掘り出しです。おもしろかった。
本屋でつらつらと背表紙を見ているうちに発見して買いました。「ゆめじい 明治骨董奇譚」(小学館)。帯を見てじっくり考えたわたしだったのでした。
こういういわくのある骨董から因縁を解いていく話、大好きなんですよね。でも、表紙の絵柄では判断しにくい。「手に入れた者に悪夢を見せるという享保雛」のフレーズを信じて買ってみました。
京都一の目利きといわれる古道具屋。店主の「ゆめじい」が孫の小鞠と営んでおります。小鞠はまだまだ駆け出しで、古いお寺から偽物を買い取ったり詐欺師に騙されそうになったりします。ゆめじいが買い取った享保雛をほしいと言ってきた男(ゆめじいが策略でそう言わせたんですが)、夢の中に現れた女にとり殺されそうに。
金だけを払わせて引き取った人形を、虎介という少年が買いにきます。
ラストの少年の表情が、愛しい。
わたしが好きなのは、「眠り怪盗捕物帖」。いや、こういう手法で眠らせられるのか疑問ではありますが、女医師を救いたいという気持ちはよくわかるのです。警察に信頼されるゆめじいの推理も効いています。「お月見の病」や「寄せ付けぬ箱」でも、その力が図抜けていることが語られる。
どの話も、人間の根底にある温かさのようなものがあり、世の中は信じていいのだと勇気づけられるような思いがします。和歌の扱いもいい。
「玉の輿神社のお守り」も印象的です。幼なじみの美子と再会し、その出世を喜ぶ小鞠ですが、彼女には「蟻地獄女」と異名のある詐欺師の疑いもある。美子からもらった真珠の指輪を、ゆめじいは本物だと鑑定しますが。
小鞠に暴言を浴びせて去っていく美子ですが、決して本心ではないのでしょう。そのことを祈りながら美子のことを考える小鞠。
「雨柳堂」とか「百鬼夜行抄」が好きなら、きっと気に入ると思います!
でも、単行本にまとまるまで三年くらいかかっている気が……。二巻はいつ出るのかな。
本屋でつらつらと背表紙を見ているうちに発見して買いました。「ゆめじい 明治骨董奇譚」(小学館)。帯を見てじっくり考えたわたしだったのでした。
こういういわくのある骨董から因縁を解いていく話、大好きなんですよね。でも、表紙の絵柄では判断しにくい。「手に入れた者に悪夢を見せるという享保雛」のフレーズを信じて買ってみました。
京都一の目利きといわれる古道具屋。店主の「ゆめじい」が孫の小鞠と営んでおります。小鞠はまだまだ駆け出しで、古いお寺から偽物を買い取ったり詐欺師に騙されそうになったりします。ゆめじいが買い取った享保雛をほしいと言ってきた男(ゆめじいが策略でそう言わせたんですが)、夢の中に現れた女にとり殺されそうに。
金だけを払わせて引き取った人形を、虎介という少年が買いにきます。
ラストの少年の表情が、愛しい。
わたしが好きなのは、「眠り怪盗捕物帖」。いや、こういう手法で眠らせられるのか疑問ではありますが、女医師を救いたいという気持ちはよくわかるのです。警察に信頼されるゆめじいの推理も効いています。「お月見の病」や「寄せ付けぬ箱」でも、その力が図抜けていることが語られる。
どの話も、人間の根底にある温かさのようなものがあり、世の中は信じていいのだと勇気づけられるような思いがします。和歌の扱いもいい。
「玉の輿神社のお守り」も印象的です。幼なじみの美子と再会し、その出世を喜ぶ小鞠ですが、彼女には「蟻地獄女」と異名のある詐欺師の疑いもある。美子からもらった真珠の指輪を、ゆめじいは本物だと鑑定しますが。
小鞠に暴言を浴びせて去っていく美子ですが、決して本心ではないのでしょう。そのことを祈りながら美子のことを考える小鞠。
「雨柳堂」とか「百鬼夜行抄」が好きなら、きっと気に入ると思います!
でも、単行本にまとまるまで三年くらいかかっている気が……。二巻はいつ出るのかな。