Con Gas, Sin Hielo

細々と続ける最果てのブログへようこそ。

「リアルスティール」

2011年12月24日 04時27分01秒 | 映画(2011)
スポ根、親子、近未来。


H.ジャックマンがどれだけわが国で国民的ネームバリューがあるかは未知数だと思う。

福山雅治とのダブル起用で始まったスーパードライのCMもいつの間にか乗っ取られてしまったし、何よりこれと言った代表作がない。「X-MEN」はおもしろいが、万人の支持を受けているものではない。

そんな立ち位置の彼を看板に据える本作がいきなり正月映画として参戦してきたのには驚いた。

しかも宣伝の量を見るとかなり本気だ。日本人向けに「感動」を前面に押し出しての物量作戦。果たしてこれが功を奏すのか。

私が観たのは、映画館に行けそうな時間帯にちょうど上映回があったからという決して前向きではない理由からだ。

なぜ前向きになれなかったかというと、ロボットの格闘技という設定に、当初トランスフォーマー的なある種の選民感覚を抱いていたからである。これですんなり物語に入っていけるのかなと。

でも、いざ観てみるとこれはこれで結構おもしろい。熱くなれる。

監督は「ボクシング映画へのオマージュ」といったことを言っているようだが、そういえば最近こういった直線的な熱血モノってなかったという気がした。

そして人生の落伍者になりそうな父親を救う賢くてかわいい子供。これも鉄板。

確かにこのデキなら正月で勝負しようと思っても不思議ではないと思った。

しかしまた一方で、デキが悪くないからこそ宣伝が難しいのは残念なところである。

いまの世の中、「リアルスティール」発祥の背景と同じく、人々はより強い刺激を求めている。

単なるスポ根、単なる感動だけでは多くのお客は集まらない。ロボット、近未来というスパイスの効果も限定的だろうなと思ってしまう。おもしろいんだけどね。

個人的な感想を述べれば、ロボット登場に対する懸念はほぼ杞憂に終わった。

トランスフォーマーシリーズでいちばん難があった画面の見づらさはまったくない。単純な殴り合いのほかは高速で動くこともないし、むしろ単体でコミカルなシーンが多く、和みすら与えている。

お話はまさに鉄板だが、それも今の時代にはそれなりに新鮮でよい。H.ジャックマンがキレイ過ぎてダメ父に見えなかったり、ATOM以外のロボット戦士がヒールしかいないのってどうなのよと思ったりはしたが。

あと、あれほど健気でかわいい姿を露出しちゃったら、息子のマックスはもう国民的アイドルで普通の人生には戻れないと思う。もちろん余計なお世話ではあるが。

(80点)
コメント (6)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「50/50 フィフティフィフティ」 | トップ | 「ミッション:インポッシブ... »
最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (mig)
2011-12-24 11:32:59
こんにちは、クラムさん。

ヒュー様はやっぱり代表作は「X-MEN」だし、一般にもウケてるんじゃないかなぁ?

ヒュー目当てで観たものの男の子がめちゃ可愛いし、話も面白くて惹き込まれちゃいました~♪観て良かった♪
返信する
微修正 (クラム)
2011-12-24 20:22:04
migさん、こんばんは。

相変わらず言葉が足りず、申し訳ありません。

「一般」っていうのは、映画が好きじゃない人でもということです。
例えば、うちの職場のトップなんかは
J.デップは知っていても、H.ジャックマンだと「?」だと思うんですよね。
同じく映画ファンなら知っていて当然の「X-MEN」ですら、
世のおじさんは「?」じゃないかなって。
もちろんぼくはH.ジャックマン好きですよ。
返信する
燃えました! (mezzotint)
2011-12-24 22:21:45
クラムさん

今晩は☆彡
年甲斐もなく格闘シーンに燃えました(笑)
ヒュー・ジャックマンもさることながら、
やっぱりあのゼウスとATOMの格闘は、
手に汗握るものでした!思わず拍手もんです。
返信する
年末といえば格闘技? (クラム)
2011-12-25 05:07:14
mezzotintさん、おはようございます。

格闘シーンに燃えるのは、年齢は関係ありませんよ。
今年は大みそかの格闘技はないみたいですが、
なんだかんだ大衆の支持を受け続けるのは伊達じゃありません。

映画館内で拍手が起きてもおかしくないくらい、
ATOM側に立ってのめり込んでしまう場面でしたよね。
返信する
こんばんは (なな)
2012-01-22 21:56:59
私もこれ全く観るつもりのない作品でした。
ヒューは好きなのですがロボット格闘技にぜんぜん興味がなくて。
トランスフォーマーもシャイアが好きなので観ただけな自分です。
でもこれは観てよかった。
ストーリーの鉄板なところがかえって素直に感動できたかな。
父子もの,スポ根もの,逆転ものは好きですからね~~,女性も。
返信する
ときどき (クラム)
2012-01-22 22:47:41
ななさん、こんばんは。

一年のはじめをさわやかに始められて何よりだったと思います。
食べものも甘いの辛いのとあって、
その日の気分なんかで選んで食べられることが幸せなわけで、
映画もこういうのを観てすっきりハマる時があるんですよね。
ちなみに今の気分は、難しい映画はちょっと勘弁・・・かな。
返信する

コメントを投稿

映画(2011)」カテゴリの最新記事