「神に向く時」 詩篇61篇1~8節
ダビデの生涯は、波乱万丈でした。しかし、その中でも一貫していた彼の態度は、主に呼ばわることでした。
Ⅰ 地の果てから
この詩の背景は、第二サムエル記15章で、ダビデが息子アブシャロムから反乱を受け、王座を追われ都を落ちた時であろうと言われます。彼は、ヨルダン川を渡り、ひとまず命拾いはしましたが、主が約束してくださった地から離れてしまい、彼の心は崩れ落ち、衰え果てました。彼は、安全とはいえ、単なる都から距離が遠くというより、霊的に神の約束、守りから離れていることを「地の果て」と言い表したのです。
Ⅱ 御手の中に
彼はここでも主に呼ばわります。まず彼が祈ったことは、王座の回復ではなく、主の御手にあること霊的な回復(高い岩)でありました。主なる神こそ、避け所、堅固なやぐらであるからです。そして次に祈ったことは、今までの神の祝福を思い返しながら再び王座を回復することでした。
私たちがたとえ地の果てにいるように感じるときでも、神に呼ばわるならば、主は高い岩にのぼらせ、主のみわざを体験させてくださるのです。
2012/9/9 説教者 杉本守