メドレー日記 Ⅱ

by 笠羽晴夫 映画、音楽、美術、本などの個人メドレーです

吉田都 引退公演 ラストダンス

2019-12-12 09:17:32 | 舞台
吉田都引退公演 ラストダンス
2019年8月7日、8日 新国立劇場 NHK BSPre (11月18日)
 
音楽系では、長いこと器楽が中心で、オペラもかなり聴いてきたが、ファンというほどではなく、バレエとなるとオペラの中で見かけるくらいだった。
それが、10年ほど前からだろうか、NHKで英国ロイヤルバレエのプリンシパルである吉田都のことがよく扱われるようになり、単に有名な作品の公演をそっくり観るのではなく、バレエのいくつかの要素を注意して、興味を持って見るようになってきた。
 
この引退公演は、彼女がこれまで共演してきたダンサー、またこれから新国立劇場の芸術監督になるということからか、トップクラスの現役ダンサーを交えたもので、私がよく知らないけれど有名なものも含め、そのさわりを中心に構成されていて、この世界へのイントロダクションとして楽しめた。
 
吉田や英国で活躍する外国人ダンサーたちはもちろんだが、全体として日本のレベルが(おそらく)きわめて高いのに感心した。国際コンクールで若い人たちが毎年入賞するのももっともである。
 
こうしてみるとバレエというのは、流れるような、またダイナミックな動きの見事さもさることながら、「静止」、「着地」の素晴らしさに見とれるものだなあ、と思う。
 
「シンデレラ」、「ドン・キホーテ」、「白鳥の湖」、「シルヴィア」など、そして有名なものらしいのだがこれまで知らなかった「誕生日の贈り物」(グラズーノフ)、「ミラー・ウォーカーズ」(チャイコフスキー)の二つは、この放送の前に見た公演までのドキュメンタリーでも、その次第を詳しく見ることが出来たから、味わいも深かった。後者がチャイコフスキーのどの作品からとったものかはわからない(検索したけれど)。
 
一つだけあげれば、最初のシンデレラ。吉田のソロで、シューズを取り出していつくしむ最後の場面、このダンサーにとってはガラスの靴だったのだろう
 
12月21日に再放送されるようだ。
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