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映画 翼よ!あれが巴里の灯だ(1957)リンドバーグの自伝です

2017年03月26日 | 映画(た行)
 人類史上、初めて無着陸飛行でニューヨークからパリまで大西洋横断に成功したのが、日本の音楽グループの名前の由来にもなっているチャールズ・リンドバーグ。そんな彼の伝記映画が今回紹介する翼よ!あれが巴里の灯だ。名匠ビリー・ワイルダー監督の演出の巧みさが光る傑作だ。
 リンドバーグが単独飛行で大西洋を横断したことぐらいは多くの人が知っているが、そのいきさつについてはあんまり知らないだろう。なんせその偉業が達成されたのは今から90年前の1927年のこと。そんな時代の飛行機でニューヨークからパリまで無着陸で、しかも一人ぼっちでたどり着こうなんて現在に生きる我々が想像しても無謀という言葉がすぐに浮かんでくる。

 なぜ彼は命を懸けてまでチャレンジ精神を発揮することができたのか?、そして彼はなぜ奇跡的に大西洋横断に成功したのか?それでは行動力抜群のアメリカ人らしさを大いに感じさせてくれるストーリーの紹介を。
 1927年において、ニューヨークからパリまで(パリからニューヨークまでもオッケイ)を無着陸飛行で、最初に成功した飛行士に贈られる2500万ドルの賞金を目指してリンドバーグ(ジェームズ・スチュアート)は挑戦することを決意する。しかし、彼の前にも何人もの飛行士が挑戦するのだが多くのパイロットが志半ばで失敗していた。
 その時は郵便配達の飛行士に過ぎなかったリンドバーグは全くの無名であり、スポンサー募集、飛行機設計に苦労するのだが、誰もが大西洋横断に成功していないうちに、ようやく飛び立とうかというところまできた。
 自らが設計に携わった飛行機にスピリットオブセントルイス号と名付け、いよいよニューヨークを飛び立ちパリを目指すのだが、前日から興奮して寝れなかったことによる睡魔に襲われたり、飛行機全体に氷が付着して重さで墜落しそうになったり、今どこを飛んでいるのかわからなくなって迷子同然になったり、様々な困難に飛行中に出遭うのだが・・・

 当時の飛行機の様子が映画の中でも見られるが、これがかなり危ない。機械工学や物理学などなんだか非常に怪しい当時において、こんな飛行機で飛んだのかと唖然とする。だいたい飛行中に前が見えない飛行機って何だ!
 しかし、アメリカ人のでっかい賞金をぶら下げられて飛びついてしまうチャレンジ精神はあんまり褒められるような気がしないが、優柔不断で奥ゆかしい性格の俺から見れば少し羨ましい気になったりする。
 しかし、リンドバーグは運が良いのは確かだが、それだけでは寝ずに33時間以上も掛かって大西洋を横断できるわけがない。
 飛行機を運転しながらも地図を見て、距離、時間、燃料の必要数をアッと言うまにしてしまう計算力、どこを飛んでいるかわからなくても経験と知識によって導かれる方向を把握する力、まるまる三日間ぐらい寝なくても一人で飛行機を操縦してしまう(当時の飛行機は二人乗りが常識)恐るべき体力、どれだけ孤独でもハエ一匹とでも仲良くできる交友力・・・等によって彼は偉大な功績を遺すことができた。彼の一人だけの力では無理だったということだ。

 前述したハエ、女性から渡される手鏡など小物の使い方が抜群にうまいし、ところどころでリンドバーグの過去の出来事を挿入したりする構成が非常に巧みな映画。丹念に描かれ、重苦しい感じはなく、ユーモアも入れたりで、それでいてちょっとしたスリルも味わえたりで、この手慣れた演出は流石はビリー・ワイルダー監督だ。
 今まで自分はチャレンジすることがなかったと思ってる人、スリルと笑いと感動を一つの映画の中だけで求めている人、お金にどん欲な人等に今回は翼よ!あれが巴里の灯だをお勧め映画として挙げておこう

翼よ! あれが巴里の灯だ [DVD]
ジェイムズ・スチュワート,マーレイ・ハミルトン,バートレット・ロビンソン
復刻シネマライブラリー


 監督は前述したビリー・ワイルダー。サスペンス、コメディ、社会風刺など幅広い分野で名作を残しているのが凄い。とりあえず俺の大好きな映画として今回はアパートの鍵を貸しますを挙げておこう。
  

 
 

 
 
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映画 レッドクリフ PartⅡ -未来への最終決戦-(2009) 赤壁の戦いがついにクライマックスへ

2017年03月24日 | 映画(ら行)
日本でも大人気の三国志。その中でも前半のハイライトである赤壁の戦いを描いた実写版のレッドクリフ。前フリの余興はレッドクリフ PartⅠで描かれたが、いよいよ本作のレッドクリフ PartⅡでクライマックスが訪れる。
 吉川英治の三国志に慣れ親しんだ日本人には三国志の主役って劉備、途中からは孔明だったような印象があるが、映画版のレッドクリフシリーズにおいてはアジアの大スターであるトニー・レオンが演じる周喩だ。総司令官の役割のような周喩だがレッドクリフ PartⅠの最後の方の戦いで、関羽、張飛、趙雲に戦いを任せておけばいいのに、後ろの方で黙って椅子に座っていることが出来ずに猛然と敵に戦いを挑んでいくシーンに周喩ってこんなに武闘派だったけ?、と三国志好きの俺も驚いた。もちろん本作でも剣を持って戦うし、アクロバチックなアクションを見せてくれる。
 PartⅠに比べて火薬の量を増やしたかのようなアクションは見ていて俺のハートが熱くなるし、それ以上に俺の気持ちを燃えさせてくれるのが、どれだけ身体に矢が突き刺さっても立ち上がって戦う武将たち。微熱ぐらいですぐに寝込んでしまう俺は大いに反省させられた。

 さて、これぞジョン・ウー監督だと思わせるストーリーを簡単に紹介を。
 中国全土制覇と絶世の美女である周瑜(トニー・レオン)の奥さんの小喬(リン・チーリン)を我が物にしようと南下してきた曹操(チャン・フォンイー)の80万の大軍が赤壁に押し寄せてくる。それを迎え撃つ孫権・劉備の連合軍はわずか5万。しかも、曹操の卑劣な疫病作戦で苦境に追い込まれる。
 すっかり怖気づいてしまったのか劉備(ヨウ・ヨン)は部下を引き連れて撤退。しかし、孫権(チャン・チェン)と部下である指揮官の周瑜、そして天才軍師として誉れ高い孔明(金城武)は曹操の降伏の要求にも屈せず、自らの命よりも大切な物を守るために戦うことを決意。そして三国志最大の戦いである赤壁の戦いの幕が切って落とされるのだが・・・

 最初の方は頭脳戦が繰り広げられる。金城武演じるチョッとひょうきんな孔明が知力、知識を活かして流石は天才軍師だと思わせてくれる。そして決戦に突入してからの水面までも火でいっぱいになる戦いは見るからに熱い。しかし、それ以上に俺が熱く感じたのがデブ助と呼ばれる孫権の妹(ヴィッキー・チャオ)と敵方曹操の部下との友情。まるまるストーリーから消しても良さそうな二人の関係が描かれているが涙が出そうになるこの熱さが流石はジョン・ウー。彼の映画はこうでなくっちゃならない。
 また、その奇麗さから単なるビジュアル担当に思えたリン・チーリン演じる小喬も、祖国への熱い想いが突き動かす行動も見ていて感動するし、我らが日本代表の中村獅童にもとっておきの場面があったりで興奮する。
 ジョン・ウー監督の映画が好きな人はもちろんのこと、ド派手なアクションが好きな人にはお勧めできるし、三国志について大して興味のない人にもお勧め。もしかしたらPartⅠを観ていなくても、いきなり本作から観ても楽しめるか。今回はレッドクリフ PartⅡ -未来への最終決戦-をお勧め映画として挙げておこう。

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トニー・レオン,金城武,チャン・フォンイー
エイベックス・ピクチャーズ


 監督は前述したようにジョン・ウー。この人のアクションの見せ方は俺のような単細胞の男には感動させてくれる。男たちの挽歌狼/男たちの挽歌・最終章フェイス/オフ、戦争アクションウインドトーカーズ、SFアクションペイチェック 消された記憶などお勧めありすぎです。 
 

 

  
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映画 泳ぐひと(1968) 海パン一丁で出ずっぱり

2017年03月17日 | 映画(あ行)
 変な奴を主人公にした映画は多いが、その中でもかなり突出しているのが今回紹介する映画泳ぐひと。この映画の主人公のオジサンは最初から海パン一丁の姿で登場し、最後までその格好で出ずっぱり。そりゃ~、タイトルが泳ぐひとだからと思いきや、確かにプールで泳ぐシーンは多いが、山の中や野原や自動車の通る道をその格好で走っているシーンが出てくる。一目変な奴だと感じるが、思いつきで言い出すことが更に周囲をドン引きさせる。さて、この主人公は海パン一丁で何をやらかそうとするのだろうか?

 さっそく単純ながらも非常にシニカルな内容に富んだストーリーの紹介を。
 ある夏の郊外にある高級別荘地において。海パン一丁の姿でネッド(バート・ランカスター)が林から現われる。そこはネッドの友人夫婦の別荘であり、夫婦は前夜のパーティーで疲れていて、夫の方はプールの側で横たわっていた。
 ネッドは友人夫婦と少しばかり会話をした後に、その場所から眼下に見渡せる景色を眺めて、アホらしくなるようなことを言い出す、「友人の家のプールを全て泳いで、自分の家に帰ろう」。自分の家にたどり着くまでに様々な人と出会うのだが・・・

 もっと簡単にストーリーの紹介をすると、知り合いの人の家に勝手に入って、勝手にプールを泳いで、自分の家まで帰るだけ。極めてシンプルなストーリーだが、隠されたテーマは非常に奥が深い。海パン一丁だけで現われる主人公が家に帰るまでに様々な人に出会うのだが、彼らの態度の様子が観ている我々になんだかおかしいぞ!と感じさせる。最初に出会った友人夫婦とは好意的に話しているのだが、後の方になるにつれて出会う人の態度が威圧的になってくる。この展開が意味するところは、欺瞞に満ちた今までの主人公の人生が音を立てて崩れていく様子だ。最後には恐ろしい現実を突きつけられるのだが、これが切ないというか、怖い。海パン一丁の姿でいるのが何を意味するか何となくわかる気がしてくるだろう。
 時々自らを成功者のように見せる人間を見かける。しかし、そういう人こそ案外幸せの仮面を被っているだけで、実際はボロボロだったということがバレている時が多い。実際に俺だって周りからは聖人君子のように思われているが、今までの人生を振り返るとまさに偽善者としての自分が浮かび上がってくる。まあ、最近は逆にアホなふりをして生きてる方が楽に感じているのだが。
 この主人公は年がいも無く女の子と一緒に走って嬉々としているのが気持ち悪く感じたり、どうでもいい様な目標を思いついて実行したり、偽りに満ちた人生を過ごしていたり、かなり痛い人間。しかし、コレって実は俺も大して変わらないじゃんと思い反省させられた。
 メンタルが弱っている時にお勧めできる映画ではないが、何時までも余韻に浸れる映画として今回は泳ぐひとをお勧めとして挙げておこう

泳ぐひと [DVD]
バート・ランカスター,ジャネット・ランドガード,ジャニス・ルール
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント





 
 
 
 
 

 










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映画 ルワンダの涙(2005) ジョン・ハートのお勧め作品です

2017年02月26日 | 映画(ら行)
 もう先月(1月27日)のことになるが、エレファントマンの主役で有名なジョン・ハートが亡くなった。他に彼が主演した映画で印象的な作品が今回紹介するルワンダの涙。1994年に勃発したルワンダ虐殺をテーマにした社会派映画だ。もしかしたらタイトル名にあるルワンダって何?と思う人がいるかもしれないが、アフリカ中部にある国のこと。実は俺だって本作の前に同じようなテーマを扱った映画ホテル・ルワンダを観るまではルワンダという国の存在を知らなかった。
 
 ここで少しばかりルワンダ虐殺に説明しておこう。ルワンダは多数派のフツ族と少数派のツチ族の2つの民族で殆んどが占められている。当時のフツ族のジュベナール・ハビャリマナ大統領が暗殺されたことを切っ掛けに、過激派フツ族が民兵を組織してツチ族を1994年の4月から7月の3ヵ月間で80万人を殺しまくったジェノサイド(虐殺)の事を言う。
 まあ、これぐらいは本作を観る前の予備知識で持っておいたほうが良いだろうし、更にアドバイスをするとしたら、途中でドッチが虐殺してるんだ?と混乱しないように『フツ族が加害者』『ツチ族が被害者』と書いた紙を用意した方が良いだろう。
 フツ族もツチ族も同じ黒人同士で見た目には殆んど違いがわからないし、片側の民族を抹殺することに何の意味があるのかサッパリわからないので日本人の常識では、なぜこのような大虐殺が起きてしまうのか理解に苦しむところだ。
 前述したホテル・ルワンダの方は黒人の視点で描かれているが、本作はジョン・ハートが主演なぐらいだから白人の視点で描かれている。黒人同士の民族争いなんかは大したことがないだろうと考えていたようなフシがあるように見えたが、実際に巻き込まれてみたらこの世の地獄だったことにビックリ仰天!白人が敬愛するキリスト教でもこの大虐殺は止められない。

 実はこの映画の原題は『Shooting Dogs』。つけられた邦題との違いが大きすぎるような気がするが、日頃から国連軍のお世話になっている我々日本人も原題の意味を観ている最中に気付いた時に愕然となるストーリーを簡単に紹介しよう。
 英語の教師であるイギリスの青年ジョー(ヒュー・ダンシー)はルワンダにやって来て、クリストファー神父(ジョン・ハート)が運営する公立技術専門学校に赴任する。ところがフツ族の大統領が暗殺される事件を切っ掛けに、フツ族で組織された民兵によって、ツチ族一掃作戦が開始。大量難民と化したツチ族の住民は平和維持のために国連軍が駐留し、人柄の優れたクリストファー神父を頼って、この学校に逃げてくるのだが・・・

 我々日本人から見ればルワンダという国は遠い異国の地であるが、実話を基にした本作を見ればルワンダという国に興味を持つはずだ。映画は歴史に埋もれた人物や出来事を教えてくれるから非常にありがたい教科書になる。しかも、本作は単なる歴史的事実を描いているだけでなく、色々なことを考えさせてくれる優れものの映画でもある。
 民族争いにより昨日の友が今日の敵になってしまうことに怒りを感じ、罪無き人間がナタで振るわれて惨殺されることに信仰心が揺らぎかけたり、国連軍のダメさを見せ付けられて『世界中が平和になりますように』と願っている俺の希望が打ち砕かれた気分になったり。
 極めつけが、ツチ族のお父さんが国連の軍人にお願いする台詞『せめて子供たちだけでも・・・』!この不条理な世の中が本当に嘆かわしい、アーメン。

 何だか絶望感に打ちひしがれた気分になるが、それでも最後の最後には感動が待っている。本作が生まれた背景には虐殺で死んだ人が居れば、生き残った人も居るということ。本編が終了した後に胸が熱くなる場面が出てくる。
 ルワンダという国に興味がある人、名優ジョン・ハートが好きというコアな人、アフリカに熱い想いを持っている人、『ホテル・ルワンダ』は観ているのにコッチは観ていない人、暗闇の中にほんの小さな希望の灯が感じられるような映画を観たい人・・・等にルワンダの涙をお勧め映画として紹介しておこう

ルワンダの涙 [DVD]
ジョン・ハート,ヒュー・ダンシー,クレア=ホープ・アシティ
エイベックス・ピクチャーズ


 監督はマイケル・ケイトン=ジョーンズ。この監督のお勧めはやっぱりメンフィス・ベル、そしてマイケル・J・フォックス主演のハートフルなドク・ハリウッド、そしてロバート・デ・ニーロとレオナルド・ディカプリオ共演のボーイズ・ライフが良いです。


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映画 レッドクリフ PartⅠ(2008) 三国志の赤壁の戦い

2017年02月24日 | 映画(ら行)
男ならば一度は読んだことがあるだろう吉川英治原作の三国志。その面白さは、1人で何百人も倒していく豪傑、まるで妖術を使うかの如き知将、などが百花繚乱の如く登場して謀略、知力、豪腕を発揮し、読む者に血肉沸き踊る興奮を感じさせる点があげられうだろう。
 そんな全編を通して面白い三国志だが、その中でもクライマックスとでも言うべき戦いが赤壁の戦い!。赤壁の戦いに焦点をしぼったのがレッドクリフ PartⅠと続編にあたるレッドクリフ PartⅡだ。
 歴史好き、三国志ファンでないと本作を楽しめないと思っている人がいるかもしれないが、観る前の予備知識など全くの不要。なぜなら日本公開のためだけのサービスだと思うが、本編が始まる前に日本語でその時代の中国の情勢を詳しく説明してくれてるし、そもそも三国志に大して思い入れのない人の方が純粋に楽しめるような気がする。

 レッドクリフを記事にするのにPartⅠとpartⅡを一緒にして紹介してしまおうとも考えたのだが、それでは手を抜いていると批判されるような気がしたので別々に紹介するとしよう。まずはPartⅠの方から。
 中国北部を制圧した曹操(チャン・フォンイー)は、いよいよ中国全土を支配に置くべく南下する。曹操の大軍の前に劉備(ヨウ・ヨン)の少ない兵力では大した抵抗もできずに敗走。劉備は部下であり、天才軍師として評判の諸葛亮孔明(金城武)の提案にしたがい、孔明を孫権(チャン・チェン)のもとへ送り出す。
 孔明は孫権の総司令である周喩(トニー・レオン)と出会い、最初の内は警戒されるが次第にお互いが意気投合。劉備と孫権はタッグを組んで、曹操の野望を打ち砕くべく赤壁にて迎え撃つのだが・・・

 とにかく流行りものの続編ありきのシリーズ物であり、もっとも盛り上がるはずの赤壁の戦いが始まる前にPartⅠは終わる。個人的にはこのようなやり方は嫌いなのだが、今どきの商売方法としてはこれが最も儲かりやすいやり方ってか!?
 それはさておき、我々が読んだ三国志では劉備にはたいそうな徳があり、勝手に優秀な人間が集まってくるイメージを持っているが本作を観たところ藁草履ばかり編んでいて、どこにそんな人を惹きつける魅力があるのか全くわからない。天才振りを発揮する孔明にしても本作に関しては、お笑い担当みたいな扱い方で活躍しているようには俺には見えなかった。
 むしろ凄いのは劉備の部下である趙雲張飛関羽の三人。原作を読んでいてもこの3人の強さは感じることができるが、実写版を見ていると更に凄いことになっている。それこそ1人で五、六十人の相手をぶちのめし、張飛なんかは素手で刀剣を持っている相手兵の中に飛び込んでいって倒してくるのだからその強さは超人ハルク級。孔明お勧めの戦術らしきものも出てくるが、この3人が居れば戦術の良し悪しに関係なく敵を血祭りにあげてくれる。
 確かに見ていてエンターテイメントに徹していることがよくわかる。しかし、俺が本作を観ていて1番共感できたのが中国統一を掲げた曹操が戦いを挑んだ真の目的、やっぱりそうだよな~なんて思いっきり納得できた。これだから三国志は男にとっては燃える要素がたくさんあるのだと気付かされた。
 ジョン・ウー監督らしくアクション映画として楽しめるし、彼の映画の特徴である白い鳩も効果的に使われていて楽しい。アジアの大スターが達の共演が楽しめるという意味でもレッドクリフ PartⅠを今回とりあえずお勧めしておこう
 


 








 
 

 
 
 
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映画 サムライ(1967) クールな殺し屋が見れます

2017年02月19日 | 映画(さ行)
 冒頭からなんだか意味深な文句が出てくる。『サムライの孤独ほど深いものはない・・・、武士道』。ちょんまげの格好をした侍(サムライ)が登場するのかと一瞬思ったが、本作は当時絶世のイケメンンの大スター、アラン・ドロン主演のフランス映画。フランスの大スターがカツラをかぶって、袴姿で刀を差して登場するわけがない。なるほどフランス人から見た日本のサムライ像とは、このようなものだったのかと少々わかったような気になる映画だ。
 アラン・ドラン演じるタイトル名のサムライとは拳銃一丁で人殺しを請け負う暗殺者のこと。とにかく寡黙で表情をほとんど変えず、高い報酬をもらう代わりに人殺しの任務を忠実に遂行するその様子は、まさに仕事のできる男の見本を見ているような気になる。それにしても暗殺者の行いから学ぼうとする俺の頭の中はどうかなってしまったのか?

 一匹狼の暗殺者の行動が丹念に描かれたフレンチ・フィルム・ノワールの傑作のストーリー紹介を。
 寂れたアパートの一室に、小鳥を一匹だけ飼っている孤独な暗殺者であるジェフ・コステロ(アラン・ドロン)。高い報酬を得るためにソフト帽にトレンチコートのいでたちで出かけて、今日もせっせと人殺しの任務を遂行する。
 いつも通りにひと仕事を終えたジェフ・コステロだが、帰り際にナイトクラブの女性歌手であるヴァレリーに見られてしまう・・・

 最初から暗い画調で台詞が無いまま結構な時間が過ぎるのだが、退屈など全くしない。それは殺し屋の主人公の不安、孤独、寂しさを表現する抜群の演出効果をもたらす。
 まあ、見た目はクールで、ストイックなアラン・ドロン演じる殺し屋だが、けっこうなオッチョコチョイな行動も見られたりする。俺から見れば全く信用できない奴にアリバイを頼んでいたり、まるでワザと誰かに見られてしまうように人殺しを行っていたり、孤独と言いながら綺麗なネエチャンの存在がいたり、カネの受け渡し場所にしてもソリャ~駄目だろうと思えたり・・・!それに数人の目撃者にしても目が悪すぎたり、たった一人の暗殺者を捕まえるのに、パリの警察はよほどヒマなのか笑えるぐらいの人数を動員したりでツッコミどころが多い。このように書いてしまうとボロボロの映画なのかと思えてしまうが、実はブログを書いていて思い返すと気づいたようなレベルで、観ている最中はアラン・ドロンが格好良いので全く気にならない。
 そしてラストのオトシマエのつけ方が、まるで侍の切腹シーンを感じさせ、しびれるぐらいに格好良い。この世の中、言い訳ばかりで行動が全く伴わない無責任な男が多すぎるが、本作を観れば男の美学を学べるわけだ。
 部屋の小鳥、輪っかに掛けられた大量の車のキー、ナンバープレート、札束、包帯など小さい事にも気を使われていて、繊細な描写はフランス映画らしく心地良い。
 すっかりドハデなドンパチする映画に飽きた人、フランス製の渋いサスペンス映画を観たい人、ペラペラ冗談ばかり話したがる男が嫌いな女性、男の美学を感じたい人に、映画サムライを今回は紹介しておこう

サムライ [DVD]
アラン・ドロン,フランソワ・ペリエ,ナタリー・ドロン,カティ・ロジエ
KADOKAWA / 角川書店


サムライ [Blu-ray]
アラン・ドロン,フランソワ・ペリエ,ナタリー・ドロン,カティ・ロジエ
KADOKAWA / 角川書店


 監督はジャン=ピエール・メルヴィル。渋いタッチでフィルム・ノワール作品に手腕を発揮するフランスの映画監督。ナチスドイツが占領していたフランスでのレジスタンス活動の様子を描いた影の軍隊がお勧め。



 
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映画 ショコラ(2000) バレンタインデーといえばこの映画です

2017年02月11日 | 映画(さ行)
 もうすぐバレンタインデーがやってくるが、そんな時にパッと思い浮かぶ映画が今回紹介するショコラ。たくさんチョコレートが出てきて、一見したところ美味しそうに思える映画だ。バレンタインデーと聞くとなぜか心がウキウキする男性が多くなるような気がする。しかし、バレンタインの日こそ、実は男性にとっては勝ち組みと負け組みがハッキリと別れる1年で1番の特別な日。ダンボールに何箱分も詰め合わされているチョコレートをもらうウハウハな男性がいると思えば、何年も身内から義理チョコしかもらえない悲しい男性も多くいる。愛がこもったチョコレートしかもらったことがない俺には、義理チョコをもらう気持ちがわからないのだが・・・。
 そんな俺の自慢話なんかはどうでもよく、実際に本作に関してもチョコレートを多くもらったとか、もらってないといったような話は全く関係ない。チョコレートという甘い素材を活かしながら、人生に思い悩み、苦しんでいる人々に多くの癒しを与えてくれる映画だ。

 タイトルのショコラはフランス語であり、チョコレートの意味。何だかとっても甘~い恋愛映画を想像する人も多いと思うが・・・。それではストーリーの紹介を。
 1959年のフランスのある村において。そこは昔から閉鎖的で、鉄壁な規律、風習、思い込み、偏見等で、村長であるレノ伯爵(アルフレッド・モリーナー)をはじめ、村の人々も古くて、堅い考え方に捉われていた。
 ある日のこと、北風とともにヴィアンヌ(ジュリエット・ビノシュ)とアンヌ(ヴィクトワール・ティヴィソル)の母娘が赤いコートをまとってやって来る。ヴィアンヌはチョコレート店を開店し、村人達から好奇の目で見られながらも彼女が作る不思議な力を秘めたチョコレートは、次第に村の人々に癒しと希望を与えていく。
 しかし、それは彼女を快く思わないレノ伯爵とヴィアンヌの対決につながっていくのだが・・・

 まるで独裁的に振る舞う村長の圧政に苦しむ村人たちを、他所からやって来た風変わりな女性が助けるヒロインの活躍を描いたストーリのように思えたりする。しかし、実のところ悪人に思える村長は昔ながらの時代遅れの規律を守っているに過ぎないどころか、頑なに断食を守るところなんかはナイスガイに見えたりするし、保守的過ぎる村に対して改革者の役割を担っているかのような女性にしても旧い因習に捉われている事がわかってくる。
 この世の中において古き良き伝統を守ることは良いのだが、昔からの悪い点が改善されないのはいかがなものか?まあ、日本で言えばサービス残業がその類に当てはまるか。
 本作の村の住人は、宗教の教えにがんじがらめだったり、男尊女卑の考え方にしがみつき過ぎている夫婦、閉鎖的過ぎて寛容さが欠けている人、子供をしばりつけている親などである。このような登場人物を見ていると、ちょっと考え方を考えれば良いのに、本当の幸せを見失っていることに気付く。現実の世界においても、まるで何かに取り付かれたかのように頭の中が頑固な考え方に支配されてしまって損をしている人を見かけるが、この映画を観ればきっとそんな人達も幸せな生き方を見つけられる、って本当かよ。

 なんだか堅い紹介になってしまった気がするが、途中から登場してくるジョニー・デップは格好良くて大人の恋愛映画として楽しめるし、そしてユーモアがあって笑えるし、何と言っても人生に悩んで、傷ついている人を癒してくれるのが良い。
 チョコレートがいっぱい出てくるいう浅はかな考えだけで、バレンタインデーで思いつく映画として挙げてしまった気がするが、何はともあれ恋人同士が素敵なバレンタインデーを過ごせるために観てほしい映画として今回は映画ショコラをお勧めしておこう

ショコラ [DVD]
ジュリエット・ビノシュ,ジョニー・デップ,ジュディ・デンチ,アルフレッド・モリーナ,レナ・オリン
ワーナー・ホーム・ビデオ


 監督はスウェーデン人のラッセ・ハルストレム。癒し系の感動する映画を撮ってくれる個人的にお気に入りの映画監督の1人。彼のお勧めはギルバート・グレイブサイダーハウス・ルールが良いです。


 
 


 


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映画 ボブ★ロバーツ/陰謀が生んだ英雄 (1992) トランプ大統領誕生で観たくなる

2017年01月26日 | 映画(は行)
 史上最低の大統領選挙を経て、いよいよトランプ新大統領が動きだした。就任していきなり早々に全米各地で反対デモが起こるなど厳しい船出になったが、果たして彼はアメリカ国民に恩恵をもたらすのか、そして日米関係を含む世界秩序にどのような変化をもたらすのか
 トランプ新大統領及び昨年の大統領選挙を見ていて、直ぐに頭に浮かぶ映画が今回紹介するボブ★ロバーツ/陰謀が生んだ英雄。しかもノーベル文学賞をミュージシャンのボブ・ディランが受賞したとなれば、尚更この映画を今の時期に紹介したくなってしまう。

 映画自体は大統領選挙ではなく、上院議員選挙を描いているようにスケールダウンするが、本作の主人公はけっこうトランプ大統領と似ているところが多い。例えばウヨクチックな思想を持ち、億万長者であり、ポピュリズム運動で巧みに一般ピープルを洗脳する。しかし、この映画の価値を見い出すのは主人公のキャラクター振りではなく、選挙戦の行方と結末。観ている我々に民主主義の正しいあり方を考えさせるストーリーとは如何なるものか。

 1990年、湾岸戦争前において。弱冠35歳にしてスター歌手にまで上り詰めたボブ・ロバーツ(ティム・ロビンス)がペンシルヴァニア州の上院議員選挙に立候補する。ボブ・ロバーツは選挙参謀にチェット・マクレガー(レイ・ワイズや、私的政治団体を主宰するルーカス・ハート三世(アラン・リックマン)を仲間に引き入れ選挙戦を展開する。
 当初はセンセーショナルな話題も手伝って現職候補を相手に善戦。そしてマスコミが現職のスキャンダルを報道したこともあり、中間調査で逆転。しかし、黒人ジャーナリストがボブ・ロバーツ及び、その周辺の過去を暴きたて、再逆転を許してしまうのだが・・・

 実はボブ・ロバーツのキャラクター設定が凄い。前述した以外にフェンシングの名手であり、麻薬撲滅を訴える運動家であり、投資家であり、CIAとも関係していたり、そしてギターを弾く歌手。お前は一体何者なんだよ!と思えてしまうが、案外観ている最中はティム・ロビンスの外見が周りにもいそうな雰囲気を漂わせているから突出した人間には見えないのが良い。
 しかし、こういうブラックな政治映画を観ると、我々有権者は普段から政治に興味を持つことが大切だと感じる。メディアだけの情報をうのみにして投票すると、とんでもない人間をリーダーに選んでしまうことの怖さを本作から少しは学べる。
 ドキュメンタリータッチの構成に少々取っ付きにくい面もあるが、政治映画として学ぶべき点が多くある映画。20年以上前の映画ではあるが、まさに今こそうってつけの映画として今回はボブ★ロバーツ/陰謀が生んだ英雄を紹介しておこう

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 監督は主演も兼ねるティム・ロビンス。監督としては死刑制度の是非を問うデッドマン・ウォーキングがお勧め。





 
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映画 失われた週末(1945) アルコール中毒の苦しみを描く

2017年01月06日 | 映画(あ行)
 もうお正月気分も終わる頃だが、今年も酒を飲んだくれて未だに体の中に酒が残っているんじゃないか?と思える人が俺の周りにもチラホラ居る。酒を飲んでいて注意したいのがアルコール中毒。アル中になった恐怖を名匠ビリー・ワイルダー監督がスリリングに描いたのが今回紹介する失われた週末。ちなみに本作はアカデミー作品賞、アカデミー監督賞などに輝いているように名作だ。
 本作は冒頭から凄いシーンで始まるので、最初から気を抜いて観てはいけない。ニューヨークの情景を流して、アパートの一室の窓をカメラがとらえる。そこに写しだされるのが、窓からヒモでぶら下げられた酒ビン。このシーンだけで主人公がひどいアル中男だとわかる。
 しかし、この男のアル中度がマジでやばい。周囲が彼に酒を飲ませないようにすればするほど、笑えるぐらい姑息な手段を使って酒を飲みたがる。しかし、この様子がハッキリ言って人間のクズレベル。酒を飲みたいがために金は盗むわ、酒屋の店員を脅すわ、バーで酒をタダで飲もうとしたり、自分の部屋のあらゆる部分に酒を隠していたりしている。そして何といっても一番ダメなのが、酒の飲みすぎで女性とのデートをすっぽかしてしまうこと。


 それではアル中に陥ってしまったダメ男のストーリーを簡単に紹介を。
 売れない作家のドン・バーナム(レイ・ミランド)はまだ年齢は30代前半なのだが極度のアルコール中毒。そんな彼を兄のヴィック(フィリップ・テリー)やバーナムの恋人のヘレン(ジェーン・ワイマン)が、アレやコレやと彼をアル中から立ち直らそうとするのだが、どうしようもない。
 2人はアル中のバーナムが、少しでも気が紛れるようにと週末に旅行に連れ出して、酒を忘れさそうとするのだが・・・

 なんだか今、改めて観直すとアル中の男を見ていると言うより、覚せい剤を常習している人間を描いているように見えるのは、今の日本の時世のせいなのか。しかし、観ていて不思議に思ったのがアル中の男に素敵な彼女が居ること。出会いはさておき、自らを犠牲にしながらもアル中男にトコトン想いを募らせている姿を見ていると、とっくに女性の方が先に神経を参らせても仕方なく見える。とことんダメな男に尽くす女性は、美しくも見えるが、どこか悲しくも見えてしまうのは何故だろう?
 アル中男のダメッぷりが凄いが幻覚症状に陥った時の映像シーンはホラー映画なみに怖いし、電子音楽が恐怖心を煽るのに非常に効果的に使われている。

 アル中の人がこの映画を観たら、他人に迷惑をかけているだけでなく、自分のだらしなさにも気付く。とにかくアル中だと自覚している人だけでなく、覚せい剤から抜け出せない人も今回紹介した映画失われた週末を観れば、終わった後に何となく勇気づけられるのではないだろうか?
 正月で酒を飲みすぎたと言う人も多いだろうから、今回は失われた週末をお勧め映画として挙げておこう

失われた週末 [DVD] FRT-139
フランク・フェイレン/ドリス・ダウリング/レイ・ミランド/フィリップ・テリー/ジェーン・ワイマン
ファーストトレーディング


 監督は僕の最も好きな映画監督であるビリー・ワイルダー。彼のお勧めとして今回はアパートの鍵貸しますを挙げておこう。



 
 
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映画 シザーハンズ(1990) 雪が降っている時に観たくなる

2017年01月03日 | 映画(さ行)
 俺は雪が降るのは好きではないのだが、ポカポカと温かい部屋から外の雪景色を見るのは大好き。雪が降っていて、ロマンチックな気分になりたい時に観たくなる映画が今回紹介するシザーハンズだ。主人公はタイトルから想像できるように、やたらデカいハサミが手の代わりになっているように、まだ出来損ないのエドワードと名付けられた人造人間
 ハサミで出来た手だけを見ていると、ホラー映画のキャラクター並みの怖さを感じさせるが、実はこいつがピュアでとても良い奴だ。根は良い奴なのに、手がハサミなのでうっかり自分の顔を傷つけたり、自分を愛してくれる人までも傷つけてしまったりで、そこがまた泣かせる。

 
 さて、手がでかいハサミである人造人間とちょっとヤンキーな少女の、儚くも美しいラブストーリーの紹介を。
 化粧品を売っているペグ(ダイアン・ウィースト)だが、自分の住んでいる住宅街では全く売れず、たまたま目にした住宅街に接している幽霊屋敷みたいな豪邸に化粧品を売りに行こうとする。そこでペグが見たのがエドワーズ(ジョニー・デップ)と名付けられた手がでかいハサミをした人造人間。独りぼっちでこんな寂れた豪邸に住んでいるのは可哀相だと思ったペグはエドワードを自分の家に連れて帰る。
そんな時にペグの娘のキム(ウィノナ・ライダー)が家に帰ってきて、エドワードを見て化け物だと思ってビックリ。しかし、やがてエドワードはキムに恋するようになり、キムも次第にエドワードに好意を持ち始めるのだが・・・


 手がハサミなんて全く役に立たないどころか、面倒なだけだろうと思って見ているとコレが意外に使い勝手が良い。住宅中の庭の植木を動物風に手入れしたり、人間や犬の毛もチョッキン、チョッキンと起用に素早くやるもんだから、人造人間でありながらも住宅中では超人気者、しかも心は人間よりも純粋なだけに性格の良さは申し分がない。この辺りの描写は異形物に対する愛情が溢れているティム・バートン監督らしい演出が際立っている。
 しかし、ファンタジー色が強い本作だがティム・バートン監督の凄いのは人間に対する皮肉も描いているところ。こんな素敵な人造人間エドワード君を人間が自分の欲のために利用する姿は非常に辛辣であり、多くの人もこの映画を観た後に、自らの胸に手を当てて問いかければ良いだろう。私もこの映画に登場する人間達のようになっていないだろうか?と。そして、どうしてエドワードがこんな中途半端で手抜きの人造人間になった真相を知ると、これまた泣ける。

 そしてこの映画のビジュアルセンスが良い。住宅の全てがパステルカラーの家なんて場所が本当にあるのかどうか知らないが、見た目からして楽しい映像が満載だ。氷の彫刻をエドワードが創造している時にキム(ウィノナ・ライダー)が踊っているシーンなんかは美しさを感じさせ、これが冒頭の話に繋がってきて素敵な話を盛り上げる要素になっている。
 手がハサミのために好きな人を抱きしめることができない悲しさを人造人間から教えられるという意外な展開は楽しいし、そしてチョッとアホさを発揮している人間に対するシニカルな演出はブラックユーモアを感じさせるし、恋愛の結末もこれで良かったんだと妙に納得できる。喜怒哀楽の全てを程よく感じさせてくれて、雪が降っている日にカップルで観ると更に楽しめる映画として今回はシザーハンズをお勧めとして推しておこう

シザーハンズ(特別編) [DVD]
ジョニー・デップ,ウィノナ・ライダー,ダイアン・ウィースト
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


 もちろんブルーレイもあります
シザーハンズ [Blu-ray]
ジョニー・デップ,ウィノナ・ライダー,ダイアン・ウィースト
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


 監督は前述したとおりティム・バートン。ちょっとグロイ映像もあるけれど、アニメ色豊かな映像及び意外性のあるストーリー展開は多くのファンを持っている。お勧めは、最近再ブレイクしているマイケル・キーンが怪演を見せるビートル・ジュース、ジャック・ニコルソンがやりたい放題のバットマン、個性的な登場人物が多く登場するビッグ・フィッシュ、チョコレートがやっぱり食いたくなるチャーリーとチョコレート工場等が良いです。

 

 
 
 

 

 
 






 

 
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映画 わが谷は緑なりき(1941) モノクロの映像の凄さを感じます

2017年01月01日 | 映画(わ行)

 映画史に名を残す巨匠ジョン・フォード監督。西部劇の神様と呼ばれるぐらいだから駅馬車荒野の決闘など西部劇の名作が多い。しかし、彼の詩情豊かな映像はヒューマンドラマにこそ生かされると思っているのは俺だけではあるまい。そんなヒューマニズムを謳いあげる彼の頂点に立っている映画が今回紹介するわが谷は緑なりきだ。 
 19世紀末のイギリス、ウェールズの炭鉱の町を舞台に、家族、善意、ノスタルジー、信仰、生と死など、名作なだけに多くのことを見ている我々に問いかける。

 さて、炭鉱町を舞台に描かれる人間模様のストーリーとはいかなるものか。
 かつては炭鉱の町として栄え、緑の谷だったロダンの谷。今や炭鉱の町として成り立たなくなり、すっかり緑も消えて砂塵が吹いていて、町の住民の心からも善意が消えてしまっていた。50年間この場所で暮らしていたヒュー・モーガン(少年時代:ロディ・マクドウォール)は故郷を離れることを決心した。彼が少年だった頃、まだ彼の家族が揃っており、ロダンの谷に緑が溢れ、人間の善意が成り立っていた頃を懐かしみ、回想する。
 モーガン家の男達は、まだ少年のヒュー(ロディ・マクドウォール)以外は炭鉱で働き、女性達は家庭を支える。ロダンの谷は緑に恵まれ、町には常に歌が流れ、人々の善意で溢れていた。しかし、ロダンの谷にも炭鉱業の不景気の波が押し寄せられ、同時に住民の心もどこか荒んでいくにしたがい、モーガン家もバラバラになっていき・・・

 ストーリーはそう単純なモノでもなく、色々なエピソードがモーガン家を中心に積み重なっていく。モーガン家のしきたり、ロダンの谷にやってきた牧師とモーガン家の長女の恋愛、炭鉱場で起きる事故、ヒュー少年に対するイジメなど、悪いことが起きれば良い事も起きるのだが、そのサジ加減のバランスが良くて、非常に落ち着いた気分で観ることができる。
 そしてこの映画がタイトルからは受けるイメージとは異なり、映像はモノクロ。しかし、このモノクロの映像から映し出されるロダンの谷は美しく、見ている我々の想像力をかき立てる映像は歴代映画の中でも群を抜く素晴らしさ。
 そして見る人によって本作について色々な感想がありそうだ。俺が本作を観て、最も感銘を受けたのが、『今の記憶が消せても、過去の記憶は消せない』というフレーズ。確かに過去の出来事においての家族や愛する人との別れの悲しみは一生消せない。しかし、それは決して悪いことばかりではない。逆に言えばいつまでも家族や愛する人は自分の心の中に生き続けるのだ。
 そんな前向きに生きるメッセージを得られるのが本作の良さであり、信仰は自らに重大な決断を促し、歌からは大きな力を得ることができて、愛する故郷をたとえ離れても自らの心の中に在り続けることを本作を観れば理解できる。誰にとっても大切なモノを失った悲しみは大きいだろう、しかし失くして大切なことに気付くことも多くあるはずだ。
 今年最初に観る映画として、今年はどんなに辛いことがあっても前向きに生きるんだという強い気持ちになれて、大いに感動できる映画として、わが谷は緑なりきをお勧めしておこう

わが谷は緑なりき [DVD] FRT-113
ロディ・マクドウォール/アンナ・リー/ウォルター・ピジョン/ドナルド・クリスプ/モーリン・オハラ
ファーストトレーディング


 監督は前述したとおり巨匠ジョン・フォード。映画史に名を残す偉大なる監督なだけに名作かつお勧めは多数。スタインベック原作のヘンリー・フォンダ主演の怒りの葡萄、西部劇の範疇にとどまらず映画史に残る大傑作駅馬車、アイルランドを舞台にチョッと恋愛にブキッチョな男をジョン・ウェインが演じる静かなる男が良いです。


 
 

 
 


   
 
 
 
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映画 ファイトクラブ(1999) カルト的な傑作

2016年12月30日 | 映画(は行)
 映画というのは公開された時は、ボロボロの評価であったり、お客さんが全くの不入りだったとしても、後にこれは大傑作だと評価が一変したり、カルト的な人気を博す映画なんて多々ある。そんな映画の一つが今回紹介する映画ファイトクラブ
 公開当時は殴りあう描写が暴力的過ぎると批判を受けたり、前半は何をやってんだか1回観ただけではワケがわからなかったりで、確かに万人に受けるタイプの映画ではないだろうし、「私は幸せで一杯です」という人にはこの映画を観ても楽しめないかもしれない。
 しかし、この映画には平凡に何不自由なく暮らしていながらも、どこかにやるせない不満と怒りを抱えて生きる人間の心の闇をえぐり出すパワーがあり、その表現の仕方がなかなか面白い。

 
 さて、今や名作とすら誉れ高いそのストリートは、どのようなものなのか。
 不眠症に悩まされていたジャック(エドワード・ノートン)は一時は改善の兆しが見られたが、謎の女マーラ(ヘレナ・ボナム=カーター)と出会って再び不眠症が悪化してしまう。
 ある日のこと、ジャックは出張中に飛行機の中で、少しばかりワイルドな雰囲気を持つタイラー(ブラッド・ピット)と出会う。俺を殴れとケンカを求めるタイラーに戸惑いつつも彼の持つカリスマ性に惹かれていき、2人はやがて殴り合える仲間を集めて秘密結社「ファイトクラブ」を作り上げ、次第にメンバーも増えていく。
 やがてジャックはタイラーの思惑と衝撃的な事実を知り驚愕に陥ってしまうのだが・・・

 この世の中において金持ちと貧乏人の差が広がっている格差社会に不満を持っているだけでなく、物質に満たされていても精神的に満たされていない人は想像以上に多い。確かに俺もこの世の中に対して、何となく時間の制約があり不自由に感じることが多くある。そんな俺みたいな多くの男性が憧れるのが本作の主人公タイラーを演じるブラッド・ピットのような男。外見はチョッと悪そうな雰囲気が危険な香りがして格好良く、自由に生きていて、時々哲学的な事を言いながら笑わせることができて、ケンカが強くて、激しいセックスで女を悦ばす。男ならば誰だってこのような男に憧れ、女性だって平凡な男よりもちょっと危険な香りのする男に惹かれるとしたものだ。
 これは公開当時は観ていて意味不明だったとしても、後々に俺もブラッド・ピットのような男になりたいなんて思う奴が多く出てきても不思議ではないし、それぐらいのカリスマ性のある魅力に富んでいるキャラクター。ラストの衝撃度は実はそれほど新鮮さは無いが、このような描き方があったのかと思わせる結末は良い。
 何だか平凡な日常に飽きた人、特に不満は無いのだが何となく刺激を欲している人、不平等な世の中に怒りを感じている人、そしてケンカが好きな人にはカルト的傑作であるファイトクラブを今回はお勧めしておこう

ファイト・クラブ [DVD]
エドワード・ノートン,ブラッド・ピット,ヘレナ・ボナム・カーター
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


 監督は鬼才デヴィッド・フィンチャー。この人のオープニングって本作に限らず格好良いですね。彼のお勧め作は出世作となったセブン、夫婦ってこんな感じなのかなと思わせるゴーン・ガールあたりが良いです。

 

 

 

 

 



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映画 西部戦線異常なし(1930) 反戦映画の傑作

2016年12月28日 | 映画(さ行)
 1930年制作というメチャクチャ古い映画だが反戦映画の傑作として未だに色あせない映画がコレ。しかし、本作はアメリカ映画だが第一次世界大戦中におけるドイツ側からの視点で描いた珍しいタイプの作品だ。最近の俺は反戦映画と言われる映画を観ても、どこか偽善的な匂いしか感じられず大して感動しなくなってしまっていることが多いのだが、今回紹介する西部戦線異状なしは久々に戦争の悲惨さを感じることが出来た映画だった。ちなみにタイトルにある西部戦線とはドイツとイギリス・フランスをはじめとする連合国の戦いのことである。
 戦争と言っても悲惨なのは何も戦場だけの出来事ではない。次々と人の命が失われていくことの恐ろしさは当たり前だが、本作は更になぜ戦争が起きてしまうのか、なぜ戦争をしてはいけないのか等、戦争についてのダメ出しを次々と述べてくれる。
 しかし、本作が制作された1930年だが、この時期といえばちょうど第一次世界大戦の終了と第二次世界大戦が始まりの間。同名タイトルの原作は世界的ベストセラーになり、映画も大ヒットして多くの人の心を掴んだはずなのに、それでも第二次世界大戦が起きてしまった。今、この古い映画を観ると人間の馬鹿さが更に浮き彫りになってくる。

 本作が制作されて85年以上の年月が流れながらも、未だに世界大戦が起きることのリスクを背負い続ける世界情勢を重ねてみると更に考えさせられるストーリーの紹介を!
 第一次世界大戦中のドイツの学校において。授業中にも関わらず教師は学業はそっちのけで、生徒に必要以上に愛国心を扇動し、軍隊に入ることを促す。さっそく5人の生徒が教師の言葉に感化され入隊を志願。しかし、彼らは本物の戦場で過酷な現実を目の当たりにし、体験することによって、人間同士が争うことの戦争の意義に疑問を感じ始めるのだが・・・

 戦争が始まってしまう理由に扇動者の存在がある。変に強硬なナショナリズムを訴え、戦争を起こして来た人物が多く居ることは、我々も歴史の勉強を通じて、よく知っている。そうやって血気盛んな若者を次々に戦争へ送り込むわけだ。
 そして戦場と本国における人間の感覚の温度差の違い。戦場を知ってしまった主人公の若者が故郷に帰ってきた時の絶望的な様子は観ている我々に戦争の愚かさを問い質すシーンだ。そして、本作のラストシーンが非常に印象的。実はこの映画を観るのは2回目なのだが、このラストシーンしか俺は覚えていなかった。俺の記憶力の悪さもあるが、ラストシーンの印象的な映画としてこれからも後世に伝わるだろう。
 古い映画なので少々撮影技術的に危なっかしい場面も見られるが、銃撃戦の見せ方なんかはよく出来ている。こんな古い時代にもこれだけ戦争の愚かさを的確に突いている映画として名作中の名作である西部戦線異状なしをお勧めとして挙げておこう

西部戦線異状なし [DVD] FRT-003
リューエアーズ,レイモンド・グリフィス,ジョン・レイ,リュー・エアーズ,ルイス・ウォルハイム
ファーストトレーディング


 監督はルイス・マイルストン。この人のお勧めはオールスターキャストで話題になったオーシャンズ11のリメイク基であるオーシャンと十一人の仲間がお勧めです。


 
 
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映画 素晴らしき哉、人生!(1946) ひたすら生きる気力が湧いてきます

2016年12月24日 | 映画(さ行)
 日本において一時は自殺者数が年間で三万人を超え、近年は二万五千人台に減ってきているとはいえ、未だに自殺大国であるニッポン。毎日60人以上が自殺し、今日も自殺しようかと悩んでいる人は果たして何人居るのだろうか?そんな深き悩みに陥っている人たちにぜひお勧めしたい映画が今回紹介する素晴らしき哉、人生!。名作中の名作なだけに多くのことを我々に教えてくれる映画だが、とりわけ人間の善意、本当の幸せとは何か、生きることの意味を改めて問い質す。

 
 さて、クリスマスの日に起きる奇跡に全ての人が感動するストーリーとはいかなるものか。
 世界を飛び回ることを夢みながらも、父親の急死で小さな町で家業を継ぐことになってしまったジョージ(ジェームズ・スチュアート)。彼の善意ある行動、真摯な態度は町の住人からも愛され、町一番の大富豪であるポッター(ライオネル・バリモア)の圧力にも屈せず何とかやって来た。ところがジョージはポッターの計略にはまってしまい不運な出来事に襲われる。
 ニッチモサッチモいかなくなったジョージはクリスマスの夜に自殺をしようとするのだが、そんな時に翼のない年寄りの天使が現われて・・・

 正義感に溢れ、横暴な権力者の嫌がらせに屈せず、弱気を助け、町のために利益の損得勘定を抜きに働く私欲の無いジョージのキャラクターは、俺と重なるところが多くあるので、個人的に共感を得やすい。さて、ジョージの困っている人たちに施す善意は本当の幸せを見失いがちになっている現代の我々に非常に大切なことを教えてくれる。ここでいう善意とは何か
 時々『俺がお前のために世話をしてやったんだから、お前も俺のために何かしろよ!』と言うような見返りを求める奴がこの世の中には多い。しかし、本来善意とはそのようなものでは無いはず。困っている人間を見かけたら助けるだけのことであり、そこに自らの利益の計算など入る余地など無いし、見返りを求めるなんてもってのほか!
 よって善意にあふれるジョージはおかげで金持ちでは無い。しかし、彼にはお金よりも、もっと大切な事を得た。本作を観れば、幸せとは決して大金持ちになることではないことがよくわかるし、本当の幸せとは何かがよくわかる。
 そりゃ~善意を見せたとしても、逆に裏切りとして返ってくることがあるだろう。むしろその方が多いかもしれない。しかし、見返りのない本物の善意が自分の知らない所で少しでも、この世に役立っていることを知った時に大きな喜びを味わい、この上ない幸せを感じるはずだ。
 今、この時期に大きなトラブルに巻き込まれて自殺しようかと悩んでいる人、自分から勝手に不幸だと思い込んでいる人、なんだか最近はメンタルが弱っていると感じている人・・・等には、ひたすら生きる気力が湧いてくる映画として素晴らしき哉、人生!は超お勧め映画だ

素晴らしき哉、人生! [DVD] FRT-075
ジェームズ・スチュアート,ドナ・リード,ライオネル・バリモア,ヘンリー・トラヴァース,トーマス・ミッチェル
ファーストトレーディング


 監督はハリウッド黄金期を代表する名匠フランク・キャプラ。彼の映画は正義感、笑い、希望を与えてくれるのが良い。彼にしては異色サスペンスの毒薬と老嬢、俺から言わせればローマの休日ってこの映画をパクってるんじゃないかと思わせる或る夜の出来事、これぞ善人の見本だと感じさせるオペラハット、こんな生活をしてみたいという理想を感じさせる我が家の楽園がお勧めです。

 
 


 


 





 
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映画 フィラデルフィア(1993) 有名な都市ですが・・・

2016年12月15日 | 映画(は行)
 日本人でも知っているアメリカ有数の都市であるフィラデルフィア。歴史的にはアメリカ独立宣言が行われた場所として知られている。もちろん本作はタイトル名どおりにフィラデルフィアを舞台とした映画であり、エイズゲイに対する偏見が真っ向から描かれている。
 本作の公開当時はエイズに対する認識が不足しており、手が触れたり、一緒の風呂に入ったりするだけで感染してしまうというような寒いギャグ同然の噂が流れたりしたが、本作もそのよう一端を示すようなシーンが見られる。
 さて、偏見、差別、不正から正義を取り戻そうとする内容はハリウッド映画が十八番とするド定番。しかし、本作でそれとは別に興味が惹かれるのは、先ほどから何回も繰り返しているフィラデルフィアという題名。実はこの都市名の語源はギリシャ語からきており、その意味するところは兄弟愛。題名に秘められた想いを知ったときに、更に感動が大きくなる仕組みだ。
 さて、兄弟愛の都市で繰り広げられる偏見、差別、不正から正義を取り戻すための戦いを描いたストーリーを簡単に紹介しよう。

 フィラデルフィアの一流法律事務所で働くベケット弁護士(トム・ハンクス)は昇進をかけて、重要な訴訟問題に取り組む。ところが思いもしない訴訟資料の紛失に、突然のエイズ宣告。次々にトラブルに見まわれたベケットは社長のウィラー(ジェイソン・ロバーズ)からクビにされてしまう。
 ベケットは元の職場に不当解雇の訴訟を起こすために行く先々で弁護士を訪れるが、断わられるばかり。かつて法廷で争ったミラー弁護士(デンゼル・ワシントン)の元にも訪れるが、気乗りしないミラー弁護士からも断わられる。
 それから数ヵ月後、ミラー弁護士は図書館で周囲から冷たい目で見られながらも、前よりもやせ細った姿で黙々と資料を漁り続けるベケットを見かける。言われ無き偏見に晒されながらも正義を取り戻そうと戦うベケットの姿に心を撃たれたミラーは、ベケットと一緒に戦うことを決意するのだが・・・

 本作はトム・ハンクスに2年連続でアカデミー主演男優賞をもたらした作品としても有名だが、ちまたでよく言われるのが、痩せゆくエイズ患者を熱演していること。本作を切っ掛けに名優として地位を築き上げたのだが、しかし俺から見れば特別彼の演技が凄いとも思わず、むしろメイク技術をもっと褒めるべきだと思うのだが。
 本作の監督であるジョナサン・デミが前作の羊たちの沈黙の大成功に気を良くしたからなのか、今回も俳優のドアップの顔を写しまくる演出を見せるが、この辺りの評価は判断の別れるところ。個人的には美人女優の顔だったら大いに納得していたと思うが、いかんせん個性派俳優達の顔のドアップを見せられるのはチョッときつかった。
 現在において、エイズやゲイに対する偏見、差別の映画を見ても大してのめり込めない人が多いと思うが、あの国は未だにあらゆる差別が存在している。これからあの国の大統領になろうとしている人物は人種差別主義者なのか単にレッテルを貼られているだけなのか、よくわからない部分があるが、そんな時にタイムリー(?)な映画として本作はお勧めできる。
 更に、音楽は中々いけるし、ナンダカンダ言っても豪華脇役の俳優達の演技は注目に値するし、確かに兄弟愛を感じさせる。本作は法廷劇を用いた社会派映画のカテゴリーに入ると思うが、家族の優しさが身に沁みる映画でもある。いわゆる正統派な内容で安定感のある作りなので決して退屈することはないし、多くの人が感動できる映画として今回は映画フィラデルフィアをお勧めしておこう

フィラデルフィア (1枚組) [DVD]
トム・ハンクス,デンゼル・ワシントン,アントニオ・バンデラス,ジェーソン・ロバーツ
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント


 監督は前述したジョナサン・デミ。この人のお勧めとするやっぱりサイコサスペンスの傑作羊たちの沈黙は外せない。そしてアン・ハサウェイが少々捻くれた役を演じているレイチェルの結婚もお勧め。


 
 

 

 


  


 



 
 
 
 
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