バレエに生きる~パリ・オペラ座のふたり~
( Une Vie De Ballets、2011年仏、99分)
監督:マレーネ・イヨネスコ
ピエール・ラコット、ギレーヌ・テスマー
バレエの振付師ピエール・ラコットとオペラ座のエトワール ギレーヌ・テスマー夫婦の半生を描いたドキュメンタリー映画である。この世界にうとい私にとってははじめて目にする名前である。
数十年の間にかかわった多くの著名ダンサー、代表的な公演の映像が多く、参考になる。
ラコットはロマンティック・バレエの古典で、当時途絶えていた振付を復元し多くの成功をおさめたようだ。その中でギレーヌのダンスは、これまでに見た他のダンサーより優雅で、それでいてスピード感を欠いていない。その姿のせいもあるだろう。
またちょうど一時代を極めたと想像するヌレエフが何度も出てくるが、これはやはり別格かなと私でも思う。
2000年代のものには、来日したときのBunkamura公演の映像もある。
ところで今回気がついたことは。デジタル放送の録画で見ていて、ときどき必要があって一時停止をするのだが、その時のショットがまるで飛びきりのワン・ショットのようだ、ということである。それも絵葉書で売ってもいいくらい。
ああそういうことなのか、と今ごろになってようやく理解した。ダンス特に高度なバレエというのはどの瞬間で切り取っても最高のかたちになっている、それが時間とともに推移していくということなのだろう。
そのためにあの基礎的なポーズなどのトレーニングが毎日繰り返されるのか、と考える。