4月に「かはく」の上野本館に行ったきりで、そろそろ行きたいと思っていましたし、今週末で終わってしまう「企画展」もありますのでそれを見るために、本日仕事帰りに行ってきました。
今回私が気になり見に行きたかったのは「生き物に学び くらしに活かす -博物館とバイオミメティクス-」です。こちらも12日で終わってしまうのでやはりタイミング的に、今日しか無いワケですよ。
さて、今回の「バイオミメティクス」ですが、多くの方は何?と思うでしょう。この言葉は「1950年代後半」に「米国」の神経生理学者である「オットー・シュミット」によって提唱されたのです。また、「日本語」では「生物模倣」と訳されています。でも生物の形などを模倣するだけではないんですよ。「生物の形態や構造、能力などを研究し、その成果から物造りに応用することを言います。なじみの無い技術や関係ないとおもわれるでしょうが、かなり身近なんですよ。「トンネル」を作る際に使われている「シールド工法」ですが、コレは「フナクイムシ」の棲管の作りからから応用されたのです。そして使うことが多い「ベルクロ」、「マジックテープ」の商標で有名な「面状ファスナー」も「オナモミ」や「ゴボウ」といった「キク科」の植物の種からヒントを得て作られたのです。
この展示では現在研究中、または実用化されている最新の「バイオミメティクス」を紹介しており、「昆虫」からは「モスアイ構造」から低反射素材や超撥水、低摩擦などの複合的な機能をもったフィルムに「タマムシ」や「モルフォ蝶」の羽を模して作られいている「色素」を使わず「光の反射率の変化による発色」である「多層膜干渉」を利用した繊維や塗料。「海洋生物」から「カジキマグロ」の皮膚から水の抵抗を少なくする「競泳用水着」、「イワシ」など群れを作る魚たちが「ぶつからない」事をクルマに応用して渋滞や事故を減らす研究。「鳥類」からは有名な「フクロウの羽」から「新幹線のパンタブラフ」による騒音の軽減。「猛禽類」が「空中」や「水面」の獲物を獲る動作を、まねたロボットなんてのも紹介されてます。
これ以外にも多数の技術がその元になった動物・植物の標本とパネルによって紹介されています。生き物の体というのはホント、効率よく考えられているのですよ。
それでは、本日の登場人物は「機械工学」な話ですのでこの方、「ベルギー国立博物館」で「機械工学」の「学芸員」をしている「スキッパーキ」の 「Cheifille」である「ブランディーヌ・デュラン」さん。人間が必死になって考え付いた物はとうに自然が先に採用しているんですよね。やはり自然から学ぶ事は多いのです。ちなみに背景が「生き物に学び くらしに活かす -博物館とバイオミメティクス-」の入り口なのです。