「巨匠ピカソ 魂のポートレート」(サントリー美術館、10月4日~12月14日)
パリの国立ピカソ美術館改装中の世界巡回展、これと先日行った「巨匠ピカソ 愛と創造の軌跡」(国立新美術館)で一まとまりということになる。
国立新美術館の方は、ピカソがかかわった何人もの女性とその時代の作品というとらえかたも出来るが、次から次へと出てくる創作スタイルに圧倒されながらも、画家の全体を見渡すことが出来る。
一方、こちらは自画像というテーマが中心で、より内面的なところを期待したのだが、何か欲求不満のまま終わってしまった。写真であれ、また何かの企画展で見たものが多く、彫刻などはおそらく別コピーがブリヂストン美術館にあるものもあって、それほどの驚きはない。
もう一つ、気分が乗らなかったのはサントリー美術館のせいもある。この新装なったところ(六本木ミッドタウン)に入るのは初めて、赤坂見附サントリービルの上にあったときのことを思い出しても、日本美術中心のようだ。それだからか全体に照明が暗く、またガラスのショウケースの中のものを見ることが多く、このときの映りこみも気になる。西洋絵画を見る環境ではない。
一方の半券で割引とか、1日で両方見る人もいるだろう、とか近くの二館で開催する都合でサントリー美術館にしたのだろうが、これはブリヂストン美術館とか別のところで見たかった。
あるいは、料金が高くなってもいいから、国立新美術館でまとめて見せる方法はなかっただろうか。