メドレー日記 Ⅱ

by 笠羽晴夫 映画、音楽、美術、本などの個人メドレーです

ゲームの規則

2017-07-03 16:29:14 | 映画
ゲームの規則(La Regle du Jeu、1939仏、106分)
監督・脚本:ジャン・ルノワール、撮影:ジャン・バシュレ、音楽:ロジェ・デゾルミエール
マルセル・ダリオ(シュネイ侯爵)、ノラ・グレゴール(侯爵の妻クリスチーヌ)、ローラン・トゥーダン(アンドレ・ジュリュー)ジャン・ルノワール(オクターヴ)、ミラ・パレリ(ジュヌヴィエーヴ)、ポーレット・デュボスト(リゼット)
 
タイトルはきいた記憶があるが、どんな映画という情報もなく、今回見て、その実験的な内容に驚いた。といっても感心したかというとそうでもない。
 
なかなか真面目に扱われず、かなり後になって論評されるようになったらしい。
 
第2次世界大戦前の貴族の流れを持つ人たちを含むブルジョア社会の恋愛遊戯、感情的なもつれはあっても深くはなく、見ていてそっちに感情移入することはない。
 
飛行機を操縦して大西洋を横断し、クリスチーヌに思いをよせるジュリュー、その状況をわかっていて自分はジュヌヴィエーヴと関係を続けている侯爵、皆をよく理解しながら、自分も微妙な立場にいるオクターヴ、彼らは侯爵の館で狩りに興ずるが、使用人たちも恋愛遊戯では格下ではないところもあり、複雑なドタバタ、間違いの悲劇(喜劇)になる。
 
とにかく早いテンポで休みなく続く場面、今の映画なら倍の時間がかかるだろう。カメラワークはこの時期にもうこれだけ発達していたか思うほど見事、特に狩りの場面。
 
ただ、映画作品として、見てよかった、何か残る、という点からは、やはり実験映画としてなんらかの意味はあったんだろうという印象しかなった。
 
なお音楽のデゾルミエールは当時のオーケストラ指揮者としてそれなりの人だったはずで、レコードも何か持っていたと記憶するけれど、結局出てこなかった。




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