以前にも紹介したことがありますが、今日は郷土の食文化をまとめた冊子を紹介します。
昨年12月にユネスコの無形文化遺産に和食が登録されました。欧米において、日本食は健康的としてブームになっていましたが、文化遺産ということで日本人の精神や食事形式など食文化として継承されていることが高く評価されたわけです。
しかし、何が和食かと問われるとその中身を正確に言える人は少ないのではないでしょうか。毎日食べている日本食といっても種類も多く、かと言って料亭などで出される高級日本料理ということになると、特別な料理ということになります。
このやしろ食文化研究会が作成した「郷土の食文化-伝えたいハレとケの食」(B5判96頁、平成15年)には、郷土(社町)に伝わる年中行事と行事食が月毎に写真や材料などが詳しく紹介されいます。正月の家でのまつりやお節料理の内容、意味などが紹介されており、そうした慣習がなくなりつつある現在、非常に参考になります。5月には端午の節句とちまき(粽)、白蒸しなども紹介されています。
NHK朝の連続ドラマ「ごちそうさん」では毎回懐かしい昔の料理、調理が紹介され、また料理に込められた日本人の心、時代社会を表す材料や食事形式なども描かれ、非常に好評でした。現代日本において、「食べる」「食事」をもう一度見直すよい契機になりました。
そんな中、伝統食、郷土食、家庭の味といったものに目を向ける参考書として、この冊子は大きな役割を果たすだろうと思います。