メドレー日記 Ⅱ

by 笠羽晴夫 映画、音楽、美術、本などの個人メドレーです

シューベルト連弾か2台か

2006-05-14 20:54:17 | ピアノ

シューベルトの4手用ピアノ曲を、エフゲニー・キーシンとジェームズ・レヴァインが弾いたものをコンサート・ライヴCD(BMG)で聴いた。(輸入盤、タワーレコードで2枚組1890円)

これらの曲は通常一台で連弾するわけだが、いくつかの紹介文でも書かれているとおり、またジャケット写真でもわかるように2台のピアノで弾かれている。
 
いくつかの曲が共通するCDを2枚持っていて、それぞれリヒテルとブリテン、バレンボイムとルプーの連弾である。しばらく聴いていないこれらとの詳しい比較はともかくとして、今回のCDは曲の構造がよく見える。 
ピアノのことは詳しくはわからないが、やはり一台で4手だと響きが混濁するのだろうか、またペダルはどちらがやるか決めておくのだろうか。そこへいくとうまい人がやった場合は2台の方が効果的かもしれない。
 
それにキーシンはともかく、レヴァインはあの巨体だから2人並んでは弾きにくいだろう。2005年の5月1日ニューヨークだそうだが、レヴァインは確か体調の都合で今般メトロポリタン・オペラと一緒に来日はしなかった。どうなのだろうか。
 
シューベルトの連弾曲は主としてピアノ教育用に書かれたものらしい。確かにここにもある「軍隊行進曲」はピアノの先生と生徒が発表会などで弾いていた記憶がある。
このなかでは、教育用という枠を超えていると思われるソナタハ長調D812「グランデュオ」が繊細かつ豪快で圧巻である。レヴァインも「鱒」のピアノパートを聴いたときから指揮者のピアノとしてはうまい方だとは思っていたが、こんなにうまいとは。
 
そして軍隊行進曲」がアンコールにある。これも本当にすばらしい。スタジオ録音でもコンサートでも、こういうアンコール・ピースについては、その選択も演奏も、キーシンという人は聴く人をとらえてはなさない特別の力を持っている。
以前よく弾いた、リスト編のシューマン「献呈」、そして同じくリスト編のシューベルトの歌曲の数々は、今もよく取り出して聴く気にさせてくれる。
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