くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「女のシゴト道」大田垣晴子

2009-07-31 04:50:55 | 社会科学・教育
ビーズ手芸がしたくなりました(笑)。
日柳佐貴子さんは、もともとテキスタイルの仕事をされていたのですが、あるとき素敵なビーズジュエリーをみつけて購入。オリジナルで作品を作るうちに友人間で評判になり、売り物としても好評。テレビ出演がきっかけになって本を出版されたそうです。
「ビーズジュエリー作家というシゴト」。大田垣晴子「女のシゴト道」(文春文庫)の一エピソードです。自分で本の企画を作っても会ってももらえなかったのに、視聴者からの問い合わせで出版が決まるって、何だか切ないような気もしますが。でもおもしろそう! 中学時代ビーズ手芸が大好きだったのでまたやってみたくなりました。
あとは映画プロデューサーとかブライダルカウンセラーとか。様々な仕事をもつ女性たちを大田垣さんがインタビューしています。
どんなことをするのか。この仕事の喜びや苦しみ。やりがい。旦那さんとのことをのろける人、激動の人生を送ってきた人、読んでいるとその仕事の表面だけでは語り切れない何かが、浮かび上がるような気がします。
最後には、「画文家」という自分のシゴトを書く大田垣さん。
この本、単行本を買おうかどうかつい最近もまた迷ったのです。でも、文庫化して手に入れやすくなりました。
あなたなら自分の職業をどう説明しますか? 大田垣晴子というファクターを通して表現される女性たちを見ていると、前向きさに元気をもらいます。
取材現場を覗いてみたいなー。相手が自由におしゃべりするのか、大田垣さんが適宜質問するのかでもずいぶん違う気がするので。
例えば同じ語りを複数の人がレポートとしてまとめるとすると、当然書き手それぞれの個性が現れますよね。
大田垣さんの重すぎず軽くない語り口、すごく好きなのです。

「西の善き魔女」⑤ 荻原規子

2009-07-30 04:50:33 | ファンタジー
はー、なるほどー。ふむふむ。えぇやっと理解できました、この世界の構造を。「西の善き魔女」⑤、最終巻です。(番外編があと三冊ありますが)
ヒロイックファンタジーとして読んできたのですが、世界観の根底はSFなんですね。(ネタバレ?)
読み終えてから巻頭のわらべ歌を見直すと、やっと全体が腑に落ちるような気がしてきます。
バードとケイン、フィーリの正体など曖昧にしか描かれない部分もありますが、それはそれで。
フィリエルと二人の女王候補・アデイルとレアンドラが知らされた真実。女王陛下に踊らされているような気がしないでもないですが、まあ、ハッピーエンドです。お伽話のラストとして相応しいですね。
ユニコーンたち、この巻でもいい味出してくれました。中でもアーサーが!
ユー坊のおちゃめさもかわいい。
しかし、彼らはもともと竜とともに生きていたのでしょうか。壁の向こうには果たして仲間がいるのかなー。
そう思って④をちらっと読んでみたのですが、オーガスタ王女がはっきり言っていますね。「ユニコーンは初代女王の遺産」と。続けて「数を増やし、集団の組めるものにできたら……」。
ということは、竜に対抗できる集団を作るという明確な意志があるのですよね。女王としてグラールの平和を支えるのではなく、その思想の及ばない世界を迎えても構わないのです。
フィリエルの母親・エディリーンはどうでしょう。彼女は「異端」の科学者ディー博士と駆け落ちします。少女の頃から研究所に出入りしていた彼女は、科学の力を推進することを選んだということです。
その娘たち三人は、「西の善き魔女」として立つことを決意する。文明が進み、対立する帝国が力を増すことは初代女王の考えとは時代が変わってきているのですが、あえてその道を選ぶわけです。
少女たちの「これから」に勇気づけられます。外伝も楽しみ!

「半落ち」横山秀夫

2009-07-29 08:10:23 | ミステリ・サスペンス・ホラー
横山秀夫「半落ち」(講談社)について語りたく思います。「このミス」で一位だったのが03年ですから、読んだのは04年ですね。
たくさんの方から好評だったようなので読んだのですが、期待しすぎたせいかあんまり……。
あらすじ。
アルツハイマーの妻から「殺してほしい」と懇願され、自らの手を汚した警察官・梶が自首してきた。調査するうちに、犯行から二日経っていることがわかります。しかし、その間に何をしていたのか。梶は口を割らず、マスコミに「空白の二日間」と書き立てられます。
梶を取り調べる刑事、検察官、新聞記者、弁護士、裁判官、そして刑務官の目を通して、各部署の駆け引き、正義と真実、迷い、感情がドラマチックに描かれます。
おもしろいのです。でも、なんかみんな、梶に対しての思い入れが強すぎる。「おいおい、またかよ」と感じたのは、わたしの心が狭いのですか。
「深度のある澄んだ瞳が印象的だ」
「両眼は澄み切っていた」
こんな描写がやたらと目につくのです。弁護士なんて俗物として書かれているのに、「梶がこちらを見下ろしているような気がした。深い悲しみを湛えたあの瞳で」ときたよ。当時人気のあったチワワを想像するわたし。「どーする? アイフル」
だって、梶さんいいお歳ですよね。向き合う方々もそれなりに経験を積んで、いいポジションにいるんですよね。そんなに潤んだ瞳が、心にひっかかるの?
結局は最初の視点者だった刑事が、梶の行動を看破するんだけど、なんだか付け合わせのように感じてしまいました。
あれから五年、直木賞事件があって、映画にもなって、いろいろ話題をふりまきましたが、どうなのでしょう。うーん、四五十代の男性の方なら、もっと通じるものがあるのでしょうか。
わたしは「第三の時効」や「陰の季節」は好きなんですよ。
ちなみに、この作品について論じた文章でもっともおもしろいのは、木村晋介「キムラ弁護士、ミステリーにケンカを売る」(筑摩書房)です。オススメ。

「10歳の放浪記」上條さなえ

2009-07-28 05:26:45 | YA・児童書
わずか十歳の少女早苗。父は酒を飲むと暴力を振るい、母はそんな夫を学歴がないと見下しています。父親の違う兄と姉、唯一の心の支えは友だちのかおりちゃん。
上條さなえ「10歳の放浪記」(講談社)は、そんな少女が父親とともに池袋のドヤ街でその日暮らしをした頃の記録です。作者にとっては自伝的な作品ですね。続編の「かなしみの詩」は既読なので、この後どういう展開になるのかはわかっていたものの、それでもいいのです。
今回印象に残ったのは、母親が常に後悔しながら生きていること。地主であった自分の父が生きていたら。東大卒の最初の夫が戦死しなければ。そして、現在の夫を見下しながら生活している。むー。
それでも父親は、そんな妻のことが好きらしいのですが、お酒が入ると人が変わってしまいます。さらに、喧嘩をしても口ではかなわず、その口調の中に自分への侮蔑が混じることに我慢ができないようです。
父親が違う兄は祖父母の家に引き取らせ、姉は一緒に食事を取らせないほどの待遇でありながら、人に騙されて住むところがなくなり、所持金にも苦労すると会社を訪ねていく始末。
堕落、という言葉が思い出されます。もともとは商才のある男性だったそうです。戦争未亡人だった女性と知り合い、妻がいながら彼女と結婚したいと考える。しかし思ったような生活ではなく……。家を失い、娘とホームレスのような暮らしをしながら、酒の量は増えギャンブルに救いを求める父親。
生活のために早苗はパチンコ屋に通います。知り合いになったヤクザが、早苗を救おうと父親を呼び出してくれたり……。
この作品の中で繰り返されるかおりちゃんのことば。
「子どもって、かなしいよね。大人に決められたら逆らえないし、どんなにいやなことだって、がまんしなくちゃならないんだもん」
早苗にとってかおりちゃんは幸せの規準でもあります。親と一緒に暮らせる幸せ。どんなに不幸な生活になっても、きっとかおりちゃんは自分よりは幸せだと言うに違いないと早苗は考えます。
でも。
父親とすら暮らせないときがやってきます。このエンディングは続編につながるシーンですね。
あとがきにはその後の人生が走馬灯のように描かれます。駅で友人だった江森くんに声をかけられる場面が印象的。
とにかく、読んでよかった本です。続編では啄木の短歌に救いを見出だした早苗は、この時期映画に心引かれたのだとか。
マティーニを飲んでみたいから、父親に死のうか……と言われて断るというエピソードが、ふるってますよね。

「はるがいったら」飛鳥井千砂

2009-07-27 05:28:09 | 文芸・エンターテイメント
地域のお祭りで降り注ぐ太陽の光にさらされながら会場に8時までいてくたくたなのです。それでもつい、11時まで読んでしまいましたよ。飛鳥井千砂「はるがいったら」(集英社)。
もともと文庫解説のチラシを見て気になっていた本なのですが。予想以上に好みでした。タイプとしては栗田有起? すばる新人賞作品ちょっとピックアップして読んでみようかと思ったほどです。(山本幸久も三崎亜記もおもしろかったし)
はる。犬の名前です。姉の園(その)と弟の行(ゆき)が小さい頃に公園で拾いました。しっかり面倒を見る、そんな約束で飼いはじめて十四年。その間に、両親は離婚。園は母親に、行は父親につくことになり、さらに父親が再婚して行は義母・真奈美と義兄・忍と暮らしています。
もう老犬のはるは自分で動くこともできず、行の部屋で「介護」されているのです。
行の目から見ればはるとの関係は、飼い主とペットというよりは生き物が二匹一緒に暮らしている感じ。
この物語は園と行の視点で交互に綴られています。同じエピソードでも見方が変わると別の側面を持っている。園は幼なじみの恭司が好きですが、婚約者のいる彼との付き合いを考えなければならないことは分かっているのです。でもこのままがいいとも思っている。
そんな中で、非通知設定の無言電話や「冷血女」と書かれた手紙が届くのです。さらにはネットで園を中傷する内容が流布していることを知ります。「鎖骨でメダカが飼える」は、この作品の白眉!
父親と真奈美。園と恭司。彼らの関係性も、なかなか考えさせられますね。
で、わたしがいちばんかわいいと思うのは当然「なっちゃん」。きっとお友達になれるタイプだと思うのです。
屋上で交わされる行と忍、行と宮本先生の会話も、いいですよ。

「キャプテンレッド」ほかまんが数冊

2009-07-26 05:27:10 | コミック
ついつい買ってしまいましたっ……。藤田貴美「CAPTAIN RED」(幻冬舎)文庫版!
所有している本の別版を買うのはやめようと誓ったばかりなのにぃ。
でも、帯があおるんだもの。続編を収録とか言われたら、読みたくなるじゃんよー。
で、買ってすぐ読みました。駐車場で、貪るように。あー、やっぱりすきー。本誌で読んでコミックスも何回も読んでいるのに、エンディングに胸が熱くなるのです。
プリムローズのまっすぐさがいいですよね。レッドはかっこいいし。カメのエピソードを入れずにはいられない藤田さんがおちゃめでかわいい。
それにしても、この背の題名は、「キャプテンレッド」と仮名書きなのです。中に入ると英字なのになー。英字だけだと低年齢の方には手にとりにくいからかしら。
同時収録の「赤い群集」もものすごいです。もし、わたしにアンソロジーを作る機会があるとすれば、この作品を収録したい。
短編のお手本のような作品です。


ついでに、最近買ったまんがについてちょっと。
横谷順子「男たちのウェディングウェディング」①~④(宙出版)。古本屋に行ったら発見。懐かしくなって購入しました。
わたしは、for Mrs.の再録版で読んで、結構好きだったのです。立ち読みしたら気になってしまい、ついつい全部読みたくなってしまいました。
ウェディングドレスを作るお店「マダム真梨子ブライダルサロン」を訪れるお客さまを巡る連作です。
ドラマになったこともあり、傑作集として①②が発売され、ついで③④が出たみたい。売れ行きが悪ければ後半の巻は発行されないと横谷さんは心配していますが、わたしは④がいちばん好きですね。
中でも、シングルマザーとして苦しんできた女性が、「娘を産んでよかった」と思える日に十円玉を貯めていくエピソード。
母親が入れた金額よりも明らかに多いのは、それまで厳しいと感じていた祖父からのものだった、というラストがじーんときます。

咲香里「スマッシュ!」14(講談社)。最近ラブコメ路線で、バドミントンの描写が少ないと感じていたので、今回のインターハイは「待ってました!」という感じです。とくに第一ダブルスの野原・久我山ペア。
先輩と後輩に実力のあるダブルスがいて、その陰に隠れがちだった二人が、自分たちの実力に気づくところ、とてもいいですー。
「ぼくたちの練習相手はいつも全国1位だったじゃないか!!」
ふははははは。
ダブルスの魅力は、1+1が3にも4にもなるところだよね。
優飛と翔太のこれからや、阿南と美羽のことも気になります。

あとはー深沢かすみ「本棚の神様」(集英社)とか……。
あ、飴あられ「江戸カルタ」(講談社)は、わたしの好みにジャストミート作品でした。江戸市井の人々の人情がしみじみ漂ってよかったです。前作の義経ものを買わなかったのは不覚! 続きも所望致したいと思っております。

「命の教室」池田まき子

2009-07-25 05:40:42 | エッセイ・ルポルタージュ
犬が好きです。
子供に好きな動物を聞かれたら「犬」、二番めは? と言われても「犬」と答えます。
今は飼っていませんが。小さい頃、オスは気性が荒いからという理由で、メス犬ばかり飼っていました。名前はクロ、シロ、コロ、タロ(この犬だけオスです)。
田舎で犬を飼うというのは、子犬をどうするのかということにつながっていくのですが。なんとか貰い手を探す、処分する、捨てるという選択肢は、子供心に辛いものでした。
池田まき子「命の教室 動物管理センターからのメッセージ」(岩崎書店)は、捨てられた動物たちを「処分」するという現実を知ってもらうことで、命の尊さを考えてほしいという活動が描かれます。
処分には、ガス室が使われ、操作はボタンひとつ。センター職員の保坂さんは犬が好きで、このような仕事に抵抗を感じたそうですが、他の人に粗末に扱われる可能性を考えると辞めることができなかった。
少しでも処分される犬を救うことはできないかと、しつけ方室を開いたり、パートナー犬を譲ったりしてきたことが、だんだん子供たちに生命についてのメッセージを送る「命の教室」として結実しました。
また、所長の坂本さんは、獣医として牧場で働く夢を持ちながら、事故で断念した思いを、子供たちに伝えます。
秋田県内の様々な学校で行われた「命の教室」。坂本所長からのメッセージです。
「人間って、強いだけじゃないよね。弱いときもある。でも、ダメな自分を責めないでほしい。やさしく、自分のことをいたわってほしいんです」
「まずは自分をいたわること。大事に思うこと。自分のことが好きでないと、ほかの人のことも好きになれないし、やさしくできないよね。『今のままでいいんだよ、そのまんまの自分でいいんだよ、だいじょうぶ、だいじょうぶ、だいじょうぶだよ。』と声をかけてあげてください。たとえば、男子だったら、『俺って、かっこいい』って思ってみようか。女子だったら、『わたしって、なんて、すてき』って思ってみよう。自分で自分をほめてあげるんだよ」
そうですね、自己肯定、大事だと思います。自分もほかの人も、大切にしていきたいですね。

「ニッポン『もの物語』 なぜ回転寿司は右からやってくるのか」夏目幸明

2009-07-24 04:59:34 | 産業
知っていますか。東京都水道局の地下には、金魚が飼われているんですって。
「炭坑のカナリア」と同じように、水質に汚染がないかどうかを、金魚はつねに見守っている(?)のです。
知っていても実生活で役に立たないような知識が大好きです。そう、クイズなら得意なんですが。
この本も、ジュンク堂の棚の前でしばらく悩んだ果てに購入。でも買ってよかったですよー。迷っているくらいならすぐ買いましょう! トリビアルな知識満載です。おもしろい。
夏目幸明「ニッポン『もの物語』 なぜ回転寿司は右からやってくるのか」(講談社)。たしかに、回転寿司は右から来ますよね。これは人間の「利き目」に関わるからなんですって。機械を作っている会社のアイディアが秀逸です。おぉっ、こんなことまでできるんだー。ネーミングセンスに着目する著者に、ついくすっと笑ってしまいますよ。
この方、文章の流れがリズミカルで、とても読みやすい。わたしは、あとがきが好きですね。
雑学メインではありますが、それだけで終わっていないのがいいのです。モノづくりに関わる人のモノ語りが、ここにあります。
インスタントラーメンが食べたくなったりスーパーカブに感心したり、チロルチョコを買いに行きたくなったり、そしてこの本にはとりあげられていないモノの、背後にある歴史が気になってしまうのです。
連載分からのピックアップだそうなので、ほかの商品についても読みたいな。講談社さん、二冊め出してください。
「オーディオ」の項、世界最古の録音が解析されるのに百五十年もの年月が費やされたというエピソードがまたいいですねー。

「西の善き魔女」④ 荻原規子

2009-07-23 05:42:19 | ファンタジー
今度は早かったですよ! さくさく読めました。荻原規子「西の善き魔女」④(Cノベルズ)です。
今回は、ユニコーンとの出会いとルーンとの再会がメインでしょう。フィリエルのひたむきさが快いです。
さらに、イグレインが現れたのは驚きました。ユーシスの従姉妹なのねー。
吟遊詩人のバードが、なんか重大な鍵を握っていそうです。
ヘルメス党のカインの言葉からは、もうディー博士は亡くなったというニュアンスを感じて、ちょっと切ないです。ルーンだってもっともっといろんなことを教えてほしいよね……。
あと一冊で本編は終了となりますが、気になる部分や未解決の謎が鮮やかに解きほぐされるといいなー。
正統派少女もののもつ力は大きいですね。

「長い長い殺人」宮部みゆき

2009-07-22 05:06:40 | ミステリ・サスペンス・ホラー
財布が語る連作が、保険金殺人の真相に迫る。宮部みゆき「長い長い殺人」(光文社文庫)です。
多分新書で出てすぐ読んでいるのですが……すっかり内容を忘れてしまったので借りてきました。
うーん、宮部みゆきにしてはありふれた犯人……と思ったんだけど、なるほど、起承転結でいえば、「転」のあたりがおもしろいですね。
宮部作品によく登場する、罪悪感ない若者が、ここでも描かれていると思いました。
バスガイドのマコちゃんがかわいい。そして、早苗の甥雅樹がいいのです。やっぱり少年を書かせると上手いですよねー。
ただ、雅樹少年がマコちゃんや杏子のことを知っているのは違和感がありました。マスコミ報道の過熱も。この当時は容疑者扱いで、こんなにヒートアップしたっけ?
さらに、携帯電話が一般に流布していないのだなーということが端々から伝わってきておもしろいですね。

それにしても。
わたしが読んだのはなんと五十刷りなんですが、それでも315ページに「人材派遣会社に席をおいて」とあるのです。
せき……。籍だと思うんだけど。「天馬のように舞い上がれ」でも発見したなー。世間では、deskを設置することが所属だということになっているのですか?
これ、ほかの出版社からも文庫が出ているので、ちょっと確かめてみます。