校に取材にいったこと、その中には太志くんがいたことを編集さんが話してる。当時は忙しくて、古舘先生は気づいてなかったとのこと。

・J booksの編集佐藤さんが、強豪チーム出身でよく話を聞きに行ったと。えーっ、その強豪高の名前教えてー……

・「パワーバレーボール」を読んだ話も。鷲匠がセリンジャーの台詞を語る回にいかされている。

・編集佐藤さん、春高のオレンジコートに立ってる人じゃん!
「板の床より滑らなすぎて危ない」👀‼️
取材に同行すると、監督から選手の調子を聞ける! えー、取材先考えると東亜かなあ?(無責任発言)

・影山はユース合宿に行きますね。
「バレーボールはもっとおもしろいと証明しよう」という監督の台詞、月バレに取り上げられたと。
ユースの監督は本多先生。
メンバーは石川祐希、小野寺太志、高橋健太郎、大宅真樹といった現在の代表がそろう🎵

・バレーは見上げるスポーツなので、体育館天井の写真をよく撮影した。
東京体育館、大田、武蔵野総合。そして、墨田は描きやすいそうです。

・個性的な指導者たくさん出ていることから、古舘先生の教員主人公まんがも読んでみたいと思ったり。(妄想)

・連載中に眼科でジャンプを読む機会があって、「試合がこんなにずーっと続くのは、スポーツまんがあるあるだなー」と思ったけど、作者も読者に「後で説明するから、今は我慢して」と思ってたというエピソードは納得。
ローテ組むの大変だよね。

・北さんの設定「スタメンにいないキャプテン」。リアルでパッと思い出すのは、春高優勝したときの東北、長谷川朋彦さんだなー。

・西田くんの「エースの翔道」のための書き下ろしイラストと、スポーツイベントでの柳田さんとキャラコラボイラストも入ってた。

「図書室のはこぶね」

2022-10-06 05:54:15 | 文芸・エンターテイメント
「図書室のはこぶね」名取佐和子

これは、今終わったばかりの物語。

百瀬さんは、友達の代理で図書委員の仕事に向かいます。
学校中が体育祭の準備で忙しいのに、バレーの練習中に怪我をして参加することができない。
そこで出会ったのが朔太朗くんと、十年前に貸し出されたはずの「飛ぶ教室」の文庫本。

主人公は、女バレのエース、178cm!
引退直前に骨折して、試合には出られず目前の体育祭も見学。
そんな彼女が訪れた図書室で、十年前に貸し出されたままの文庫本を発見してしまう。
誰が返却したのか?
挟まれたメモの意味は?
体育祭のダンスも絡んで謎は深まり…
バリバリ体育会系で、3年生なのに図書室の場所も知らない百瀬さん。
読むなら選手のエッセイか、バレーの教本かまんが、という彼女が読書に目覚めていくんです。
体育会系の言葉づかいがつい出てしまうのも面白かった。何しろ1ページめから「失礼しゃっす」(笑)
ニヤニヤしちゃいました🏐

謎解き、体育祭のダンス革命、十年前の図書委員たち。
司書の伊吹さんがまたたまりません。
年代的に彼女の立ち位置が分かる私ですが、高校生たちのきらめき(娘世代!)が本当に愛しかった。
「ヤギ」さんのサイドの物語も読みたいな、と思ってしまいました。
和己さんがいてよかった。

バレーボール本 「青春サプリ」

2022-10-05 23:42:24 | YA・児童書
「青春サプリ。自分がここにいる理由」
福井工大福井のピンチサーバー田中くん(大会では「レシーバー」と記載)の、バレーに賭ける思い。
JOCに選抜された後の兄の死、四人だけの同級生、チームを支える仕事をしながら迎えた最後の春高で(開智戦)出場。
西田先生が気にかけてくれるあたりが好き。
西田先生もVリーグ時代はほとんど試合に出るチャンスがなくて……とあったけど、バレーから離れていた時期の私でもお名前記憶に残ってる程活躍された方なんですが。(全日本にも選出されましたよ!)
物語構成上仕方ないけど、読者はその実力を知らないままなんだな、と思うとちょっとさみしい……
サントリーでは、ブラジル選手の控えに回ったというエピソード。
これはジルソン・ベルナルドです。
「(外国人選手の)お腹が痛くなった時しか出番がなかった」というのは、逆に言えば、ジルソンが不調なときはすぐスタンバイできるということではないですかね!🌠


「好きだから負けたくない」
表紙が下北沢成徳!
主人公は渡邉かやさんで、石川真佑さんも登場。
小説にバレー部が登場するの、ファンにとって嬉しいですよね💕
次はどのチームが紹介されるかな?


「みんなのために僕ができること」
東山高校のマネジャー田中心輝くんを主人公に、昨年度の春高で棄権することになった辛さと、その後の様子を描く。
試合に出ることが叶わなくとも行きたかった、憧れの東山。正セッターのケガでチャンスが回ってきたが、自分もケガをしてしまい…

「スポーツ毒親」

2022-10-05 05:36:34 | 芸術・芸能・スポーツ
「スポーツ毒親」島沢裕子

性虐待を耳にした人が、自分の娘がそんな目にあったら相手を殺したいと言っていた。
胸が潰れそう。
「全国大会」はそんなに魅力的なのか。
保護者の熱の入れ方は、昔自分では叶えられなかった夢を代理でさせているような人もいる。「代理ミュンヒハウゼン症候群」を思い出した

バレーの事例として、
・子どもに土下座させる監督に服従し続けた親たち
「全国大会出場」の魅力。
監督から暴言を浴びせられる状況で、親も感覚が麻痺していく。

・大分少女バレーボール暴力事件口止め誓約書
元全日本の選手まで来て、リークした人を探す会合、怖すぎです……

・某強豪中学は、保護者にまでカーストがあって、3年生の親が座るまで下級生の親は座れない。トイレに行くときは会長に断ってから。
上級生に譲られても、3回言われるまでは受けてはならない。
正規の部活後に、外部の体育館を借りて練習。
遠征で年間50万ほどかかるが、中には一度も出られない子も。

・不来方の暴言による自死については、監督の処分を軽減するよう求める(❕)嘆願書の写真も。
全国代表に入っていた選手対して、もともと劣等感を抱いていたなど貶めるような記載の文言で、憤りを感じます💧

この本について、とにかくしゃべり倒したい……。
指導者の目指すものって、一体何なのか、と。


「スポーツ毒親」が刺さりすぎて、既刊を借りてきました。
島沢裕子「部活があぶない」。
生徒・保護者・指導者、それぞれに問題はある。
部活が「ブラック」といわれるのは、「生徒指導」に組み込まれていることも大きいと感じます。

指導者と暴君の境目が分からない人は本当に怖い。
よいコーチは技量をあげる人、でも、最高のコーチは心に火をつける人。
鈴木大地さんの言葉がかっこいい。

そのためには、選手自身がしっかり考えてコミュニケーションを取ることが大切と感じました。

保護者が「自分の夢の代理」として子どもに期待する傾向、無意識なんだろうけど……
子どもと親は別だと気づいてほしい🥺

「素数とバレーボール」

2022-10-04 19:18:39 | 文芸・エンターテイメント
「素数とバレーボール」平岡陽明

41歳の誕生日を迎えた岸高バレー部員たちに届いた「ガンプ君」からのメッセージ。
5万年後にバレー部再結成の意味とは?

メータージャンパーの素人「ガンプ君」が加入しても、キャップとのトスが合わないってのがリアルで楽しかった。
仲間と再会したくなる小説です。

メンバーたちはそれぞれの人生で、迷い悩み、トラブルを抱えていて。
数学オリンピックで金メダルを取り、SJ1メートルの記録を持つものの、なかなか上達できない彼のエールが響く。

「念のためルールブックも入れておきました」「ルールを忘れているかもしれないのでね」
という会話を読んで。
いや、5万年後にはルールまた大幅に変わってると思う。()
と思ってしまう私だった。