レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

宝塚の『アントニーとクレオパトラ』

2006-06-10 16:51:48 | ローマ
septemさんの掲示板で、シェィクスピアの『ジュリアス・シーザー』を原作とする『暁のローマ』のチケットが取れたという話だったので、かつて『アントニーとクレオパトラ』上演したらしいけど脚本が読みたいな、と私が書いたら、プログラムを入手できる古書店を紹介してくださったので、通販でゲット。ありがとうございます。
 『真紅なる海に祈りを』という華麗な題がついています。86年。厳密には、『J.C.』も一部入ってます。シーザーの野心が共和政支持者に危惧され暗殺にいたり、アントニーの演説で風向きが変わり、という下りがとんとんと進む。そしてエジプトでアントと女王の会見。原作よりも、アントニーとイノバーバスの関係を密接にしています、「二人の息が合えば進むところ敵はなし さあ 新しい門出」なんてデュエットしてる。ーーこういうの、別のメンバーでやってみたいですな、その場合「三人」になっていいけど。
 カルパーニアは、原作では夫の死後の話には出ていませんが、この舞台ではあとでこそ出てきます、クレオパトラに対する不快感をやはり見せてます。「小シーザー」つまりオクタは、シーザーの「甥、養子」となっているけど、セリフだけだとカルの実子のように読めます。なお、大小の「シーザー」は同じ人が演じています。
 イノバーバスと、パトラの侍女のチャーミアンは恋仲の設定。アクティウムでのパトラの逃亡は、女官がローマに抱きこまれていたからということにしてあります。
 アントニーの、ローマに対する行為のバカっぷりがいまひとつ足りないのですが、追い詰めているオクタの策士ぶりは、少なくとも演じ手がかっこよければ支持を得ることが出来そうな感じ。(ここで出すのもナンですが、私の女子高時代にこれを上演したクラスがあって、オクタ役の企みごと独白シーンは「かっこいい・・・」という感じのどよめきで満たされていました)
 
 「クレオパトラは、エジプトの じょ~お~なのですから!」と一発決めてもらっても楽しそうですけどね。 念のための注釈。『ベルばら』で「マリー・アントワネットは、フランスのじょ~お~なのですから」は有名なセリフ。『爆笑フランス革命』では「あなたはたたの王妃です」とつっこまれてました。パトラはほんとに女王だからモンクはありませんとも。

 アグリッパは原作どおり出番多いけど(「軍師」と紹介されてます)、「メーシナス」はカットされてました。まぁ、原作でもこのキャラはあまりそれらしさが出てない気がします。
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4 コメント

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上演済みでしたか (サラ)
2006-06-10 17:30:42
このたび、生まれて初めて宝塚歌劇を観て参りました。「暁のローマ」を。

おもしろかったので、「ジュリアス・シーザー」がありならば、「アントニーとクレオパトラ」も上演すればいいのにと思いました。

宝塚のシステムならばアントニーが主役になりそうですが。

でも、すでに、上演済みでしたか。

新作主義らしいから、再演はないのでしょうね。

残念。



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再演もたまには (レーヌス)
2006-06-10 18:08:11
ありますけどね、でもよほどでないと難しそうですね。でも『暁の~』のウケがよければその続編も新しくということはあってもおかしくなさそうです。

お膝元でのレポ期待しております。
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暁のローマも実は見たかった・・・。 (乱読おばさん)
2006-06-12 21:49:29
「私は、じょ~お~なのですから!」

は、大地真央がやったクレオパトラで、本当にこのセリフ言っていました!

 オクタヴィアヌスを、例の大地さんとウワサのあった赤坂さんがやってました。なかなかのハマリ役で、けっこう面白かったのは、元老院議会をオクタヴィアヌスが盛り上げて、皆がアントニー討つべし!の大合掌になったあと、舞台の端と端で、アグリッパとオクタイアヌスが意味深な目配せを交し合うところでしたわ・・。
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原作がナンなわりに (レーヌス)
2006-06-13 20:34:36
宮尾原作の舞台、小説の評判がさんざんな割に結構いい評価を目にします。アグリッパもそういう登場とは、それは中々私も見たいものです。
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