
NO DOUBT
2010年
韓国
87分
サスペンス/スリラー
劇場未公開

監督:
パク・スヨン
出演:
イ・ジョンジン
キム・テウ
チョン・インギ

<ストーリー>
小さく静かな村で7歳の少女が行方不明になった。娘捜しに没頭する父親のチュンシクは、最近村に引っ越して来た物静かな男・セジンに前科があることを知り…。
-感想-
2010年
韓国
87分
サスペンス/スリラー
劇場未公開

監督:
パク・スヨン
出演:
イ・ジョンジン
キム・テウ
チョン・インギ

<ストーリー>
小さく静かな村で7歳の少女が行方不明になった。娘捜しに没頭する父親のチュンシクは、最近村に引っ越して来た物静かな男・セジンに前科があることを知り…。


ひとつの作品としては物凄く良く出来ている。
けど、決して楽しく観れるとかそういうプラスの考えで鑑賞出来る代物ではない。
最初から最後までマイナスの要素しかないのだ。
そんな内容だったものだから、観終わった後は本当に居た堪れない気持ちだけが体を包み込み、思い切り胸を締め付けられる、そんな感覚だけが残った。
話は一組の家族が田舎の一軒家に引越ししてくる所から始まる。
この家族の長男セジンは、離れた寂しい場所でサイクリング業を始める訳なのだが、実は彼には過去に未成年者に対する性犯罪を犯した前科があった。
同時にして、一人の幼い7歳の少女の行方が分からなくなる。
父親は必死に探し回るも、依然として娘の姿は見つからない。
警察は裏で性犯罪歴のあるセジンに目をつけていたのだが、その情報を父親が知ってしまい、娘をどうにかしてしまったのはセジンだと決め付け、復讐に燃え始めてしまうのだ。
一旦は目撃者が居るとのことで逮捕されるセジンだったが、証拠不十分で釈放されてしまう。
村人全員もセジンに対して疑いの目を向け始め、セジンの家族もこの村から出て行ってくれ!と迫られる有様。
目撃者の話では、少女と一緒に居たセジンの姿が確認されている。
そして家には血に染まった服を母親が隠し持っていた。
もうこの時点で鑑賞者も父親同様に、犯人はセジン!と決断が一致するのは当然。
だが・・・。
刑事達の捜査が進むにつれて、意外な“真実”が浮き彫りにされていくのだ。
父親の想う気持ちも凄く理解出来る。
たった一人の娘を失い、近くには前科者の性犯罪者が住んでいる。
私でも、セジンを怪しむだろう。
セジンも自分が前科者だと分かっているだけに、何を証言しても信じてもらえないという心持ちがあったに違いない。
負という最悪の連鎖が重なり、決定的な少女の失踪の理由が挙がり、そしてセジンが少女と一緒に居た本当の“真実”が判明されたのも遅く、映画は最悪の結末を迎えてしまう。
誰が正しくて、誰が正しくなかったのか。
私なりの結論は一向に出てこない。
ただこれだけは言える。
思い込み程、怖いものはない、と。
後味最悪な作品だが、その“思い込み”だけでこんな結果になってしまった事に、私は例えどんな罪にせよ、前科を背負って生きていくのは、特にこれから人として善良者としてやり直そうとしている者にとってはその者の家族も含め、世間体を気にしながら生活しなければならない大変さがあるんだなと、決して犯罪なんて犯すものじゃないと、そう心の中で強く思ったのだった。
そして父親も幾ら怒りの矛先をセジンに向けていたとは云え、もう少し冷静になれなかったものなのかと、娘の解剖結果まで待てなかったのかと、更に一つ加えるとすれば何故に刑事たちは何かをしでかすかもしれないこの父親の動向をマークしていなかったのか、もう「なんでこうなる!」そんな言葉しか思いつかない。
決してセジンを擁護するつもりはないが、流石に“真実”を見せられた時には彼が哀れに思えて仕方がなかった。
辛い。
何もかもが激しく辛い作品。
評価:★★★★

14/04/23DVD鑑賞(新作)


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レンタル開始日:2014-04-04
メーカー:エプコット
不運だったのだとしかいいようがないです
元性犯罪者という肩書きがもつ、気味の悪さ
またそうだとしって好奇心と差別的にになる人々の中傷の目
未然に防げただろう犯罪がありましたが、
捜査する刑事じたいも「逮捕したいのは、犯人ですか。それでもあいつ?」という台詞があるとおり、罪をおかしたものは一生それと向き合わなくてはならないのだと改めて思いました
更正しようとしていても、
今の社会ではそれも難しいですね(もともと性犯罪者は更正難しいみたいですが)
偶然か、必然か分かりませんが、少女を助けようとする気持ちがあったにも関わらず、前科があるというだけでああいう結末になってしまったのにはやるせない気持ちにさせられました。
性犯罪者は中々、その自分の性癖を治せないようですね。
出所してもまた別の事件を犯してしまう可能性が高いようです。
父親の気持ちも分かりますし、青年の新しく生き直したい気持ちも理解できるだけに、なんともいえないモヤモヤッとした気分だけが残る作品でした。