物臭狸の『花日記』

YAHOOから引っ越してきました。
色々な植物たちを紹介しています。

コチャルメルソウ

2018-06-01 10:00:00 | ユキノシタ科
コチャルメルソウ(小哨吶草)
<学名:Mitella pauciflora Rosend.>
ユキノシタ科 チャルメルソウ属 多年草









本州、四国、九州の山地渓流沿いや湿った林床などに分布する日本固有種。

撮影日 2018.04.30: 群馬県
       チャルメルソウ属の植物は地域性が強く、限られた地域にのみにしか
       生息していないものが多いです。
       コチャルメルソウは例外的に最も広範囲に分布し、本州の全域と、
       四国・九州の一部を除いた地域に分布します。 
       関東地方と山梨県には、本種しか分布していないようです。


地中の根茎は長く横にはう。花後地中に鱗片状の葉を互生させた
走出枝を出して繁殖する。群生することが多い。

根出葉は互生し、長さ2~15cmになる葉柄があってまばらに腺毛が生える。
葉身は長さ2-5cm、幅2.5~6cmになる広卵形から卵円形で、基部は深い
心形、先は鋭頭または鈍頭で、縁は浅く5裂し、さらに不整の鋸歯がある。

葉の両面に立ったあらい毛と微小な腺毛がはえる。
花期4~6月。花茎は高さ20~30cmになり、茎葉はなく短腺毛が密生し
先に2~10個の花を総状花序につける。花柄は長さ2mmになり短腺毛が
密生する。

萼筒は浅い倒円錐形で腺状突起が密生し、萼裂片は5個あり、
長さ1mmの広3角状卵形で花時には開出する。
花弁は5個あり、紅紫色または淡黄緑色で、長さは4mmになり羽状に
細く7~9裂して「魚の骨」状になり、外面に腺点があり、
花時には反曲する。

魚の骨のようにも見える奇妙な形をした花びらがつき出ているのが特徴。
雄蕊は5個あり、萼裂片と互生して花盤上につき、裂開直前の葯は
淡黄色になる。

子房は下位で、1室に2個の心皮があり、花柱2個は短い。
果実は果で、熟すと花柱間の縫合線に沿って鐘状に開き、
細かい種を出す。

種子は卵状楕円形で長さ約1.2mmになり、種皮は暗緑色になる

種子はネコノメソウと同様、雨粒により散布される。


熟して開いた果実の形が楽器のチャルメラに似ていることが名前の由来。



ピントを合わせるのが大変な花です。ピンボケばかりを量産してしまいました。





ネコノメソウの仲間 archive

2018-03-11 06:00:00 | ユキノシタ科

ネコノメソウの仲間は多数あり、地域による変種、交雑種など、
区別は難しいものです。

一秋が今まで見てきたネコノメソウの仲間(9種)についての
archive記事   【 更新 】 終了しました。





オオコガネネコノメ(大黄金猫の目)  ◎





コガネネコノメ(黄金猫の目)  ◎





ツルネコノメ(蔓猫の目)  ◎





トウノウネコノメ(東濃猫の目)  ◎





ニッコウネコノメ(日光猫の目)  ◎





ネコノメソウ(猫の目草)  ◎





ハナネコノメ(花猫の目)  ◎





ヤマネコノメソウ(山猫の目草)  ◎





ヨゴレネコノメ(汚れ猫の目)  ◎





ネコノメソウとヤマネコノメソウの識別  ◎

ニッコウネコノメとヨゴレネコノメの識別  ◎







ツルネコノメ archive

2018-03-10 18:00:00 | ユキノシタ科
ネコノメソウの仲間 archive⑨





ツルネコノメ(蔓猫の目)
<学名:Chrysosplenium flagelliferum F.Schmidt
キノシタ科 ネコノメソウ属 多年草




北海道・本州(東北,関東,中部,近畿)・四国の山地谷沿いの
湿地に生える高さ5~15センチ程度の多年草。

花後走出枝を四方に出して増える

葉は互生し、円形で鋸歯があり、表面に毛を散生する。

花序同志はやや離れ気味につく。花序の下の茎葉は、円形。

萼裂片は淡黄緑色~緑色平開する。

葯は黄色雄蕊8本




ヨゴレネコノメ と ニッコウネコノメ との識別

2018-03-09 07:01:22 | ユキノシタ科

どちらも イワボタン(葯が黄色)の変種とされています。
よく似ています。



ニッコウネコノメ
(日光猫の目)
<学名:Chrysosplenium macrostemon Maxim.
      var. shiobarense (Franch.) H.Hara>

本州東北地方南部~中部地方の太平洋側山地の湿った
谷間の半陰地に生える多年草。高さ5~15㎝、茎は暗紫色を
帯び、無毛。
葉は対生で汚白色の斑が入る。

花期4~5月。花序はやや接してつき、苞葉は、淡黄緑色~黄色。
花弁状の萼片が4個、緑色~黄緑色で先はやや尖り水平近くまで
開くのが特徴。雄しべは8個で萼片より長く、葯は暗紅紫色。




ヨゴレネコノメ(汚れ猫の目)
<学名:Chrysosplenium macrostemon Maxim.
          var. atrandrum H.Hara>

関東以西、四国、九州の湿り気のある半陰地に生える多年草。
葉は対生、卵円形~卵状楕円形、表面には灰白色の斑紋が入る。

花期3月~4月、苞葉は黄色
萼裂片は暗紫褐色~緑色で直立、先は鈍形。
雄しべは普通8本、萼より長い。 葯は暗紅紫色。
イワボタンの変種とされ、イワボタンは葯が黄色だが
ヨゴレネコノメの葯は暗紅色。




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違いは、花  花弁のように見える愕片の状態です。

--  --  --  ニッコウネコノメは平開しています。  --  --  --




++ ++ ++  ヨゴレネコノメは直立していて開かないです。  ++ ++ ++



まとめ