Con Gas, Sin Hielo

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「チェブラーシカ/くまのがっこう」

2011年01月15日 14時11分26秒 | 映画(2011)
無国籍の時は穏やかに流れて。


パペットアニメーションといわゆるアニメ。種別が異なるものの、どこか似た世界観を持つ2作品が併映されるこの年末年始企画。

特に注目なのは、ロシアで広く愛されている児童向け作品を日本人の手によってまったく新しく映像化した「チェブラーシカ」だ。

入ってくる情報は少ないが本国での評価は高いらしい。他国の文化を受け入れ自在に加工するわが国技術の面目躍如といったところか。その出来映えを観たくて劇場に足を運んだ。

はじめは「くまのがっこう」。12人の生徒(児童?)という設定から典型的な絵本の世界。

明るく活発なジャッキーと病弱なケイティとの出会い。温かく見守るケイティの父と、賑やかに彩りを添える11人のお兄さんくまたち。

限りなく鉄板の世界。絵本に興味を持ちはじめた年代の子供に見せれば、夢のような楽しい世界に映ることだろう。

「チェブラーシカ」はとにかくかわいい。たどたどしい大橋のぞみのしゃべりと、パペットアニメのおぼつかない動きが効果を倍増している。

更にこちらは、ただかわいいのを見るより少し進んで、「ともだち」というテーマを一貫して持っている。

単純だが子供時代の最大の問題でもあり、ともだちがいない寂しさと、ともだちがいることによって叶う夢を真っ直ぐ描く姿勢は正しい。

もちろん楽しく微笑ましい場面も満載で、個人的にはワニのゲーナが動物園で働く姿が好きだ。

HPによると、本作は日本、ロシアに韓国のスタッフまでもが加わり、実に6年もの歳月をかけて作られたらしい。作り手は多国籍、できた作品は無国籍といったところか。

表の外交が難題を多く抱えるだけに、こうした草の根の技術交流が貴重であり、非常に重要であることを改めて思い知らされる。

(75点)
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