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映画 未知への飛行(1964) 核戦争の恐怖を描く

2017年04月30日 | 映画(ま行)
 我が国ニッポンのお隣の朝鮮半島ではミサイルを盛んに飛ばすだけでなく、核実験も繰り返し行っている。今や世界で一番の危険区域に日本はあると思うのだが、どうやら我が国民の多くは、日本が核兵器を持つことに対しては大声で反対と叫んでいる割りに、よその国が核兵器を持つことに対しては殆んど非難もしないし、核兵器を力づくで廃止させようとする気など毛頭もないらしい。もはや北朝鮮の暴走を止められるのはアメリカの軍事力だけなのか。
 米ソ冷戦時代においては一歩間違えれば本当に核戦争が起きるような雰囲気があったという。そして当時ハリウッドでは核戦争をテーマにした作品が多く作られた。その中でもスタンリー・キューブリック監督の博士の異常な愛情と今回紹介する映画未知への飛行は双璧をなすだろう。

 さて核兵器を持つことの恐ろしさを描いた内容のストーリーの紹介をしよう。
 米ソ冷戦時代において。アメリカ空軍のグレディ大佐率いる核搭載爆撃機の編隊の巡回飛行中に指令が下される。それは「ソ連の首都モスクワを核攻撃しろ!」。仕方なくグレディ大佐はモスクワに向かうのだが、実はアメリカの軍事コンピューターの誤作動によるミス。早速アメリカ政府は対策を協議するのだが、グタグタしている内にグレディ大佐率いる爆撃機の編隊はフェイル・セイフを超えてしまう。それは大統領が命令しても引き返さないことを意味していた。
 アメリカ合衆国大統領(ヘンリー・フォンダ)がクレディ大佐に命令しても、当然の如く無視して規約どおりにそのままモスクワへ向かう。大統領は核戦争を回避するために、ソ連首相とホットラインを通して対策を練るのだが・・・

 博士の異常な愛情は核戦争の恐怖を悪ふざけのノリで描いていたが、本作は極めて真面目に描いている。ヘンリー・フォンダ演じる大統領なんかは、現在のアメリカ合衆国大統領よりも大統領らしく見える。
 しかし、本作を観ていると核兵器が存在している限り、ヒューマン・エラーだけでなく、あらゆる原因で核戦争が起きてしまう可能性があることに気付かされる。ましてや今や核兵器を持っている国が有数あり、北朝鮮のような狂った独裁者が支配している国も持っていることを考えると、俺なんかは不安で安心して寝られない。
 核兵器が投下されそうになる緊迫感は相当なものだし、ラストではヘンリー・フォンダ演じる大統領の苦渋の選択に驚き、世界を動かすリーダーの責任感の重さを実感させられる。まあ、今観れば何だか違和感のある描写があったりするように思うが、米ソ冷戦の緊迫感の真っ只中に制作された映画として観ると本作の凄さを感じることができるだろう。
 今や何かと油断のならない情勢が日本の近くで起こっているが、だからこそ観ておきたい映画として未知への飛行をお勧め映画として挙げておこう

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ヘンリー・フォンダ,ダン・オハーリヒー,ウォルター・マッソー,フランク・オバートン,ラリー・ハグマン
Happinet(SB)(D)


 監督は社会派サスペンスの分野で多くの傑作を遺したシドニー・ルメット十二人の怒れる男セルピコ狼たちの午後ネットワークがお勧め。


 


 

 
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映画 アメリカン・スナイパー(2014) 伝説の狙撃手の自伝映画

2017年04月23日 | 映画(あ行)
 イラク戦争でアメリカ海軍の特殊部隊ネイビーシールズの狙撃手として160人もの敵を射殺し、伝説と呼ばれた男であるクリス・カイルの自伝映画が今回紹介するアメリカン・スナイパー。伝説と呼ばれるだけあってその腕はピカイチ。2キロ先の相手でも狙い撃つ凄腕だ。
 それだけに戦場では味方にとっては非常に頼りになる英雄として崇められ、俺がアメリカを守るんだという使命感からせっせと敵を撃ち殺す。ところがある日のこと、今日もいつも通りに照準を定めて狙撃銃を構えていると、ふと自分の行動に疑問が生じる。果たして俺のしていることは本当にアメリカを守るためなのか?と。
 父親から教えられたことを信念として行っていたことが、音を立てて脆くも崩れ落ちていくその姿から、そこには伝説も無ければ、英雄も存在しない。伝説と呼ばれたアメリカンな男であるクリス・カイルの精神崩壊は、古き良きアメリカの価値観そのものを問いかける。

 善悪の境界線を明確にする難しさを、あらゆるテーマで描き続けるクリント・イーストウッド監督。そのテーマ性は本作でも遺憾なく発揮され本国アメリカでは保守とリベラルで論争が起こった。観る人によっては賛否両論真っ二つに別れ、また人間の二面性を考えさせられるストーリーの紹介を。
 愛国心に駆り立てられ海軍に入隊し、厳しい訓練をクリアしたクリス・カイル(ブラッドリー・クーパー)はやがて特殊部隊ネイビー・シールズの狙撃手としてイラク戦争に派遣される。戦闘場面で味方が撃たれそうになっているのを、いち早く察知して逆に敵を狙撃し、多くの仲間を救ってきたクリス・カイルは伝説と呼ばれるようになる。その一方で、敵からは悪魔と呼ばれ、彼自身の首に18万ドルの賞金を掛けられる。
 しかし、彼には戦場での大活躍とは別にアメリカ本国に置いてきている家族との間に次第に溝が出来はじめ、四度に渡るイラク派遣において次第に精神を病んでいき・・・

 父親から『羊を襲ってくる狼から守る番犬になれ!』、すなわち弱き者が襲われていたら助けられる人間になれ!と言われるのだが、クリス・カイルはその言葉を実行し、俺もこのオヤジ良いこと言うね~なんて思った。しかし、ストーリーが進んでいくうちに、カイルだけでなく観ている我々も気付く。アメリカを守る使命感が強すぎて、すっかり家族を守ることを忘れてしまっていること。そして番犬どころか狼になってしまっていること。一人のスナイパーを描きながら、アメリカが抱えている問題を同時に描き出してしまうクリント・イーストウッド監督の手腕は凄い。
 人間の内面を辛辣に描くだけでなく、砂塵に巻き込まれながらの戦闘シーンもそこら中にあるようなアクション映画を凌ぐ出来栄え。緊迫感、悲壮感、迫力を大いに感じる。さらにはアメリカのテロ対策がドロ沼にはまってしまっている理由がなんとなくわかる。
 そしてこの映画の価値を更に高めているのがエンディング。こんな結末が待っていることは作っている側もわからない。時に映画は時代を先読みするが、さすがにこれは読めない。そして、このエンディングのおかげで本当に奥が深い映画になったし、俺個人としてだが感動させられた。
 80歳を超えても楽々と大傑作を世に送り出す映画監督クリント・イーストウッド。観終わった後も余韻に浸れる映画として今回はアメリカン・スナイパーをお勧めとして挙げておこう

アメリカン・スナイパー [DVD]
ブラッドリー・クーパー,シエナ・ミラー,ルーク・グライムス,ジェイク・マクドーマン,ケビン・ラーチ
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント




 
 
 

 
 
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映画 エンゼル・ハート(1987) オカルト風サスペンス映画です

2017年04月13日 | 映画(あ行)
 ビックリ仰天の結末と謳われるサスペンス映画は現在に至るまでたくさんあるが、正直なところ俺自身がそのような映画を観て驚いたことは殆んどない。なぜならそのようなオチはもう既に今回紹介する映画エンゼル・ハートで見せてくれているからだ。本作を初めて観た時はヘェ~!と驚いた。しかし、この映画を観てからは、他の映画でラストのどんでん返しを期待させられても、ア~、やっぱりね!で終了してしまう。しかし、今でもこのようなオチの作品が懲りずにドンドン出ているから、これから本作を観る人にとっては逆に驚けないかもしれない。だが本作には、西洋人の宗教観、悪魔崇拝、ブードゥ教の儀式、占いなどが薄気味悪さを感じさせるうえに、名優ロバート・デ・ニーロが登場時間は短いものの不気味な雰囲気を醸し出す。

 早速だがオカルト風なサスペンスであり、ホラー的な要素も感じさせるストーリーの紹介を。
 1955年、ニューヨークのブルックリンでしがない私立探偵をしているハリー・エンゼル(ミッキー・ローク)のもとに、弁護士を通じてルイ・サイファー(ロバート・デ・ニーロ)から調査依頼を受ける。それは失踪した戦前の人気歌手だったジョニーの行方を調べること。
 少ない手掛かりをもとにしてジョニーのかつての知り合いを訪ねて行くのだが、なぜか出会った人間が片っ端から殺害されてしまい、迷宮入りへ追い込まれそうになるのだが・・・

 水戸黄門が行くところに必ず事件が起きるように、ミッキー・ローク演じる私立探偵が出会う人物がことごとく殺されてしまう。また、殺され方がエグイ。しかも、ミッキー・ローク自身が何者かに追いかけられたりして、叩きのめされたりもする。
 それでもダシール・ハメットやレイモンド・チャンドラーの推理小説に登場する私立探偵ならば、真相を知るまでトコトン追求するが、この私立探偵は途中で降りようとする。いかがわしさを感じさせる宗教、占いが絡み、やっと見つけたぜ!と思った人が、次に出会う時はひどい姿で死体になってばかり。そりゃ~降りたくなる気持ちもよくわかる。
 しかし、笑えるのがロバート・デ・ニーロ演じる依頼人が、降りようとするミッキー・ロークに、頼むからジョニーを見つけてくれよ!と言いながら報酬金をドンと引き上げると、結局はカネに目が眩んでジョニー探しを続行してしまう。まあ、俺だったらどれだけカネを渡されてもやらんな。

 なかなかストーリーは複雑で、日本人には理解し難い宗教が絡んだりするので、ちょっとややこしく感じられるかもしれない。でも、途中で話についていけなくなってもラストで思い出させてくれるから、意外にわかった気分になれる。そして、結末だが驚くだけでなく、当時人気絶頂で格好良くて、俺もよく似てると言われたミッキー・ロークが泣き叫ぶシーンを見ると哀切も感じさせられる。
 音楽の使い方も印象的で、にわとり、扇風機、螺旋階段、エレベーターの使い方が巧みで不気味さを感じさせるし、エロシーンにおける描写も容赦なく血の雨を降らすように妥協というものが一切ない。戦前と現在、ニューヨークとニューオリンズ、俺とお前。時間、場所、人間が違うのに実はどこかでつながっていることを感じさせる構成もテクニックを感じさせる。
 ありきたりのサスペンス映画には飽きた人、ちょっと不穏なムードが漂う作品が見たい人、私立探偵の仕事に憧れている人、全盛期のミッキー・ロークを観たい人等にお勧めしたい映画として今回はエンゼル・ハートをお勧めしておこう。

エンゼル・ハート [DVD]
ウィリアム・ヒョーツバーグ
パイオニアLDC


 監督はアラン・パーカー。名作、傑作を多く残しているが、ここでは死刑制度をテーマにしたサスペンス映画ライフ・オブ・デビッド・ゲイルをお勧めとして挙げておこう。





 
 

  
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映画 ゴーン・ガール(2014) フィンチャー節が炸裂です

2017年04月10日 | 映画(か行)
 多かれ少なかれ結婚生活に憧れる人はいるが、今回紹介する映画ゴーン・ガールを観れば、理想的な結婚生活とはどういうものかよくわかる、と言うのは嘘。実はこの映画の主人公達は誰もがうらやましがる様なロマンチックな出会いをし、愛し合いながら結婚したはずの素敵なカップル。幸せになるしかないように思われた夫婦は一体どこで歯車が狂ってしまったのか、偽りに満ちた結婚生活が暴かれた時に、夫婦の絆ってかくも弱いものだったのかと、観ている我々は知らされる。
 しかし、突拍子もない展開をたどって行くのを見せられて、こんな夫婦はいね~よ!なんて思ったりしたのだが、観終わった後に俺の思っていることが180度変わってしまった。夫婦の関係ってこんなものだよね~って。サスペンスタッチの映画の宣伝文句に衝撃の結末というフレーズがよく使われるが、本作の結末は普通の家族が望んでいるところに落ち着いたことに、ある意味で衝撃を受けた。

 次々に驚きの展開が連続するだけにネタバレ厳禁のタイプの映画。実は前述していることですらネタバレの可能性が少々あるのだが、ほんの少しだけストーリーの紹介を。
 ミズリー州の田舎が舞台。非常にめでたい五回目の結婚記念日において、ニック(ベン・アフレック)は家に帰ってみると、その光景に驚く。妻のエイミー(ロザムンド・パイク)が失踪したことに気付いたのだ。警察も直ぐに駆けつけ、エイミーは有名人の娘でもあり、家の中で争った形跡があることから事件の可能性があると捜査を始める。
 ニックは勧められるままにテレビの記者会見に出て、エイミー失踪の手掛かりを呼びかける。しかし、なぜかニックにとって不利になる証拠が次々に出てくる。やがて彼は警察や世間から犯人じゃないのかと疑われてしまい・・・

 外見からして魅力的な美人妻はどこへ消えてしまったのか?というミステリー感で楽しませてくれるのかと思いきや、大体的なマスコミ報道でわかってくるのは、美人妻がどこへ消えてしまったのか?ではなく、ニックのいい加減な結婚生活。マスコミによる1人の人間に対する集中砲火を浴びせるかの如くのような報道の仕方は日本でも最近見られるが、まさにニックがそんな状態。捏造、印象操作、大衆を煽るこの報道の仕方は、もし自分の身にかかったとなると怖い。
 他にも警察は殆んどニックを犯人と決め付けて捜査をするし、雇った弁護士は無罪を晴らすことよりもカネに興味のある奴だったり、社会に対する警報を同時に描いてしまうあたりなんかは、さすがセブンの監督であるデヴィッド・フィンチャー。凶器を使ったシーンも含めてフィンチャー節が炸裂している。しかし、なんて言ったってドン引きさせるのは女性の恐ろしさ。5年間夫婦をやってきて、奥さんの本性を知らなかった旦那のアホさも相当だが、あらゆる面で旦那を上回る頭のキレが凄い。
 サスペンス映画が好きな人を充分に満足させる面白さがあり、大人の男女なら満足できる。それに「俺は女の事は全てわかっているんだ」と豪語している男には特にお勧めできる。更に、あんまりいい加減なことは書けないが、個人的には夫婦で一緒に観るのがお勧めの方法。観終わった後に議論すればきっと白熱すること間違いなし。いずれにしろ最近のサスペンス映画では味わえない余韻に浸ることができるゴーン・ガールを今回はお勧め映画として挙げておこう。

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ベン・アフレック,ロザムンド・パイク,ニール・パトリック・ハリス,タイラー・ペリー,キャリー・クーン
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


 監督は前述したデヴィッド・フィンチャー。凝ったビジュアル、脳ミソを刺激するような作風が俺のお気に入り。セブンファイト・クラブの有名どころはお勧めだし、衝撃的な結末という点ではゲームが良いです。




 
 
 



 
 

 

 
 
 
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映画 ミュンヘン(2005) 実録スパイ映画です

2017年04月06日 | 映画(ま行)
 1972年にドイツのミュンヘンでオリンピックが行われた。しかし、平和の祭典であるはずのオリンピックに悲劇をもたらしたのがミュンヘンオリンピック事件。イスラエルの選手団11人を黒い九月と名乗るパレスチナ過激派グループが殺害した事件。
 ミュンヘンオリンピック事件の顛末を描くだけでも充分にサスペンスフルで面白い映画が出来そうなものだが、本作はその後のイスラエルの諜報機関モサドの暗殺部隊による黒い九月の幹部に対する報復作戦の様子が実話を基にじっくりと描かれている。
 本作の監督はユダヤ人のスティーヴン・スピルバーグなだけにイスラエルに肩入れした作品になるかと思いきや、意外にもそんな単純なイデオロギーに満ちた映画ではなかった。
 彼が凄いのは一つの事を切っ掛けに多義に渡るテーマを内包した作品を撮りあげてしまうこと。本作が制作された30年以上前の出来事から、祖国、家族、戦争、人間性、復讐・・・といった普遍的テーマを本作品にぶち込んだ。
 しかし、そうは言っても平和ボケした日本人が観れば色々と驚きの場面が登場する。国家公認の暗殺部隊の存在、国を持たない民族の悲劇、各地で繰り広げられるスパイの暗躍など。しかし、驚くといっても世界を見渡せばこんな事はアッチコッチで行われているのは当たり前のこと。この映画の出来事が現実だと思わせない日本って本当に素敵だと感じる。

 実は本作を観ていて最も驚いたのがモサドにに対する俺が持っていた認識の甘さ。古今東西においてモサドが最も優秀な諜報機関であり、そこに属するスパイの連中も一寸のスキもないぐらいストイックで、愛国心に満ち溢れ、特殊能力を兼ね備えていて、うつ病になんかならないと思っていたのだが、意外にも粗だらけ。
 爆弾作りの担当者なんてオモチャを作るのが専門だったり、ハニートラップに引っ掛かる奴がいたり、家族が心配で仕事に集中できなかったり。この辺りは俺が今まで抱いていたモサドのイメージを大きく変えてくれたし、スパイも人間なんだという当たり前のことに気づかせてくれた。

 さて、スパイ映画と言うよりも社会派映画と言った方が正しいストーリーの紹介を。
 1972年のドイツ、ミュンヘンでのオリンピックが開催している頃、イスラエル選手団の宿舎に黒い九月と呼ばれるパレスチナ過激派集団が乱入。成り行きで2人を殺し、残りの9人を人質に立てこもる。彼らの目的はイスラエルの投獄されている200人以上の同志の解放。しかし、西ドイツ側のまずい対応もあり人質はみんな殺害。生き残った黒い九月のメンバーは逃亡してしまう。
 自国民を殺されたイスラエルは決して黙って見過ごさない。ゴルダ・メイヤ首相はモサドの長官を呼び出し、今回の事件に関係した黒い九月のメンバーの幹部11人を報復をするように命令する。モサドはアヴナー(エリック・バナ)をリーダーとする専門知識を持った5人の暗殺部隊を組織し、リストに載ったメンバーを一人ずつ消していくのだが・・・

 暗殺部隊の5人は当初こそは祖国のために正義の行いをやってきたと信じていた。しかし、他人を巻き添えにしたり、リストに載っていない人間を暗殺したり、挙句の果てに逆に自分の命を狙われたりするうちに、本当に自分のやっていることは祖国のためにしていることなのか?と次第に疑問を抱き始める。
 なんせ現在においても自国民を殺している独裁者を消し去っても、新たにさらにひどい暴君が誕生したり、テロリストの温床になってしまっているのは誰もが承知していること。本作においてもそんな矛盾に悩んでいる様子が描かれている。
 銃撃戦や爆発の激しさは目を見張るものがあり、エログロもあり2時間半を超える長い映画だが全く退屈させない。しかも、色々と深読みのしがいのあるテーマが隠されているのだから、大人の観賞にもってこいだ。
 イスラエルという国に興味のある人、スパイについて詳しい人、スリルを求めている人、なぜ中東は争いが絶えないのか知りたい人等には特にお勧めできる。
 数々の名作、傑作、楽しい映画を遺してきたスピルバーグ監督作品の中でも上位の部類に入る優れもの。まあ、結局のところ高校生以上の人ならばお勧めということで今回はミュンヘンをお勧め映画として挙げておこう

ミュンヘン スペシャル・エディション [DVD]
トニー・クシュナー,エリック・ロス
角川エンタテインメント


 監督は前述しているように今や巨匠としての貫禄もあるスティーヴン・スピルバーグ。誰もが知っている映画ばかりですが、個人的には彼の作品で最も好きな映画としてアミスタッドをお勧め映画として挙げておこう。





 
 

 
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映画 メメント(2000) 時系列が逆向きで進みます

2017年04月05日 | 映画(ま行)
 アイデアは斬新で、主人公のキャラクター設定はありそうであまり見かけないタイプの人間で、次から次へと謎が出てくる楽しい映画が今回紹介するメメント
 本作の構成は時系列が逆向き、いきなり結論から始まって最初の頃に戻ってくる珍しいパターンの映画。ちなみに映画は撃たれて死んでいる男がうつぶせに倒れている場面から始まる。
 そして主人公の男のキャラクターだが、記憶障害を患っている。これだけなら多くの映画でも見られるが、その度合いがかなり酷い。記憶が保てるのがたった10分だけ。つい先ほど出会った人物のことをまったく覚えていないのだから生活するのにかなり支障をきたす。
 最近なんだか俺もAKB48のメンバーを見ても顔と名前が一致しなくて悩んでいたのだが、俺の悩みなんかちっぽけなものだということに本作を観ていたら気づいた。
 この男のハンデは致命的に思えるが、それを克服しているのが反復行為をしっかり身につけていること。出会った人物、重要な場所、物などは必ずポラロイド写真に撮って収め、名前や重要なことは必ずメモに残す。しかも、その残し方がハンパではなく、超重要事項は自分の身体に刺青として残しておく徹底ぶり。おかげでこの男の首から下は刺青のメモだらけ。
 俺はよく仕事中にメモをとりなさいと指摘されることが多いが、この男を見ているとメモをとることの重要さにきづかされた。

 それではネタバレ厳禁のタイプの映画なので、いつも以上に気をつかったストーリー紹介を。
 ある事件を切っ掛けにレナードは(ガイ・ピアース)は、その前のことはしっかり覚えているが、それ以来10分間だけしか記憶を保てない深刻な記憶喪失に陥っている。忘れてもいいように出会った人物の顔、場所の写真を撮りまくり、メモをのこす。そして彼の身体に刻まれた「ジョン・G」という名前。レナードは自らの目的を遂行するために、ジョン・Gを探すべくアッチコッチと動きまくるのだが・・・

 わずかな時間しか記憶がもたないって苦労するから可哀そうだよな~なんて思いながら見てたら、本当に可哀そうなのは物忘れが激しいことを良いことに悪人から利用されてしまっていること。麻薬、身代わり、金絡みといった悪企みに巻き込まれている様子が気の毒になるぐらいなのだが、不幸中の幸いというか俺の心配をよそに彼は自分が利用されていることを全く覚えていないのが、チョッと笑える。
 しかし、観ている最中は次から次へとネタを提供してくれるので頭の中がフル回転状態。一つネタが出てくるたびに、すぐにネタを明かしてくれるパターンだったら単純なのだが、答えが明かされないうちに「ハイ、次~」って感じでネタを出してくるものだから、手を抜いて観ている時間がない。
 また、出てくる奴らが嘘つきが多いので観ていて何が真実なのかわからなくなってくる。実は俺だって本作を何回も観ているのに未だにモヤモヤした気分になっている。そんな俺は本作の監督であるクリストファー・ノーランの術中にハマってしまっていて、何回も観直してしまうのだろう。
 本作の主人公と同様に観ている我々の記憶力も試されている気分になったりもするが、結末はなかなかの衝撃があり、観ている最中もダレルことなく面白く感じられる。
 見る人によっては面倒くさい構成に感じるかもしれないが、監督、脚本が良いと、こんなに面白い映画を作ることが出来るんだということを理解させてくれる映画メメントをお勧め作品として今回は挙げておこう

メメント [DVD]
クリストファー・ノーラン
東芝デジタルフロンティア


 監督は前述したクリストファー・ノーラン。この監督はまだ若いのにお勧め映画が多数。バットマン ビギンズから続くシリーズ物は最高に面白くて考えさせられるし、マジック対決が次第に力技になっていく感じがするプレステージ、哲学的な感じをうけるSF映画インターステラ、そしてこの監督の才能を感じさせるデビュー作品フォロウィングなどお勧め多数です。  
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映画 ライフ・オブ・デビッド・ゲイル(2003) 死刑制度がテーマ

2017年04月02日 | 映画(ら行)
 ハリウッドというのは死刑制度をテーマにした映画が多い。まあ、だいたいどれもこれも似たり寄ったりみたいなもんだが、扱う題材は同じでも他とは少し切り口で死刑制度の是非を観てる我々に問いかけるのが、今回紹介するライフ・オブ・デビッド・ゲイル。社会派映画ではあるが、娯楽作品として誰もが楽しめる映画だ。
 ちなみに本作の舞台となるのはテキサス州。アメリカっていう国は州の権限が強く、州ごとに制度が違う。例えば消費税のパーセントが違ったり、そしてさらに死刑のある州と無い州がある。とくにテキサス州は死刑を行うことに積極的。最初の方で『この辺りはスタバよりも刑務所の方が多い』なんて台詞が飛び出すが、スタバ好きの俺はチョッと笑ってしまった。そういう点ではテキサス州は死刑をテーマにした映画の舞台になりやすい。

 さて、本作のケヴィン・スペイシー演じる主人公だが、何冊か本を出しているエリート大学教授にして、死刑制度廃止を求める活動家。しかし、この主人公がある事件をきっかけに社会的地位なくし、そのことが切っ掛けで愛する妻子から逃げられてしまう。しかも、自分は冤罪を主張しているのに今やレイプ殺人事件の容疑者として死刑が迫っているという踏んだり蹴ったりの人生。死刑廃止論者が死刑執行されそうになっている状況は皮肉なんて言葉だけでは済まされない気がするが、この男が凄いのは最後の最後に大芝居を放つところ。

 前フリはこのぐらいにしておいて、肝心のストーリーの紹介を。
 大学教授で死刑廃止運動を行っていたデビッド・ゲイル(ケヴィン・スペイシー)は同僚で自分と同じく死刑制度廃止論者のコンスタンス(ローラ・リニー)をレイプ殺人した容疑で死刑宣告をされてしまう。死刑執行が間近にせまって、刑務所の中から突然に敏腕女性記者であるビッツィー(ケイト・ウィンスレット)を指名してインタビューを申し込む。
 ビッツィーはこいつは死刑になって当然だと思いながらも、デヴィッドと面会するのだが、死刑執行前の3日間のインタビューをしているうちに、デヴィッドは実は冤罪なんじゃないかと思い始めるのだが・・・

 エリート教授であったほずのデビッドの人生が転落していく様子から、酒と女には気をつけないといけないことが男性から見ればよくわかる。それはさておきデヴィッドはなぜ同僚の女性を殺すことになったのか、いや本当に殺していないのか等、興味が色々と惹かれるので見ていて全く飽きることがない。一瞬、俺は大学教授をクビにさせられ、更に奥さんと子供と別れてしまうことになって、ヤケクソになって同僚の女性を殺してしまったのか?なんて勘繰ったのだが、そんな単純なストーリーではなかった。
 デビッドが最後に見せる意地と誇りに見ていた俺は大いに感動した。その人の偉大さというのは再起不能なぐらいにドン底に叩き落とされたときにこそ発揮されるのだということが本作を観るとよくわかる。なんて言いながらデビッドってそんなに良い奴だったけ?
 観終わった後は何となく色々と疑問に感じることもあったりするが、ケヴィン・スペイシーを始め、ケイト・ウィンスレットローラ・リニー、その他の実力のある俳優陣の演技に説得力があり、観ている最中は何の違和感もなくストーリーにぐいぐい引き込まれた。それは冒頭からケイト・ウィンスレットがドタドタ走っているシーンを見て、もう少しダイエットしてから撮影に臨めよ!なんていきなりツッコミから始まったのにだ。それぐらい本作のキャストは素晴らしい。
 
 死刑制度は廃止にしたらダメだよな~と思っている立場の人間が本作を観終わった後にコロッと考え方が変わるとは思わないが、それでも死刑制度及び冤罪について問いかけてくるものがあるだろう。社会派映画にありがちな堅苦しさはいっさい無く、必要以上にあおるサスペンス感は観ていて楽しく、それでいてエロと意外性もある。誰が観ても楽しいと思わせる映画として今回はライフ・オブ・デビッド・ゲイルをお勧め作品として挙げておこう

ライフ・オブ・デビッド・ゲイル [DVD]
ケビン・スペイシー,ケイト・ウィンスレット,ローラ・リネイ,ガブリエル・マン,マット・クレイヴン
ジェネオン・ユニバーサル


 監督は社会派サスペンス映画には定評のあるアラン・パーカー。他にお勧めとして反戦映画だったのか?と思えるバーディ、人権問題に切り込んだミシシッピー・バーニング、今のどんでん返し系のサスペンス映画に影響を与えまくっているエンゼル・ハート、キッツイ描写がインパクトのある脱獄ムービーのミッドナイト・エキスプレスが良いです。





 
 

 
 

 




 
  
 
 
 
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映画 グラディエイター(2000) ローマ帝国が舞台の歴史劇か? 

2017年03月30日 | 映画(か行)
 今日ではローマ帝国が始まって以来、最も平和で繫栄していたと評価される1世紀末から2世紀末にかけての五賢帝時代。優れた皇帝が五人続いた珍しい時代がローマ帝国にもあったわけだが、その中でも最後の皇帝が哲学者としても有名なマルクス・アウレリウス。その息子であり、父親とは違って皇帝の座を自らの娯楽のために利用したのがコンモドゥス。親子でありながら何かと対照的な二代にわたる皇帝が治めていたローマ帝国を時代背景に描いたのが、今回紹介する歴史映画グラディエーター
 歴史映画と聞くと世界史が苦手な人は何かと敬遠しがちで、観ていても人間関係や事実関係が把握できずに、結局は長い時間だけが過ぎてストーリーに付いて行けなかった、ということを多くの人が経験しているだろう。しかし、本作については、そんな心配は全くの無用。もちろん皇帝マルクス・アウレリウスを知らなくても大丈夫。だいたい本作は歴史的事実なんか殆んど無視して作られているし、ストーリー自体がどん底に陥った男が立ち上がるという、誰が観ても熱くなれるド定番の展開。本作から歴史を学ぼうとするのは間違った考え方で、頭の中をすっからかんにしてして観るのが正しい観賞の仕方だ。

 
 さっそくだが、歴史劇では無く、人間ドラマであるストーリーの紹介を。
 ゲルマニア遠征において、ローマ帝国軍の総司令官であるマキシマス将軍(ラッセル・クロウ)は蛮族との戦いに苦戦しながらも勝利する。しかし、その一部始終を見ていた皇帝アウレリウス(リチャード・ハリス)は戦いには勝ったものの味方の兵が多く討ち死にしたことにローマ帝国の衰退が近いことを感じていた。しかし、それ以上に皇帝アウレリウスを悩ましていたのが自らの老いによる後継者問題。彼には嫡男である皇太子コンモドゥス(ホアキン・フェニックス)が居るのだが、コレがとんでもない野心家で素行が悪い。けっきょく次の皇帝に最も信頼している部下であり、人望が厚く、高潔なマキシマスを指名する。
 そのことを知った皇太子コンモドゥスは父親の皇帝アウレリウスを殺害し、皇帝の座を略奪。そして自分に従わない態度をとったマキシマスを処刑しようとし、更にはマキシマスが故郷に置いてきた愛する妻子を惨殺する。なんとか処刑を逃れたマキシマスだったが、変わり果てた妻と息子を見て疲労とショックで意識を失い、気付いた時には奴隷として飛ばされていた。
 生きる目的を失ってしまったマキシマスだったが奴隷たちの中で剣闘士(グラディエーター)としてメキメキと頭角を現していき、思わぬ形で今や皇帝として暴政を行っているコンモドゥスと再会するのだが・・・


 日頃からローマ帝国のために血と汗を流して働き続けた将軍マキシマスだったが、奴隷に陥ってしまう。しかも愛する家族は無残な姿で殺されている。そりゃ~、誰だってこんな目に遭ったらショックで立ち直れない。しかし、彼を立ち上がらせたのが、誰にも止めることができない復讐という言葉。とにかく皇帝コンモドゥスの卑劣な計略をことごとくすり抜けて、対決シーンにまで持っていく展開に興奮を感じさせる。しかし、さすがはリドリー・スコットと言うべきか、復讐は本当に正義なのか?といった疑問を観ている我々に投げ掛けるような結末は考えさせられるし、人間の大事な物は何かということを感じさせる。
 冒頭からの戦争シーンからしてハートが燃えるし、豪華コロッセウムを舞台にした戦いにおいても興奮する。ストーリーだけでなく映像の面でも惹きつけられるし、勇壮な気分になれる音楽も観ている我々が戦っている気分になれる。
 とにかく勧善懲悪がハッキリしていて、迫力充分の戦いの数々はアクション映画が好きな人にお勧めできる。そして息子を持っている父親ならば大いに感動できる仕組みになっているのも好感が持てる、ということで今回はグラディエーターをお勧め作品として挙げておこう。

グラディエーター [DVD]
ラッセル・クロウ,ホアキン・フェニックス,コニー・ニールセン,オリヴァー・リード,リチャード・ハリス
ジェネオン・ユニバーサル


 監督は今や名作、傑作を多く残しているリドリー・スコットエイリアンブレードランナーといった古典的SF映画作品はお勧めできるし、戦争映画であるブラックホーク・ダウン、中東で暗躍するスパイ映画ワールド・オブ・ライズ、本作と同じく歴史劇であるが奥深いテーマが隠されているキングダム・オブ・ヘブンが良いです。




 
 




 

 
 

 
 

 
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映画 翼よ!あれが巴里の灯だ(1957)リンドバーグの自伝です

2017年03月26日 | 映画(た行)
 人類史上、初めて無着陸飛行でニューヨークからパリまで大西洋横断に成功したのが、日本の音楽グループの名前の由来にもなっているチャールズ・リンドバーグ。そんな彼の伝記映画が今回紹介する翼よ!あれが巴里の灯だ。名匠ビリー・ワイルダー監督の演出の巧みさが光る傑作だ。
 リンドバーグが単独飛行で大西洋を横断したことぐらいは多くの人が知っているが、そのいきさつについてはあんまり知らないだろう。なんせその偉業が達成されたのは今から90年前の1927年のこと。そんな時代の飛行機でニューヨークからパリまで無着陸で、しかも一人ぼっちでたどり着こうなんて現在に生きる我々が想像しても無謀という言葉がすぐに浮かんでくる。

 なぜ彼は命を懸けてまでチャレンジ精神を発揮することができたのか?、そして彼はなぜ奇跡的に大西洋横断に成功したのか?それでは行動力抜群のアメリカ人らしさを大いに感じさせてくれるストーリーの紹介を。
 1927年において、ニューヨークからパリまで(パリからニューヨークまでもオッケイ)を無着陸飛行で、最初に成功した飛行士に贈られる2500万ドルの賞金を目指してリンドバーグ(ジェームズ・スチュアート)は挑戦することを決意する。しかし、彼の前にも何人もの飛行士が挑戦するのだが多くのパイロットが志半ばで失敗していた。
 その時は郵便配達の飛行士に過ぎなかったリンドバーグは全くの無名であり、スポンサー募集、飛行機設計に苦労するのだが、誰もが大西洋横断に成功していないうちに、ようやく飛び立とうかというところまできた。
 自らが設計に携わった飛行機にスピリットオブセントルイス号と名付け、いよいよニューヨークを飛び立ちパリを目指すのだが、前日から興奮して寝れなかったことによる睡魔に襲われたり、飛行機全体に氷が付着して重さで墜落しそうになったり、今どこを飛んでいるのかわからなくなって迷子同然になったり、様々な困難に飛行中に出遭うのだが・・・

 当時の飛行機の様子が映画の中でも見られるが、これがかなり危ない。機械工学や物理学などなんだか非常に怪しい当時において、こんな飛行機で飛んだのかと唖然とする。だいたい飛行中に前が見えない飛行機って何だ!
 しかし、アメリカ人のでっかい賞金をぶら下げられて飛びついてしまうチャレンジ精神はあんまり褒められるような気がしないが、優柔不断で奥ゆかしい性格の俺から見れば少し羨ましい気になったりする。
 しかし、リンドバーグは運が良いのは確かだが、それだけでは寝ずに33時間以上も掛かって大西洋を横断できるわけがない。
 飛行機を運転しながらも地図を見て、距離、時間、燃料の必要数をアッと言うまにしてしまう計算力、どこを飛んでいるかわからなくても経験と知識によって導かれる方向を把握する力、まるまる三日間ぐらい寝なくても一人で飛行機を操縦してしまう(当時の飛行機は二人乗りが常識)恐るべき体力、どれだけ孤独でもハエ一匹とでも仲良くできる交友力・・・等によって彼は偉大な功績を遺すことができた。彼の一人だけの力では無理だったということだ。

 前述したハエ、女性から渡される手鏡など小物の使い方が抜群にうまいし、ところどころでリンドバーグの過去の出来事を挿入したりする構成が非常に巧みな映画。丹念に描かれ、重苦しい感じはなく、ユーモアも入れたりで、それでいてちょっとしたスリルも味わえたりで、この手慣れた演出は流石はビリー・ワイルダー監督だ。
 今まで自分はチャレンジすることがなかったと思ってる人、スリルと笑いと感動を一つの映画の中だけで求めている人、お金にどん欲な人等に今回は翼よ!あれが巴里の灯だをお勧め映画として挙げておこう

翼よ! あれが巴里の灯だ [DVD]
ジェイムズ・スチュワート,マーレイ・ハミルトン,バートレット・ロビンソン
復刻シネマライブラリー


 監督は前述したビリー・ワイルダー。サスペンス、コメディ、社会風刺など幅広い分野で名作を残しているのが凄い。とりあえず俺の大好きな映画として今回はアパートの鍵を貸しますを挙げておこう。
  

 
 

 
 
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映画 レッドクリフ PartⅡ -未来への最終決戦-(2009) 赤壁の戦いがついにクライマックスへ

2017年03月24日 | 映画(ら行)
日本でも大人気の三国志。その中でも前半のハイライトである赤壁の戦いを描いた実写版のレッドクリフ。前フリの余興はレッドクリフ PartⅠで描かれたが、いよいよ本作のレッドクリフ PartⅡでクライマックスが訪れる。
 吉川英治の三国志に慣れ親しんだ日本人には三国志の主役って劉備、途中からは孔明だったような印象があるが、映画版のレッドクリフシリーズにおいてはアジアの大スターであるトニー・レオンが演じる周喩だ。総司令官の役割のような周喩だがレッドクリフ PartⅠの最後の方の戦いで、関羽、張飛、趙雲に戦いを任せておけばいいのに、後ろの方で黙って椅子に座っていることが出来ずに猛然と敵に戦いを挑んでいくシーンに周喩ってこんなに武闘派だったけ?、と三国志好きの俺も驚いた。もちろん本作でも剣を持って戦うし、アクロバチックなアクションを見せてくれる。
 PartⅠに比べて火薬の量を増やしたかのようなアクションは見ていて俺のハートが熱くなるし、それ以上に俺の気持ちを燃えさせてくれるのが、どれだけ身体に矢が突き刺さっても立ち上がって戦う武将たち。微熱ぐらいですぐに寝込んでしまう俺は大いに反省させられた。

 さて、これぞジョン・ウー監督だと思わせるストーリーを簡単に紹介を。
 中国全土制覇と絶世の美女である周瑜(トニー・レオン)の奥さんの小喬(リン・チーリン)を我が物にしようと南下してきた曹操(チャン・フォンイー)の80万の大軍が赤壁に押し寄せてくる。それを迎え撃つ孫権・劉備の連合軍はわずか5万。しかも、曹操の卑劣な疫病作戦で苦境に追い込まれる。
 すっかり怖気づいてしまったのか劉備(ヨウ・ヨン)は部下を引き連れて撤退。しかし、孫権(チャン・チェン)と部下である指揮官の周瑜、そして天才軍師として誉れ高い孔明(金城武)は曹操の降伏の要求にも屈せず、自らの命よりも大切な物を守るために戦うことを決意。そして三国志最大の戦いである赤壁の戦いの幕が切って落とされるのだが・・・

 最初の方は頭脳戦が繰り広げられる。金城武演じるチョッとひょうきんな孔明が知力、知識を活かして流石は天才軍師だと思わせてくれる。そして決戦に突入してからの水面までも火でいっぱいになる戦いは見るからに熱い。しかし、それ以上に俺が熱く感じたのがデブ助と呼ばれる孫権の妹(ヴィッキー・チャオ)と敵方曹操の部下との友情。まるまるストーリーから消しても良さそうな二人の関係が描かれているが涙が出そうになるこの熱さが流石はジョン・ウー。彼の映画はこうでなくっちゃならない。
 また、その奇麗さから単なるビジュアル担当に思えたリン・チーリン演じる小喬も、祖国への熱い想いが突き動かす行動も見ていて感動するし、我らが日本代表の中村獅童にもとっておきの場面があったりで興奮する。
 ジョン・ウー監督の映画が好きな人はもちろんのこと、ド派手なアクションが好きな人にはお勧めできるし、三国志について大して興味のない人にもお勧め。もしかしたらPartⅠを観ていなくても、いきなり本作から観ても楽しめるか。今回はレッドクリフ PartⅡ -未来への最終決戦-をお勧め映画として挙げておこう。

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トニー・レオン,金城武,チャン・フォンイー
エイベックス・ピクチャーズ


 監督は前述したようにジョン・ウー。この人のアクションの見せ方は俺のような単細胞の男には感動させてくれる。男たちの挽歌狼/男たちの挽歌・最終章フェイス/オフ、戦争アクションウインドトーカーズ、SFアクションペイチェック 消された記憶などお勧めありすぎです。 
 

 

  
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映画 泳ぐひと(1968) 海パン一丁で出ずっぱり

2017年03月17日 | 映画(あ行)
 変な奴を主人公にした映画は多いが、その中でもかなり突出しているのが今回紹介する映画泳ぐひと。この映画の主人公のオジサンは最初から海パン一丁の姿で登場し、最後までその格好で出ずっぱり。そりゃ~、タイトルが泳ぐひとだからと思いきや、確かにプールで泳ぐシーンは多いが、山の中や野原や自動車の通る道をその格好で走っているシーンが出てくる。一目変な奴だと感じるが、思いつきで言い出すことが更に周囲をドン引きさせる。さて、この主人公は海パン一丁で何をやらかそうとするのだろうか?

 さっそく単純ながらも非常にシニカルな内容に富んだストーリーの紹介を。
 ある夏の郊外にある高級別荘地において。海パン一丁の姿でネッド(バート・ランカスター)が林から現われる。そこはネッドの友人夫婦の別荘であり、夫婦は前夜のパーティーで疲れていて、夫の方はプールの側で横たわっていた。
 ネッドは友人夫婦と少しばかり会話をした後に、その場所から眼下に見渡せる景色を眺めて、アホらしくなるようなことを言い出す、「友人の家のプールを全て泳いで、自分の家に帰ろう」。自分の家にたどり着くまでに様々な人と出会うのだが・・・

 もっと簡単にストーリーの紹介をすると、知り合いの人の家に勝手に入って、勝手にプールを泳いで、自分の家まで帰るだけ。極めてシンプルなストーリーだが、隠されたテーマは非常に奥が深い。海パン一丁だけで現われる主人公が家に帰るまでに様々な人に出会うのだが、彼らの態度の様子が観ている我々になんだかおかしいぞ!と感じさせる。最初に出会った友人夫婦とは好意的に話しているのだが、後の方になるにつれて出会う人の態度が威圧的になってくる。この展開が意味するところは、欺瞞に満ちた今までの主人公の人生が音を立てて崩れていく様子だ。最後には恐ろしい現実を突きつけられるのだが、これが切ないというか、怖い。海パン一丁の姿でいるのが何を意味するか何となくわかる気がしてくるだろう。
 時々自らを成功者のように見せる人間を見かける。しかし、そういう人こそ案外幸せの仮面を被っているだけで、実際はボロボロだったということがバレている時が多い。実際に俺だって周りからは聖人君子のように思われているが、今までの人生を振り返るとまさに偽善者としての自分が浮かび上がってくる。まあ、最近は逆にアホなふりをして生きてる方が楽に感じているのだが。
 この主人公は年がいも無く女の子と一緒に走って嬉々としているのが気持ち悪く感じたり、どうでもいい様な目標を思いついて実行したり、偽りに満ちた人生を過ごしていたり、かなり痛い人間。しかし、コレって実は俺も大して変わらないじゃんと思い反省させられた。
 メンタルが弱っている時にお勧めできる映画ではないが、何時までも余韻に浸れる映画として今回は泳ぐひとをお勧めとして挙げておこう

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バート・ランカスター,ジャネット・ランドガード,ジャニス・ルール
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント





 
 
 
 
 

 










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映画 ルワンダの涙(2005) ジョン・ハートのお勧め作品です

2017年02月26日 | 映画(ら行)
 もう先月(1月27日)のことになるが、エレファントマンの主役で有名なジョン・ハートが亡くなった。他に彼が主演した映画で印象的な作品が今回紹介するルワンダの涙。1994年に勃発したルワンダ虐殺をテーマにした社会派映画だ。もしかしたらタイトル名にあるルワンダって何?と思う人がいるかもしれないが、アフリカ中部にある国のこと。実は俺だって本作の前に同じようなテーマを扱った映画ホテル・ルワンダを観るまではルワンダという国の存在を知らなかった。
 
 ここで少しばかりルワンダ虐殺に説明しておこう。ルワンダは多数派のフツ族と少数派のツチ族の2つの民族で殆んどが占められている。当時のフツ族のジュベナール・ハビャリマナ大統領が暗殺されたことを切っ掛けに、過激派フツ族が民兵を組織してツチ族を1994年の4月から7月の3ヵ月間で80万人を殺しまくったジェノサイド(虐殺)の事を言う。
 まあ、これぐらいは本作を観る前の予備知識で持っておいたほうが良いだろうし、更にアドバイスをするとしたら、途中でドッチが虐殺してるんだ?と混乱しないように『フツ族が加害者』『ツチ族が被害者』と書いた紙を用意した方が良いだろう。
 フツ族もツチ族も同じ黒人同士で見た目には殆んど違いがわからないし、片側の民族を抹殺することに何の意味があるのかサッパリわからないので日本人の常識では、なぜこのような大虐殺が起きてしまうのか理解に苦しむところだ。
 前述したホテル・ルワンダの方は黒人の視点で描かれているが、本作はジョン・ハートが主演なぐらいだから白人の視点で描かれている。黒人同士の民族争いなんかは大したことがないだろうと考えていたようなフシがあるように見えたが、実際に巻き込まれてみたらこの世の地獄だったことにビックリ仰天!白人が敬愛するキリスト教でもこの大虐殺は止められない。

 実はこの映画の原題は『Shooting Dogs』。つけられた邦題との違いが大きすぎるような気がするが、日頃から国連軍のお世話になっている我々日本人も原題の意味を観ている最中に気付いた時に愕然となるストーリーを簡単に紹介しよう。
 英語の教師であるイギリスの青年ジョー(ヒュー・ダンシー)はルワンダにやって来て、クリストファー神父(ジョン・ハート)が運営する公立技術専門学校に赴任する。ところがフツ族の大統領が暗殺される事件を切っ掛けに、フツ族で組織された民兵によって、ツチ族一掃作戦が開始。大量難民と化したツチ族の住民は平和維持のために国連軍が駐留し、人柄の優れたクリストファー神父を頼って、この学校に逃げてくるのだが・・・

 我々日本人から見ればルワンダという国は遠い異国の地であるが、実話を基にした本作を見ればルワンダという国に興味を持つはずだ。映画は歴史に埋もれた人物や出来事を教えてくれるから非常にありがたい教科書になる。しかも、本作は単なる歴史的事実を描いているだけでなく、色々なことを考えさせてくれる優れものの映画でもある。
 民族争いにより昨日の友が今日の敵になってしまうことに怒りを感じ、罪無き人間がナタで振るわれて惨殺されることに信仰心が揺らぎかけたり、国連軍のダメさを見せ付けられて『世界中が平和になりますように』と願っている俺の希望が打ち砕かれた気分になったり。
 極めつけが、ツチ族のお父さんが国連の軍人にお願いする台詞『せめて子供たちだけでも・・・』!この不条理な世の中が本当に嘆かわしい、アーメン。

 何だか絶望感に打ちひしがれた気分になるが、それでも最後の最後には感動が待っている。本作が生まれた背景には虐殺で死んだ人が居れば、生き残った人も居るということ。本編が終了した後に胸が熱くなる場面が出てくる。
 ルワンダという国に興味がある人、名優ジョン・ハートが好きというコアな人、アフリカに熱い想いを持っている人、『ホテル・ルワンダ』は観ているのにコッチは観ていない人、暗闇の中にほんの小さな希望の灯が感じられるような映画を観たい人・・・等にルワンダの涙をお勧め映画として紹介しておこう

ルワンダの涙 [DVD]
ジョン・ハート,ヒュー・ダンシー,クレア=ホープ・アシティ
エイベックス・ピクチャーズ


 監督はマイケル・ケイトン=ジョーンズ。この監督のお勧めはやっぱりメンフィス・ベル、そしてマイケル・J・フォックス主演のハートフルなドク・ハリウッド、そしてロバート・デ・ニーロとレオナルド・ディカプリオ共演のボーイズ・ライフが良いです。


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映画 レッドクリフ PartⅠ(2008) 三国志の赤壁の戦い

2017年02月24日 | 映画(ら行)
男ならば一度は読んだことがあるだろう吉川英治原作の三国志。その面白さは、1人で何百人も倒していく豪傑、まるで妖術を使うかの如き知将、などが百花繚乱の如く登場して謀略、知力、豪腕を発揮し、読む者に血肉沸き踊る興奮を感じさせる点があげられうだろう。
 そんな全編を通して面白い三国志だが、その中でもクライマックスとでも言うべき戦いが赤壁の戦い!。赤壁の戦いに焦点をしぼったのがレッドクリフ PartⅠと続編にあたるレッドクリフ PartⅡだ。
 歴史好き、三国志ファンでないと本作を楽しめないと思っている人がいるかもしれないが、観る前の予備知識など全くの不要。なぜなら日本公開のためだけのサービスだと思うが、本編が始まる前に日本語でその時代の中国の情勢を詳しく説明してくれてるし、そもそも三国志に大して思い入れのない人の方が純粋に楽しめるような気がする。

 レッドクリフを記事にするのにPartⅠとpartⅡを一緒にして紹介してしまおうとも考えたのだが、それでは手を抜いていると批判されるような気がしたので別々に紹介するとしよう。まずはPartⅠの方から。
 中国北部を制圧した曹操(チャン・フォンイー)は、いよいよ中国全土を支配に置くべく南下する。曹操の大軍の前に劉備(ヨウ・ヨン)の少ない兵力では大した抵抗もできずに敗走。劉備は部下であり、天才軍師として評判の諸葛亮孔明(金城武)の提案にしたがい、孔明を孫権(チャン・チェン)のもとへ送り出す。
 孔明は孫権の総司令である周喩(トニー・レオン)と出会い、最初の内は警戒されるが次第にお互いが意気投合。劉備と孫権はタッグを組んで、曹操の野望を打ち砕くべく赤壁にて迎え撃つのだが・・・

 とにかく流行りものの続編ありきのシリーズ物であり、もっとも盛り上がるはずの赤壁の戦いが始まる前にPartⅠは終わる。個人的にはこのようなやり方は嫌いなのだが、今どきの商売方法としてはこれが最も儲かりやすいやり方ってか!?
 それはさておき、我々が読んだ三国志では劉備にはたいそうな徳があり、勝手に優秀な人間が集まってくるイメージを持っているが本作を観たところ藁草履ばかり編んでいて、どこにそんな人を惹きつける魅力があるのか全くわからない。天才振りを発揮する孔明にしても本作に関しては、お笑い担当みたいな扱い方で活躍しているようには俺には見えなかった。
 むしろ凄いのは劉備の部下である趙雲張飛関羽の三人。原作を読んでいてもこの3人の強さは感じることができるが、実写版を見ていると更に凄いことになっている。それこそ1人で五、六十人の相手をぶちのめし、張飛なんかは素手で刀剣を持っている相手兵の中に飛び込んでいって倒してくるのだからその強さは超人ハルク級。孔明お勧めの戦術らしきものも出てくるが、この3人が居れば戦術の良し悪しに関係なく敵を血祭りにあげてくれる。
 確かに見ていてエンターテイメントに徹していることがよくわかる。しかし、俺が本作を観ていて1番共感できたのが中国統一を掲げた曹操が戦いを挑んだ真の目的、やっぱりそうだよな~なんて思いっきり納得できた。これだから三国志は男にとっては燃える要素がたくさんあるのだと気付かされた。
 ジョン・ウー監督らしくアクション映画として楽しめるし、彼の映画の特徴である白い鳩も効果的に使われていて楽しい。アジアの大スターが達の共演が楽しめるという意味でもレッドクリフ PartⅠを今回とりあえずお勧めしておこう
 


 








 
 

 
 
 
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映画 サムライ(1967) クールな殺し屋が見れます

2017年02月19日 | 映画(さ行)
 冒頭からなんだか意味深な文句が出てくる。『サムライの孤独ほど深いものはない・・・、武士道』。ちょんまげの格好をした侍(サムライ)が登場するのかと一瞬思ったが、本作は当時絶世のイケメンンの大スター、アラン・ドロン主演のフランス映画。フランスの大スターがカツラをかぶって、袴姿で刀を差して登場するわけがない。なるほどフランス人から見た日本のサムライ像とは、このようなものだったのかと少々わかったような気になる映画だ。
 アラン・ドラン演じるタイトル名のサムライとは拳銃一丁で人殺しを請け負う暗殺者のこと。とにかく寡黙で表情をほとんど変えず、高い報酬をもらう代わりに人殺しの任務を忠実に遂行するその様子は、まさに仕事のできる男の見本を見ているような気になる。それにしても暗殺者の行いから学ぼうとする俺の頭の中はどうかなってしまったのか?

 一匹狼の暗殺者の行動が丹念に描かれたフレンチ・フィルム・ノワールの傑作のストーリー紹介を。
 寂れたアパートの一室に、小鳥を一匹だけ飼っている孤独な暗殺者であるジェフ・コステロ(アラン・ドロン)。高い報酬を得るためにソフト帽にトレンチコートのいでたちで出かけて、今日もせっせと人殺しの任務を遂行する。
 いつも通りにひと仕事を終えたジェフ・コステロだが、帰り際にナイトクラブの女性歌手であるヴァレリーに見られてしまう・・・

 最初から暗い画調で台詞が無いまま結構な時間が過ぎるのだが、退屈など全くしない。それは殺し屋の主人公の不安、孤独、寂しさを表現する抜群の演出効果をもたらす。
 まあ、見た目はクールで、ストイックなアラン・ドロン演じる殺し屋だが、けっこうなオッチョコチョイな行動も見られたりする。俺から見れば全く信用できない奴にアリバイを頼んでいたり、まるでワザと誰かに見られてしまうように人殺しを行っていたり、孤独と言いながら綺麗なネエチャンの存在がいたり、カネの受け渡し場所にしてもソリャ~駄目だろうと思えたり・・・!それに数人の目撃者にしても目が悪すぎたり、たった一人の暗殺者を捕まえるのに、パリの警察はよほどヒマなのか笑えるぐらいの人数を動員したりでツッコミどころが多い。このように書いてしまうとボロボロの映画なのかと思えてしまうが、実はブログを書いていて思い返すと気づいたようなレベルで、観ている最中はアラン・ドロンが格好良いので全く気にならない。
 そしてラストのオトシマエのつけ方が、まるで侍の切腹シーンを感じさせ、しびれるぐらいに格好良い。この世の中、言い訳ばかりで行動が全く伴わない無責任な男が多すぎるが、本作を観れば男の美学を学べるわけだ。
 部屋の小鳥、輪っかに掛けられた大量の車のキー、ナンバープレート、札束、包帯など小さい事にも気を使われていて、繊細な描写はフランス映画らしく心地良い。
 すっかりドハデなドンパチする映画に飽きた人、フランス製の渋いサスペンス映画を観たい人、ペラペラ冗談ばかり話したがる男が嫌いな女性、男の美学を感じたい人に、映画サムライを今回は紹介しておこう

サムライ [DVD]
アラン・ドロン,フランソワ・ペリエ,ナタリー・ドロン,カティ・ロジエ
KADOKAWA / 角川書店


サムライ [Blu-ray]
アラン・ドロン,フランソワ・ペリエ,ナタリー・ドロン,カティ・ロジエ
KADOKAWA / 角川書店


 監督はジャン=ピエール・メルヴィル。渋いタッチでフィルム・ノワール作品に手腕を発揮するフランスの映画監督。ナチスドイツが占領していたフランスでのレジスタンス活動の様子を描いた影の軍隊がお勧め。



 
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映画 ショコラ(2000) バレンタインデーといえばこの映画です

2017年02月11日 | 映画(さ行)
 もうすぐバレンタインデーがやってくるが、そんな時にパッと思い浮かぶ映画が今回紹介するショコラ。たくさんチョコレートが出てきて、一見したところ美味しそうに思える映画だ。バレンタインデーと聞くとなぜか心がウキウキする男性が多くなるような気がする。しかし、バレンタインの日こそ、実は男性にとっては勝ち組みと負け組みがハッキリと別れる1年で1番の特別な日。ダンボールに何箱分も詰め合わされているチョコレートをもらうウハウハな男性がいると思えば、何年も身内から義理チョコしかもらえない悲しい男性も多くいる。愛がこもったチョコレートしかもらったことがない俺には、義理チョコをもらう気持ちがわからないのだが・・・。
 そんな俺の自慢話なんかはどうでもよく、実際に本作に関してもチョコレートを多くもらったとか、もらってないといったような話は全く関係ない。チョコレートという甘い素材を活かしながら、人生に思い悩み、苦しんでいる人々に多くの癒しを与えてくれる映画だ。

 タイトルのショコラはフランス語であり、チョコレートの意味。何だかとっても甘~い恋愛映画を想像する人も多いと思うが・・・。それではストーリーの紹介を。
 1959年のフランスのある村において。そこは昔から閉鎖的で、鉄壁な規律、風習、思い込み、偏見等で、村長であるレノ伯爵(アルフレッド・モリーナー)をはじめ、村の人々も古くて、堅い考え方に捉われていた。
 ある日のこと、北風とともにヴィアンヌ(ジュリエット・ビノシュ)とアンヌ(ヴィクトワール・ティヴィソル)の母娘が赤いコートをまとってやって来る。ヴィアンヌはチョコレート店を開店し、村人達から好奇の目で見られながらも彼女が作る不思議な力を秘めたチョコレートは、次第に村の人々に癒しと希望を与えていく。
 しかし、それは彼女を快く思わないレノ伯爵とヴィアンヌの対決につながっていくのだが・・・

 まるで独裁的に振る舞う村長の圧政に苦しむ村人たちを、他所からやって来た風変わりな女性が助けるヒロインの活躍を描いたストーリのように思えたりする。しかし、実のところ悪人に思える村長は昔ながらの時代遅れの規律を守っているに過ぎないどころか、頑なに断食を守るところなんかはナイスガイに見えたりするし、保守的過ぎる村に対して改革者の役割を担っているかのような女性にしても旧い因習に捉われている事がわかってくる。
 この世の中において古き良き伝統を守ることは良いのだが、昔からの悪い点が改善されないのはいかがなものか?まあ、日本で言えばサービス残業がその類に当てはまるか。
 本作の村の住人は、宗教の教えにがんじがらめだったり、男尊女卑の考え方にしがみつき過ぎている夫婦、閉鎖的過ぎて寛容さが欠けている人、子供をしばりつけている親などである。このような登場人物を見ていると、ちょっと考え方を考えれば良いのに、本当の幸せを見失っていることに気付く。現実の世界においても、まるで何かに取り付かれたかのように頭の中が頑固な考え方に支配されてしまって損をしている人を見かけるが、この映画を観ればきっとそんな人達も幸せな生き方を見つけられる、って本当かよ。

 なんだか堅い紹介になってしまった気がするが、途中から登場してくるジョニー・デップは格好良くて大人の恋愛映画として楽しめるし、そしてユーモアがあって笑えるし、何と言っても人生に悩んで、傷ついている人を癒してくれるのが良い。
 チョコレートがいっぱい出てくるいう浅はかな考えだけで、バレンタインデーで思いつく映画として挙げてしまった気がするが、何はともあれ恋人同士が素敵なバレンタインデーを過ごせるために観てほしい映画として今回は映画ショコラをお勧めしておこう

ショコラ [DVD]
ジュリエット・ビノシュ,ジョニー・デップ,ジュディ・デンチ,アルフレッド・モリーナ,レナ・オリン
ワーナー・ホーム・ビデオ


 監督はスウェーデン人のラッセ・ハルストレム。癒し系の感動する映画を撮ってくれる個人的にお気に入りの映画監督の1人。彼のお勧めはギルバート・グレイブサイダーハウス・ルールが良いです。


 
 


 


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