山口敬之氏と伊藤詩織氏との間に何があったのか、それはエビデンスにもとづいて議論されなくてはならない。私たちが知りたいのは本当のことである。去る18日の東京地裁での民事裁判での判決は、その点に関して違和感を覚えざるを得ない▼評論家の小川榮太郎はマスコミの一方的な主張に裁判官が媚びたと批判しているが、もしそうであったとすれば大問題である。意識があったのかなかったのか、深夜であったのか早朝であったのか、殴られたりもしたのかなどについては、刑事裁判でも争われてきた経過がある。今回は一転して伊藤氏の言い分が全面的に認められたわけだから、なぜ裁判官がそのような判決を下したかについて、当然のごとく精査する必要があるだろう▼密室での男女のことではあっても、それによって一人の人間が社会的に抹殺されるのである。慎重の上にも慎重でなくてはならない。マスコミが大袈裟に騒ぎ立てれば、嘘も本当になるのが今の世の中であり、煽り報道に騙されてはならないのである。山口氏が悪しざまに批判されるのは、安倍首相の知り合いであったことも影響しているようだ。捜査をストップさせたとの疑惑を報道する週刊誌すらあった▼そんななかで月刊Hanadaだけは山口氏の側に立って論陣を張っている。女性に対する性暴力は断じて許されるべきではないが、それを裁くにあたってはエビデンスが尊重されるべきなのである。
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