横尾忠則 寒山百得 展
東京国立博物館 表慶館 9月12日(火)ー 12月3日(日)
横尾忠則(1936-)の作品をまとめて見たのは2002年東京都現代美術館の「横尾忠則森羅万象」だったと思う。この人のこと、作品はもちろん私も若いころから知ってはいたが、その奇抜さや気持ちの悪さ(大胆の裏返しだったか)で、そう積極的に見るまでいかなかったが、前記の展覧会でその中になにかあるなと思い始めた。
主にイラストレーターとして売れていた横尾が40歳を境に画家になろうとしたということを後に知ったけれど、それが表に出てきていたのかもしれない。
さて今回は古来名高い寒山拾得をテーマにコロナの期間閉じこもってたいへんなスピードで100枚近くをものした。1日に3枚描くこともあったようだで、TVの特集番組で語っていたがあまり念入りに密に描きこまず一気にということで、結果として自らのストレートな表現が、ということらしい。
それでタイトルが寒山百得となった。
たしか寒山はいつも巻物を、拾得は箒を持っていることになっているが、ここで多くは巻物がトイレットペーパー、箒は電気掃除機をはじめいろいろなもの(その中には魔女の箒も)、ということで、それに加え思いつきでとんでもない飛躍と連想を楽しませてくれる。
絵具はアクリルだろうか、みな派手で軽さのあるもの、一枚の絵の中、またいくつかのテーマに共通性のあるものなど、見ていてにはっとさせてくれた。
表慶館はひさしぶりだが、コンパクトな展示スペースと旧さが展示を効果的にしていたようだ。
コロナがなかったら生まれなかったと思うと不思議なものである。
来館者は意外に中高年が多かったが、考えてみれば画家は87歳、その誕生日の日付の作品が最後のものとなっていた。
東京国立博物館 表慶館 9月12日(火)ー 12月3日(日)
横尾忠則(1936-)の作品をまとめて見たのは2002年東京都現代美術館の「横尾忠則森羅万象」だったと思う。この人のこと、作品はもちろん私も若いころから知ってはいたが、その奇抜さや気持ちの悪さ(大胆の裏返しだったか)で、そう積極的に見るまでいかなかったが、前記の展覧会でその中になにかあるなと思い始めた。
主にイラストレーターとして売れていた横尾が40歳を境に画家になろうとしたということを後に知ったけれど、それが表に出てきていたのかもしれない。
さて今回は古来名高い寒山拾得をテーマにコロナの期間閉じこもってたいへんなスピードで100枚近くをものした。1日に3枚描くこともあったようだで、TVの特集番組で語っていたがあまり念入りに密に描きこまず一気にということで、結果として自らのストレートな表現が、ということらしい。
それでタイトルが寒山百得となった。
たしか寒山はいつも巻物を、拾得は箒を持っていることになっているが、ここで多くは巻物がトイレットペーパー、箒は電気掃除機をはじめいろいろなもの(その中には魔女の箒も)、ということで、それに加え思いつきでとんでもない飛躍と連想を楽しませてくれる。
絵具はアクリルだろうか、みな派手で軽さのあるもの、一枚の絵の中、またいくつかのテーマに共通性のあるものなど、見ていてにはっとさせてくれた。
表慶館はひさしぶりだが、コンパクトな展示スペースと旧さが展示を効果的にしていたようだ。
コロナがなかったら生まれなかったと思うと不思議なものである。
来館者は意外に中高年が多かったが、考えてみれば画家は87歳、その誕生日の日付の作品が最後のものとなっていた。