レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

「イラスト」じゃない「マンガ」だ、「著」だ!

2017-11-11 13:24:15 | マンガ

来月出るコミックスのリストを店頭でチェックする。慌ただしい状態なので見落としはあるだろう。

 リイド社で『風雲児たち 蘭学革命篇』という題が目にはいる。

 「幕末編」になるまえの『風雲児たち』は、潮出版社から出たコミックスで1~4巻が関ケ原とその後始末、敗者についた毛利その他の冷遇と恨みが描かれ、その後いきなり田沼時代にとぶ。『たあへる・あなとみあ』に挑む前野良沢たちの奮戦がメインの5~8巻は『蘭学黎明編』とされていた。私の特に好きなパートである。
 「革命篇」と「黎明編」は違うのか?リイド社のHPを見てもまだ出ていない。

 ところでAmazonを見ると

風雲児たち~蘭学革命篇~ コミックス – 2017/12/11  みなもと太郎 (イラスト)

となっている。

 私はかねがね、原作や監修のあるマンガについて、
マンガ家名(イラスト)と表記することに対して憤りを感じている 。

 たとえば、

漫画版 世界の歴史 6 フランス革命と産業革命 (集英社文庫 特 16-6) 文庫 – 2009/3/19
笈川 かおる (イラスト),‎ あずみ 椋 (イラスト)

角川まんが学習シリーズ まんが人物伝 ナイチンゲール 看護に生きた戦場の天使 単行本 – 2017/10/26
金井 一薫 (監修),‎ いとう のいぢ (イラスト)

というように。

「イラスト」でなく「マンガ」なのになぜ「イラスト」と書く!?

 不思議なことに、上記の『世界の歴史』のモト本では

世界の歴史 (13) 産業革命と自由主義 : 富国強兵のせめぎあい 集英社版・学習漫画 単行本 – 2002/11/1 あずみ 椋(著),近藤 和彦 (著)

となっている。

 同じあずみさんの聖書マンガでは

創世(ジェネシス)―光を受けし者たち 「聖書新共同訳」準拠〈旧約聖書 1〉 (みんなの聖書・マンガシリーズ 3) 単行本 – 2008/10/1
あずみ 椋(著, イラスト),日本聖書協会翻訳部 (監修, 監修)


 なんの理由でこのような違いが出るのかわからん。
「マンガ」とせずに「イラスト」なのは、「マンガ」が低レベルに響くけどイラストのほうが少し高級そう、という偏見がもしかしてあるのだろうか?


 角川から一昨年日本史が出た時には、カバーイラストが豪華メンバーだと話題になっていたが、現在のアマゾンでは
角川まんが学習シリーズ 日本の歴史 5 いざ、鎌倉 鎌倉時代 単行本 – 2015/6/30
山本 博文 (監修)
 のように、監修者しか名を挙げていない。この巻は特に人気マンガ家なのに。

 角川を意識したのか、集英社から去年出た日本史もカバーに有名マンガ家たちを起用している。私の見るところ、学習マンガにおけるマンガ家名の軽視が甚だしい集英社、いまのところアマゾンでは


学習まんが 日本の歴史 18 占領された日本 (全面新版 学習漫画 日本の歴史) 単行本 – 2016/10/28
たなか じゅん(著),‎ 安田 常雄 (監修),‎ 荒木 飛呂彦 (その他)
 
・・・こうである。最後の「その他」がここではカバー絵。セールスポイントなので無視されては困るのだろう。

 さて、こうして長々とグチってきたのはいずれも、「監修」「原作」のあるマンガなのだが、最初に挙げた『風雲児たち』はそうでない、オリジナルである。それなのに「イラスト」だと?なに考えてるんだアマソン?

 『舟を編む』のコミカライスが上下巻で出たが、これは
「舟を編む 上巻 (KCx) コミックス – 2017/7/7
雲田 はるこ (著),‎ 三浦 しをん(原著)


ときちんと書かれている。これが正当だ。マンガ好きの原作者の意向の反映だろうか?

コメント
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