そしたら、これ、AERAのムック「工学がわかる。」に寄稿されたものなのですね。教科書にとられているのは、そのうち三十パーセントくらいです。しかも中盤。
前段には床下暖房を例にとって、テクノロジーを有効に使いこなすためには物事のプラス面とマイナス面とを比較検討して、マイナス部分が多いのであればその使用を中断することも必要だということが書かれています。「マイナス面への想像力を持ってテクノロジーを見る癖を身につける必要があるのではないだろうか。テクノロジーを有効につかいこなすには、その欠点を知り尽くすことが大事なのだから」
そして、「あえて手を出さない」「あえて開発しない」ということが本当の智恵だとおっしゃいます。
そこで、教科書本文にある「人間」(原文は「ひと」です)と「ヒト」の能力についてが語られる。「ひと」が失った能力は、テクノロジーでは代替できない、さらに便利な世の中とはいえ「時間」はかえって失われているのではないかという問題が提起され、「決意せる消費者」(「ある製品を購入するとき、何を評価ポイントにして選択するかを、はっきり決意している消費者」「あえて手を出さないと決意する(消費者)」のこと)であれと呼びかけるのです。池内さん自身が自家用車や携帯電話を持たない主義であることが、結びには書かれています。
そして、この項目のひとつ前には、「二十世紀の予言」についての考察も収録されていたので驚きました。わたしがこの記事を授業の冒頭にもってきたのは四年前のことなので、その時点ではこういう配列になっていることを知らなかったのです。
さて、生徒の予想にはこんなのもありました。「家事はすべてロボットが受け持つようになる。だから、もしかすると人間は料理の腕前が落ちるかもしれない」
池内さんの言う、人間の能力の衰えですよね。
わたしがロボットに代わってほしいのは整理整頓です……。
前段には床下暖房を例にとって、テクノロジーを有効に使いこなすためには物事のプラス面とマイナス面とを比較検討して、マイナス部分が多いのであればその使用を中断することも必要だということが書かれています。「マイナス面への想像力を持ってテクノロジーを見る癖を身につける必要があるのではないだろうか。テクノロジーを有効につかいこなすには、その欠点を知り尽くすことが大事なのだから」
そして、「あえて手を出さない」「あえて開発しない」ということが本当の智恵だとおっしゃいます。
そこで、教科書本文にある「人間」(原文は「ひと」です)と「ヒト」の能力についてが語られる。「ひと」が失った能力は、テクノロジーでは代替できない、さらに便利な世の中とはいえ「時間」はかえって失われているのではないかという問題が提起され、「決意せる消費者」(「ある製品を購入するとき、何を評価ポイントにして選択するかを、はっきり決意している消費者」「あえて手を出さないと決意する(消費者)」のこと)であれと呼びかけるのです。池内さん自身が自家用車や携帯電話を持たない主義であることが、結びには書かれています。
そして、この項目のひとつ前には、「二十世紀の予言」についての考察も収録されていたので驚きました。わたしがこの記事を授業の冒頭にもってきたのは四年前のことなので、その時点ではこういう配列になっていることを知らなかったのです。
さて、生徒の予想にはこんなのもありました。「家事はすべてロボットが受け持つようになる。だから、もしかすると人間は料理の腕前が落ちるかもしれない」
池内さんの言う、人間の能力の衰えですよね。
わたしがロボットに代わってほしいのは整理整頓です……。