Con Gas, Sin Hielo

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「イースターラビットのキャンディ工場」

2011年08月20日 21時30分20秒 | 映画(2011)
親子で映画館へ出かけるということ。


子供の頃、「正月第2弾」という言い回しがあって、1月に入ってから公開されるその手の作品は、たいてい正月第1弾よりひと回り小粒と相場が決まっていた。

夏休みも終盤に差し掛かった時期に公開日を迎えた「カンフーパンダ2」と本作はまさにそれ。ジブリ、ピクサー、ポケモンの特Aアニメとの真っ向勝負は避け、大きくは望まないけど少しでも多くの人に足を運んでもらえればという戦略だ。

ドリームワークスもユニバーサルも、米国じゃ1億ドルを余裕で稼ぐコンテンツなんだけどね。でも、同じユニバーサルで昨年10月に日本公開した「怪盗グルーの月泥棒」が堅調だったのを見れば、その考えが正しいことが分かる。

で、本作。

結論から言えば、上に書いた戦略を踏まえてみたとしても、この作品を広く劇場公開するのはかなり冒険だったのではないか。

まずはなんといっても「イースター」である。

劇中に中国でお菓子のバスケットを持っていっても受けとってもらえないという下りがあるが、わが国も立場は一緒。子供に尋ねられても、「春に行われるキリスト教のお祭り」としか言いようがない。

そこから先、ウサギやキャンディに質問が及べば、「そういうものだから」でおしまい。我々の認識にはまったく拡がりがない。

そんなぼやーっとした下地のまま物語を追ったとして、たとえば人間の主人公フレッドの心情に共感できるのかと危惧した。

更に、ところどころに子供には絶対分からないネタが盛り込まれていることにも驚かされた。特にD.ハッセルホフって、同伴の親世代へのサービスなのか?

監督は「お子様映画は作らない」と言っているようだが、スベったり説明を余儀なくされたりする危険を常にはらんでいるという点では、全篇にわたって結構冷や汗ものだった。

ただ、そのあたりは考えられていたのか、誰にも飽きが来ない頻度で子供受けするCGキャラクターの活躍を散りばめた構成と、背景はともかく、親と子の確執という普遍的なテーマを軸にほぼ一本道で進む物語がしっかりしていたため、うちの子も問題なく楽しむことができた。

他方、今回の日本版公開に当たって評価する点として、先ほどの危惧と矛盾してしまうが、余計な解説をくどくどと付けなかったことを挙げたいと思う。

背景の説明は自分らで自由にやってちょうだい、それをきっかけに会話を拡げればいいじゃないっていうのは、本来親子で映画を観る際の理想である。

映画館のおしゃべりはやめましょうと鷹の爪団は言ってるけど、ファミリーで映画に行く目的の一つとしてちょっとだけ許してほしい。

加えて、2Dであること、話題づくりの場違いなタレント声優起用がないことも好感が持てた。AKBユニットの歌はまあ仕方ないとして。

(60点)
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