ALQUIT DAYS

The Great End of Life is not Knowledge but Action.

懐古趣味

2008年11月25日 | ノンジャンル
娘は高校生、息子は中学生。二人とも小学校の頃はそうでも
なかったが、このところ話をしている中で、自身の学生時代を
思い出すことが多い。

流行には無頓着であった私は、ダウンジャケットの流行っている
ときに、Tシャツに赤いジャケットと、ずいぶん浮いた格好を
していたものだったが、本人はお気に入りで満足していた。

それとはまた意味が違って、やはり当時聴いたり流れていた音楽、
番組、CMなどは、それにまつわる思い出なども多く、今、
耳にしたり目にすると懐かしく思い出される。

少々ネタ切れなのか、ドラマやCMなどでも昔のナンバーが
よく使われている。
普段はすっかり忘れてしまっている曲なども、時に耳にして
一気に当時の感慨がよみがえり、鳥肌が立って、目頭が熱くなり、
鼻の奥が酸っぱくなるほどの感動を覚える。

自分でも実感としてなく、信じられないほどであるが、
どうやらそれなりに歳を取ってしまったようでもある。
昔のように動けない自分を感じながら、歳を取ったとは
思わないのだが、子供達を見ていると、その頃からもう
30年も経ってしまったかと思えば、もうそんなになるのかと
改めて感慨深い。

懐古趣味はないのだが、様々なきっかけでよみがえる思い出は、
懐かしいと同時に楽しい。
リアルタイムで聴いていた曲が、音楽の教科書に載っていたり
するとなんだか可笑しい。

時の流れというものは、単に直線的なものではなく、
縫い返しのように重なりながら流れていくものらしい。

さて、これからさらに懐かしいものが増えていき、思うように
動けなくなる身体に老いを感じていくのであろうが、
懐かしさ、楽しさを感じ、老いさえも感じることが出来るうちは
幸せなのではないか。

浦島太郎ではないが、お酒に浸かりながら、ようやく酔いが
醒めて気がつけば、ぽっかりと間があいて、思い出もなく、
突然動きにくい身体になってしまったと感じるよりは
はるかにましである。

飲まなければ普通に「懐かしい」、「楽しい」を増やして
いけるであろうし、十分「老い」の代償とできるであろう。

願わくは「普通」であり続け、頑固じじいになるか、
うんうんと若い者の話を聴いて、経験話をし、励ますような
好々爺となるかの選択ができる自分でありたいとも
思うのである。