旧愛電デハ3300系は北鉄の他にも、豊橋鉄道と大井川鉄道に譲渡されていますが、大井川のは昭和55年位には運用離脱、昭和60年頃に廃車、解体されているので、現役時代に触れる事が出来たのは、北鉄と豊鉄だけです。サイドビューに原形の面影を良く残していた北鉄3770に対し、ステップ切り落とし、3扉化、非貫通化と無残な姿に成り果てた豊鉄1800には、比較的遅くまで存命だったにも拘らず、余り食指が動きませんでした。
重い腰を上げて豊鉄渥美線を初めて訪問したのは、1500V昇圧の話が具体性を帯びてきた頃です。 しかも名鉄揖斐、谷汲線のついでに…今思えば1日費やしてでも朝の走りを撮っておくべきでしたが、名鉄600V線の魅力の前に存在が霞みました。それにしてもこの電車に埋め込み方向幕も、角形の2灯式ライトケースも如何にも不似合いで、魅力を削いでいた事は否めません。
こんなカットからはオリジナルの片鱗を微かに感じます。1801Fは昇圧後も高師に保存前提で暫く留置されていましたが、名鉄グループの方針が変わった事もあり、数年後には結局解体されてしまいました。戦前期に高水準を誇った旧愛電系の電車も、近年まで3200,3300,3400が現役で残っていたのに、五体満足に保存されたのは1輛も無いのが残念です。
旧西武220も、長電流れも、適当にしか撮っていません。この少し後には1500V昇圧で在来車は一掃され、今では東急しかいませんが…
(1995年3月28日 タイトルカット:高師駅、他:三河田原駅)
モハ3773のジャンパ栓納めの謎、同車は事故復旧歴ありでしたか…それで3771と3772が車体側なのに、3773だけ床下装備なのに合点が行きます。事故以前の3773の写真が見つかれば謎は完全に解けるのですが、1960~70年代の古い写真は意外に出てこないですよね。
名鉄の保存車ですが、P車の先頭2輌に、3400の先頭1輌保存されているだけ、近鉄や南海よりはマシです。(特に近鉄は良く言えば過去を振り返らない社風なんでしょうね。車輌だけでなく、沿革からもほぼ無かったことにされてしまった近鉄バファローズ…)でも一時の名岐、愛電、美濃電の代表形式を動態保存していた頃から見ると残念な状況であることは確かですが。(隣を走っている某社もトップの代替わりと共に残念なことになりましたが)