昨日のNHK全国学校音楽コンクール中学校の部決勝、今年の課題曲(合唱)はYui作詞・作曲の「fight」だった。一週間前に関東甲信越の代表選考会の放送(決勝と同じくETV)で聴いたときに、いい曲だなと思った。
決勝では一段とレベルも上がって、出場校はすべてこの曲と自由に選んだものを歌うのだが、ずっと聴いていてあきない。中学生たち、毎年笑顔で歌うけれども、今年は本当に内面から自然にそれが出ているようだった。
中学生の時期は自分で振り返ってもそうだけれど、もやもやしたわかりにくい時期で、またそれだからこうして音楽をやると面白い。このところ中学校の課題曲を名の知れたシンガー・ソングライターに作らせているのも、NHKのそういうことを考えての狙いかもしれない。
このfight、「頑張れ」が12回出てくるという特異な歌詞、本来こういうの嫌いなのだが、そして「頑張れ」と励ますのは逆効果でとんでもないこともあると組織内で教育されることもあり、それは納得できるし、昨年の災害の後、単純に頑張れという曲には違和感を持たれるというのもそうだろうと思う。
そういうことを前提にして聴いても、これは見事にちがう世界に皆を引き込んでいく。特に歌うものに。思うようにいかない現実を受け入れながら自分で自分に頑張れとつぶやいているような。それを可能にするのが、言葉に加えての音楽だろうか。
大会のゲストで登場したYui本人がギター1本でこれを歌った、絶唱。もちろん合唱のための松本望の編曲も素晴らしい。
歌詞の中に「勝ち負けだって 本当は大事なことなんだね」とある。おりしも昨日は「体育の日」、運動会で一等二等というのを今でもやめているのだろうか。
番組の最後にテロップで、各地区大会出場の校名が流れる。東北は全般に盛んなようだが、中でも福島県はずば抜けて多い。それにこのところ小中高あわせて入賞が多く、昨日も金賞が会津、銀賞が郡山であった。郡山は昔から音楽が盛んだったけれども。