
【カーニー氏は近く新首相に就任し、友好国に関税や併合の圧力をかけるトランプ米政権と向き合う。勝利演説で、米国との貿易戦争を念頭に「カナダは勝つ」と強調した】と毎日が報じました。
『「政治経験が無い」と当選当初には紹介されていましたが、友好国に関税や併合の圧力をかけるトランプ米政権と向き合う姿勢が明らかになりました。』
写真:カナダ与党の自由党の新党首に選出され、スピーチするマーク・カーニー氏=オタワで2025年3月9日、ロイター
毎日新聞:
カナダ与党の自由党は9日(日本時間10日)、ジャスティン・トルドー首相(53)の辞任に伴う党首選で、マーク・カーニー元カナダ銀行総裁(59)を新党首に選出した。カーニー氏は近く新首相に就任し、友好国に関税や併合の圧力をかけるトランプ米政権と向き合う。勝利演説で、米国との貿易戦争を念頭に「カナダは勝つ」と強調した。
事前登録した党員による投票が同日午後に締め切られ、即日開票された。カーニー氏は不人気のトルドー氏と距離を置いて刷新を印象づけ、次点のクリスティア・フリーランド前財務相(56)らに圧勝した。支持率が低迷していたトルドー氏が1月に辞任を表明して始まった党首選には6人が立候補を認められたが、終盤までに2人が離脱した。
カーニー氏は演説で「強いカナダの価値に導かれた大きな変化」を実現すると約束した。
党首選の最大の関心事は対米関係だった。カーニー氏に政治経験はないが、経済の専門知識に加えて、カナダと英国で中央銀行トップとして培った危機管理能力や交渉力をアピール材料とした。国内政策では経済に重点を据え、党の支持率低下の背景となった住宅価格高騰への対処や一般消費者向けの炭素税の廃止を公約とした。
カナダメディアは、連邦議会の議席がないまま首相に就くカーニー氏が、早期の総選挙実施に踏み切る可能性を伝えている。
貿易戦争をしかけ、「米国の51番目の州」になるべきだと繰り返すトランプ氏の身勝手な振る舞いは、政権交代が一時確実視されていたカナダの政治情勢を一変させた。
カナダ放送協会(CBC)がまとめる各種世論調査の平均では、自由党の支持率は今年1月初旬、最大野党・保守党に24ポイント超の差をつけられていた。だが今月5日時点では保守党は40・3%、自由党は30・8%と差は急速に縮んでいる。報復関税を発動させるなど、米国への対決姿勢が一定の評価を受け、一部の世論調査では自由党が逆転した。
一方、保守党のピエール・ポワリエーブル党首(45)は移民の抑制や減税などを掲げ、トランプ氏の側近である実業家イーロン・マスク氏もX(ツイッター)で支持を公言している。自由党側はポワリエーブル氏を「リトルトランプ」などと呼んで批判を強め、保守党は米国への対決姿勢を強めるなど戦略変更を迫られている。【ニューヨーク八田浩輔】
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