駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

ホメオパチーの逆襲

2010年09月27日 | 医療
 ホメオパチーは無意味との医学界の判定に逆襲がある。残念ながら熱血の抗議も虚しく、ホメオパチーが科学的に有効だという証明は出来ないだろう。
 しかしながらホメオパチーが有効だと逆襲してくる人達が図らずも明らかにしている周辺効果は確かにあると思う。即ちホメオパチー療法は患者を大切にし三十分も話を聞き丁寧に診療するのに、医師の診療は・・・という批判だ。
 これは確かにそうした部分があることを認めなければならないと思う。そして、どうもホメオパチーそのものの効果ではなく、患者さんの取り扱いの方に効果があることが類推されてくる。きちんとした実験計画を立てて調べれば、そうした周辺効果を科学的に証明することができるだろう。
 こうした発言は問題になりやすいので殆どの医療関係者は黙っているが、家庭で家族に見守られてと施設に預けられての療養では予後に違いがあるという実感を持っている。勿論これは施設での療養を批判して申し上げているわけではない。また施設のために発言しておけば、この十年で施設の療養には大きな改善がある。家庭でも正直に言えば家族の患者さん取り扱いに差があって、それによって予後に違いがあることは、殆どの往診する医師や看護師が感じていることだ。
 問題発言かも知れないが、ホメオパチーを提唱する一部の人はそのことに気付いているのに黙っている気がする。もっと問題発言をすれば本当の親切と親切風を見分けることは意外に難しい。
 メデアリテラシィになぞらえて言えばメディカルリテラシィを身に付けることが必要だろう。
 
コメント
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