Various Topics 2

海外、日本、10代から90代までの友人・知人との会話から見えてきたもの
※旧Various Topics(OCN)

『オール電化優遇措置』も問題があったのでは

2011年03月31日 | 環境・エネルギー

私「オール電化システムも売りたいし、現在既にオール電化している家から反発されるだろうから、東電も電気料金値上げをするのも、悩みどころでしょうね。値上げはするだろうけど。」

友人「オール電化の家って、電気料金の優遇措置があったのでは?」

私「夜間の電気を使うものだけではないの?その辺はよく分らないけど、電気料金の値上げをしたらオール電化の家庭にも反映されるでしょ。」

友人「優遇割引率を大きくしたりして。それにしても、オール電化の新築物件はローンの金利も優遇されていたよね。」

私「「火事になりにくいから」って理由だったかしら。でもよく考えてみると「火事になりにくい」「環境に優しいから(原発を増やす口実でもあり)」って触れ込みで国が東電+αのためにオマケをつけて営業に協力しているようで、これじゃ公益の会社なのか独占企業を国がエコヒイキしてるのか分らない。デンコちゃんが「電気は大切に」って言ってたのもむなしいわ。」

一昨日友人とこんな話をしていたところ、今朝の東京新聞に以下の記事がありました。

『オール電化』は計画停電のみ問題ではないことに気がついた人もいたかもしれません。

「オール電化」販売休止 計画停電で弱点露呈

「エコで経済性に優れている」などの触れ込みで東京電力をはじめとする電力会社が販売に力を入れてきた「オール電化」の商品が、東日本大震災の影響で存続できるかどうかの岐路に立たされている。調理や給湯、冷暖房など全てのエネルギーを電気で賄う「オール電化住宅」は計画停電で不自由な存在に。電力消費量が多いことから、東京電力はオール電化の商品の販売を休止した。 (木村留美)

 「火を使わず料理ができる。高齢者や子どもでも安心です」

 東電はこれまで、ガス会社との競争に勝とうとオール電化住宅の「IHクッキングヒーター」の利点を強くアピールしてきた。

 テレビCMを積極的に活用したPRも奏功し、オール電化住宅の販売はここ五年ほどで急増した。

 東電は二〇〇四年から事業を本格化。〇五年度末の管内九都県のオール住宅は二十万六千戸だったが、〇七年度末には二倍以上の四十五万六千戸に増加した。一〇年十二月時点では、〇五年度末比で約四倍に当たる八十五万五千戸に達している。

 しかし、今となっては、東電にとってオール電化商品の販売拡大は裏目に出た格好となっている。管轄する区域の気候が東電と似ている中部電力や関西電力では、オール電化を使う家庭の電力使用量は、ガスと併用する家庭に比べ一・三~一・五倍になると試算されている。

 東電の島田保之執行役員はこれまでの記者会見で「オール電化を勧められる状況になく、営業を中止している」と説明。既に利用している人には「ご迷惑をお掛けしている。アフターサービスはしっかり対応したい」と述べることしかできなかった。

 計画停電を実施していない中部電力と関西電力など、他の電力会社はオール電化の商品の販売を継続。ただ、中部電力の担当者は「テレビCMを自粛し、キャンペーンやイベントも取りやめている」などと話し「自粛モード」だ。

 首都圏の計画停電は四月末にいったん終了しても、夏に再び実施される可能性がある。抜本的な電力の供給策が見つからなければ、計画停電の実施期間が長期化する懸念もあり、オール電化は正念場を迎えている。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2011033102000027.html

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世界に広がる『脱原発』の動きの行方は

2011年03月30日 | 原発・核・311

ウォール・ストリート・ジャーナルの日本版より:

福島の事故で仏原発輸出に陰り

http://jp.wsj.com/Business-Companies/Technology/node_212878

3年程前だったか、イタリアの友人(50代主婦)が、「イタリアの周りの国に原発はある。国内になくても危険なのは一緒。イタリアは原発がない代わりに高い料金を払っているけど、これもそのうち変わるだろう」と言っていました。(彼女はベルルスコーニは嫌いですが、これはベルルスコーニの論理と同じでした。)

記事にあるように、イタリアでは原発をまた作りだそうとしていたのですが、これも一旦中止。

日本でも、今日このような記事がありました。

14基の原発新増設、見直し…太陽光など重視へ (読売新聞 3月30日)

政府は29日、東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、2030年までに少なくとも14基の原発の新増設を目標に掲げた「エネルギー基本計画」を見直す方針を固めた。

 新たな基本計画は、原発重視から太陽光などクリーンエネルギー重視へと転換する考えで、14基の原発建設計画の中断や大幅延期は避けられない情勢だ。


 菅首相は29日の参院予算委員会で「太陽光などクリーンなエネルギーについて、日本のエネルギー政策をどうするべきか改めて議論が必要だ」と答弁。海江田経済産業相は閣議後の記者会見で「基本計画は、これまでと同じような形ではいかない。政府全体でエネルギー政策をどうするのか話をしなければいけない」と強調した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110329-00001112-yom-pol

まだ今後“原発ロビー(?)”がどう動くかはわかりませんが、原発に頼らず、自然エネルギーに力を入れる方向は歓迎すべきことでしょう。

ただし、こうして自然エネルギービジネスが大きくなることでの問題-例えば太陽光発電のパネルのために使うシリコーンなどの獲得合戦など-もでてくるとは思います。

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ティムさんが送ってくれたワシントンポストの記事から

2011年03月30日 | 原発・核・311

今朝届いていた、アメリカの投資アナリストのティムさんからのメールを、一部省略して貼り付けます。

Hi Yukari,

I hope you are doing OK with some of the shortages and the rolling blackouts. Every day here the news continues about the tragedy in Japan. I still get so sad when I see pictures of Tohoku and what the people have to endure in the shelters.

I was wondering if the disappearance of Masataka Shimizu was being talked about in the Japanese press? The story above is probably the third or fourth one I've read in the past week that has noted that Masataka Shimizu has not been seen.

“Vanishing act by Japanese executive during nuclear crisis raises questions”

http://www.washingtonpost.com/world/vanishing-act-by-japanese-executive-during-nuclear-crisis-raises-questions/2011/03/28/AFDnHNpB_story.html

彼は、日本の大企業が問題を起こすとトップが雲隠れ。今回もそれをマスコミが追及しないことを不思議に思っているようです。

現段階では東京電力重役の責任追及よりしなればならないことがあるので、その時期ではないと思いますが、それでもこのワシントンポストの記事の中にある文章のとおり、主要マスメディアは東京電力社長にちょっと遠慮しているようにも思えます。(東電だけではなく、福島原発の原子炉のメーカーに対しても)

Japan’s mainstream media have mostly gone easy on the Tepco boss, in contrast with the treatment meted out in America to BP boss Tony Hayward during the Gulf of Mexico oil spill. But one online journal demanded that Shimizu be tried in a criminal court. Several bloggers called for the death penalty, though far more numerous are those who simply want him to break cover and appear in public.

話は違いますが、今朝のニュースに、タイが非常時用の発電施設を日本に丸ごと送り、無償で貸してくれるという記事がありました。

http://www.asahi.com/international/update/0329/TKY201103290466.html

本当に、ありがたいですね。

Regards, Tim

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『反原発』の前に考えなくてはいけないこと

2011年03月29日 | 雑感

3月11日の地震から三週間弱、「脱原発-ライフスタイルの変換」「原発をとりまく利害関係」について書いてきました。

原発に関してのものは、正直なところ私はある種の後ろめたさを感じながら書いていました。

なぜなら、私の知人や友人には、原発主要メーカー、政府系機関(間接的に原発とも関わっているところ)、金融業、商社の人もいますし、東京電力の友人たちもいるからです。東京電力の原子力広報を担当している人は友人のご主人でもあります。

私が原発やそれに関わっている人たちを批判することは、彼らのしてきていることを否定することにもなるからです。

そういう彼らとて、原子力発電を心から賛美する人は(私が知る限り)いません。

「(原発を増やすことも含めて)原発は必要悪」と言っている友人はいますが、『アンチ原発』を唱えないまでも、原発が増えることを危惧し、こっそりその気持ちを打ち明けたりしてくれる人もいたりします。

(面白いことに「必要悪」と言う人は現状でも同じ生活を送ろうとします。後者は今まで以上に自分の生活スタイルを見つめ、特に家族揃って節電に励んでいたりしています。)

「人間は我儘だから、自分の生活を変えられない」と言う人がいました。

本当にそうでしょうか。

私達が海外旅行に行くと、日本の生活がいかに便利なものであるか分ります。

先進国(一部の国を除く)でも、日曜日や夜にはお店が閉まり、室内の電気はとても暗いところが多いです。自動販売機や24時間営業のコンビニ、スーパーなどはありません。フランスの小さなホテルなどでは、今の廊下の電気はボタンを押してつけ、それも何十秒かで消えてしまうというものが今でもあります。列車の扉は自分でボタンやレバーであけなければならないものもあるし、エスカレーターも人がいないと止まっているものもあります。

(白熱電球を使っていた国々と、蛍光灯を使っていた国(日本)の発想の違いかもしれませんが、彼らは効率の悪さより、それだったら使う回数、時間を減らそうという感覚に思えます。長く使おうとするのも、日本と違う。)

途上国の都市部の大型ホテル以外であれば、その不自由さは先進国の比ではないと思います。

それでも、何日か居れば、その生活が当たり前になってしまうのだと思います。

私が子供の頃の日本は今と別世界。

24時間営業、365日営業のコンビニ、スーパー、ファミレスはありませんでした。

駅の自動改札もないし、電車も夜間の運行はもっとまばら。

SUICA、携帯でお買い物もなし。

何か問い合わせをするにも、すべてメールか電話の自動音声対応でなく、人間が営業時間内に対応。

いちいち「お風呂が沸きました」等喋る機械もない。

DTV、地デジ、増え続けるTVチャンネルもそうですが、大体夜中もぶっ通しでの放送、オール電化の住宅、すべてない。

娯楽でいえば、私が子供の頃はパチンコ屋の台は手動式。(私はパチンコはやりません。念のため。それにしても電気が不足してもパチンコ屋が営業しているのは、本当に腹がたつ。)

これらは、本当に私達が望んできたものなのか。

なければなくて良かった(良い)のではないかと思います。

数年前、夫とイタリアの山奥に住むイギリス人の知人を訪問したとき、夫は高齢の知人に代わって薪割りをしました。

何世紀も昔の農家を改造したお家。暖房は暖炉、お水も十分でないのでシャワーのみ。大きな買い物は麓の町まで降りていかなければならない(村に一軒万屋があり)。

早寝早起き。居間で勉強や団欒。

不便そうですが、もしこれが『普通の生活』となったら、当たり前に受け入れられる人も増えてくると、私は思っています。

もちろん、こうしたことで、「経済の縮小」の問題がありますが、自分や子孫の健康の害、自然破壊-取替えしのつかないこと-を考えれば、優先順位は一目瞭然ではないでしょうか。

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発売中止になった忌野清志郎の歌

2011年03月29日 | 原発・核・311

故忌野清志郎が1988年にこのような歌を作っていたそうです。

本日の東京新聞によれば、この曲のシングル版と曲を収めたアルバムはその年の6月に突然発売中止になりました。

これは、「発売元のEMIに出資する東芝が、原子力発電の有力メーカーでもあったから」という人もいるとか。

Summer Time Blues

http://www.youtube.com/watch?v=MIbrxhv_s_M

“暑い夏がそこまで来てる

みんなが海へくり出していく

人気のない所で泳いだら

原子力発電所が建っていた

さっぱりわかんねえ 何のため?

狭い日本のサマータイム・ブルース

熱い炎が先っちょまで出てる

東海地震もそこまで来てる

だけどもまだまだ増えていく

原子力発電所が建っていく

さっぱりわかんねえ 誰のため?

狭い日本のサマータイム・ブルース

寒い冬がそこまで来てる

あんたもこのごろ抜け毛が多い

それでもテレビは言っている

「日本の原発は安全です」

さっぱりわかんねえ 根拠がねえ

これが最後のサマータイム・ブルース

あくせく稼いで税金取られ

たまのバカンス田舎へ行けば

37個も建っている

原子力発電所がまだ増える

知らねえ内に漏れていた

あきれたもんだなサマータイム・ブルース

電力は余ってる 要らねえ、もう要らねえ

電力は余ってる 要らねえ 欲しくない”

なお、日本の原発は現在54基(全体の3割でこれだけある!工業国とはいえ・・・)です。IAEAの2010年の資料を日本語で分りやすく説明してくれているサイト(Memorva)を貼り付けます。

http://memorva.jp/ranking/world/iaea_nuclear_power_reactor_2010.php

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『バンカーたちが東電への緊急融資で恩返し』というFTの記事から

2011年03月28日 | 原発・核・311

2011325日付フィナンシャル・タイムズの記事の日本語訳から

JBpressより)

バンカーたちが東電への緊急融資で恩返し

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/5739

抜粋1:

東電福島第一原発で今月起きた原発事故は大惨事となった。これほど大規模な惨事でこれほど中心的な役割を果たした後に生き残れる企業は少ないだろう。

 事故による放射能漏れは数百キロ離れた場所まで広がり、食物連鎖と給水設備を汚染した。その結果、多額の損害賠償請求が発生すると見られている。

 だが、東電は自社の潤沢な財源に加え、日本の大手銀行と政府の支援があるため、打撃は受けるものの、概ね元の姿を保てるだろうと銀行筋や政府関係者は話している。

 「電力を供給する企業として東電が消え去る可能性はない」。政府系金融機関の国際協力銀行(JBIC)で資源ファイナンス部長などを務め、現在は内閣官房参与も兼ねる前田匡史氏はこう話す。

 23日に東電に対して最大2兆円の緊急融資を実施することで合意した融資団(三井住友銀のほか、三菱東京UFJ銀行やみずほコーポレート銀行などが参画)にかかわっているあるバンカーもこれに同意し、「東電はただ破綻しないだけでなく、破綻が許されない会社だ」と言う。

抜粋2:

 その額を超えると、「異常な自然災害」の場合には費用を納税者に負担させられるが、法律は曖昧で、実際問題としては、負担を分担することは政治的に難しい。「(補償は)まず東電が責任を持ち、それができない場合は国が責任を持つ」と枝野幸男官房長官は語っている。

抜粋3:

危機が収まった時、東電は今と違って見えるかもしれない。経営陣は仕事を失う可能性が高く、東電をいかに規制するかについても議論が行われるだろう。だが、ある政府関係者は、東電が原発事業の免許・認可を失い、国が同社の発電所を国有化せざるを得なくなるとの見方を一蹴する。

 政府関係者は、そのような事業をどう運営するのかほとんど見当もつかないうちは、国有化の可能性は低いと話している。

抜粋1に「東電は破綻しないだけでなく、破綻が許されない会社だ」という言葉がありますが、東電が自社や仲間(政財界も含む)より一般国民を大切し、信頼のおける会社であって初めて国民が納得する言葉だと思います。

国営化というより、損害賠償のために身売り、解体してほしいくらいです。(福島原発の損害賠償の多くを税金や国債で負担(国民負担)ということになったら、納得できない人も多いでしょう。)

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捨てられてきた燃料ガス~まだまだ無駄はあるはず

2011年03月28日 | 環境・エネルギー

前々回のブログ『最高のCSR-住友金属』に、てっこうやさんという方から、以下のコメントをいただきました。

(こうしたコメントは、私のみならず、ブログを観てくださっているかたにも有用で、ありがたいです。)

>燃料はもちろん東電が負担することと思いますが、

いいえ。燃料は製鉄所の自前です。

製鉄業は、鉄鉱石を鋼に変えるプロセスで大量の一酸化炭素を発生させます。また、鋼の圧延に電気も大量に使います。そのため、もともと自前で発電所を所有しており、発生した一酸化炭素を燃やして発電し、それでも余ったガスは燃やして捨ててました。近年、法改正により発電業以外からでも電気の販売が可能になり、発電能力を増強し、発生したガスをあまさず使用して発電し、自分で使う以外の電気を東京電力等に販売しております。

今回の鹿島の話は、津波被害で製鉄所機能が停止し、燃料ガスを発生できなくなったため、発電機を回せなかったのが、製鉄機能の復活により、発電機も回せるようになり、外部への供給を再開できるようになった、というものです。鹿島規模の製鉄所では、たいがいあの福島の原発1個分くらいの供給能力があり、みな一生懸命節電しながら電気を供給してます。

さて、住友金属の記事とてっこうやさんのコメントを読んで最初に浮かんだ考えは、「火力発電は環境面と燃料面で悪者扱いされていますが、日本の製鉄業他の製造業では、溶炉などでも今でも火力自体は使うはず。これをもっと有用に使う手立てを考えない(考えなかった)としたら、もったいない。」

というものでした。

(そもそも、てっこうやさんによれば、「近年まで発電に使えるガスを燃やして捨てていた」ということです。非合理的というのを通り越して、杓子定規の行政に怒りさえ覚えます。)

ガスといえば、石油開発関係に携わっていた知人から、昔(オイルショックの頃)某産油国から、「油田から出るガスの有効活用を考えたら取引を考える」と言われて、日本はそのガスの有効利用を開発した、という話を聞いたことがあります。

探してみれば、まだまだ無駄にしているエネルギー源はたくさんあることでしょう。

(家庭のガス湯沸かし室外機から発生するガスも有効利用できると思いましたが(ブラウジングシステム?)、この技術が有効に使われているとは思えません。)

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地球に優しいのは原子力発電?後退した自然エネルギー部門

2011年03月28日 | 環境・エネルギー

以下は2008年のジャパンタイムズに載ったインタビュー記事ですが、貼り付けます。

日本が、CO2排出を減らす努力を原子力発電に頼って、自然エネルギー開発促進から外れて行ったことを指摘されています。

当時これを読んだ私の知人の感想は「英国も人のことを言えない」「日本の産業界の足を引っ張るもの」というものでした。そういう見方も当時は認めもしていた私ですが、今は強く、この記事が日本の痛いところをしっかりついていたものだったと思っています。

さて、シーガーはここで、「10年前シャープは太陽光パネルの、三菱重工は風力発電のリーダーだったが、シャープはその地位をドイツのQ-Cellに明け渡し、三菱重工他の企業は80パーセントの風力発電は海外向け。」と言っています。

昨日のブログのコメントで、「ドイツなどは自然エネルギー開発に力をいれている」といいましたが、反対に、日本政府は自然エネルギー部門より原子力事業に力を入れ込んでいたので、抜かれた面もあるのではないか、と私は思っています。

200865日 Japan Times より

UK Journalist Sympsium

Japan’s renewable energy drive runs out of stream

Japan could be left behind in renewable energy innovation unless it creates a large domestic market in this field, Ashley Seager, economics correspondent for The Guardian newspaper, warned in the May 23 symposium.

While nuclear power has been touted here as a clean source of energy in terms of carbon dioxide emissions and subsidized for many years, Japan "does not seem to want to give any boost ? at least in the short term ? to renewable energy," he said.

A decade ago, Seager said, many people expected Japan to dominate every aspect of renewable energy technologies such as solar panels and wind-power generation.

Today, Japan's use of renewable energy remains extremely low, accounting for a mere 1.3 percent of its total energy production, he said. Tokyo plans to increase that ratio to 1.6 percent by 2014 ? a goal surprisingly unambitious for a country so heavily dependent on oil imports and so technologically advanced, he added.

Britain is also lagging behind other European countries, he noted. It produces only 2 percent of its energy from renewable sources, and a plan being debated to increase the figure to 5 percent by 2020 pales in comparison with the situation in countries such as Germany, which generates 8.5 percent of its energy from renewables and aims to boost that figure to more than 20 percent by 2020, he said.

Japan, home to the 1997 Kyoto Protocol against global warming, is struggling to meet the treaty obligation to cut its greenhouse gas emissions 6 percent from the 1990 level during the 2008-2012 period.

The United States, the world's largest emitter, has pulled out of the Kyoto Protocol. But even the U.S. caught up with Japan in the use of solar photovoltaics (PVs) last year and is set to surpass Japan this year, Seager pointed out.

And as for wind-power generation, the U.S. last year fitted wind turbines with a total capacity of 5.2 gigawatts ? 38 times as much as Japan did, he said.

What does the situation mean for Japanese makers of solar panels and wind turbines? "Ten years ago, Sharp was easily the world's biggest maker of PVs and Mitsubishi Heavy Industries was the world's biggest wind turbine maker," he said.

Today, the world leader in solar-cell production is Germany's Q-Cells, which was established as recently as 1999, and Sharp was been pushed to second place, Seager noted. Japan has slipped to 14th place in the world ranking on wind-power installations, and Japanese firms like Mitsubishi Heavy still make wind turbines but 80 percent of their production is made outside of Japan, he added.

Innovation in renewable energies is not just about technology or products but also about policies to promote their use, he said.

Countries where the use of renewable energy has increased have adopted a mechanism called feed-in tariff, which guarantees an above-market price for a certain period of time and gives businesses the certainty to plan for a certain volume of production, Seager said.

Japan has adopted a system much like that of Britain called renewable portfolio standard (RPS), obliging power companies to buy a certain amount of renewable energy. The system "has not worked in Britain and is not working here," he said.

"Today, there are feed-in tariffs across most of Europe, and that's where the action is . . . Spending on research and development on renewables has surged in countries that have feed-in tariff, with costs falling as a result," he said.

"Does it matter for Japanese firms? As long as you're making the goods and selling them (overseas), then perhaps it doesn't," Seager said. "(But) innovation must definitely be suffering from the lack of a big domestic market. Without a big domestic market, the future Google of renewable energy is unlikely to come from Japan."

http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/nb20080605d3.html

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最高のCSR-住友金属

2011年03月27日 | 企業・CSR

前回『最高のCSR』(知人向けのメール貼り付け)で書きましたが、これこそがそうですね。

今回、燃料はもちろん東電が負担することと思いますが、住友金属さんは頼もしいですね。

住金、鹿島の火力発電再開…全量を東電に供給へ (読売新聞 3262255分配信)

 住友金属工業は26日、鹿島製鉄所(茨城県鹿嶋市)内にある火力発電所の稼働を再開したと発表した。

 発電した電力の全量(出力47万5000キロ・ワット)を東京電力に供給する。発電規模は茨城県内の家庭用電力需要をまかなえる規模に相当する。

 住金は11日の東日本巨大地震の発生後に発電所の稼働を止めた。設備の一部が損傷したが、25日夕に発電を再開し、26日未明にフル稼働を回復した。

 また、同製鉄所では、炉内への送風を止めて休止していた第1高炉も26日午前9時過ぎに送風を再開し、第3高炉とあわせて高炉2基ともに稼働を再開した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110326-00000830-yom-bus_all

前回のブログで送電網の話をしましたが、以下に興味深い対談がありますので、これもどうぞ。

田中優氏対談(送電線~スマートグリッド)

http://www.eco-reso.jp/feature/cat1593/20110318_4983.php

http://www.eco-reso.jp/feature/cat1593/20110319_4986.php

(火力発電にについては、自然エネルギーと違って燃料、環境の問題いろいろありますが、ともかくも、東電や政府の言う『原子力なくては賄えない電力の30パーセント(現在)』を、他の企業が扱えるようにしていくことも『脱原発』の一歩かもしれません。もちろん、国民のライフスタイル見直しがその前に必要なのは言わずもがなです。)

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最高のCSR(企業の社会的責任)

2011年03月26日 | 企業・CSR

○○○ 様

この未曾有の災害、そして原発、いろいろ企業も貢献してくれていますが、現在一番企業が社会に貢献できることは、『節電』と『脱原発の旗揚げ』ではないかと思っています。

関東地方では、東京21区他一部の地域を除いて、計画停電(といいながら、とても『計画』とは思えない代物で、零細企業などは潰れるところがでてきてもおかしくないようです。非正規社員は収入減でしょう。)を実施しています。

困った産業界が東京電力に「停電ではなくて、自分達で工場の一部を止めるとか節電対応をするから、対処できないか」と東電に申し入れたところ、「計画停電でなければ無理」と突っぱねられたようです。それでも企業がまとまって申し入れをしてくれたことは、個々人何万人が苦情電話を入れるより改善効果はあったでしょう。

昨日の東京新聞に、中国電力の原発に反対している人達が、「反対するなら中国電力の電気を使うな」と言われて、NPO等と提携して、本当に自力で電気を賄う生活を実証したことが書いてありました。以下がその取り組みです。

http://www.wa-dan.com/article/2011/03/post-77.php

これは田舎の小島であるからできることですが、こうした活動に助成金を出すこと、それ以外に自分の敷地での電力の自給自足なども、CSRとして最適かと思います。

(本当は送電網も買い取れるようになると良いのですけどね。)

前回お送りした記事、保安院の西山審議官の『原子力の代わりは原発』というインタビュー記事を読んで、「経産省は省エネを促進するべきところに、オール電化を推し進めて電気を使うシステムを作りあげながら、今度は『停電』で脅すなんて、なんて陰湿な」と思って怒りましたが、よく考えてみると、この会見を行った西山審議官とて「こんなのおかしいぞ」と思いながらの発言であったのかもしれません。

「経済発展のために綺麗ごとばかりですまない」というのも、ある程度は理解できます。

しかし、『経済発展』を目指した結果の多大な犠牲。今回の原発の件だって現在進行形ですが、もう既に国内の作物、製品は『放射能汚染』と世界にレッテルを張られています。国内で広がる健康被害、お金持ちは外国に移住・・・と言う最悪のケースにもなりえます。

そうなったら経済発展どころではないことは、誰にでも分ることなのに何故方向転換しないのか・・・・と理解に苦しみます。

(ところで、夫が昨日「これで日本の山や森林を買いあさっていた外資は、それを手放すのではないか」と言っていましたが、そうかもしれませんね。)

取りとめのないことを書き連ねましたが、ふと思ったことを送らせてもらいます。

ゆかり

追伸: 田舎といえば、これは現実離れしていますが、現在原発から避難している人たち。彼らは住む場所と同時に職を失うわけですが、どこかの土地にキブツのようなものを作るという発想は出てこないのでしょうか。

たとえ一時避難で無料の住居を提供してもらったところで、持続できない-そう考えると、こうした突飛な案もあっても良い気がします。

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『原発賞賛に異を唱えること』はタブー

2011年03月25日 | 原発・核・311

昔、知人と話題にした2006年の3月24日の記事を貼り付けます。

原子力発電を奨励する政府や産業界が-これは日本だけに限らないのですが-役所や関係者に対して『反原発を唱えることはタブー』を押し付けているのはもう何十年も続いていますが、それが『原発賞賛に異を唱えることをタブー』にまでなったのは、この記事の1,2年前後からのことではなかったかと思います。

2006年3月24日 毎日新聞

<国際協力銀>先進国向け融資、原発に限り再開へ

 政府は、日本の重電メーカーが欧米などに原発プラントを輸出するのを後押しするため、政府系金融機関による先進国向け融資を原発に限って再開する方向で検討に入った。国による海外向けの融資などは国際協力銀行(JBIC)が担当しているが、民業圧迫を避けるため先進国向けの融資は01年に閣議決定で禁止した。しかし、計画から建設まで時間がかかるうえ、金額も大きく、政治的影響も受けやすい原発プラント向けの融資は、民間金融機関が及び腰になる恐れがあると判断し、JBICによる融資の方針を固めた。

 融資の対象となるのは、先進国向けに原発機器を輸出する日本メーカーや、日本メーカーに原発プラントを発注した欧米の電力会社など。

 79年のスリーマイル島原発事故を機に原発新設が途絶えていた米国などで、原油高などを背景に原発建設を再開する動きがあり、東芝や日立などが、現地で事業化調査に着手するなどプラント輸出に向けた準備を進めている。

 しかし、原発は計画段階から運転開始まで10年以上かかるケースがあるうえ、石炭火力発電などに比べて建設費が高く、資金回収に長期間かかるなど、金融機関にとっては通常の融資よりリスクが高い。また、政権交代などで原発建設計画そのものが中止となる恐れもあり、「輸出には公的な金融支援が不可欠」(重電メーカー役員)との声が出ていた。

 ところが、政府はJBICの国際金融業務が民間銀行と競合しないよう、01年12月に閣議決定した特殊法人等整理合理化計画で、先進国向け融資業務の廃止を決めている。そこで、原発関連については特例で認めることなどを検討することにした。

 問題は、政府系金融機関の整理・統合計画で、JBICの解体が決まっていることだ。国際金融業務は08年度に設立する新法人に引き継がれることになっているが、特例とはいえ、先進国向けの融資を復活させることは、「改革の趣旨に逆行する」として今後の議論で反発が起きる可能性もある。【山本明彦】 

原発促進は当然のことながら、電力会社の前に、原発メーカーはじめとする産業界の意向があり、そしてそれは国内レベルだけに留まりません。

古いものなので、内容が変わっているものもありますが(東芝が後にWHを買収したこと等)、FoEというNGO団体の2001年のレポートをどうぞ。

http://www.foejapan.org/old/aid/eca/release071901-g8NT.htm

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原子力の代わりは『停電』-経産省の倫理観とは

2011年03月24日 | 原発・核・311

本日のウォール・ストリート・ジャーナル日本版に以下の記事がありましたので、貼り付けます。

『原発推進の動きに後退みられず=保安院の西山審議官』

【東京】経済産業省傘下の原子力安全・保安院の西山英彦審議官(54)は23日、インタビューで、過去25年で最悪の原発危機にもかかわらず、原発推進の動きは後退していないと語った。原子力の代わりは「停電」だという。 

西山審議官は、「これから先、それに代わるものが簡単に見つかるとは思えないという状況にある」と述べ、「(今の需要を満たすという点からしても、環境対策にしても、)どうしても今、原子力がなければやっていけない」と説明した。原発は日本の発電の約30%を担っており、政府は2020年までにこれを40%にする目標を掲げている。 

 同審議官は、原子力への依存拡大について業界への反発は強まりそうだと述べた。大気中の放射性物質濃度が上がった、また、東京の水道水から放射性物質が検出されたとの報道があっただけになおさらだ。 

 西山審議官は、大幅な原子力抑制は大規模な停電を意味すると警告。しかし、「そうは言っても電気のない生活も考えられない」とした上で、「現実的に、いかにこういう非常事態にも対応できるものを作っていくか、ということでいくしかないと思う」との考えを示した。日本、および日本の原発業界は、そうした事象に対するバックアップ電源や冷却システムの耐性を強める必要があるという。 

 審議官の見解は、官僚制度のトップに立つ役人の立場を反映するものだ。経済産業省は、原子力業界の規制と推進の両方を担っている。 

 同省は、海外で原子炉建設の契約獲得を狙う国内電力会社を支援している。背景には、原子力や高速鉄道など日本の「インフラ技術」を海外で積極的に売り込む、より広範な戦略がある。 

 西山審議官は、経済産業省が原子力安全・保安院の領域に干渉することはない、と述べた。日本は内閣府に原子力安全委員会という第2の機関を設置することで、原子力安全・保安院の独立性を確かにしているという。 

 その上で、「保安院と東京電力が癒着していたから今回の事態が起きてしまったということではまったくない」と発言。今の原子力安全委員会と原子力安全・保安院のダブルチェック体制はベストだと思われる形だ、と述べた。 

 東電は今週、福島第1原発の電力回復に関して進捗状況を報告している。ただ、西山審議官は「今のところまだ何合目とか最終段階とは言いにくい状況にある」と語った。 

 実際、インタビュー後を終えた審議官は、同原発3号機で煙が上がったことを告げられた。 

記者: Norihiko Shirouzu   

http://jp.wsj.com/Japan/node_208551

昨日の読売新聞に『オール電化、原発2基分の消費増』という記事※がありましたが、東電と一緒になって『オール電化住宅』を押し住めたのは経済産業省でしょう。

このように原子力依存システムを推し進めたことは反省せず、「原子力の代わりは『停電』だ」などと、計画停電除外地域から平気で叫んでいる経産省(西山審議官はもともとは通商交渉担当の事務官で技術専門でもなく、彼個人の見解とも思えず。)には、言葉を失います。

確かに、現段階で「ただちに『脱原発』」というのは不可能であると思います。しかし、現在の生活を見直すのではなく、増設を悪びれずに言うとは・・・。

「原子力発電所建設ならびに使用済み核燃料の保管を、霞ヶ関か永田町で引き受けよう!」と言えないなら、これはただの暴言、暴挙だと思います。

※東京電力が、給湯や調理などすべてを電気でまかなう「オール電化住宅」の普及を推進してきたことが、今回の電力不足に拍車をかけている。

 この3年間で戸数が倍増し、最大で原子力発電プラント2基分にあたる約200万キロ・ワット分の電力消費能力が増えた可能性がある。東電は、東日本巨大地震後、計画停電をせざるをえない状態で、オール電化の普及策は抜本的な見直しを迫られている。

 東電によると、管内9都県のオール電化戸数は2002年3月末時点で1万3000戸だったのが、08年3月末に45万6000戸になった。10年末には85万5000戸に倍増した。「原子力は発電時に二酸化炭素を排出せず、地球温暖化の防止につながる。省エネにもなる」とアピールし、電気料金の割引を適用してきたが、急速な普及策が裏目に出た形だ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110323-00000569-yom-bus_all

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計画停電地域外には『自主停電』割り当てを

2011年03月23日 | 原発・核・311

△△ 様

今日も、我が家は多分18時20分から22時の間2時間くらいの停電になると思います。

被災地のことを考えると、停電くらい我慢できますが、それでも東京23区のうち4区以外を計画停電をさせないということに対する不満は大きいです。

「電気を一番使う東京初め大都市に何の負担を持たせない」という発想が、元凶ですね。

戦時中の空襲時ではないですが、電力需要が多い夕方から夜間は計画停電外の地域では強制的にでも『輪番自主停電(電気は使えてもブレーカーを落とす)』をさせるべきだと思います。

昨夜は飲み会にいらっしゃったようですが、正直なところ自粛して欲しかったですね。

(お店の経営状況を考えると難しいところですが、都内でも一日に2回停電してお店を営業できないところがあって、「駅の反対側のお店は停電が一回もない。補償はしてくれるのか」という声が上がっています。)

被災地のこともですが、周辺でも夕方の停電があるところで、小さな子供や病人を抱えた家庭がどれだけ大変か想像してくだされば嬉しいです。

それにしても、3月14日時点で、枝野官房長官が「特に(電力)立ち上がりとなる午前中は節電を」と計画停電対象地域に呼びかけたそうですが、それならば計画停電地域の停電はなぜ夜間にさせるんでしょうね。せめて明るい時間帯にすべきではないでしょうか。

ゆかり

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無理やり技師や自衛官を福島原発に送り込んだ人達がしてきたこと

2011年03月23日 | 原発・核・311

ロイターの昨日の記事です。英語が読める方はどうぞ。

Special Report: Fuel storage, safety issues vexed Japan plant

http://jp.reuters.com/article/topNews/idUSTRE72L2E820110322

さて、上記は英文のうえ、恐ろしく長いので、このレポートについて沢利之氏という元信託銀行役員の方が書いたコラムがありますので、こちらの抜粋をはりつけます。

『福島原子力発電事故の人災的側面』

http://news.livedoor.com/article/detail/5432962/

(抜粋始まり)

今回の事故が拡大した背景には、地震と津波という天災だけではなく、原発の管理、特に廃棄済み燃料の保存の問題等があることが少し見えてくる。合わせて監督するべき国と監督される東電の距離の近さ、はっきりいうとある種の癒着に近い状態が見えてくる。

一つのレポートだけを見て、多くのことを判断するのは危険だが、今後問題解明が進む中で頭に入れておいた方が良い点が幾つかあると思われる。

レポートによると、部分溶融が起き、放射性物質を含む煙を上げている福島原発は設計上想定された量をはるかに上回る廃棄済み燃料を貯蔵していた。IAEAが開催した会議において東電は、6年分近い廃棄済み燃料を保存していた。

地震が発生した時、約4千本の使用済み燃料棒が原子炉の建屋の最上階の循環式プールに格納されていた。この想定を超える使用済み燃料が、事故対応を複雑化させたと役人と専門家は述べている。米国の原子力技術者は「使用済み燃料は相対的に薄い容器に入れられ、一つのポンプ式冷却システムに依存しているので、被害を受け易い。これは災害のレシピだ。」と述べている。

建屋の最上階に設置された使用済み燃料プールは、最上階であるだけに地震の際、揺れ易く水が飛び出したり、プールにひびが入り、水が漏れるリスクが高いと専門家はコメントする。

使用済み燃料の保管の問題は、日本だけでなく米国も抱える難しい問題である。日本では六ヶ所村に再処理工場を建設する予定であったが、完成は2012年まで延期されている。

素人的な言い方をすると、捨て場がない使用済み燃料を仕方なく、原子炉の最上階に貯蔵しておいたところ、予期せぬ大地震と津波がきて、問題を更に大きくしたというのが、福島原発事故の一つの構造ということだろうか?

問題はそれだけではない。東電は事故の2週間前に当局(原子力安全・保安院か?)に、予備用発電機を含む33の設備の部品について検査を見落としていたと報告している。

原発の建設や運営を管理する国側と東電が近過ぎるため、監督官庁のチェックが甘くなっていたという問題も指摘されている。例えば東電は2002年に6つあった原子炉のひび割れを3つと改竄して報告し、当時の社長らが引責辞職するという不祥事を起こしている。

(抜粋終わり)

現在、建設、計画予定中の原発14基で、山口県の上関に予定しているものは、工事を続行するといいます。(※現在一時停止)

「ここの管轄は中国電力。管理もきちんとできる」と自信を持って言う人もいるかもしれませんが、ただし、使用済み燃料の問題が解決されないのは同じ(しかも、プラント自体が使用することで放射能汚染されて、解体もその後の処理もままならない、と言う問題もあり)です。

最近読んだウォール・ストリート・ジャーナルのコラムに、「GE(福島原発の原子炉はここのもので、比較的安価である反面、安全性に問題があったものと言われています。)は、原子力発電から撤退すべき。それを辞めても経営困難にならない」というようなものがありました。

GEにしろ、大手原子力発電メーカーが原子炉製造販売を止めることを切に願いながらも、事故おきて「やっぱり危険。もう一抜けた」という感じでの撤退するのだとしたら、現在も福島原発で命や健康をかけて作業している人たちは報われません。

最近、各国で原子力発電の安全に対しての疑問の声が上がっていますが、とにかくも、『電気をたくさん消費する生活に何の疑問も持たずに生活している人たち』が率先して考えずには、何も変わらないでしょう。

原発ビジネスで恩恵を被る人々は何か危険が起きると、東京電力の技師(たぶん下請け業者の人が多いのではないかと思います。)や自衛隊、消防隊、警察官を無理やり送り込んで、安全な場所から「彼らはヒーローだ」ともてはやしたりますが、これは、電気をたくさん使った生活を「今更手放せないよね」と言っている一般人も『同じ穴の狢』だと思います。

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山形に留まるラインホルトさん

2011年03月22日 | 友人・知人

海外や国内の友人達からは先週もずっともらいましたが、中でも印象に残ったのは、ミラノの友人のリアーナさんから「あなたとあなたの家族がよかったら、落ち着くまで我が家に退避しにきて。」という申し出と、韓国の趙さんから、「地震で材料が入らなくなった友人の会社のために、普段扱わない物資調達に努力しています」というメール。
イタリアからは社会学者のドーア氏からも、日本の友人達を気遣うメールが入りました。

国内の外国人では、山形で働くドイツ人のラインホルトさんから無事を知らせるメールが入りました。
このメールで無事を確認したものの、山形から帰国しようとしないラインホルトさんに、私は内心、「彼のご家族も心配しているだろうに、一旦ドイツに帰国すれば良いのに・・」と思っていましたが、それに感づいてか再び届いたメールでは、

「命の危険だ~どこへでもいいから早く逃げろ~って、もしかして大きすぎる都会にありがちな考え方(?)かも知れませんが、東北は違います。

荒れ果てた地域なら、今の海沿いなどみたいに酷くやられたところなら、もちろんそれしかありません。

山形には遠い原発から来る危険、生活品が少なくなること、そして節電・節水の必要だけです。建物などには見られるほどの損害が、殆どありません。

買い物のため、梯子して三つか四つのスーパーで必要なものを買い集めなければならないこと、それも普通とちょっと違いますが、日に日に、開いている店が多くなって、生活品も多くなります、ミネラル水など。

やはり戦争も災難もない、穏やかな日々は、どれほど貴重なことか、そんな時に初めて分る気がします。」(抜粋一部編集)

と書いてあり、山形の人々が助け合っている様子も綴られていました。

まあ、ラインホルトさんは元来の楽観主義者であること、TVを全く観ない人、と言うことでここまで落ち着いていることとは思いますが、やはり根本は日本を愛する気持ちが日本人以上に強いのだろうな、とありがたく思います。

(しかし、やはり彼のご家族やご友人は気が気ではないはずですし、今後の不安も残るわけで、私としては一旦帰国を勧めたいのですが・・・)

さて、日本と海外の情報についてJapan Timesの昨日の記事のリンクを貼り付けます。

Foreign media take flak for fanning fears

Sensationalist reports spark debate on timid domestic press

http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/nn20110321f1.html

(この記事にあるように、海外メディアも錯綜していますが、かといって日本政府やメデイァの情報もいま一つ信頼にかける気がしているので、どれを信じて良いかわからなくなります。)

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