こたなたよりこんなこと

「登場人物」と「人物設定」は「フィクション」です。人物・企業・団体は実在のものとは関係ありません。

恐竜研究の新たな7つのキーワード

2016年03月15日 | 博物館・科学館

 「国立科学博物館 上野本館」では「ワイン展」が終了し、先週から新しい「特別展」が開催されています。それが「恐竜博2016」。2年に1回ペースで恐竜展が開催されている気がしますが、なんだかんだで「恐竜」は人気がありますからね、開催される頻度が多いのでしょう。

 今回も「恐竜に関する最新研究成果の発表」とありまして、「恐竜研究の新たな扉を開く7つのキーワード」が主体となっています。

 まず1つ目「起源」、これは当然なような気がしますが、今まで「恐竜」って「4足歩行」から「2足歩行」へ移行したと思っていませんでしたか?「爬虫類」から「恐竜」へ分岐する時に「他の爬虫類より速く移動できる2足歩行」へ移行したようです。その進化の途中である「アシリサウルス」が日本初上陸なそうで、今回の「恐竜博2016」の案内役になっています。このアシリサウルスは体長130cmと小型で外観的には「恐竜」なのですが、分類学上は恐竜ではないそうです。ここから進化が進み恐竜となるのです

 2つ目は「植物食」。「爬虫類」から「恐竜」へ進化をしましたが、「肉食爬虫類」が「恐竜」へ進化したので「恐竜」は基本「肉食」となるのですが、「草食恐竜」はいますよね?「草食恐竜」は「肉食恐竜が何からかの理由で草食になった」ようでして、これは非常に珍しい進化ですが、「現在にも実例」があるのです。それが「クマ」です。「クマ」はご存知のように「肉食」ですが、その仲間である「パンダ」は「笹」を食べていますね。これは「肉食から草食へ進化した例」と言えます。恐竜も同じく「肉食」から「草食」へ進化したのですが、「草食」には「消化器官の肥大化」が必要になります。肉に対してかなり消化吸収率が低い「植物」を効率良く栄養を得るには、「長い腸」が必要になります。「大きな内臓」が必要となった「草食恐竜」はそれに伴い体も大型化します。そうなると、2足歩行ができなくなるので、「4足歩行」へ進化したのです。その為「多くの草食恐竜は4足歩行していた」とされていましたが、「チレサウルス」と呼ばれる「小型2足歩行恐竜」は「歯の形状」から「草食だった」と考えられているのです。

 3つ目が「飛翔」。現在では「鳥は恐竜の子孫である」と確認され、「ティラノサウルス」でさえ「羽毛があった」という説が有力視されているほどです。そして「始祖鳥」は有名ですね。でも「羽毛」や「羽根」を持たない方法で「飛んでいた恐竜」が発見されたそうです。それが「イー」と呼ばれている恐竜でして、「イー」は「コウモリ」のように「指の間にある皮膜」で「滑空」していたと考えられているのです。

 4つ目、「水中進出」。「哺乳類」でも「クジラ類」のように「陸上」から「水中」へと進化したのがいますが、今日も同じく「陸上から水中」へ戻っていたものがいます。今回はその代表として「スピノサウルス」が紹介されています。「スピノサウルス」は「最大の肉食恐竜」と言われており、大型肉食恐竜として有名な「ティラノサウルス」よりも大きかったと考えられています。「ティラノサウルス」の「最大級」とされている個体でも体長は「14mほど」ですが、「スピノサウルス」はそれを上回る「15m」もあったそうです。そしてティラノサウルスとは決定的に違うのが「4足歩行」をしていたようなので、生活場所も「陸上」では無く、「水中」だったようですね。これは「骨格」から推測され「前足が大きく、後ろ足が華奢」であり、重心も「骨盤よりも前」にあった事から考えられています。「骨」も密度が高く、重いので水中にとどまるのに有利とされているつくりになっており、現在の「クジラ類」や「カバ」にも同じような特徴が当てはまります。さらに「長い吻」をもち、鼻も上部にあったので、顔さえ出れば呼吸ができる構造になっています。

 5つ目の「赤ちゃん」。今のように「DNA鑑定」ができなかったり、標本が不完全だったりで、同じ種類の恐竜でも「親と子」で「違う種類の分類」されていた事もあったそうでして、今回は「カスモザウルス」、「パラサウロロフス」、「チンタオサウルウス」が展示されており、大人の特徴的外観から仲間と認識させていたのではないかと考えられています。また、「恐竜の赤ちゃん」の化石は個体数が少ないので大変貴重な標本化石なのです。

 6つ目は、「恒温」。哺乳類と爬虫類での大きな違いとして「恒温」と「変温」が挙げられ、恐竜も「爬虫類」から進化したので「変温」と考えられていました。しかし「恐竜の子孫」である「鳥類」は「恒温動物」であり、どうしてそのように進化したかも研究対象になっています。「鳥類」へ進化しない」とされている、「鳥盤類」である種類の恐竜である「クリンダドロメウス」は「羽毛」を持っていたと考えられており、今後の研究に期待されています。

 そして最後の7つ目、どうしても「恐竜の復元」というと「姿」が通常でしたが、今回は「パラサウロロフス」の「鳴き声」を再現。この「パラサウロロフス」は「長い鼻腔」をもちそれを共鳴させて「声」を出していたのではないかと推測され、「CTスキャン」と「3Dプリンタ」により「鼻腔」を再現し、そこに空気を流し音を発する事に成功したのです。すなわち「恐竜の鳴き声の再現」に成功したと言えます。実際に聞く事ができますが、管楽器のような音がし、かなり大きな音がしますので、コレにより遠くの仲間とコミュニケーションをとっていたと考えられています。

 そんなワケで、今回の「恐竜博2016」はこの7つのキーワードを中心に展示されています。そのせいでしょうか、あまり「大型化石」が展示されておらず、「化石展示」をメーンにしたものでは無く、「学術的調査」の報告のような感じとなっており、私として好ましい展示でしたね。

 それでは、本日の登場人物はこの展示に最もふさわしいこの方。「命を見守り見届ける者」として「命の女神」の任に就いている「天元界 生物運脈省 霊魂運命監査室 霊魂運命監査室長」の「アルセレート・エリクス・エフォナー」さんです。今回の「恐竜博」は「7つのキーワード」が重要なのです。ちなみに背景は「恐竜博2016」の会場で「スピノサウルスの全身骨格標本」なのです。

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