いーなごや極楽日記

極楽(名古屋市名東区)に住みながら、当分悟りの開けそうにない一家の毎日を綴ります。
専門である病理学の啓蒙活動も。

道路がいらないとは言わないが

2008年01月25日 | たまには意見表明
 「もう道路整備費用は余っているから一般財源に」と言い出したのは政府自民党だと思うんですが、すっかり忘却されたようで、「まだ道路は必要だからガソリンの暫定税率は廃止できない」というのが今国会での公式見解のようです。

 私たちユーザーも道路がいらない、とは言いませんよ。でも道路整備の費用がどう見ても高過ぎませんか?日本の道路建設費用はイギリス、ドイツ、フランス、イタリアの四大先進国の建設費用の合計に匹敵するんだそうです。

 それだけ巨額の費用を投入して、どれだけ整備できたのでしょうか?国土の各地域を結ぶ主要な動脈である高速道路で見てみましょうか。国土交通省の資料によれば、日本の高速自動車国道の総延長は約9,000km。最初の高速道路である名神高速道路が一部開通したのは1963年です。ここまで40年以上も掛かっているのですね。

 一方、この20年で高速道路整備を急速に進めた中国の高速道路の総延長は、驚くなかれ5万km!!年数と距離を計算すると、日本の10倍以上のペースで高速道路ができているわけです。「地方経済活性化のために高速道路を」と枕詞のように言われますけど、膨大な金額を使って、中国の1割以下の効率でちんたら道路を作っていたのが実情なんですよ。これで国際間の経済競争に勝てるわけがないでしょうが!

 もちろん、日本は土地の値段も高いですし、道路予定地に民家があれば強制撤去するような国とは事情が違います。しかし現在建設されている高速道路網のほとんどは地方にあります。田舎でも土地の収用には東京23区並みの補償をしているのでしょうか?それとも中国の10倍も高価なアスファルトを使っているのでしょうか?

 中国の高速道路は路線毎に独立した株式会社が建設、運営しており、ハイペースで建設を続けていながら大きな黒字を計上しています。例えば10年前に「浙江高速道路」の株を買っていれば5倍ほどに上がっています。一方の日本では分割民営化されたとは言え、道路会社は国土交通省の命令で不採算路線を作らないといけませんし、道路公団時代のファミリー企業を隙間なく、どころか何重にも抱えています。それで公団時代の43兆円もの借金を返済しないといけないわけですから、まともな運営ができるはずがありません。

 はっきり言いましょう。日本の高速道路の整備が進まないのは、予算が足りないからじゃありません。効率があまりに悪いからです。政治的に不採算路線の建設を決めて、関係者が押さえている土地を高値で買い取り、またファミリー企業が随意契約できるように区間を細切れにして発注するようなことを繰り返しているから整備が進まないのです。この大浪費の仕組みを温存しておいて、「ガソリンの暫定税率が廃止されれば道路が整備できない」と言うのは納税者に対するペテンに他なりません。

 この仕組みが変わらない現状では、暫定税率は廃止して国民が自由に使えるようにするのが最も効率のいい経済政策です。問題になっている職員の野球用具だけじゃなくて、本業の道路建設や運営でも無駄に無駄を重ねて税金を浪費してきたのが今までの道路行政なのですから、日本経済が一流でなくなった今、きちんとリセットして出直すべきです。やっぱりガソリンは値下げしましょう。
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