レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

「美女と悪女」でのローマの扱い

2007-09-23 06:57:51 | ローマ
『世界の「美女と悪女」がよくわかる本』の話題その2。

 ローマ史から出ている名前は、「悪女編」にアグリッピナとメッサリーナ、まぁこれはモンク言えないところだろう。(この二人を妻に持ったクラウディウスっていったい・・・) 「美女編」には、・・・ズバリ!ローマの人であるメンバーがいない。関連するところで、クレオパトラとゼノビア、けっ。
 クレオパトラの容姿については、それほど美女でなかったという説もあるけど意志や知性が魅力だったのだろう、という妥当な説明。遺言状への難癖はなし。
 しかしなぁ、「カエサルが暗殺されると、彼の後継者となったのがアントニウスだった。オリエントの支配権を手にした彼は」云々はなんなんだ!このあとも、遺言状の定めた正当な後継者であるオクタヴィアヌスの名前は全く出てこない、おいおい!

 たまには、「美女」の項目にオクタヴィアが挙げられてもよさそうなものだ。リウィアの場合は両方に挙がる可能性がある。ユリアもかな。ローマ史上もっと古いところでは、ルクレチアだって中々存在が大きい(少なくとも劇的効果としては)。どうせなら、自害なんかするかわりに、暴君を倒す戦いに女たちを率いて先頭に立ってくれたらもっとよかったのに。それならローマの女権も上がっていたかも。

尊厳者誕生日なので少しは関連のある話題。(あるのか?)
コメント (4)    この記事についてブログを書く
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4 コメント

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そうだ~! お誕生日だった~! (乱読おばさん)
2007-09-25 20:51:17
わ・・忘れていました。オクタヴィアヌスさま・・いえガイウスさま。お許しを~!
今年は、チェーザレの誕生日はしっかち覚えていたんですが、忘れていました・・もうしわけありません。
 しっかし、みんななんでクレオパトラの呪縛から逃れられないんでしょうね。
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それだけインパクトあるんですね (レーヌス)
2007-09-26 19:52:19
「小野小町」なんて明らかに存在感で負けてますよね。(日本人が勝手にこれ入れてるだけですが)
 尊厳者誕生日は、秋分の日なので忘れにくいです。トシのは端午の節句だったりするし。
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ルクレチア… (るる)
2017-10-15 00:24:28
ルクレチアは自害なんかせず…
これは「その通りだ!」と思いつつ「仕方ない」とも思います。
ローマはアマゾーンやスパルタと違って、まだ幼い頃から「戦う強い女とか無いわ~。野っ蛮~。下っ品~。そんな下等で未開でイタイ女に貴女はなっちゃいけませんよ。上等で文明的で上品な『大人しく貞淑でパパと夫と息子に絶対服従で健康な子供をたくさん生む女』になりなさい。」(あくまでイメージです)という教義を叩き込んで育てますから。
(戦うという選択肢の存在事自体、教えないケースもあったかもしれません。)
ルクレチアは『情報に恵まれず、あるいはドップリ洗脳されていたせいで、戦うという発想を思いつけなかった』んじゃないでしょうか。
あくまで予想に過ぎませんが…。
失礼致しました。
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せめてもの救いは (レーヌス)
2017-10-16 06:18:02
リウィウスの記述に関する限り、凌辱されたルクレチアに対して父・夫が、おまえが死ぬことはないと強く説得していたという点がせめてもの救いだと感じます。卑下するよりも怒りの感情が強かった、そう思いたい願望があります。
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