Various Topics 2

海外、日本、10代から90代までの友人・知人との会話から見えてきたもの
※旧Various Topics(OCN)

日本の武器商人たち-「戦争はビジネスチャンス」と言う元防衛大臣

2016年02月29日 | 武器輸出・TPP・モンサント・農薬

日本の武器輸出を推進派の人達について書いてきましたが、新聞の整理をしていて気が付いた記事を紹介します。 

東京新聞(2016年2月11日朝刊)
変質する「平和」3
殺傷リスク抱え輸出視野 

「10年前には、日本でこういう展示会をするなんて考えられなかった」
国内初の武器展示会に企業の参加を呼び掛けた防衛技術協会の職員は、欧米やアジアなど40カ国の軍人や防衛企業120社の社員らが集まる会場で感慨深げに語った。 

防衛、外務、経済産業の三省が講演する展示会は昨年5月、横浜市のイベントホールで開かれた。テニスコート10面分にも及ぶ会場に無人攻撃機の模型や戦艦の砲塔の実物大模型が並ぶ。サクラをイメージしたディスプレーが目を引く日本ブースでは、潜水艦や護衛艦などのパネルや模型が展示され、自衛官らが海外の軍人にチラシを配って談笑した。自衛官らは横須賀基地の護衛艦見学ツアーも組んだ。 

開催に関わった森本敏・元防衛相は会見で「以前は『日本が武器商人になっていくのか』『リスクを負いたくない』という慎重な会社が多かったが、この分野にビジネスチャンスが開かれていることに多くの企業が気づきはじめている」と誇らしげに語った。 

ほとんどが様子見 

安全保障関連法案の国会審議が大詰めを迎えていた昨年9月15日、経団連は「防衛装備品の海外移転」、つまり「武器輸出」を国家戦略として推進すべきだ」と提言した。 

展示会には、国内から三菱重工業や川崎重工業など12社が参加。単独ブースを出したNEC幹部は「以前は海外展示会の視察に行っても、自社製品は展示しなかった。この機会を積極的に捉えたい」と語る。 

企業も武器輸出に前のめりになっているようだが、「様子見がほとんど」と話す大手防衛企業の元幹部も。「民生品が軍事でも売れるならいいかなというのが本音。武器は負のイメージが強く、投資意欲も弱い。展示会に参加を要請された企業の8割以上が参加を見送ったようだ」と話す。 

(後略) 

ウィキペディア
森本敏
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A3%AE%E6%9C%AC%E6%95%8F 

元防衛大臣が、
「武器輸出はビジネスチャンス」
と、セールスマンと化している恐ろしさ。

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Milanoのカタカナ表記、戦前は「ミラン」、戦後に「ミラノ」

2016年02月29日 | 異文化

Raffaelloのイントネーション、そしてカタカナ表記について話しているなかで、

( “ラファエロ”のイントネーション追記(イタリア語の発音)
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/a120a2f347ddd11032cbdd7f8c044db8
 )

マッシモ・スマレ先生とMilanoのカタカナ表記の話になりました。                  

スマレ先生は、
「日本では元はMilanoをミランと書いていて、戦後これがミラノになった」
と書いてきて、「ミラン市」という表記を使っている古い文献(19世紀後半〜1939年)を紹介したサイトのリンクをいくつか送ってきてくれました。 

これに対し私は、
「「ギヨテとは 俺のことかと ゲーテ言い」という川柳がつくられたように、外国語でも特に固有名詞は、正式な場合を除いては、案外自由でしたしね。
そういえば、アイスクリームも昔は「アイスクリン」と言われてもいましたし、聞こえ方も様々だったのか。」
と返しました。

しかし、人名やアイスクリームと違って、都市名は漢字の当て字があるだろうと思って調べてみたところ、ミラノは「未蘭」もしくは「米蘭」と書いていたことが判明。(「米」は中国語では「Mi」と読むようです。亜米利加では「め」として使われていますが。) 

参考:外国地名の漢字表記
http://www.ss.iij4u.or.jp/~ana/chimei.htm

ということは、スマレ先生が説明してくださったように、明治以降の日本人はカタカナでも「ミラン」と書く方が一般的だったのでしょう、きっと。 

(この「ミラン」表記、戦争が始まる頃に、「敵性語である英語Milanの発音に近いカタカナ表記ではなく、同盟国で本国語であるMilanoに近い「ミラノ」に変えろ」という通達でもあって変えられたのでしょうか。スマレ先生は戦後(”After the Second War”)と書いていますが、これは「終戦後」という意味とは限らないと思うので。)

外国の地名の話は、以前にも、
Turin, Miran,Munich, Zurich, Prague・・・はどこ?
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/80683181a81be29b0878b55e302f9c30

で取り上げ、 

「フィレンツェが英語でフローレンス、ヴェネツィアが英語でヴェニスになることは頭にあっても、トリノが英語でチュリン、ミラノがミランというのまでは頭が働きませんでした。(「ミラン」はサッカーチームのおかげでよく知られるようになりましたが・・・。)」 

と書きましたが、いずれにしても「ミラン」は、サッカーチームが有名になる以前に日本で使われていたんですね。 

ところで、今フジテレビ(火22:00〜)で放映しているホームコメディドラマ『お義父さんと呼ばせて』には、イタリアになじんだ名前の3兄妹が出てきますが、ちょうどヒロインの名前が「美蘭(ミラン)」でした。

(兄の「葉理男(はりお)」はオリーブオイルの「Hario Deli」、妹の「真理乃」はパスタの「Murino Marino」などからつけたのか・・・。) 

→「葉理男」はパリから、「真理乃」はサンマリノから。

追記:

中国語でも日本語でも、スペインは漢字で「西班牙」。
「アメリカ合衆国」は、日本語は「亜米利加」「米国」で、中国語は「美国」。
中国は、どうして「美国(めいごわ)」にしたんでしょう。

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スロベニアの検視結果・ジカウィルスと小頭症の因果関係は「コッホの原則」で証明を

2016年02月27日 | 福祉・医療

2月12日に
ジカウィルスと小頭症の関連性深まる?スロベニアで中絶され研究材料にされた32週の胎児http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/765d970b8a9b6c749ee779585fa16744
を書きました。 

この欧州人の母親は、2013年12月からブラジル北東部のリオ・グランデ・ド・ノルテでボランティアをし、2015年2月終わりに妊娠、13週目にジカ熱にかかったとみられていました。28週目に欧州に戻り(「欧州人」ということしかわかりませんが、スロベニア人ですよね・・)、29週目に胎児が小頭症の兆候を見つけ、母親の希望もあって32週にスロベニアで中絶。(これは昨年の12月くらい?)

この件について書かれている記事のリンクと、記事からこの胎児の検視結果と、ハーバード公衆衛生大学院のDr.Rubinのコメントを抜粋して張りつけます。 

Medscape(2016.2.12)
Fetal Autopsy Report Strengthens Zika–Microcephaly Link
Marcia Frellick
http://www.medscape.com/viewarticle/858877 

(※上記リンクをクリックするとログインのページしか出ないようです。表題をコピーして検索して記事を読んでください。)

検視結果: 

Autopsy results showed a grossly diseased and very small brain weighing 84 g, which is 4 standard deviations below average; an absence of cerebral gyri or brain folds; severe dilation of both cerebral lateral ventricles; and dystrophic calcifications throughout the cortex, the subcortical white matter, and the stem and spinal cord. Zika virus was found in the fetal brain tissue on reverse transcriptase–polymerase chain reaction assay, and the complete Zika virus genome was recovered from the fetal brain. 

Fetal body weight was 1470 g (5th percentile), body length was 42 cm (10th percentile), and head circumference was 26 cm, which was in the first percentile.

Calcifications in the placenta and a low placental–fetal weight ratio indicate the virus may have damaged the placenta. The virus was not found in other organs beyond the brain. 

Dr.Rubinの意見: 

In an accompanying editorial, Eric J. Rubin, MD, PhD, from the Department of Immunology and Infectious Diseases, Harvard School of Public Health, Boston, Massachusetts, and colleagues point out that although the autopsy findings make the link stronger, the report does not prove that Zika virus causes microcephaly. The accepted criteria for proving causation, they note, were those set by Robert Koch in 1890, "which require the isolation of the causative organism, reinfection of a susceptible person in whom the characteristic disease develops, and then repeated isolation of the organism." 

Dr.Rubinと同僚は、結局のところ、「ジカウィルスと小頭症の関連の可能性は高まったとはいえ、ジカウィルスが小頭症を引き起こすという証明には至らない」と言い、証明は「コッホの原則」を満たしていないと記しているようです。 

(コッホの原則: 

  1. ある一定の病気には一定の微生物が見出されること
  2. その微生物を分離できること
  3. 分離した微生物を感受性のある動物に感染させて同じ病気を起こせること
  4. そしてその病巣部から同じ微生物が分離されること)

スロベニアでのこの中絶と検死結果についての大手メディアの報道は、「これで更にジカウィルスと小頭症の関連性があるのがわかった」というようなものだけで、Dr.Rubinのような意見は、素通りでした。 

ところでこの記事の終わりに、斜め時でこう書かれていました。  

The authors have disclosed no relevant financial relationships. One editorialist reports receiving grant support from the Ragon Institute, the National Institutes of Health/National Institute of Allergy and Infectious Diseases, and the Gates Foundation outside the submitted work. He is also a deputy editor at the New England Journal of Medicine and is involved in HIV vaccine clinical trials conducted in collaboration with the National Institutes of Health, HIV Vaccine Trials Network, International AIDS Vaccine Initiative, Crucell/Janssen, Military HIV Research Program, Gates Foundation, and the Ragon Institute. The other editorialists have disclosed no relevant financial relationships.

”The Authors”は、米医学誌『ニューイングランド医学ジャーナル』に寄せた報告書の作者、つまり、Jernej Mlakar外のリュブリアナ大学の医師団のことを指しているのか、それともこの医学誌、および寄稿者に事なのか、私にはよくわかりませんが、いずれにしても、ビル・ゲイツ財団が関わっていそうですね。

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“Pennsylvania”のカタカナ表記、“Yugoslavia”の発音

2016年02月27日 | 異文化

前回、Raffaelloのイントネーションとカタカナ表示について書きました。 

カタカナ表示についていえば、私が若い頃は、スペインのMadridは「マドリッド」と表記するのが一般的でしたが、いつの間にか「マドリード」が主流に。 

米国の州Pennsylvania は、「ペンシルバニア」が主流でしたが、今はこれも「ペンシルベニア」が主流。 

この「ペンシルバニア」はイギリス英語に近く、「ペンシルベニア」はアメリカ英語に近く、ということでしょうが、今でも私は「ペンシルベニア」と言ったり、カタカナでいたりするのにはちょっと抵抗があります。 これは別に私が「イギリス英語」支持者だからではなく、単にイメージの問題ですが。
(『シルバニア・ファミリー』が『シルべニア・ファミリー』となったら、イメージが変わりませんか?) 

ところで、「ペンシルバニア」に拘りたい私でも、実は私が20代の頃職場の中の英会話クラスで、“Yugoslavia”を「ユーゴスレィビア」と発音して、先生に「ユーゴスレィヴィアではなく、ユーゴスラァヴィア」と直されたことがありました。
(前半をアメリカ人の先生、後半をオーストラリア人の先生、不定期にイギリス人の先生に教わりましたが、この時の先生はアメリカ人の先生。) 

Tomatoを「トメィトゥ」と発音する米国人(イギリス英語は「トマートゥ」)なら、Yugoslaviaを「ユーゴスレイヴィア」と発音する人・・・いないか・・・。

カタカナ表記の前に、英語は難しいです。

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“ラファエロ”のイントネーション追記(イタリア語の発音)

2016年02月26日 | 異文化

“ラファエロ”のイントネーション
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/6f3b6a0a58ea860666822d33adcb97c7
の追記です。 

ティムさん、クラウディアさんとのやり取りメールを、マッシモ・スマレ先生にもCCで送らせてもらったところ、以下のようなお返事をいただきました。 

 If you wish to pronunce the name of Raffaello as Italians do, the correct transliteration in Japanese katakana it’s not ラファエロ but ラッファエッロ.

   Here you can hear the Italian sound. 

Italian pronunciation of Raffaello
https://www.youtube.com/watch?v=Mgq6XfPXwNw 

(スマレ先生、ありがとうございました。 )

イタリア語に近くする場合は「ラッファエッロ」になることは知っていましたが、ビデオの発音は私の耳には、「アラファエッロッ」と聞こえてしまいます・・・。
(語学勉強向きの耳ではないのを実感。 )

ところでカタカナ表記ですが、さすがにイタリア政府観光局は「ラッファエッロ」を使っているようです。

トリノ、ラッファエッロ展2015
http://visitaly.jp/raffaello-torino2015.html 

スマレ先生には、
「日本でのカタカナ表記はほとんど「ラファエロ」を使っていて、私も書くときはそう書きますが、私、夫、友人Tのイントネーションは、ビデオのものとだいたい同じだと思います。」

と書いたものの、本来は「ラファエッロ」と書くべきなんでしょうね。

参考: 

マッシモ・スマレ氏のインタビュー動画・日本礼賛番組が卑しく思える理由
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/dd00559efa03bd8f9e68af795eb96b1c
 

(続く)

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“ラファエロ”のイントネーション

2016年02月26日 | 異文化

一昨日、TVでラファエロと、彼の故郷ウルビーノを紹介している番組を観ました。 

この番組はなかなか良い番組だったのですが、一つ気になることが。 

ナレーションの女性は「ラファエロ」の発音を平坦、最後の「ロ」を強める呼び方をしているのです。
(「東京電力」の短縮形「東電」を(標準語をつかっているのに)「盗電」のイントネーションで話すアナウンサーもいましたが、その「盗電」や、フラットで末尾にアクセントを置く現代版「彼氏」と同じような言い方。) 

この番組でイタリア人の吹き替えをしていた男性も、ナレーターの発音とは違いましたが、やはりちょっと「平坦」な発音をしていました。が、彼の場合「ラ」が強め。 

私は「ラファエロ」と呼ぶときは、「ファ」にアクセントをおきますし(彼のフルネーム「ラファエロ・サンティ(サンツォ)」と呼ぶときは、フラット気味で「ロ」にアクセントを置く)、夫も友人Tも同じ。 

外国人の地名、名前を日本で呼ぶときは「これが正しい」というのがないと思いますが、本国イタリアではどうなのか、英語ではどうなのか、と思ってクラウディアさんとティムさんに質問してみました。 

返事が来た順に: 

ティムさん: 

In English the name is anglicized as "Raphael".  The accent is on the "Ra" with fading intonation for the remainder of the name.

I believe the actual Italian is different, so I'll leave that to Claudia! 

クラウディアさん: 

in Italian the letter "F" is always strong. This is probably the only difference in pronunciation between Japanese and Italian, since in Japanese "F" is always soft. So when you say "Raffaello", the two "F" must be strongly pronounced. 

つまり、イタリア語では「ファ」に、英語では「ラ」にアクセントを置いているようです。 

やはり、日本語で「ラファエロ」と呼ぶときは、「平坦で「ロ」にアクセントを置く読み方」は、避けた方がよい気がします。

(続く)

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80年代Sugarの『ウェディング・ベル』・昭和の歌謡曲の中のドラマ&ユーモア

2016年02月25日 | 芸術・本・映画・TV・音楽

外国人の友人達に、日本の歌を(日本語の勉強のためもあって)送ることがありますが、昨夜送ったものを。 

Wedding Bell 

オリジナル:
Sugar
https://www.youtube.com/watch?v=RXpyrX8Q3Gc

Sugar (2番抜き、英語字幕付き)
https://www.youtube.com/watch?v=JkOYOwdL3go 

Puffyバージョン:
https://www.youtube.com/watch?v=vrGy1aGXYFc 

70年代と80年代の日本のポップスって、若い人(外国人も含む)でも好きな人がいるようですが、その頃の歌は、歌詞だけで一つの人間ドラマを見ている気になったりするものや、ユーモラスなものも今に比べて多かった気がします。 

(改めて聞くと突っ込みどころがある歌もあって、歌謡曲大好きだった私の同世代の友人は、「若い時は気が付かなかったけど、麻生よう子の『逃避行』って、とんでもない歌よね。「それがなきゃいい人なのに」って、散々泣かして、一緒に逃げようと言っておきながら、酒におぼれ、他の女性に引き留められてすっぽかす男、最低の男じゃない。こんな男待たないわよ。」と言ってこの歌を口ずさみ、周りの皆を笑わせました。

逃避行
https://www.youtube.com/watch?v=JCIlmMlJsak

海外の友人達にはこれまでも、日本の70年代〜現在の日本のポップスを紹介してきましたが、さだまさしのこの歌もセットで送ると面白がってくれるかもしれません。

(英語の字幕付きがないと、英訳して送らなきゃなりませんが・・。) 

関白宣言
https://www.youtube.com/watch?v=tsXkp9FVzgg

関白失脚
https://www.youtube.com/watch?v=SMR4i1NRjOM 

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ブラジルの小頭症とサリドマイド・サリドマイド被害を最小限に食い止めたフランシス・ケルシー

2016年02月24日 | 福祉・医療

若い頃、アーサー・ヘイリーの小説に嵌ったことがありました。 

ウィキペディア
アーサー・ヘイリー
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%98%E3%82%A4%E3%83%AA%E3%83%BC ) 

中でもお気に入りは、 

『マネー・チェンジャーズ』
『最後の診断』
『ストロング・メディスン』。

最近、子宮頸がんワクチン、住友化学のピリプロキシフェンのことを書いていた時、時々この『ストロング・メディスン』が頭をかすめていました。 

この小説は、製薬会社に勤めるシーラという女性が主人公ですが、ヘイリーは、サリドマイドの安全性に疑念を抱き、様々な圧力に屈することなく米国での市販認可を止めさせたフランシス・ケルシーをモデルにしたのではないか、と思います。 

ウィキぺディア
フランシス・ケルシー
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%B1%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%83%BC 

この小説が私の頭にあったのは、「製薬会社・研究者・医師の倫理」の点で、そしてもう一つ、このサリドマイド薬が、ブラジルでは無料で配られている点からです。 

サリドマイド薬はサリドマイド被害を出しましたが、ハンセン病、HIVなどの治療薬として効果があるとして(1965年にイスラエルの医師が発見)のちに米国や日本でも承認されました。しかし、大抵の国では処方は最小限。それに対しブラジルでは、貧困地区に無料で配る(配った?)というあり様。
これは、ブラジルの貧困地区のハンセン病患者対象にということからですが(ま、製薬会社の寄付ですかね。人体臨床実験もかねて。)、容易に入手できるこの薬のおかげで、2010年から2005年の6年間にブラジルでは約百人のサリドマイド被害児が生まれています。 

サリドマイド薬害で小頭症の子供は生まれるということは聞きませんが、たとえば従来のサリドマイド薬の改良版の場合はどうでしょう。医師がその薬を妊婦に処方をしていたとしたら(サリドマイド薬には「らい性結節性紅斑」にも効果があるということです。デング熱やジカ熱も関節の痛み、発疹などの症状があります。)?

そして、上述は穿ちすぎであるとしても、ブラジルでは安全性が確保できていない薬の取扱いがあまり慎重でないのは確かである気がします。
(人間向けの薬剤だけでなく、ピリプロキシフェンやGMモスキートといったものも含めて。ワクチンのTdapも妊婦に強制接種ではなく、選択にすべきだったと思います。) 

ジカウィルスに感染した妊婦から胎児への感染(脳組織も含め)は、デング熱で既に垂直感染が報告されてもいるので、これは実際あると思います。

しかし、他の国でジカウィルスに感染した妊婦がいても小頭症の子供の報告はほとんどないのはなぜでしょう。 

ジカウィルスが胎児の脳で発見されても、ジカ熱に感染をした妊婦から生まれた障害を持たない赤ん坊の脳にウィルスがあるかどうかを検査もしない限りは(不可能)、「今回のブラジルの小頭症の原因はジカウィルス」という決定打にはならないと思います。
(「日本脳炎」の胎児への影響は不明とのこと。)

しかし、「ジカウィルスが小頭症の原因」「ジカウィルスのワクチン開発」で、すべてを終わらせようとしている流れ。

2015年8月7日にフランシス・ケルシーは亡くなりました。
彼女の後継者的人物は出てこないのでしょうか。 

参考: 

Independent (2015.12.15)
Thalidomide: the drug with a dark side but an enigmatic future
http://www.independent.co.uk/news/science/thalidomide-the-drug-with-a-dark-side-but-an-enigmatic-future-a6772956.html 

ベッガのブログ
サリドマイド薬害事件
http://hyocom.jp/blog/blog.php?key=262541 

いしずえ
サリドマイド福祉センター
http://www008.upp.so-net.ne.jp/ishizue/aboutthalidomide.html 

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武器輸出が国際貢献?・GRIPSの准教授が「課題は実戦経験不足」

2016年02月23日 | 武器輸出・TPP・モンサント・農薬

昨日の1本目に書いた、

国際協力銀行が武器輸出に投融資して幸せになる人、不幸になる人
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/2371bab49e361c57f78ca6b91bce1888

で紹介した東京新聞の記事には、 

「二〇一四年末に防衛省が設置した有識者会合「防衛装備・技術移転に係る諸課題に関する検討会」(座長・白石隆政策研究大学院大学長)で議論された。」 

と書いてありました。 

この政策研究大学院大学(GRIPS)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%94%BF%E7%AD%96%E7%A0%94%E7%A9%B6%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E9%99%A2%E5%A4%A7%E5%AD%A6
の教授が、2014年12月に武器輸出に力を入れ始めた理由を書いていました。 

NewSphere (2014年12月5日)
武器輸出支援に積極姿勢 イスラエルが取引拡大に期待も、“主役にはなれない”
http://newsphere.jp/politics/20141205-4/ 

抜粋: 

国際政治学者、道下徳成・政策研究大学院大学教授は、シンガポールの英字紙『The Straits Times』に、日本の武器輸出に関する論説を寄稿した。道下氏は、日本が武器輸出に力を入れ始めた主な理由を3つ挙げている。 

 1つ目は、「日本はもはや、非常に高価な自衛隊向けの国産武器・装備を購入し続けることができなくなった」というものだ。同氏は、90式戦車(700万ドル)とM1A1戦車(430万ドル)、F-2戦闘機(1億1100万ドル)とF-15戦闘機(2700万ドル)など、日米の兵器の価格を比較。国産兵器の販路を世界に拡大して価格を下げない限り、巨額な借金を抱える日本だけで支え続けることはできないとしている。 

 上記と合わせて、「最先端兵器をリーズナブルな価格で入手する唯一の道は、もはや国際的な共同開発に参加することだけだ」というのが2目の理由だ。 

そして、3つ目は、国連の平和維持活動に参加している部隊に武器や装備を拠出することが、「国際平和への貢献」につながるというものだ。また、これらに立ちはだかる課題として、道下氏は、売却した武器の第3国への移転問題と、やはり「実戦経験不足」などを挙げている。 

武器輸出に関し、「課題は実戦経験不足」という言葉が使われても、話題にならないようになってしまったのですね。(道下准教授(教授ではなく准教授)は政治家ではないですが、それでも政府の代理人という立場での発言。) 

2月18日に書いた、
『戦争のつくりかた』に対するティムさんの感想
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/978ddea78c887eb2c7784f08107fbb58

のなかで、私は、アメリカ人の友人から送られてきた日本人による動画を見た時の感想をこう書きました。 

抜粋:

ティムさんはこの動画に好意的ではあるものの、この動画は不完全であると言います。 

彼は、「日本が平和(不戦、平和国憲法)を選んだのではなく、それを義務として負わされたものだったし、日本は米国(他西側諸国)によって守れらて来たからこそ、今の日本でいられる」という点について触れるべきであると考えているようです。  

前者について私は、たとえ平和が「米国から押し付けられたもの」であったとしても、何十年もそれを大切に守り続けてきたのですから、「日本人は平和を選んできた」と言ってもよいと思います。 

(中略) 

後者について、日米同盟(米国の核、日本の米軍基地)のもとに日本の平和があったかどうかは、私には判断ができないです。 

また、ティムさんは触れていませんでしたが、日本の今があるのは、朝鮮戦争やベトナム戦争の特需があったことが大きく関係するし、中東の混乱(これも大元は欧米が作り出したものですが、)があっても一応石油を手に入れられてきたということ、また、米国への『思いやり予算』が他国への軍事力行使にも使われたということもあるでしょう。それは間接的には日本も戦争にはイノセントではなかったということ。  

(ただし、現在のように、大っぴらに武器輸出に力を入れるなんてことは、当時の日本はなかったです。武器輸出をして戦闘員を出さない国はないと思いますので、この武器輸出が本当に危険だと思います。) 

「日本は平和国を目指しながらイノセントではなかった」というのは、ある見方のよれば、「ずるい」と取られても仕方がないことだったのかもしれません。

しかし、その代わりに、日本は国際協力の分野で世界に貢献をしてきて、(米国寄りではありましたが)バランスをとってきた国だから、「ずるい」といわれることもなく、ここまでの国になれていたのだと思います。

安部政権になって日本はバランスを崩してし、方向性を失ったようです。

(海外で安倍政権を評価しているのは、イスラエルと、最近やたらと「ヨイショ」してくれる米国の一部政治家・学者くらいではないでしょうか。

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SOAS出身者たちにとって今の日本は

2016年02月22日 | R.Dore

先のブログで2月1日のSOASのイベントのビデオを紹介しましたが(※)、これを見ながら(英語が苦手、特に聴く、話すが一向に向上しない私にはほとんど聞き取れていませんが・・)、

「パネリストの方々は、長年日本をウォッチ、日本とかかわってきているわけですが、彼らの中で現在の日本は魅力的な国なのだろうか」
と、不安になりました。 

政治に関していえば、一昨年『幻滅』という表題で本を出版されたドーアさんは言わずもがな、コータッツィ元駐日大使、Laura Hein氏などは安倍政権の対外外交には批判的です。http://chikyuza.net/archives/48794 

この政治および経済の話を抜きにして、日本は今も彼らにとっては「日本について研究したい」と好奇心を掻き立てられる国なのでしょうか。
文化、景観から日本人そのものまで。 

例の一つが日本人女性。 

ドーアさんは、日本の魅力は「日本女性」に見つけていたと話し、会場の笑いをとっていましたが、彼はあれは半分本気だったと思います。 

それは、ドーアさんが「オリエンタル美女が好き」「男性に逆らわない大和撫子に憧れる」と言うことではなく(前者はそうかな・・・)、彼が接してきた日本人女性たちには、「「知的、芯が強い、気配りもできて優雅な人」and/or「暖かく、思いやりを持った柔らかい人」が多かったのではないか、と思うからです。 

今もドーアさんはそうした日本人女性の友人、知人を持ち(私自身は「知的、優雅さ」に欠けますが、)、日本にやってくれば、レストランで、駅で、そうした女性と言葉を交わすことはあるでしょう。 

しかし近年ドーアさんが日本で見かけてきた女性には、外見はスマートで物腰も丁寧であっても、マニュアルどおりにしかしゃべらない女性、はたまたコスプレ並みのお化粧をしたお人形のような女性、スマホから目を離さない女性などが、増えていたのではないか、と思います。 

1人1人話してみたら面白い人もいると思いますが、そこまで相手に対して興味が沸かない。

文化についても。 

1950年代に日本に初来日したドーアさんや、1980年代初めに駐日英国大使として来日したコータッツィ卿は、「「日本はすごい」「「外国人は日本が好き」と言いながら日本のアニメや漫画、オタク文化を日本の魅力としてアピールする今の日本」をどう思っているのでしょうか。 

(もっとも、日本政府がサブカルチャー発信プロジェクト名として付けた“クール・ジャパン”は、1996年に英国が作った“クール・ブリタニア”が元祖だったようです。

名は似せても、英国と違って、日本は「大人の国」としての歯止めがかからなかったわけですけどね。 

クール・ブリタニア
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%AA%E3%82%BF%E3%83%8B%E3%82%A2 

http://www.murc.jp/thinktank/rc/column/search_now/sn091019 ) 

彼らの本音を伺いたいです。 

ロンドン大学SOAS100周年記念イベントの動画
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/f201805fcc0ed690b5c5de52bfa9b1a7 

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国際協力銀行が武器輸出に投融資して幸せになる人、不幸になる人

2016年02月22日 | 武器輸出・TPP・モンサント・農薬

東京新聞(2016年2月22日)
武器輸出にも投融資 国際協力銀、豪潜水艦など検討
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201602/CK2016022202000114.html 

武器輸出を原則認める政府の政策転換を受け、政府系金融機関の「国際協力銀行(JBIC)」が、武器輸出先などへの融資や出資を検討していることが分かった。政策転換までは原則輸出禁止だったため、JBICが投融資したことはなかった。専門家は「武器輸出での金融支援は、日本経済の軍需産業への依存度を高めてしまう」と警鐘を鳴らす。 (望月衣塑子) 

 JBIC広報は「武器輸出に融資や出資をするか否かは、政府が提示する案件次第だ。厳格に審査した上で判断していく」と投融資の可能性を認める。武器輸出政策を担う防衛装備庁装備政策部は「案件ごとの精査になると思うが、利用できるなら武器輸出への融資や出資を検討してほしい。JBICが成功すれば民間の金融機関も積極的になるはずだ」とする。 

 JBICの投融資については、二〇一四年末に防衛省が設置した有識者会合「防衛装備・技術移転に係る諸課題に関する検討会」(座長・白石隆政策研究大学院大学長)で議論された。 

 具体的には、日本から武器を輸入する側への低利融資や、海外で武器を製造するためにつくられる合弁会社や日系の現地法人への出資などが検討された。

 一方、JBIC側でも、同年四月に武器輸出を原則認める防衛装備移転三原則が閣議決定されて以降、検討を始めたという。 

 JBICによる武器輸出への投融資第一号となる可能性が指摘されているのはオーストラリアの潜水艦建造事業。総事業費五百億豪ドル(約四兆円)ともいわれ、日本とドイツ、フランスが受注を争っている。日本は安倍晋三首相が日豪首脳会談などで売り込みを図っているほか、官民合同で現地説明会を何度も開いている。JBICは日本の受注が決まれば、建造のために設立される合弁会社への投融資を検討しているという。 

(後略) 

「JBICは日本の受注が決まれば、建造のために設立される合弁会社への投融資を検討しているという」とのことですが、検討もなにも、もう決定事項でしょう。 

(この案件がだめになったところで、JBICが武器輸出に投融資という道筋はできていると思います。武器輸出に意欲的で、米国と民主党・自民党とのパイプ役の有名役員がいますし、そもそも経済産業省にJBICも逆らえないので。) 

そうなったのなら、国際協力銀行は、1999年の日本輸出入銀行と海外経済協力基金(OECF)との統合(実質OECF吸収)後の名称から、「日本輸出入銀行」に戻した方がよさそうです。 

いずれにしても、旧日本輸出入銀行や旧OECFで働いてきた人、現在国際協力銀行で働いている人の多くは、「武器輸出」の為の仕事をしなければならなくなることを無念に思っていることでしょう。 

(お得意に武器の部品を作るように言われて悩む下請け、発注したメーカー、これらを取り次ぐ総合商社の社員たちにしても、自分達が武器に関わらなければならなくなったことにやるせなさを感じている人は多いと思います。) 

参考: 

原発テロを憂う? 実は武装化や武器輸出を目論んでいるのでは・・・
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/20043c76cbe3f0dc1809370be3aaef5c

グアムインフラ融資をめぐる迷走
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/217e06420f7c9fbffcbecfc0ef82f10e 

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ロンドン大学SOAS100周年イベントの動画

2016年02月22日 | R.Dore

昨年12月にロンドン大学SOASの100周年記念イベントのお知らせをしましたが、

Dulwich Boys and Beyond; 100 years of Japanese studies of SOAS University of London
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/74427243c3a7ab1fd9d07788c46dd6a0 )

そのイベントの動画を貼り付けます。 

Dulwich Boys and Beyond, 100 years of Japanese studies of SOAS University of London
https://www.youtube.com/watch?v=HMxb_my-HhM 

ロナルド・ドーア氏外の卒業生として、

ヒュー・コータッツィ元駐日英国大使
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%83%E3%83%84%E3%82%A3 

ロンドンモシモシ寿司の創設者でオーナーのキャロライン・ベネット氏
https://kotobank.jp/word/%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%AD%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3+%E3%83%99%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88-1686321

http://www.moshimoshi.co.uk/about.htm

などもパネリストとして参加しています。

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百年の悲劇はここから始まった-毒ガスを発明したフリッツ・ハーバーがいた時代と現代の共通点

2016年02月21日 | 人物

NHKの「新・映像の世紀」の第一回目を-
(アップしてくださった方に感謝。)

百年の悲劇はここから始まった〜「新・映像の世紀」〜
https://www.youtube.com/watch?v=f6KJ9WjUTtw 

毒ガスを発明したフリッツ・ハーバー(ドイツ系ユダヤ人。プロテスタントに改宗)と、化学を殺人兵器に利用することに反対し自殺したと言われている妻クララの逸話も入っています。

こちら、産業技術研究所のサイトをご参考まで。
(一言:産業技術研究所の方は表題の付け方にもう少し気を使った方がよかったかな、と思います。確かに「祖国の為に武器を開発していた上ノーベル化学賞を受賞したまでの化学者が、ユダヤ人だったから追放された」ということはフリッツ・ハーバーにとっては悲劇的でしたが、この表題は大量殺人兵器発明を肯定しているようにもとれて怖いです。)

産業技術研究所
愛国心を裏切られた男
フリッツ・ハーバー(1868年〜1934年)
https://staff.aist.go.jp/koji-abe/Scist/Harber/Harber.htm

フリッツ・ハーバーというと「ファウスト」を思い出します。

ゲーテで有名なこのお話の元は伝説ですが、実は20世紀も21世紀も現実に「メフィスト(悪魔)」が存在するのではないかと思えてしまいます。「ファウスト」は科学者・エンジニアだったり、企業だったり・・・。          

追記:
なお、今日2月21日(日)の21:00から5回目が放映されます。

 

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モンサントの遺伝子組み換え作物が2013年にブラジルで起こした問題・スペインとモンサント

2016年02月19日 | 武器輸出・TPP・モンサント・農薬

「小頭症」との関係を否定するモンサントと住友化学・マドリードのカモメ
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/2f1789df7c2006073e7f1a1865dbb8c9

の続きです。 

モンサントの遺伝子組み換え作物は「農薬を使わなくてよい優れた作物」と言って奨励している人達がいます。(例えば、池田信夫氏などが最近アゴラに書いていたようです。) 

彼らに何を言うのも自由で、反論するのも無駄ですが、知識人を気取るなら、遺伝子組み換え自体が「農薬」になっているということについてまで行きつく想像力も養ってほしいものです。

ブラジルだけをとっても、もう既にこんな問題を起こしていたのですね。
(この時使った殺虫剤もモンサント製でしょうね。しかし、どの地域でおこったんでしょう。)

ATJ
遺伝子組み換え何が問題か?
http://altertrade.jp/alternatives/gmo/gmoreasons

抜粋:

殺虫バクテリア耐性害虫の出現 

 現在の遺伝子組み換え農業でもっとも使われているのは前述した除草剤耐性遺伝子組み換えとここで問題にする害虫抵抗性遺伝子組み換えの2つがあります。この害虫抵抗性遺伝子組み換え作物では、土壌細菌のバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis:Bt菌)のBt遺伝子を使って、作物の中に特定の昆虫が食べると昆虫の腸を破壊するBt菌を生成します。

 このBt遺伝子組み換えは殺虫剤を撒かなくていい、と宣伝されました。しかし、除草剤耐性の遺伝子組み換えで雑草にも除草剤耐性がついてしまい、除草剤が効かなくなったように、この害虫抵抗性遺伝子組み換えの場合でもBt菌が効かない害虫(スーパー・ワーム、スーパー害虫)が出現しています。ブラジルではその結果、2013年には1000億円の被害が出て、ブラジル政府が承認していない殺虫剤を使ってコントロールしようとする事態となり、大きな問題となっています。

以下は、ブラジルの話ではなく、スペインとモンサントについて調べていた時に見つけたものですが、ご参考まで。 (Greenpeaceの記事には日本のことも・・・)

Greenpeace (2016年2月15日)
遺伝子組み換えマップ!GM食品をめぐる世界の状況
http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/blog/staff/gm/blog/55549/
 

国連大学(2014年1月27日)
なぜスペインは遺伝子組み換え作物の EU最大生産国なのか
By ポーラ・フェルナンデス・ウルフ
http://ourworld.unu.edu/jp/why-and-how-spain-became-the-eus-top-grower-of-gmos

 国連大学(2010年7月8日)
モンサント社なしで世界を養う方法は?
エープリル・ダヴィラ
http://ourworld.unu.edu/jp/can-we-feed-our-world-without-monsanto 

ところで、今回のジカ熱の流行を受けて、コロンビアやホンジュラスでグッピー等の小魚を使ったり、オリセットネットではない普通の蚊帳を妊婦がいる家庭に配ったりするなどして、化学物質を使わない方法でのボウフラ対策に乗り出しました。 

水のなかに銅を入れることでも、イオン効果でボウフラを殺せますし、昔ながらの薬草を使った蚊取り線香を使うのでも効果があると思います。 

そして、一番はシンガポールなみに、ボウフラがわきそうな水たまりを作らせないような厳しいルールを作ること。 

モンサントや住友化学の製品より、間違いなく、昔ながらの知恵の方が安全性は高いでしょう。効率も、長い目でみればこちらに軍配が上がるような気がします。 

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『戦争のつくりかた』に対するティムさんの感想

2016年02月18日 | Peace

昨夜アメリカ人の友人ティムさんが、『戦争のつくりかた』の動画のリンクと感想を送ってきてくれました。
全文貼り付けさせてもらいます。 

Hi Yukari, 

I came across this on my morning scan of Japanese links and thought I would forward it on to you. 

「戦争のつくりかた」アニメーションプロジェクト-What Happens Before War?-
https://www.youtube.com/watch?v=cUGu73hnjdY
 

http://noddin.jp/war/ 

The audience seems to be children and young adults.  I like it, but feel it is incomplete. 

It really doesn't make clear the Japan didn't "select" peace it was "imposed" upon it.  Further, while mutually agreed, it fails to mention the protection Japan receives from the US (and others in the West) that in many ways helps make such a position possible in the first place. 

Of course, you already know how I feel about this. I just wish this site provided a more complete analysis of the issues.

Enjoy your week! 

Regards,

Tim 

ティムさんはこの動画に好意的ではあるものの、この動画は不完全であると言います。 

彼は、「日本が平和(不戦、平和国憲法)を選んだのではなく、それを義務として負わされたものだったし、日本は米国(他西側諸国)によって守れらて来たからこそ、今の日本でいられる」という点について触れるべきであると考えているようです。 

前者について私は、たとえ平和が「米国から押し付けられたもの」であったとしても、何十年もそれを大切に守り続けてきたのですから、「日本人は平和を選んできた」と言ってもよいと思います。 

(植民地では旧宗主国がキリスト教を押し付けたときはそれに反発をする人が多くいましたが、戦後の日本では米国から受けた「平和」について反発する人はほとんどいませんでした。
また、押し付けられたキリスト教をそのまま大切にする旧植民地の人達に対して、ティムさんも、「もともと押し付けられた宗教」とは思いもしないでしょう。)

後者について、日米同盟(米国の核、日本の米軍基地)のもとに日本の平和があったかどうかは、私には判断ができないです。 

また、ティムさんは触れていませんでしたが、日本の今があるのは、朝鮮戦争やベトナム戦争の特需があったことが大きく関係するし、中東の混乱(これも大元は欧米が作り出したものですが、)があっても一応石油を手に入れられてきたということ、また、米国への『思いやり予算』が他国への軍事力行使にも使われたということもあるでしょう。それは間接的には日本も戦争にはイノセントではなかったということ。 

(ただし、現在のように、大っぴらに武器輸出に力を入れるなんてことは、当時の日本はなかったです。武器輸出をして戦闘員を出さない国はないと思いますので、この武器輸出が本当に危険だと思います。) 

そういう意味では、「戦争の作り方」の動画を見ると同時に、過去の日本の暗部とその反省、今後の日本がとるべき道について考えさせるような部分もあったらよかったのではないか、ともいえるかもしれません。 

とはいえ、私は(おそらくティムさんも)この動画は多くの人が見るべきものだと思っています。

ついでに一言: 

今までブラジルの小頭症の話をずっと書いてきていますが、小頭症の原因となったもののなかには、原爆や、モンサントが作った枯葉剤があります。そして、現在の戦争は、武器の実験も含めて、大きな環境汚染を起こし、地球温暖化、生態系の影響を与えています。 

軍事費に費やすお金を減らして、その分インフラ整備や教育に回していれば、ブラジルの蚊も(ピリプロキシフェンやGMモスキート等不完全で逆に害になりそうなものなど使わずとも)大量発生はしなかったでしょう。

戦争は間違いなく「人類、地球の敵」です。

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